ツルツルと滑る生地同士を重ねて縫う巾着ひもホールの固定ステッチの待ち針の打ち方【792】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、巾着袋の裏地付きを内側に設置するリュックを製作中です。

その巾着袋の裏地付きを製作する際にひも通しホールの固定ステッチの作業があるのですが、これが意外に奥が深かった(^_^;)。

その点についてこのたびスポットを当ててご紹介したいと思います。

特に、ツルツル同士の重ね合わせの素材で分かったずれやすさとその対策

綿/100%素材であるとガサっとした生地も多いので気づかないことかもしれません。

今回、表地も裏地もツルツルとしたポリエステル/100%、そして、ナイロン混のポリエルというさらにいっそうツルツル感の増す素材の組み合わせで巾着袋のひもホールを製作しました。

その時に表地と裏地をきちんと重ねてステッチで固定するのが最後の方の場面の巾着ひもホール。

こんな風に外面からものさしで3.5cmのところをストレートにステッチしていくのですが、この写真のようにやったら、最後にしわが寄せられました。寸法がずれているという原因ではありません。生地がすべってずれたのです。
表地と裏地の重なりのスタートと最後の地点に待ち針で固定。そして、先ほどのように縫い直しましたが、これもしわが寄りました。なかなか簡単ではありません(^_^;)。
そして、先ほどの最初と最後の地点に加えて、途中もこまめに待ち針でずれないように固定。
このまま、同じようにステッチをかけ直していきました。

結果は、成功です。

皺が起きませんでした。待ち針は大変優れている固定ツールだと実感します。
ぴったりと重なって綺麗です。

あとがき

つるりとした生地は、「ずれ」に注意ですね。

ずれにくいからつるりとした生地を使わないのか、その生地を使いたいから、ずれ防止の対策を考えるのか。

なかなかここは考え方が分かれるところですが、生地選びは無限でありたいので、後者を迷わず選択しました。

貴重!、お客様から目の前で商品のフィードバックを得られた記録【791】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ショッピングの際のレビューというものを多忙な中ではなかなか書くことはありません。

時々、あまりにも感動があった商品や、今後もリピートしたいような販売業者様の場合に希にレビューを書くことがあります。

今回は、ハンドメイドバッグを実際にご購入いただきましたお客様からの直接の目の前でのフィードバックを得る機会がありました。

友人などフィードバックの得やすい人にもご購入いただくメリット

家族や友人であるとついつい忘れがちな、考えてみれば、それでもお客様の一人であるということです。

今回、友人にハンドメイドバッグ(リュック)をご購入いただいた際に実際に会って、商品の使い方とか実際の使っていく中での様子などをフィードバックいただきました。

これは大変貴重で、次への改善点も見え、反省する点など含めて一気にいろんなことが得られますので、よい機会でした。

このようなリュックです。「餅巾着」という名前。<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。トートバッグにもなります。
フィードバックをいただいたのは、このフラップの部分。この写真では問題が分からないですが、物を入れて背負った時に、ここがとても伸びます。そもそも、このタブの長さが長い、もしくは、相手のDカンの付け位置が上の方過ぎるわけです。
写真に納まりきっていないですが、背中から見たときに、上の方のセキュリティー性がやや甘いですね。

では、あのフラップをどうしようかということですね。短くするとデザイン性は失われますので、あの長さのままキープするということで、下側のDカンの留め具の位置を下の方へずらすことを考えています。

現在は、トップから10cmの位置(縫い代込みのままの計算で)に取り付けていますが、更に、10cm程思い切って下へ移動すると良いかもしれません。

作り手としての私はこんなイメージのみ想像していますが、実際はこのリボンの利用の仕方も友人に教えてもらったのです。想像を超える使い方です。大変驚きまして、感動してしまいました(^-^)。
こんな風に、サイドリボンを片方へ持ってきて、リボンをデザイン的に見せるという使い方です。これは、デザインと同時にすき間をリボンで埋めているのです。
内側設置の巾着袋に関しては、ここにはすべての物を入れるのではないとのこと。大切な物だけを入れておく場所。残りは取り出しやすいように、この巾着袋の外のスペースへ入れているようです。
袋をよけた隙間ですね。ここに貴重品以外の残りを入れているということ。そうすると、貴重品でなくても大切は大切に変わりがないので、セキュリティー性がやはりこの場所へ入れていても求められるんです。
どこかにサイドポケットを付けようかと検討しましたが、表地と裏地が分離しているタイプの仕様なので、なかなか実現できていません。とりあえず、サイドポケット云々の追加は無しで、上の開閉口の工夫をまずは第一に考えていきます。

すき間の課題点の考案

今回のこの、隙間の課題点について考案しました。

もともとこの餅巾着デザインは、ファスナーが付いていないデザインの隙間のデメリットを研究したものでした。

その1つに、巾着袋の内側への設置で大切な物を収納してセキュリティー性を高めるという工夫をしました。

もう1つは、巾着ひもの両サイドをリボン結びにして、さらにその上からフラップで覆い、バッグ全体の入り口を保護しようとしました。

けれども結果は、隙間が解決されていないわけです。

そこで、いろいろ考えた結果、まずは、入り口の開閉フラップを大きくするということ。

そして、フラップを少し立体的にして、キャップみたいにかぶせて覆うことで、空き部分を視覚的に無くしてみるというものです。

あとがき

まだここには続きがありますので、考案したその後の修正をしていく製作を今後やっていきます。

今回のようにフィードバッグを得て、分かったことは、製造側の予想をはるかに上回ることが実際の使用で起こることを知りました。

「こんなの作りましたー。」のその続きこそがやはり大切なのですね。

私も普段そのつもりでその後の使い勝手などを考えてお作りしていたつもりでしたが、まだ甘い点があるということです。

こればかりは、実際に使ってみてのフィードバックを得られないと分からないことで、この機会がやはり有難かったと言えます。

リュックの内巾着袋のひっくり返しの返し口はマチなり【781】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「餅巾着:もちきんちゃく」という名前のリュックを連続製作しております。

同じデザインの連続を少しずつちがう同素材素材ごとの分類でシリーズとしてお作りしています。

現在はメッシュシリーズの最終です。

その中で出てくる作業工程が、巾着袋作り。

通常の単品の巾着袋と違う点は、リュックの内部に設置して、マチで縫い付けて固定するというもの。

安心な設計とセキュリティーを考えたものになります。

今回は、この巾着袋パーツをひっくり返すシーンを動画で楽しんでいただけたらと思います。

わざわざ返し口をもうけずとも、マチの穴を利用するひっくり返しの仕方

今回のポイントは、ひっくり返しの返し口にあたる空き口が、マチとして既に存在している点がやりやすいです。

自然にそんな工程となったものです。マチは後々裏地と重ねて裏地にドッキングするのです。

偶然必要な分量の返し口にあたる分量がマチに確保されていたので、ありがたい偶然でした。よく体験する楽しい、「偶然のミラクル」がここに。。

では、YOUTUBEを貼ります。

あとがき

マチを空き口としてひっくり返しをスタート
無理をせずやわらかに内側の部分を引っ張り出します。この時に、マチの縫い目に負担がかからないような優しい力具合で行うことがコツです。。。
完全にひっくり返りまして、裏地部分の紫色が中に入りました。二重仕立ての完成ですね。

内部に設置する巾着袋も一重ではなくて、二重仕立て。

この良さというのが、くったりとならないので、ツンとそびえたち、物の出し入れ時にストレスが無いことです。

ご購入者様、ユーザー様の使う時の心持ちを考慮して、常に、心地よい気持ちでお使いいただけることをゴールに仕立てを考えてまいります(^-^)。

巾着袋のひも通し口の「コの字」縫いに関してのポイント【780】

まえがき

こんちには。picturesque(ピクチャレスク)です。

巾着袋作りは小学校の家庭科で記憶が。。。

女子はピンク、男子はブルーで製作したような記憶があります。

現在、私も、「餅巾着」というリュックのデザインの中に、内袋として設置の巾着袋をお作りしています。

その中で、ひも通しホールの「コの字」のステッチのポイントをお伝えしたいと思います。

ただコの字に縫うだけといっても分量とか、縫う位置などこれは、趣味嗜好によって様々。

けれども、綺麗に仕上げるということを考えたときに、いろいろな趣味嗜好があるとはいえ、共通する部分ではないかと考えたポイントをご紹介したいと思います。

巾着袋作りに是非お役立てくださればと思います。

ポイント①:三つ折りした側(裏面)から縫う

三つ折りした側から縫うなんて当然かもしれないのですが、実は、私、以前表側から縫ったことがありまして、位置がはっきりせず、しわが寄って失敗。

やはり、三つ折りした側の裏面をきちんと見ながらその側から縫うのがポイントです。

そうすると、下糸の糸目が表側に出るということで、結構慎重な箇所になりますね。

次のポイントにこのことは繋がります。

ポイント②:糸調子を整えておく

糸調子は下糸が上手く調子が合わず(原因が下糸の調子が悪いとも言い切れないが、下糸側という意味です)、汚い糸目にでることもしばしば。

今回の、巾着袋の「コの字」ステッチは、裏面から縫うので、表側に出る糸目をチェックすることが必須ですね。

糸調子と同時に、両割れがあいまいで皺がよっていないかなどもチェックしたいものです。

ポイント③:コの字の曲がり角はV字の裂け目ぎりぎりで

コの字の右に曲がる部分は、裂け目のぎりぎり辺りが実用的。ほつれるきっかけになりそうな地縫いの縫い始めにもともと返し縫いがしてあるとはいえ、更にダメ押しのような固定の役割があります。

ポイント④:コの字の横線は返し縫い3度で

この返し縫い3度が2度ではない理由は必然です。最後にコの字の上へ登っていくので、2度だと進行方向に向かえないから3度なのです。

この返し縫いの効果というのは、実際にひもを通して引っ張る時の重圧に耐え得る強靭さが必要です。

長持ちする巾着袋が良いですものね。

現在考え中な点、そもそも縫う位置が真ん中ではなくて、三つ折りの先端ではいけないのか

●三つ折りの真ん中を縫っていることについて:現在は三つ折りした真ん中をコの字にステッチしていますが、通常の三つ折りのステッチみたいに、三つ折りの先端である左の方を縫うことで、コの字のサイズも大きくなります。もしかして、その方がピラピラせずに固定されるのかなあなんて考え中。
●コの字の下の方の三つ折りはどこでやめるのか:あいまいですね。しばらくは数センチ三つ折りアイロンはしておかないと、急にやめてしまっては、コの字ステッチの縫いにくさに影響してしまいます。よって、そこそこでやめているという点が曖昧。けれど表には全く見えないし影響がない部分です。

次に、表から見た感じをチェックします。

表からのチェックの重要さ

表からの確認が無いとやはりまずいかと思います。

コの字が美しく出ているのか、生地にしわが寄って変な箇所を縫っていないかなどのチェックが必須。

もし、前述の三つ折りの先端をコの字ステッチしていくことにした場合、このコの字は大きなものになります。大きくなることによる影響を現在考え中です。なんとなく、真ん中の方がきゅっと引き締まってよいかな、とか視界が見やすく綺麗にできるのかななんてことから真ん中の位置に選択していますが、今後分かりません。

巾着袋は左右にひもがあるダブル紐仕立てで作ることが多いので、右と左のコの字がぴったりと合うというようなものに仕上がると気持ちが良いですね。

商品を製作しているという私などはこれは必須のチェック箇所です。

3度の返し縫いは針目は3mmで2針のみ。前述の三つ折りの先端を縫うことにすると、この針目の数が増えますね。いかにも丈夫そうな見映えというだけでも、「信頼」につながるかもしれませんのでこのステッチのボリュームは安心です。

あとがき

以前私も、コの字はシングルステッチだけだったのですが、やはり長く使うものになると巾着の開閉は数が多いので返し縫いの効果は大きいかと思いました。

製作する時点で長い目で見る視点というものの重要さがありますね。

製作の途中だからこそじっくり見れるハンドメイドバッグ機能のご紹介【759】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前のブログでも書きましたが、ハンドメイドバッグも完成してしまうと内部の機能が全く見えません。

それをあれこれご説明してもなかなかピンとこないものです。

そういったことをどうにかしてお伝えするには。。と考えまして、今回、製作の途中の場面のバッグの裏側構造をお見せするということをリアルタイムの製作途中で2か所ご紹介。

とても興味深い場面になるかと思います。

1つ目の箇所:巾着ひものホール内の縫い代の綺麗な始末

少し分かりにくいかもしれませんが、巾着袋のホールも如何様にも作ることができます。

ホールというのは、半分内側ですが、覗くと見ることができるので、もう半分は外側に面しているという場所です。

この場所こそ綺麗にお仕立てしたい。。

そういった思いから次のような工夫をしています。

バッグの内部に設置の巾着袋のひもホールの様子:上の方が縫い代ですが、さらに内側に折り込んで縫い代だけでまずステッチがかけてあります。

この構造、結構手が込んでおります。

1.5cmの縫い代がびらびらのままであると、紐が巾着の開閉によって縫い代がどんどん消耗してくる可能性が。。。

それを考えると不安でしょうがありません(私が。。)。

そこで、長持ちするよう、気持ちよくすっきりとした見栄えでお使いいただけるようにと、縫い代をさらに半分の7.5mmで折り曲げで真ん中にステッチ。

それでもまだ、ぐらぐら揺れる不安定さが残ります。

よって、この写真の後は、てっぺんから3mmほどをミシンでしっかり縫い付けて固定するステッチを1本入れていくということをします。

そうして完全にトンネルの入り口からのぞいた風景がすっきりとしたものになります。

安定した様子にも映りますね。

ひもを実際に通して、巾着袋が完成した時の見栄え:一番上にステッチがたたかれ、より、固定されました。
ひもホールのトンネルの入り口付近の様子:縫い代がすっきりとおさまり、紐がその下を通過します。まるでトンネルを通り抜ける列車のように。。。

2つ目の箇所:巾着袋のマチの重なりの固定

次は、場所が下の方へ移ります。

二重仕立ての巾着袋のマチを重ねています。

この時に、重なった内側のマチが引っ込みがち。

この引っ込みのまま行くと、力が加わってスポンと縫い目が外れる想定を懸念。

少し内側のマチを1mm程のわずかな分量出し気味にして、1cmくらいの部分にステッチ。

ステッチが1cmくらいのところでかかりました。このステッチは仮固定なんです。この後のメイン縫いというのが、実際に裏地の中に挟み込んで、縫い代1.5cmのところを縫い付けることで裏地に設置された巾着袋になります。それ以前に浅い部分の目立たない縫い代部分の範囲内で仮固定しておくことで、後に一部が外れないような安定した取り付けになります。段階を踏んでの作業ですね。

この仮固定の縫い線は、裏地への縫い付けの時の1.5cmの縫い代よりも浅いので隠れます。

仮固定なので、一度縫いのみで十分です。上述のように、内側のマチの先端が1mm程度わずかに多めに飛び出していますね。

ということで、これらの2箇所というのが、実際に出来上がっときには見にくくなってしまい、途中段階の今でこそじっくり見ることのできる構造の部分でした(^-^)。

あとがき

手の込んだクチュール仕立てにとても魅力を感じています。

ハンドメイドバッグというのは手作業ながら、実際のマーケットでは数多くの手を抜いた量産品に紛れていきます。

その中で、きらりと光る存在になるには。。。これを考えると、こうした隠れた部分の機能も大切にしていきたいという考え方にたどり着いています。

ロックミシンを使わずに一重仕立ての巾着袋の縫い代を完全に隠す方法【744】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

縫い代の始末。。。これは常に意識することです。

奥ゆかしく、きちんと縫い代が隠されていることはハンドメイドバッグがすっきりと美しく仕上がる、間違いなく1つのポイントになるものであると考えています。

今回は、この縫い代を一重仕立ての巾着袋で完全に隠すというものを、製作途中のリュックの内側に設置の巾着部屋部分の縫製段階を例にご紹介したいと思います。

もともと二重仕立てで設置なのですが、ビンテージ生地であり、入手が不可能、一重仕立てでやらざるを得なくなった状況です。

先に三つ折りをしておくというやり方

二重仕立ての場合、2枚が重なるその中に互いの縫い代が都合よく隠れてくれます。

しかしながら、一重仕立ての場合はそうはいきません。

むしろ一重の方がそのあたりが悩む部分であり、難しい点だと言えます。

マチ以外のすべての縫い代をあらかじめ1枚ずつで三つ折りをします。7.5mmずつがやりやすくコンパクトです。

そうして、通常のように巾着袋を地縫いしていくのです。そうするとこんな感じに。。↓

これは、まだ裏側を写していますが、巾着袋が一重仕立てで縫い代がすっきり隠れたものになりました。

表から見てみますね。まだひもを通していないです。↓

マチ部分の縫い代はこのままで大丈夫です。本体と裏地のマチと一緒に挟み込みますので、この時点では隠さなくて良いのです。

以上のように、先に三つ折りをしておくと、可能なんです。

しかし、地縫いの時に凹凸があり縫いにくいので、ずれやすいのがデメリット。

待ち針でしっかり押さえ、目打ちなども使用して正確にぴったり重なり合う工夫は必要です。

あとがき

この裏地は今回分厚い生地だったので、一重仕立てでも可能でしたが、異例です。

実際、二重仕立てで、中に巾着がツンと立つように設置するもので、基本二重仕立てで今後も行きますが、たまたま生地が不足していた事態がこのような学びの機会をもたらしました。

結局このデザインって、本来の裏地x2枚と巾着袋の裏地は4枚ということで、合計6枚のパーツというものすごい用尺です(^_^;)。

「餅巾着:もちきんちゃく」というデザインなのですが、はるかに表地より裏地の用尺が大きいケースです。

完成したらレビューとしてまた記事にアップしますので、この今回の一重仕立ての内側設置の巾着がどのような存在になるのか、是非お楽しみにどうぞ(^-^)。

ロックミシンの始末を袋の内側で視界から隠す方法【716】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

縫い代の始末は、裏返しの袋物にとってはいろいろ工夫する機会が多いものです。

かつて、某一流ブランドポーチの縫い代が何も始末をしていなくてそのままであったことに、とても納得できず、そのままひっくり返して、出来上がりのまま家庭用ロックミシンをかけたことがあります。

危うくて危うくて、使うにあたって安心できない不安定な心持ちになるような仕立てでした。

量産品ということでああいった作りのお品を入れ込んでいるのか、それでも納得できるものではありませんでした。

それを手を加えてリフォームすることを拒むなんて本当に矛盾です。

そのポーチは仕事用のペンシルケースに使っていまして、毎日使っているので、そのロックの効果は非常に大きいです。

そのリフォームをしなければとっくにパンクしているところです。

縫い代も5mm弱といった際どいものでした。

ロックのおかげで購入後約20年程になるところですが、現在も良好でお気に入りのペンケースです。

そんな感じで、縫い代始末にはうるさい私picturesqueが、そういった体験からの教訓を、自分のハンドメイドに活かすということもしています。

今回は、ロック始末をするだけではなく、さらにそこから発展的に、視界に映る美しさを追求した仕立てをご紹介したいと思います。

巾着袋が一重仕立ての場合のサイドの縫い代の始末の例

一重仕立ての巾着袋を作る途中で縫い代の始末が出てきます。

裏地付きというのがいかに製作しやすく、縫い代が隠しやすいものかをかみしめます。

こういった一重仕立ての分厚い生地で作る場合に縫い代が丸見えです。

そこで、まずは、最初から四角いパーツの四方にロックミシンをかけてあります。

それでも、袋の中をのぞいた時にロックミシンが丸見えでは、高級感が半減します。

その先の、それ以上に一歩も二歩も踏み出した更なる仕立てに移ります。

両端部分の拡大写真です。地縫いの後両割れにアイロンで折り、更に、縫い代15mm分の半分の7.5mm程を内側にアイロンで折り、片方ずつ真ん中にステッチを入れます。その真ん中がおよそロックミシンの幅の右端に当たるので見た目が綺麗。こうした後再びアイロンでクセを付けると落ち着きます。そして、袋の中をのぞいた時に下のような見かけになります。↓
視界には、ロックミシンは映りません。裏側に隠しこんであるからです。中に物を入れたときに擦れて、ロックがほつける可能性を極めて低くしています。内側で守られているといった感じです。

あとがき

今回のようなこのロック始末の仕立て1つにしても、美学がそっと入れ込んであるのです。

こんな風にしていろんな箇所、いろんな商品に、技術とか哲学を入れていこうと日々思案しながらの製作になります。

一度、そんな目で細かい箇所を見ていただくと、一流ブランドとして現在も君臨のブランドさん達がなぜあのような座をキープできているのか、なぜ継続して広く人々に注目されているのかということの裏にある驚くような研究と努力が理解できるかもしれません。

私もそういったことにここ最近特に注目し始めておりまして、早速自分の製作にもわずかながら参考にさせていただいております。

真似をしたり、コピーしたりということがいかに表面的で実りのないものかということの良き学びにもなります。

業者では違反!子供が心の底から本当に持ちたい柄の入園バッグコレクションはパパやママのミシン技術にかかっている【107】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ入園をひかえた季節になってまいりました。

ママやパパが子供の入園の準備をせねばなりません。

そんな中の準備の1つ入園グッズをこのたび一連で製作。

私がハンドメイドでお作りすることでささやかなお手伝いが出来ればと思います。

入園グッズ5点セットの中で基本デザインである巾着袋の作りの良さ

入園グッズは、①通園サブバッグ、②上履き入れ、③着替え入れ、④お弁当袋、⑤コップ袋と、この5アイテムが一般的のようです。

このアイテムの中で、作る私側から見ますと、大きく2種のデザインに分かれるかと考えます。

①と②はトートバッグ、③-⑤は巾着袋です。

ということで、作業的に効率よく行っていくには、③-⑤は同時進行していくことが効率的です。

作り方が同じで、生地や糸の色も同じであれば、同時に縫っていった方が効率が高まるようです。

さて、今回の中で私自身も勉強になり工夫した点は、巾着袋のひも通しの入り口付近の縫い代始末です。

巾着の紐の通し口の始末:目的は紐がすれて縫い代の糸が飛び出さないよう、縫い代を完全に隠します。
更に、ミシンステッチでで押さえてあるので、縫い代がトンネル内でも一切見えていません。
1つ前の段階:ちょっと作業を巻き戻します。上から6cmの位置からサイドを縫い合わせ。
「わ」の状態で6cm分の紐の通し口を見込みました。
本来のサイドは両折れとなるのですが、6cmからてっぺんまでは三つ折りです。
ここへコの字のステッチをミシンで入れていくのです。

ということでサイドの途中までが三つ折りで、途中から2つ折りに変わるその切り替わりの部分があいまいになりますが、その部分は、表から見たときは中側に隠れますので大丈夫。

この作業段階あってこその、1枚目の写真の出来上がりになるわけです。

決まった定形のデザインの中に「らしさ」を入れた部分

ある程度サイズも形も決まったものをその通りに仕上げていくタイプの作業ではありましたが、その中でも個性を出してみた点があります。

それは、この5点の中で一番持ち歩いたりメインに使っていくのではと思われる①通園サブバッグ。

このアイテムは、この5点の中で唯一バッグと呼べるアイテム。

あとの4点は袋と呼ばれる部類です。

そこで、この通園サブバッグにキルトでデザインをしてみました。

まず女の子用の花柄は、キルト芯を使用してパッチワークボーダーキルトにしました。

そして、男の子用のストライプはは、キルト芯を使用して、バイヤスキルトのデザインです。

一般に売られている既製品のキルト生地はひし型。

全体にはかかっているけれど、どうしてもデメリットがあります。

元々の生地にキルトを機械でかけていくので、その生地を型紙通りに裁断した時点でキルトのステッチの糸の途中にハサミを入れてしまうことになります。

仕方のないことなのですが、この時点ですでにキルト糸のほつれが始まります。

それが全体に関して言えることなので、これは仕方がないけれどデメリットです。

ハンドメイドキルトは、裁断後にキルトをかけることができますので、必ず最初と最後が返し縫いで固定されます。

よって、ほどけてくる可能性が少ないわけです。

随分高級で丁寧な作りの丈夫なキルトといえるでしょう。

しかも、一般的なダイヤキルトではない個性あるキルトです。

そうして、ハンドメイドキルトをかけたという「売り」が生まれます。

パッチワークボーダーキルト:中にはキルト芯が挟み込まれミシンで固定され、安定しています。
ふんわりしていて、本や図鑑の持ち歩きに安心。
バイヤスキルト:このバイヤス右肩上がりです。
通園生活が良いライフになりますようにと願いを込めて縁起の良い右肩上がりでデザイン。
幅は3cm間隔。とてもかっこよくておしゃれです。

出来上がりを見ながら、途中のエピソードを語ります

入園グッズ5点セット(女の子用)
:真ん中から時計回りに、①通園サブバッグ②上履き入れ③コップ入れ④お弁当袋⑤着替え入れ。
入園グッズ5点セット(男の子用)
:真ん中から時計回りに、①通園サブバッグ②上履き入れ③コップ入れ④お弁当袋⑤着替え入れ

ピンクの方は途中着替え袋のサイズを間違えて、新しい生地で作り直したり紆余曲折がありました(^_^;)。

黒の方は、2度目となるので、慣れて、巾着型3点を同時進行でスムーズに製作できました。

もともと難しいアイテムではないのだけれど、このように勢ぞろいするとかなり手間のかかる作業となるものです。

どちらかというと、おそらく、巾着袋のデザインの方が奥が深いです。

いろいろやり方があるということです。

トート型の①②はだいたいどの人も同じ作り方になるかと思いまして、巾着よりも作りが単純です。

ところで、今回の女の子用につけたフリルですけれど、まだまだ私もうまくなっていかねばならない課題の残る出来だと言えました。

ちょっと宙に浮いた感じでしたので、これだという断固としたコツなどが確立できてないのです。

フリルに関しては、今後集中的に研究して技術を磨いていきたいと思いました。

フリルのような装飾デザインに関しての重要なお話

ここでこんなお話もさせていただこうかと思います。

今回のフリルは意味がありまして、ヒラヒラしたその女の子らしさの表現だけではありません。

切替部分の単調さを少し遮る意味があり真ん中寄りに付けたということです。

見えたくない場所もそうですし、このたびの切替えがひたすら続く「飽き」の解消としてフリルをあの場所に付けたことの意味を感じ取っていただけるとかなりの理解を得られたと思えます。

フリルもただ飾るだけだと、安っぽい「流行」ということを連想させます。

今賑わっているアイテムをとりあえず「飾る」という行為に過ぎなくなってしまうので、そういうことはやりません。

もっと極端な場合、生地がどうしても1枚仕立てで作りたいのに作れず、やむなくハギができてしまったた場合、そのハギを美しく隠すためには、フリルを挟み込むことは大変意味のある装飾です。

ただ飾られるだけの薄っぺらい意味ではなく、「なぜそこに飾る必要があったのか」という「哲学」が入り込むのです。

あとがき

入園グッズは、私達のハンドメイドの業者などが作る時に、生地がかわいくてもキャラクターのものや商標登録してあるものを避けねば、違反になってしまい罰せられてしまいます。

ミッキーとかキティー、プリント物のかわいらしいお花とか数々の素敵な園児らしい生地は無限と言っても良いくらい豊富にあるのです。

しかし、それは、家族の一員のママやパパが作ってこそ持てるものなので、商業用となってお代金をいただくとなるとやはり作ってあげたくても作ってあげることができません。

依頼者と製作者と両方が罰せられますのでね。

なので、オーダーメイドにしてもそういうことが起きてくるかと思いますので、基本オーダーは受け付けられないという結論に至っております。

オーダーだとどうしてもキャラものの依頼をしたくなると思いますので、いっそのこと廃止しているわけです。

今回の2柄はそれには当たりません。

生地に商標登録はないようですので、販売は可能です。

プリント物はどうしてもほとんどが生地の耳に英語で社名が入っているので作り手の方は著作権侵害を意識しながら慎重に商業利用をご検討願います。

こんな事情もあり、柄物を商業利用して、販売するとなると、無地や伝統的な織柄などにとどまります。

あふれかえっている賑やかなプリントの動物柄やデフォルメされたタイプの花柄などはママやパパが作ってあげるしかないのが本当の正しい対応の仕方です。

やはり、ユーザーの一番心の中にある好きな生地で持ちたいということに答えるには、私が著作権の無い無難な柄で作って売ることではないのです。

むしろ私がやるべきことというのは、パパやママにその技術をお伝えすることなのです(^-^)。