バロックよりもあこやを好む、イミテーションはあくまでシーンの使い分け、などから知る日本人のジュエリーに対する趣味嗜好【1266】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

日本生まれの「あこや真珠」。

真ん丸の美しさが整然としており、高級の証。

そんな整ったお品を好むところに日本人の特徴があるようです。

今回は、真珠と地金との両方で、これまで日本人が好んできたその国民性のようなところを実際の趣味嗜好から見ていきたいと思います。

本などの情報と自身の考え方をミックスした情報としてこのたびの記事を書いてまいります。

バロック真珠はここ最近でこそ受け入れられてきたが、あこや真珠の整然さを好みとする日本人

意外なことなのですが、あこや真珠というのは、素材は天然の貝ですが、手法としては実は人工です。

あえて、真ん丸に出来上がるように細工をした手間のかかった養殖の1つ。

それでも、本物である地位を築かれたことが「偉業」であると思われます。

考え方1つで、淡水真珠のいびつさがかえって手を加えていないそのままの価値であるともとれます。

ただ、やはり、その手間の苦労と出来上がったあまりの美しさが評価されていると思えます。

日本人というのは、そんな背景からかは分かりませんが、とても正配列に対して好む傾向があるようです。

あこや真珠の真ん丸の整然さは、バロック真珠のいびつな不定型よりも価値が認められているようです。

ヨーロッパの方ではバロック真珠の価値が高いようなので、その文化の違い、趣味嗜好の違いが感じられる一面です。

また、真珠に関してはもう1点日本人らしい傾向があるとのこと。

イミテーション真珠に関しては、イミテーションと分かったうえでそういった使い方持ち方をするということです。

ここには、私も全く同感しました。

イミテーションにはそもそも価値がないことを認め、あえて重要ではないカジュアルなシーンに使い分けをするためのジュエリーとしてとらえることです。

間違っても、イミテーションだけを真珠として持ち備えるのではなく、奥には立派なここぞというシーンの本物がひっそりとたたずんでいるということなのです。

「私も紛れもない日本人なのだ」と実感するほどの情報でした。

ただ、このことを、過去のYOUTUBE動画でお話してもなかなか理解されず、「なぜわざわざ悪い物を持つのだ、せっかく出かけていくのだから良い物を身に着けたらよいではないか」というご意見が印象的でした。

比較的若い年代の方なのだと予想します。

真珠をフォーマルジュエリーとしてメインに考える時代というのは、「昭和」だと思いますので、私も立派な昭和の一員です。

しかし、その後の平成生まれなどの方によって、もっと新しい真珠に対する考え方が生まれているのかもしれません。

現在であると、いよいよ男性もTシャツに小粒の真珠ネックレスを装う方を頻繁に見かけるようにまでなりました。

ついに、真珠が性別の垣根を超え、ジェンダーレス化に溶け込んだことがうかがえます。

日本人は18金やプラチナ重視、欧米では10金などの方が多く受け入れられているその趣味嗜好の違い

戦前、日本へプラチナという素材とともに、その加工技術も持ち込まれた歴史があるようです。

主なプラチナの調達先がロシアだったと。

ロシア革命の1917年頃からは、プラチナが入手困難になった時期があり、その代わりに同じシルバー色のK18WGが登場したもよう。

K18WGの正体は、K18YGだということにハッと驚かれるかもしれません。

もともと黄色い色のあのゴールドがベース。

75%の残りの25%の割金にシルバー色に寄った割金を多く混ぜるのか、そうでもないのか、とにかく、最後に表面にロジウムメッキを施すことで、プラチナに良い勝負を挑むあのホワイトゴールドが出来ていくようです。

しかし、マニア様の中には、メッキをしている時点で本物とは呼び難いと、ホワイトゴールドを嫌う人も一定数いらっしゃるようです。

そういった方は、純粋に元からシルバー色をしているプラチナを好まれると思います。

現在は、ジュエリーの中では、プラチナもそこそこ見つかりますので、K18WGなのかPTなのかを選ぶことができるわけですね。

話は戻しますが、そんなプラチナとダイヤモンドコンビのジュエリーと接してきた日本人というのは、実は海外から見ると特徴があるようです。

プラチナをジュエリーとして持つ文化は日本人特有だということもとても興味深いですね。

そして、日本人は、ジュエリーとしては丈夫さ追求の為少しは割金が入っている中でもマックスの18金を重視します。

ところが、ヨーロッパやアメリカだと、10金という24金の割合が非常に少ないタイプがメインのようで、随分と違った趣味嗜好なのです。

インドだと24金が一番と考えられるらしいのですが、黄色味が強くとてもエキゾチックなイメージですね。

ただ、24金は割金無しなので、柔らかすぎて、ジュエリーとしては変形や破損が多く決して良質のまま持ち続けることはクエスチョン(?)です。

ですから18金の意味はとても深いのです。

何か、長持ちするようなお品を追求する日本ならではな趣味嗜好ともとれまして、私は大いに感動しております。

ところで、最後にK18WGとプラチナの違いについての私の見方をお伝えしたいと思います。

色々な見た目の色の表現の仕方があるみたいですが、多くのジュエリーの完成品を見た私からするとK18WGは暗いです。

PT850やPT900は白っぽいというのが私が一言で言い表す違いになります。

プラチナの良さはそんな白っぽさに魅力があると思っていまして、ここ数年は、これまでイエローゴールド好きであった好みが一気にプラチナに変わった私です。

大きくは、金色よりも銀色の方があっさりしているし、ストーンとの相性良いなあと思うようになりました。

あとがき

レンタルジュエリー事業をさせていただいている私でありますが、お客様とのお取引の中で見る趣味嗜好というのがあります。

そうしますと、本に書いてあったようなこの度1点目に取り上げました真珠に関しては、実は人気がありません。

特に白いあこやはもうこの先は高級品としては考えられにくいところに来たこともあると思います。

それは、真珠をお出かけで身に着けるというものではなく、カジュアルに寄った「ストリートファッション」に取り入れられたアイテムなったからです。

レンタルも簡単に入手できる商品よりも、入手困難なお品を借りたいと思われるかと思います。

よって、白い真珠はレンタルとしては価値がないのです。

今回取り上げました真珠で現在レンタルジュエリーのラインナップに残っているのは、たった1つ「大粒の南洋真珠」のみになります。

マルチカラーが美しく、現在の真珠の中での人気はこれがダントツではないでしょうか。

一方、18金やプラチナは、近年の地金の高騰でダイヤモンドと組み合わせると最強になっているようです。

現在のジュエリー好きな方々の中にある趣味嗜好をこの事業が教えてくれます。

大変勉強になり、かつてはダイヤモンドをそれほど好まなかった私がかなりダイヤモンドにも目を向けるようになりました。

書けば書くほどいろいろお伝えしたいことも出てきてしまいますので、ここで終わります。

また、別の投稿でジュエリーについては、お話させていただきたいと思います(^-^)。

フェイクパールと本真珠を見分ける確実な2点のご紹介【692】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

レンタルジュエリーの事業をさせていただいております。

picturesqueのレンタルジュエリーにも真珠のセットが10セット程あります。

その中には、フェイクパールというのは1アイテムさえ入れていません。

すべて本真珠になります。

ここ最近思うのは、真珠の採取高が少ないのかな、、、ということ。

そして、古き良きお品である真珠も以前より見つけにくくなったことです。

しかし、真珠というのは、冠婚葬祭に定番のジュエリーですので、必ずニーズは一定にあったりするので、人気というかそれを求める人というのは、この世にセレモニーがある限り不動のものだと思います。

今回、素敵なデザインのパールブレスを入手しまして、それを例に、本真珠の見分け方をつかんだことで、早速、その決め手の点を2点のみの確実な点でご紹介したいと思います。

いろんな可能性がある中、これが確実といった2点の見どころ

本真珠の見分け方につきましては、真珠をお取り扱いされているプロの宝石商の方々がたっくさんYOUTUBEなどでその見分け方を発信されています。

私もいくつか参考にさせていただき、視聴させていただきました。

どうもありがとうございます<m(__)m>。

そのいくつかの見分け方のコツの中には、こうだと本真珠の可能性が高いというものもあれば、確実であるというのが混在しています。

そこで、宝石鑑定の資格などを一切持っていない私が、ただただ真珠が好きでたくさんの真珠を見て、持ってきた経験も含めて、今回決定的になった2点のみをお伝えします。

こちらの下の写真、実は、本真珠ではないブレスレットになります。

購入させていただいた販売者様も全く分からないということで事前情報はありません。

自分の目で見て判断することになりました。大変良い機会を得たということになります。

デザイン性が凝ったパールブレス:最終的な私の判断は本真珠ではありませんでした。ただ、貝パールの可能性はあります。

まず、1点は、「重さ」です。同じくらいのボリュームの本真珠と比べてはるかに軽い。

比べなかったとしても、ずっしりとした重工感が本真珠にはあるものです。

そう考えたときに軽いということを感じました。

ただ、このブレス。かなりその辺りが良く考えられています。

重さをアップするためと思われる、クラスプのパールの飾りの数が8個もあります。

このことは裏を返せば、本真珠にはせいぜい1粒を真ん中に飾る程度の飾りであるということ。

ただ、それは可能性の範囲内なので、今回の決めての2点には入りません。

そして、2点目です。

真珠をこすり合わせたときの、ざらざら感や引っ掛かり、これがあるのが本真珠だというのです。

このブレスは、ツルツルでしたが、手持ちの本真珠はどれもこれとは異なるざらざら感、引っかかり感がしっかり感じられました。

ということで、①重みがあることと、②こすり合わせたときのざらざら感、引っかか感があることこの2点が確実性の高い決め手だと私は思いました。

よく見分けるポイントの中に出てくる、SILVERの刻印がクラスプにあるというのも、あてにはなりませんでした。

このブレスにはしっかりと刻印があったからです。

もし、もう1点い決め手となる点を入れるとすると、珠の穴のくり抜き具合が、綺麗にくり抜かれているか、割れたりいびつだったりしていないか、この綺麗な方が本真珠だとのこと。

これは、すべての穴がいびつだったり、ヒビが入っていたりしたのを見ました。

しかし、比べる相手の本真珠の方が、ぎゅっとしっかりとつなげて間にクッションも入っていたので無理矢理引っ張ることをしたくなくて、比べておりませんので、今回③には入れませんでしたが、これもおそらく大きな決め手になるかと思います。

②のこすり合わせも強くやるとキズの原因なので、優しくやるということが注意点です。

易しくこするだけで分かりますので。

あとがき

と、こんな感じで、鑑定士でもない私が、この2点は確実に見分けられる点だと思った本真珠の見抜き方でした。

とても嬉しかったです。

本当は、このブレスも本真珠であれば嬉しいところですが、そうそう、この様相で本真珠が見つけられるということはないということですね。

このフェイクパールのブレスは、実は、珠の糸が切れていますので、自分でつなぎ直して、コスチュームジュエリーのように、自分使いをしていこうかと思います。

今まで、真珠が好きで、とにかく本真珠ということで、本真珠ばかりを見てきました。

そうすると、見分け方という点では疎かったと思うんです。

やはり、その反対のフェイクパールも手にしてみて、見比べてその違いがどの点なのかなどを研究したことが一切なかったので、本真珠を持ちながら見分ける力はなかったのですね。

けれども今回とても良い学びになりまして、今後はしっかり見分けていけそうです。

そして、フェイクパールであっても、今回のようにすぐに本真珠ではないと見抜けないほどの良い作りの物も多いということです。ちゃんとシルバークラスプが立派に据えられて、オシャレ度も高い。

珠の間に糸の結び目も丁寧に入れられて手間がかけられたお品なのです。

ということで、コスチュームジュエリーと言えども、良い作りであるというところは見どころであると思いました。

素材が天然であればそれは良いお品だという判断がいかに簡単すぎる判断であるかということを考えさせられる今回の経験でした。

金属アレルギー対策に重点を置くあまり迫力の無くなったパールネックレスを再びフラワーデザインのシルバークラスプに戻した経緯【539】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

シルバークラスプは真珠の証(あかし)みたいな意味があるパーツだと思います。

時には華やかで、クラスプ自体にデザイン性があって集めている人に出会ったこともあります。

シルバークラスプも「SILVER」の刻印があり、これは925が付いていなくてもシルバー925である証ということで本来は良いです。

シルバー925は、925ともSILVERとも、SV925とも刻印されてどれも同一。

金属アレルギーは、特に銀がよく影響があるようで、自身も銀に対して一番首のネックレスに対して反応しているみたいです。

よって、925の銀製は本当はタブーなのです。

それでもジュエリーを身に付けたいと、過去にある工夫をすることに決めたことがあります。

留め具をステンレスに変えるということをしたのです。

ただ、ステンレス製ではなかなかクラスプ型にはならず、ほとんど存在していませんでして、ダルマ板と引き輪になったのです。

あのカチャッとはめ込むクラスプの作用の場合、弾力性のある柔らかい地金でないといけないのです。

そうしてシルバー925がダントツの柔軟性を持つということで必ず真珠にはシルバークラスプが留め具に使われます。

当然ながら、ハードなステンレスの登場する余地がありません。

ダルマ板と引き輪がステンレス、つぶし玉だけきちんとつぶれるシルバー925で作っていたという素材不ぞろいの状態が今回のリフォームの「before」になります。

これの「after」の行方をどうぞ一緒に追っていきましょう。

ダルマ板と引き輪がお花のシルバークラスプへ変わるその変身ぶり

このように、ダルマ板と引き輪で留まっています。チェーン状なので特にこれでも問題はないですが、少し平凡。
素材は不ぞろいで、左右の端のつぶし玉のみ925、真ん中の引き輪とダルマ板はステンレス。素材が不統一です。
そして、このように二重花のシルバークラスプに付け替え。細かい小さなパーツもすべてシルバー925製。
ペンダントトップには素敵な編み込みのスクエアモチーフを。長さは50cm程のミドル。

ところで、このペンダントトップのバチカン用にしている丸カンはステンレスのままでいきます。

理由は、色の変色がないので、このままの方が見栄えが良いという理由です。

シルバー925はどうしても変色します。

また、このような細くて強靭なのはステンレスならではの丸カンなのです。

クラスプは、ロジウムメッキと呼ばれるホワイトゴールドにほどこされるメッキと同じものが塗られています。

これが、シルバークラスプの場合なかなかはがれません。

使う頻度が真珠なので多くはないこともあるのですが、もしかして、厚みのあるメッキになっているのかも。。

どうでしょうかね。このことが詳しく分かりませんが、今までシルバークラスプが変色してどうこうなったお品も見たことがないですので、よほど水に当たったりして毎日使うようなお品でない限り簡単にははがれてこないと思います。

よってロジウムメッキのおかげでシルバーに対して直接肌が当たらなくしてくれているこのクラスプの護衛は金アレの者にとってはありがたい存在です。

あとがき

シルバークラスプの方がお品がぐんと高級感が出ると思います。

留め具のほんのわずかな箇所なのに、こんなにも大きな存在なのです。

金属アレルギー対策もしたいのですが、本来の美しい姿が変わってしまったことを再び改良したというこの心理は紛れもなく実直な感想だったのです。

工夫としては、首に直接触れないためにタートルの時の専用にするとか、暑い夏は避けるということがあるかと思います。

金属アレルギー用にすべてをステンレスにしてしまってはジュエリーの見た目の迫力や美しさも半減。

なんとか支障のない取り入れ方を今後も考えていきたいと思います。

仰々しさを解消し連のつなげ方を変えるアレンジもある、昭和のヴィンテージあこや真珠ネックレスを新しい形で活かし出番を増やす方法【299】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「本物志向のレンタルジュエリー」という事業をさせていただいております。

ネックレス(ペンダント)、ブレス(バングル)、リングの3アイテムを1セットにまとめてジュエリーのみのコーデをあらかじめ完了、雰囲気を作ったお洋服に合わせやすいセット組としています。

その中には、過去には真珠も多く何割かを占めているほどでした。

ただ、レンタルとしての価値は真珠があまりに低く、ショックを受けた現実がありました。

これも実際にレンタル事業をやってみて分かったことでした。

随分自身の好みとの距離を感じ、より一層元のコレクションの感覚から抜け出すきっかけになりました。

当然お客様の意向を取り入れることが優先なので自身も納得の上、お手入れしにくいデリケート過ぎる割には地金部分の少ない真珠は廃止へ。

それでも自身は実は真珠の大ファン。

ということで、今後できることもあります。

真珠の装い方をご対案することなど、役割の末端ながらも真珠に関わって行ければと思っております。

あこや真珠については、天然と人工の部分が良いバランスで融合した素晴らしいお品物。

そんな真ん丸な形をしたかわいいあこや真珠について、このたび新たに知ることとなった知識と歴史をご紹介し、フォーマルだけのイメージが根強かったあこや真珠に対する新しい向き合い方をお伝えできればと思います。

あこや真珠は日本人が生み出した養殖技術で作られるもの

真珠と言えば、かの有名な「ミキモト」様や「タサキ」様が思い浮かぶかと思います。

社名である「ミキモト」というネーミングは、人の苗字そのまま「御木本幸吉」様のことです。

まだ、真珠が高価な希少性が高すぎて気軽に一般の人々が持てなかった時代に、養殖技術によって、たくさんのしかも形の整った宝飾品を作れるようになったことに貢献し、その後あこや真珠が多くの人に広がっていきます。

現在真珠をジュエリーとして装うことに関してはあまり盛り上がっているとは言えないものの、一部では真珠ファンは健在であると思いますしクラシックなアイテムです。

このたび、1冊の本を拝読。

あこや真珠について、特に真珠がどのように出来上がるかというなかなか私達が分かりにくいような構造を知りました。

「真珠 美の壺 著者:***:NHK出版」。

もともとこの本は、美の壺というNHKのテレビ番組が元なのです。

実は、この番組が開始の2006年当初よく見ておりました番組で、VHSビデオ録画をしていました。

こういった芸術系の番組は堅いイメージですが、この美の壺は、雰囲気が刷新され、身近に芸術を感じられるような番組でした。

現在ももしかして番組は続行中なのかもしれませんが、テレビを見なくなった私は現在は見ることはありません。

ところで、あこや真珠の真ん丸についてですが、あれは、もともとあの真ん丸に出来上がるのではなく、技術として真ん丸に仕上げる工程があってのもの。

そのことはぼんやり知っていたものの、具体的にはよく分かっていませんでした。

まずは、自然に何も手を加えずに出来上がる真珠の出来方をまず理解するところが近道です。

真珠はある意味、奇跡的な生物であると言えます。

貝の性質とか働きとして、持ち備えた貝殻を作ろうとする働きというところがポイント。

貝には「外套膜(がいとうまく)」という物体を覆う役割の膜を持っていて、外部から虫とか異物が混入することがたまにある時に、貝の隙間から中へ入ることがあるとのこと。

その時、貝の身は、「あ、何か来た!」と反応。

そして、持ち備えている物体を覆う外套膜を使って真珠袋という袋を形成。

つまり、貝殻を作ると同じように、混入物にも貝殻を作ろうとするのだそう。

それが真珠の正体です。

その自然構造で出来上がった真珠が真ん丸になることはめったにないわけです。

ぐちゃぐちゃの形だったり、整ったものではない。

それを創業者の御木本様が、よく研究の末真ん丸に出来上がることを目標に養殖という、人間がお手伝いする形で整った形状を実現。

自然に出来上がる異物混入と同じことを、綺麗な形状に出来上がるように人間が手を加えることの価値があります。

実際のやり方などは、真珠専門店様のブログなどに書かれていまして、どうぞプロの説明をご一読されることをお勧めしますね。

経年のビンテージあこや真珠を今着る洋服に取り入れる例

ただ、こうして、手間がかけられた美しいあこや真珠も昭和の時代に作られたものが、しっかりお手入れされなかったりすると、令和の現在では、黄ばんだり、キズなどで、質が低下したものになっていることがあります。

慶事や、弔事には、そういった黄ばみなどのあるものはなかなか気が進みませんので、やはり、真っ白な綺麗な物を付けたいと思います。

けれども、普段使いの気軽に少しだけお出かけだったり、通勤だったり、カジュアルな着こなしのアクセサリーに使う真珠は、もっと質が落ちていてもそれがかえって気軽で使い勝手が良い物です。

ということで、あこや真珠であっても、質を見分けて、シーンで使い分けるということが私のお勧めする使い方になります。

あこや真珠のネックレス:普段使いっぽく、小さなあこやも間に入れてつなげてテグスで気軽に通したもの。

このネックレスは、もう真珠自体が保管やお手入れが悪く、汗やらなにやらで質の悪いものになってしまったので残念ですが、それでも、あこや真珠という価値は変わらず健在。

留め具も質をシルバークラスプからぐんと落として、ステンレスのダルマ板やカニカンに交換。

元の豪華な作りの良いクラスプは、高級な程度の良い真珠のネックレスへ付け替えて使ったりしました。

この留め具がなじみのあるダルマ板やカニカンであることだけでも普段使いの証となります。

見る人が見ると、あこや真珠の価値を分かってくれて、カジュアルなあこや真珠の使い方を理解してもらえそう。

ということで、このような古いビンテージ物のあこや真珠の使い方のご提案でした。

シルバー925は留め具のほんのわずかな部分でも金属アレルギーに影響があるもの。

ステンレスの留め具に変えて、最大限の対応をしてみたのでした。

ロングネックレスを自作:色の悪い良質ではない「あこや」だけをあえて集めたネックレスx3本分ほどの長さ。

ロングの真珠がピカピカだと大変近づきにくいフォーマル色が高まります。

そしてお値段もとても高価。

それよりも、気軽にジーンズにさえ装えるようなロングあこやネックレスを自作。

しかもヴィンテージの古い黄ばんだようなものがかえって良いのです。

同じような少し傷んだようなものをロングにつなぎ合わせれば、自主的にリフォームが完成。

留め具のやり方だけはそれぞれ学ばねばなりませんが、動画で分かりやすい説明もあり、自身も最初知識ゼロからのスタートで連物だけは作れるようになったのです。

あとがき

日本人は、真珠をそのまま連の粒がそろったままネックレスという使い方を好むようで、ジュエリーとしての使い方が主流ですが、ヨーロッパの人々は、芸術品のように飾りなどにすることも多いそうです。

文化とかお国柄の違いがあるようです。

今後は、ネックレスなどの身に着けるアクセサリーからもっといろいろな使い方に拡張していく余地がまだまだあるようです。

それに加えて、かつては女性だけのアイテムのように扱われた真珠ネックレスも今や、男性も何ら躊躇なく身に着けるところへも広がりを見せている様子です。

せっかくのあこや真珠という日本生まれの古き良き産物、新しい使い方や、新しい使い手に広がることが期待されます。

真珠のコーデも、エレガントなイメージがまだまだ強いですが、カジュアルな真珠のコーデというものが、かつてのフォーマル一辺倒とのギャップが感じられ新鮮です。

そんなコーデの例なども今後お伝えしてまいりたいと思います(^-^)。

「南洋真珠」と言えばこの人気のマルチカラー大粒ネックレス、余計な色は加えない、グレーイッシュなカラーのままを壊さない【411】

まえがき

こんちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

真珠の中でも女王のような存在の「南洋真珠」。

人気が高いのは、カラーの展開のマルチカラーが真っ白や真っ黒よりかえって中和されお洋服に合わせやすいからでしょうか。

このたびは、大粒の文句なし、「南洋真珠」の典型的なイメージのネックレスを中心とした3点セットをご紹介したいと思います。

美しくうっとりするような大粒の美しさ、是非ご覧くださいませ(^-^)。

「無彩色」「グレーイッシュ」であることの美しさはそのまま余計なカラーを加えないことで最大限活かされる

何度か足を運び決断した2015年くらいに入手の「南洋真珠」ネックレスです。

その後、この潔さ、思いっきり感を上回るものに出会わず、当時の出会いのタイミングに感謝。

全体に12-15mmの大粒でボリューム感たっぷりです。

〇ネックレス:「南洋真珠」の典型的なイメージの大粒ネックレス。12-15mm珠のマルチカラー。42cm。

ゴールドも入るところに天然色ながらの調和があります。

実はどれ1つとして全く同じカラーは無いのかも。。少しずつ濃淡がある様子が見られます。

〇ブレスレット:特に強い色のグレーを入れていない控えめな色味のマルチカラー。珠は7mm、4mm、2mm。

ネックレスを主役に、「そばにお供する役割」のような位置付けとした、自作のブレスレットです。

薄グレーと薄ゴールド珠のコンビ。

〇リング:PT900台の黒蝶貝と白蝶貝の10mm程度の大粒ダブルリング。サイズは13号程度。

こちらもリングに使われる真珠としては大粒です。

ダブルリングデザインであることが、より一層思いっきりの良さを感じます。

3点セット:もうこれ以外考えられないというほどの渾身の寄せ集めアイテムばかりです。

動画や映像で拝見する世界の「政治家」様達のネックレスを見ることがありますが、「南洋真珠」も拝見することがあります。

スーツ姿にもマッチするのですね。

それでも、真っ白や真っ黒一色よりもどこか柔らかい印象である所が「南洋真珠のマルチカラー」の付けやすさの魅力でしょうか。

あとがき

せっかくの「グレーイッシュ」「無彩色」の魅力を活かすには、あえてコントラストの無いお洋服に合わせるのがよろしいかと。

グレーの濃淡などは非常にマッチするお洋服のカラーの1つだと思います。

こうした「渋さ」が「美しい」と映るということがすごく素敵だと考えています。

明るく華やかな部分ではない、「陰」の部分の素敵さがあるのではないでしょうか。

こういった「深み」も「本物志向のレンタルジュエリー」でご提案して行ければと思います。

どうぞ、ご注目いただければと思います(^-^)。

あこや真珠ネックレスがクラシックな40cm丈よりも長い「マチネ」、このことで何が変わるのかのまとめ【417】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ネックレスの長さがどうであれ、装う者の自由。

しかし、フォーマルなシーンではある程度決め事があり、長さが違うと「場違い」などと思われかねないので、基本的な知識としては「長さとシーンの関係」を学んでおいた方が良いと思います。

このたびは、自身もここで同時に学びます共有スタイルで、あこや真珠の「マチネ:中間的な50-60cm丈のこと」の3点セットをご覧いただきながら、相応しいシーンと長さの関係をお伝えしたいと思います。

54cm丈のあこや真珠のネックレスは、セレモニーには不可か!?

もう最初に答えを綴ってしまいます。

お葬式、結婚式の慶弔関わらず、フォーマルシーンでは、決まって「プリンセスレングス:40-45cm」が「マナー」であるとのこと。

やはり、形式的な硬い場面では、慶弔問わずすっきりとした短めレングスが望ましいということです。

とはいえ、チョーカーのような短さも極端であり、ゆとりのある「プリンセス」ということになるのです。

このたびご紹介しますのは、そんな常識やしきたりを逸脱した長さの54cmという「マチネ:50-60cm」のあこや真珠ネックレスを中心としたセットの活用できそうなシーンを考えた「抜け感」の入った組み合わせです。

しかも粒が珠の違いで交互に大小差のあるカジュアルな雰囲気も入っているネックレスです。

慶弔以外に使えるシーンが本当にあるのでしょうか。

そのポテンシャルを考えていきます。

〇ネックレス:あこや真珠の5-6mmを交互に配置した作り。長さは54cm。
〇ブレスレット:7mm程度のあこや真珠。シルバークラスプは、ネックレスとお揃いの薔薇の彫り。
〇リング:  珠が8mm程度のシルバー925台のダブルリング。お花のつぼみに見立てた、弁が特徴。13号程度。
3点セット:普遍的な一連ながら、ネックレスの珠の大小に強弱が付き、リングもダブルリングとややアクティブ。

このセットは、形式ばったフォーマルさからの逸脱であり、本来整った真珠に「抜け感」を程よく入れ込んだものになります。

ホームパーティー、行事、催し物への参加などのシーンに気軽に装える有難いテイストとして仕上げました。

ある程度エレガントには装って参加したいものの、硬いイメージは窮屈でかえって引け目を感じることになるのも残念です。

そうしたシーンを細かく区別した本来の常識的な付け方を打ち破ったものになります。

あとがき

子供様の学校の催しなら、むしろこのたびくらいのものが良いでしょう。

現在では、Tシャツに真珠ネックレスを付けるというほどの真珠の活用シーンが広がっています。

そして、女性特有のジュエリーであった過去をうっかり忘れそうなほど、男性もこぞって真珠を手にするようになったのです。

今後、特に形の整った高級ラインの「あこや真珠」は新しいものだと高嶺の花的存在になってしまう製造の事情があるようです。

それならば、新品ではなくても、過去の比較的状態の良い中古品も良し、淡水真珠の技術改良後の真ん丸にとてつもなく近い整った粒のものなどをうまく選りすぐるも良し、素敵にコスパ良く真珠を付けて下さいませ。

あまりに高価過ぎるジュエリーではその心配に気を取られて本来の目的に集中できないです。

大切な本来の行事優先の、それでいてレベルの良い真珠ジュエリーを見極める1つのヒントになれば光栄でございます(^-^)。

「真珠マニア」様向けのご提案、かしこまらないイベントやパーティーに有効な18金のステーションパールの活かし方【421】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

18金ジュエリーを集め始めた頃の最初の頃、2000年辺りでしょうか。。ある時素敵なネックレスに出会います。

後に流行のような形になっていく「ステーションネックレス」と呼ばれるもの。

停車駅のように、真珠が配置され、線路に見立てるのは18金イエローゴールドのチェーン。

出会った時点ですでに昔のものなので、地金使いが丈夫でした。

一目惚れをし購入。

そしてあれから20年。

2020年夏に「本物志向のレンタルジュエリー」を開始。

開始当時のラインナップに並んだこの過去に見つけたステーションネックレスには、いつの間にか仲間のブレスやリングも決まっていました。

このたびは、ステーション真珠ネックレスをいかに素敵に装うかを、決してネックレス1点だけの素敵さに依存しない、他のアイテムも充実した視点を持ちながら組み合わせていく方法のようなことをご紹介致します。

〇ネックレス:K18YG製のラウンドチェーンに7mm程度のあこや真珠がステーション状に9粒設置。長さ58cm。

長さが40-45cm周辺の「プリンセスレングス」ではない「マチネ:50-60cm」であるところも、格式ばったフォーマル一辺倒の真珠コーデに新しい息吹を吹き込みます。

それでもこの品物は、2000年時点で古い物だったのです。

〇ブレスレット:ネックレスと同じステーション仕立て。K18YGのあずきチェーンに8粒の7mmのあこや真珠。 

その後にステーションネックレスに合うようにと、2015年くらいに入手の物です。

レンタルジュエリーを始める前から組み合わせてセットにまとめることをしながら集めていましたので、まさにそんな様子の分かる1品です。

〇リング:左は、K18YG台のマヴェパールと呼ばれる大粒珠。13号。 右はピンキーリングっぽいデザイン。14号。

リング2個の意味としまして、象徴的なマヴェと、他のアイテムとの歩調を合わせるべく真珠が複数であることにも意識したものになります。

4点セット:リングが2個という攻めたもの。ネックレスのみよりもはるかにネックレスが主役になります。

ここから1年後には、このような展開もありました↓。

2セット分の真珠と18金コンビのジュエリーセット。元ある右に、左側も切り口を変えた組み合わせです。

この多数の集まりのセットは、別の記事【423】で詳しく綴らせていただきますので、この後是非お立ち寄りどうぞ。

左側はベビーパールを徹底的に集めたというこだわりがあります。

左右で比べると面白いですね。

同じような感じながら、別物だと思えてきます。

バラバラで考えるよりも、早い段階で組み合わせておくということの「分かりやすさ」があるのです。

分かりやすければお洋服には合わせやすくなるというわけです。

あとがき

その後なのですが、まずは真珠の連物のラインナップが当「本物志向のレンタルジュエリー」から廃止。

そして、「真珠」自体もK18YGの組み合わせであっても、廃止しました。

真珠の「はかなき運命・・・傷みやすくお手入れしにくい」のようなものがどう努力しても払拭できず、レンタルからは廃止ということに。。

それでも装うためのご提案などはこうして記録に残しました。

どうぞ、個人で集める範囲を超えたものにレンタルをご検討下さいませ(^-^)。

何と美しいのであろう、オーロラが混じりまるで海の水面のような「ライトブルーグレー」のあこや真珠ジュエリーのまとめ方【425】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジュエリーは、またとない1点物のようなアイテムも多く、互いに相性の良いジュエリー同士が見つかった際にはセットアップスーツのようにまとめておくことをお勧めしたいです。

このたびは、あこや真珠のブルーグレー色が天然カラーである3セットの集結をお届けしたいと思います。

いかに世の中に出回っている「グレーで天然真珠です」と謳われている真珠が実は「染色」であるものが多いのかということです。

単純な見分け方としましては、パッと見て、一般的なねずみ色と呼ばれるような鉄色のグレーの場合、あれだけの珠の数が配置の一連物のネックレスは間違いなく染色です。

あのような色の天然でできた色であればおそらくかなりの高額ですし一般的な入手が難しいと言えるかと。

ただ、難しいのが、1粒くらいは混じるマルチカラーの中に存在することは可能だと思いますので、「間違いなく」というのも「9割」ということにしておいた方が良いかもしれません。

では、ねずみ色のような色ではないオーロラが混じるグレーはどんな色なのかということですが、このたびは、その色だけの集結のセットがございますので、じっくりと見ていただければと思います。

見る角度によってグリーンにもブルーにも、そしてピンクにも映る天然らしさこそが価値

〇ネックレス:全体が薄いブルーグレー色のあこや。珠のサイズは7mm程度。43cm。

よく考えがちな「均一感=整っている=良質」という考え方とは違い、不ぞろいなカラーであることこそ天然の証なのです。

〇ブレスレット:2連仕立てのお花の7mm程度の2連。ネックレスよりも全体にピンク色に寄っています。

2連というところがボリューム感あふれます。

〇リング: 925台。ブルー味とピンク味の2種に分かれ、ネックレスやブレスそれぞれにマッチ。15号。

あとがき

真っ白よりも「ブルーグレー」の方が比較的お洋服には馴染みやすいのかもしれませんが、それでもパッ見は白っぽく映ると思います。

それぐらいさりげないカラーです。

連になって複数一度に集結していることこそがそのレベルの高さという解釈でいきますと、このたび、更にブレスやリングと合わせたことはより一層そのカラーの特性が高まるのです。

ここで、反対の考え方をしてみます。

真っ白のあこや真珠に、このうっすらグレーイッシュなアイテムを追加するとなると、違和感を非常に感じるものだと思います。

だからこそ、全く同じ色味でそろえてしまうことの意味があります。

他ではどうしても合わないこれらが集結したのだという意味になります。

全くのお揃いが良いこのたびのような場合と、別物の方が良い場合とあるかと思いますが、この場合はお揃いの効果が色濃く出る方の選択だったと思います(^-^)。