一度この色に挑戦してみたかった、オレンジ茶の小物集め3点(バッグ・ベルト・靴)までの道のり【617】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ファッション分野において、難易度の高い「茶色」。

取り入れる時には、お洋服ではなく、差し色的に小物アイテムで考えていくと茶色が使いやすいものになります。

比較的見つけやすいのが「チョコ茶」。

ただ、チョコ茶は今までたくさん見てきました。

確かに素敵で不動のクラシックさをたたえたいのですが、冒険心は薄れています。

よって、このたびは、あこがれもあり、「師」と仰ぐ(勝手に)方が上手にコーデされていたことに影響を受け、挑戦したのが「オレンジ茶」です。

「ライトブラウン」「レンガ茶」などと呼ばれることも多い明るい茶色。

一見浮きがちな色なのですが、差し色には向いている色だと思います。

「3点共本革レザー製の中古品」という条件で、バッグ・ベルト・靴をそろえました。

その中でバッグに関してはリフォームする箇所が少しありましたので、ご紹介を兼ねて3アイテムが集結したパワーのような物を感じ取ってみて下さいませ。

オレンジ茶でそろえる夢実現に向けて、高級感アップのためのプチリフォームの「擦れカバー」作業

「リーガル」製のローファー(おそらく1990年代前半あたりと予想)、「ランセル」製のメッシュベルトの2点がすでに手元にあり、そこへ同じような色のオレンジ茶の「オーストリッチ」製の巾着バッグを投入しました。

オレンジ茶は「ケイト・モス」様のコーデをスナップ写真で拝見の時の影響を受け、真っ黒コーデに差し色に使っていらっしゃったのがどうしてもインパクト大でした。

これを真似してみようと決めて、実は苦手で手を付けていなかったオレンジ茶に新鮮味を感じてたところです。

その新しい試みにあたり、オーストリッチの巾着バッグを見つけていたのでした。

巾着バッグ:本革「オーストリッチ」製。程良いサイズ感の縦27cmx横25cmxマチ18xm。

両サイド巾着タイプであることがデザインとしてはレア。

ショルダーの短さから推測の、1980年代-1990年代にかけてのお品だと見ています。

とても懐かしいものの、変に流行が入り過ぎていないので、現在も何も躊躇することはなく使えそうです。

オーストリッチが柔らかい良い風合いです。

今後の「サスティナビリティ」の高まりとともに、新しくこういったお品が作られることは少なくなってくるかと思います。

既存品に関しての考え方は、「有難く使用させていただけば良い」というもので、「本革だから使わない」などとは言いません。

もうすでにあるものはかえって手にして使った方が良いという考え方をしています。

あまりにも偏り過ぎた考え方は現実的ではないと思っております。

入口のトップに擦れが見られます。
底の縁の擦れが見られます。同時に黒ずみも。

良いサイズ感で使いやすかったので、ある程度使われてきたもののよう。

まっさらに綺麗な感じに見えるよう、擦れに対して色の補色のお手入れをしたいと思います。

と同時に、仕上げのような意味で革のツヤやみずみずしさを出すためにオイリーにもしていきます。

1つは、まずとにかく擦れの色の落ちた部分を補色です。

このオレンジ茶になんとか合う色のクリームを持っていました。

いろんな革素材の擦れにはこれが一番だと「ハンズ」の売り場の店員様も太鼓判。「サヴィール」製のもの。
黒や焦げ茶も持っていたのですが、今回のオレンジ茶の場合、この「マロン」という色で対応。

場合によっては、黄色などを混ぜて色を調整するようですが、このたびはこのまま使いました。

1つ目の作業というのは、ただ擦れ部分にこれを塗るという作業です。

手袋をはめて、柔らかい布にチューブから出した色補色のクリームを擦れたところに柔らかい布で補色。
クリームで補色後:象徴的だった底部分の擦れは、クリームでオレンジ色に馴染み消えたようになりました。

と、ここまでは、色の補色ができたという1点目になります。

ここで少し不満が生じます。全体的に水分ととツヤのなさが気になります。

ツヤを出して仕上げたいと思うところですので、ここで我流で邪道ながら次のようなことをしました。

靴屋さんがホームページなどでは「バッグにはふさわしくない」とおっしゃっていることに当てはまると思われ、写真は控えます。

この後、あるメーカー様の靴補色リキッドタイプの「無色透明」というカラーを選択し、オイル仕上げの代わりとしました。

この液体タイプは、汚れ落とし・補色・ツヤ仕上げを1本で行える便利なもので、それの「無色透明」を使うところがポイントです。

実際は、特に悪く影響している様子も見られなかったので納得しています。

思い切った邪道行為となりますので、くれぐれもお気を付け下さいませ。

さて、補修はこれで終わり、バッグを見てみます↓。

補色すると立派なものに。特にブランド名はありませんでしたが、「オーストリッチ」製がブランディングです。

そして、差し色小物3点を集結させます↓。

少し濃淡の違いはあるものの、だいたいカラーは整っています。オフ・ベージュ・黒のお洋服に使いたいですね。

「リーガル」製の靴も中敷きのロゴ入りは劣化し新しいものに取り換えています。

そうでもしないと、この靴と同じ物は全くもってその後も見つけることはできませんでした。

あとがき

前半の「サフィール」製の「リノーべ―ティングカラークリーム」は是非目を向けてみてくださいませ。

今まで何度も使い、同じ色の黒などは買い替えもしているほどです。

老舗ブランド様でも、過去の古い物は、たっぷり感のある作りで、現在では同じブランド様なのにもかかわらず全く品物が違ってしまいました。

そうしますと、ブランド名関係なく、古いアイテムというのは「作りが良い」ということははっきり言えることだと思うのです。

「思い切って良い物を作ることが可能な時代だった」とも言えるのかな。。

今後もすべてのお洋服・小物に対してUSED品ライフを送ることを引き続き続行し、地球の未来に負担のないよう、過去の品物を掘り出し利用する工夫をご紹介していきたいと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

たった3点のみ、黒ベースで特化しながらそれぞれが別物の主張も入れ込む夏のお出かけワードローブ作り【597】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、2021年の夏用にと集めたお出かけ着3選をご紹介致します。

普段は仕事着としてジャージですので、ジャージそのままで出かけることもあり、ご飯を食べに行くとか、お出かけ専用と考え、ややドレスアップした3点となります。

ほんのたまになので3点でも多いのですが、今後も着ていけるような特に流行のない長く着ることができるアイテムを目指した3点になります。

今後のお洋服のあり方などのご提案になれば光栄でございます。

黒ベースのこだわりとそれでいて別物の奥行きある3通りとなりることをイメージした3選

①ワンピース(ノースリーブ):洗濯表示さえも無い、ブランド不明の黒の定番のIライン。着丈は100cm。

流行が大きく見られず、胸のヨークの切り替え、そして、いかにも定番の詰まったネックライン、切替以降の下側のリブのようなニット素材が素敵なお品。

写真で少し見にくいですが、下側はリブ使いのような素材で、高級感が感じられるものです。
②上下セット:サマーセーターはアクリルと麻のコンビ。デッドストックの日本製。パンツは「コムサモデル」。
トップスのアップ写真:襟に特徴があります。内側の比翼的な襟が上品で凝っています。
ボトムのアップ写真:テーパードであり、裾もダブルのきちんとした印象。グレンチェックも典型的な柄です。
③ワンピース:「セラビ」というブランド名、日本製。間に少し入るブルーのカラーが素敵。着丈100cm。

3選は、着まわしなどはできるものではありませんが、たった3通りしかなくても豊富に感じる「まやかし」みたいなものがあります。

その「まやかし」を紐解くと、黒ベースに特化していることがまずあげられます。

これがいろんなカラーの3点の場合そういった印象は持ちにくいものです。

そして、同じワンピースである2種をノースリーブと半袖の袖丈の違いで、黒無地と黒ベースの柄とで差別化。

細かい所で柄と無地の分量の配分の半分ずつの取り揃えにより、バランスがとれたラインナップになったと思います。

あとがき

やはり黒は靴やバッグと合わせやすく、少ない数持つ場合のワードローブにはお勧めです。

こうして見つけた3選においても苦労したことは、「クセのない普遍的なモデル探しの難しさ」です。

お洋服はある部分に流行が入り込んでいることも多く、プレーンないつの時代においても不変的な姿こそがが、かえってレアであったりもするのです。

アパレル業界がこれまでの「流行を中心とした洋服作り」からの見直しの時ではないかとつくづく感じております。

今、好ましく思う古着というのが、1980年代-1990年代初頭の頃の物が多く、反対に、2000年以降のファストファッションの台頭における時代のお洋服は、なかなか古着としての魅力を感じにくいものです。

その場の短いサイクルでの儲けを追求した商業主義の「つけ」のようなものが今古着の姿に見て取れると思っております。

どこかでアパレル業界が変な方向へ行ってしまった、古着から見てもその歴史の背景が垣間見られる部分があるのです。

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書き手:ピクチャレスク

正面の10個のボタンが当時の流行をにおわせる、今後の新しい着方をしていくためのロングワンピースの飾りボタンの撤去【552】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ファッションというものが長い間、流行が基盤になって成り立つものであり続けてきました。

すべてではないですが、多くが余分な数の洋服を作り大量生産でした。

余分な数を作らねば成り立たない元々の事業モデルで活動し続けてきたのです。

実際そのたくさんの生産が、たくさんの購買とうまくマッチしていた時代は良かったのですが、ここ近年激しくそのバランスが崩れていきました。

たくさん作ってもたくさん購買してもらえなくなったということです。

たくさん生産する労働の裏の場面に過酷な状況下でリスクを背負う方達にスポットが当たり、サスティナビリティ(永久持続性)ということが重視されてきたことも相まって、製造の裏側の悪質さも浮き彫りになって批判され始めます。

そうして、近年、過剰在庫の洋服の対策に悩むようになり、今までのように過剰生産のままやってきた事業がいよいよ難しくなってきたわけです。

今後の新しい洋服は、本当の意味で、正当で優しい商品が求められます。

このたびは、一人一人の個人がお洋服の購入に対してきちんと責任を持ち、本当に自分が求める自分表現の1つである重要なお洋服の買い物が無駄のないよう、コスパの良い入手ができるための1つのご提案として「古着のリフォーム」をお伝えしたいと思います。

「昭和時代の流行を取り除く」という比較的簡単にできるワンピースの飾りボタンの取り外しリフォーム

新しく作られた商品よりも、古い素敵な商品に目を向けてみます。

こちらは、古き良き昔のワンピース。

かつてのオートクチュールブランド様らしい、きちんとしたお仕立ての「ハナエモリ」ブランドのワンピースです。

BOUTIQIE HANAE MORI」とネームに記載のあるワンピース:黒x白の水玉ロング。

生地がジョーゼットのようです。とても高級感があります。

このアイテムはもともとはそれほど流行を思いっきり出したようなデザインではないとは思いますが、少しはあります。

肩パットのボリューム感、メンズの軍服から受け継いだような胸のトラッドなボタンデザイン、センターにひだが入るスカート、ウエスト部分の三角の切り替えなど。

この中で今後活かすもの・取り除くものの別を判断。

もともとのデザインを活かすのも忘れずに、必要な部分のみということです。

私が凝ったリフォームができないこともあり、肩パットを取り外すことと、胸のボタンをすべて取り外すということをしました。

肩パットは、しっかり縫い付けるものではないので、すぐに外せます。リッパーという道具を使います。

はさみはよくないです。はさみの刃が早くダメになること、間違えてカットしてしまうリスクからです。

リッパーで優しく手縫いされた糸を外せばすぐに取れます。

一部の商品で、ミシンもかけてあるのもありますが、それも一部です。全体に縫い付けてあるものはないですので、簡単です。

ボタンを外す:お仕立てが非常によくて、ボタンの付け根部分もしっかりと糸を巻き付けてあります。
リッパーを動かすなどして無理のないように糸部分のみを削ぎ取ります。

前後にリッパーの刃を動かすとだんだん糸が切れてきます。

一気にやろうとするのは禁物、生地に負担ですし乱暴です。

こうして10個の正面ボタンをすべて外しました。
ボタンを取り外した時の糸くず。この糸くずのボリューム感でもお仕立ての良さがうかがえます。
after:こんな感じにすっきりとしました。ある意味クセがなくなったと言えます。

いろんな場面で使える言葉ですが、このafetrの状態をbeforeに対しては、「垢が抜けた」「粋になった」と言えるでしょう。

どうにでもアレンジしやすいお品になったとも考えられるのです。

残した効果があったボタン:外さなかった袖のボタンは結果アクセントになったようで〇。
左:before/右:after:着こなし幅が広がるのはやはり右側かと思っています。

最初から、流行のあまり入っていないものというのを選ぶのも今後長く着ていけることの1つとしてあるかと思います。

流行が多く入るとその分リフォーム箇所も増えて姿が大きく変わりますので、そのリフォーム技術が必要であることと手間がかかりすぎて時にコストが増大してしまうのです。

今回は、誰でもできそうなプチリフォーム例、お洋服を見る時に、ある部分を除外すれば着用しやすくなるなどをイメージされることをお勧めしたいと思います。

あとがき

おそらくこのワンピースはかなり古い物だと思います。

現在の30年前というのが1991年。

もっともっと前のものではないかと。。

見つけた古着の形がどの時代の物かを予測するのも楽しいです。

そのような図鑑があったらとてもありがたいですけど。。

リフォームする箇所については、そのデザインが残っている方がかえって今後の新しい着方ができそうなら残す方向へ。

新しい着方を妨げるようなクセがあり過ぎるのならリフォームへ。

このような判断が現実的であり、的を得た相応しいリフォームをすることにつながると思っております(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

年代物の貴金属は地金が厚い、ゴールドのたっぷりな地金のおかげで一粒サファイアデザインが華やかなリング【504】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

アンティークは100年以上でないとなかなかそのような資格が得られないもの。

貴金属ジュエリーに関しては、天然金属なので新品磨きや仕上げをしてもらったお品はピカピカでいつの時代の物かなかなか分からないはずなのですが。。

しかし、実際はなんとなく分かるものです。

それほど流行などが激しくあるわけでもないジュエリーアイテムでも何十年かは前の者だと思うようなそれらしい面影があるものなのです。

このたびは、そのような年代物の様相が素敵に現れた18金イエローゴールドのリングをご紹介したいと思います。

年代物の貴金属判断の基準の1つは、厚みのある地金使い

デザインのどこかにも確かに年代をイメージするようなテイストが表れるものですが、むしろ地金の使う分量を見ると年代の予想もつきやすいのです。

地金高騰の2023年現在に製造されたジュエリーとの比較では、昭和時代のお品物は断然地金が厚く作られているものが豊富です。

いろいろな古いリングを質屋様などで拝見させていただきまして、そのように実感しています。

宝石よりもむしろ地金は正直にその時代を反映しているところがありそうです。

地金の価格の上昇に伴う材料の入手のしにくさなどが絡んだ諸事情から、ここ最近の新しく製造されるお品は全体的に薄っぺらいのです。

リングの指にはめる輪の部分だけでも地金をおしみなく使ってあるもの、そうでないものが分かることもあります。

そういった読みから、この度ご紹介のリングは、厚みあるしっかり感が特徴で、実際にずっしりと重みもあり、年代物らしい様相をしていると言えます。

ダイヤモンドxサファイアコンビのリング:台はK18YG。絞りデザイン。地金の厚みが特に正面に感じられます。

なかなかスタイリッシュなX型が表現されたデザイン。

正面の左右にお花のような柄でダイヤモンドがセッティング。

3点セット:ネックレスとリングとでサファイアとダイヤモンドがリンク。ブレスの形はネックレスにリンク。

抽象的で合わせやすいマーキスカットモチーフを意識したセットになりました。

マーキスカットの「マーキス」は「侯爵:こうしゃく」のこと。

侯爵という地位は、かつてのフランス、王政における貴族達の反映の時代では「公爵の下位、伯爵の上位」の位置付けです。

ただ、この形のジュエリーを身に付けたルイ15世の公妾(こうしょう)のポンパドール夫人に由来があります。

この夫人がよくこのアーモンド形のジュエリーを付けていた、この時代に流行していたことから。

ポンパドール夫人は大変影響力のある女性だったのです。

あとがき

現在は薄いデザインが軽やかで美しいのだというような傾向もありますが、雑誌やメディアの煽りもあるので、本当は何が素敵なのかを自分でよく好みを判断したいものです。

ペラペラの美しさももちろんありますが、ちぎれやすかったりなどの強度は大丈夫なのか、小さくてもしっかりしている、ずっしりと重みがあるなど、多方面から見た慎重な選び方をお勧めしたいです。

このたびのリングのように厚みがちゃんとあるところには「正直さ」が見えてきます。

これくらいはリングには地金は使うものだというメッセージのように感じるほどです。

謳い文句や流行を100%信用し過ぎず、実際に手に取った重みなど人間が感じるその直感のようなものを大切に。

ジュエリー購入は本来見て手に取ってということが一番望ましいのではないでしょうか(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

四角枠と楕円粒のコンビの曖昧さで選択ミスをしたことからの学び、豊富にあるシトリンのリングから1番のお品の選び方【480】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

宝石というのは、掘り出した鉱物である原石のいびつな形を、研磨されたりなどして出来上がる製品であり、原石ではその姿は随分違うものです。

土から掘り出された瞬間では鉱物なので、「鉱物名」というものがあります。

宝石になるまでの時間、日数、年数がありますので、鉱物の状態のまま保管されていることも多いと思います。

そうすると呼び名は大切なのです。

このたび入手しましたシトリンのリング、このシトリンの鉱物名は「水晶:クォーツ」です。

和名では「黄水晶」とも呼ばれて、黄色寄りのオレンジ色がよくあるイメージですが、その濃淡は産地によっても違い、オレンジから随分かけ離れて黄色っぽいものもあるとのこと。

黄色っぽい方が価値が高いとも聞きますが。。

このたび1点のシトリンリングをご紹介しながら、面積の多いタイプが豊富なよくある普遍的なストーンのシトリンの中でもこれぞという1品の選び方を失敗例からご紹介したいと思います。

スクエア調の台に楕円という曖昧さからは不採用、はっきり統一感あるフォルムの勧め

K18YG台の大粒のシトリンリング:スクエア系の台に楕円気味のカットが設置。微妙な形に映ります。

シトリンはウォームカラーなので、K18YGを黄色ととらえると、ゴールドとの相性がとても良いと思います。

大粒で透明感があって綺麗なのですが、最終的には「本物志向のレンタルジュエリー」には突出したものを感じなかったので不採用となりました。

大粒でボリュームもあるのですが、シトリンは大粒が豊富です。

よって、ただ大粒なだけでは差別化がはかれないのです。

台も四角、カットも四角が元々希望でしたのでこの写真のお品はもともと希望とは違いました。

屈託のない四角そのまんまが美しく、他のブレスやペンダントもはっきりと四角い調子のものが良い調子で見つけていけるはずが、この形の曖昧さが組み合わせのイメージが沸きにくかった結果になりました。

好みや価値観様々ですが、普遍的なよくあるストーンだからこそ、どこかで突き抜けた特徴が欲しかった、そんな感想です。

その後発見の黄色寄りのシトリンリング(K18YG台)。さっぱりとしていて大粒です。

1点目との違いは、枠が見えていないので楕円フォルムがはっきりしていること。

むしろこちらのシトリンリングの方が他のブレスやネックレスとベストな組み合わせが見込めます。

黄色味のシトリンも上のオレンジ寄りのシトリンと同じで台はやはり18金ゴールドがぴったりです。

楕円であれば、楕円の形が目に映るようなデザインの地金チェーンネックレスなど(例えばペーパークリップデザインチェーン)と組み合わせる手もあります。

ということで、1つこんな組み合わせをご紹介したいと思います↓。

相性の良い組み合わせ:①同じ楕円②K18YG台で統一③同じシトリンがマルチに入っている④多面カットが共通。

4つもの共通部分のある2アイテムは出会うべくして出会ったというほどのベストマッチです。

こんな相手が見つかった際には、とても幸せな気分になり喜んでおります。

その先には、レンタルをご利用いただくお客様の喜びを想像しているからです。

あとがき

シトリンの他には「アメジスト」も豊富で見つけやすいので同じように考えていけばよいと思います。

アメジストは色の強さがありますので、アメジスト同士では一本調子だと感じるならば、「アメトリン」というアメジスト+シトリンの合体のストーンを選択されるのも立体感が出ると思います。

このたびの、最初の四角調の枠に楕円の粒が設置のデザインが選択ミスからその後のジュエリー選びには大きく役立ちました。

よって、こうして、結果的な不採用のアイテムもご紹介しています。

お品物それ1つだけ見ていてはいけないところがとても大切な部分です。

後に組み合わせしやすいはっきりしたフォルムであることが最終的なコーデを粋(いき)に作り上げていけると思います(^-^)。

マーカサイトがオニキスに組み合わされるととてもエレガント、日常着をお出かけ風に寄せるジュエリーの役割【310】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

地金としては高価ではないシルバー925も、実は18金などの高騰に連動して以前よりも上がってはいます。

それでも、最近計算した実際の買取の際の比較では、18金の60分の1程しかシルバー925の価格の価値がありませんでした。

これもたまたま買取を18金とシルバー925の両方同時に見てもらったから分かったことです。

とは言え、銀も大変美しい地金であり天然らしさがいかにも感じられるすばらしい素材です。

このたびは、シルバー925台に馴染んで素敵に組み合わされる「マーカサイト」のペンダント中心にジュエリー同士をエレガントに組み合わせてみたいと思います。

とはいえ、地金のレベルも考えながら、日常着ながらエレガントに寄せた装いに合うようなセットを考えていきます。

なぜ、オニキスとマーカサイトが組み合わせられるイギリス製の古き良きジュエリーがここまで豊富なのか

そもそも、銀製品がヨーロッパで今でもアンティーク物が多い理由は、その昔18世紀以前の貴族の家財とも言える品々が銀製だったからです。

当然宝飾品も「財」として豊富にあったということです。

その後は、貴族の時代も終わりましたが、それでも文化として銀製品を愛でる風習が残り、素敵なシルバージュエリーがあるということです。

ただ、オニキスと組み合わせることがなぜ多いのかの理由については、もっと掘り下げて調べないと分かりません。

1つの予想は、オニキスに関してよく言われている「魔除け」。

大切な家財であるので、「験を担ぐ(げんをかつぐ)」ような意味があるという予想を立てていますが、果たして本当のところは。。

今後いろいろ調べていく中で、分かった答えが見つかればまた、記事に綴っていきたいと思います。

もう1つ、マーカサイトはなぜ銀製品と組み合わせられるかなのですが、ダイヤモンドの代替品になるという文化があったからだと言われています。

これは予想に過ぎませんが、マーカサイトは同じシルバーカラー同士でなじみやすいということで、新しい色が出てこないことが反対に上品であるという考え方があったのかなと。

これもおいおい調べたりなどして答えを見つけていきたいと思っております。

きらめくカットがよりエレガントなマーカサイト。

カジュアルな素材なのかもしれない黒のオニキスも銀ときらめくマーカサイトのおかげでエレガントにならざるを得ないということなのではないでしょうか。

〇ネックレス:バチカンを含まないで縦4cmx横3cmのビッグサイズ縁の部分はマーカサイト。

黒い天然石はオニキス、そしてオニキスの黒を背景にしたマーカサイトのブーケ。

ステンレス製のあずきチェーンのチェーンのみで80cm。

真ん中のフローラルな飾り部分も、特にペンダントの中でもエレガントに見える1つのテイストとなっているのがこちらが良いと思った理由でした。

セット:バングルは「シャネル」ブランドのプラスチック製。リングは、同じ物2付けのマーカサイトリング。
〇ブレスレット: シャネルのクリアバングル。オレンジ寄りなピンク色のクリアカラー。内周は19.5cm。
〇リング: 2点。シルバー925製のマーカサイトの縄模様がハーフエタニティ状のデザイン。共にサイズは15号。

2個の重ね付けが可能で、随分ボリュームが増す効果があります。

「マーカサイト」は「マルカジット」という発音でも呼ばれていますが、イコールで良いです。

そして、類似に「パイライト」という類似の鉱物があるのですが、「マーカサイト」と呼ばれながらも、実は「パイライト」である場合も。。

パイライトのバングル:「パイライト」であると謳われていたものがこれ。ややゴールド味があります。

何も知らなかった頃、このきらめきの割に安価であることに驚いたもので、実はダイヤモンドの代替品になるほどの評価がすでにされていたいにしえの物語があったということなのでした。

あとがき

イギリスの古い銀製品は大変ロマンチックです。

想像以上に昔のものだったりすると余計です。

ここで、アンティークの領域に達しているペンダントの銀製をご紹介↓。

1894年の刻印がありました。この素材自体925ではない1000だとのことなのです。

バチカンはうかつに使いたくなかったために、別で2連で丸カンを取り付けてステンレスチェーンを通しました。

意外と数が豊富なのでそれほど希少価値を実感しないこともありますが、ヨーロッパに集中しているがために見つけやすいだけで、銀製はとくにイギリスにおいては、独特の文化ではないかと思っております。

実は、当「本物志向のレンタルジュエリー」でも、当初の頃は、この動画のようにシルバー925も半分以上取り入れていたのです。

その後の925の廃止、連物の廃止、コスチュームジュエリーの廃止をどんどんしていき、行き着いたところは、18金やプラチナの高級地金+宝石の本格派ジュエリーのみのお取り扱いに寄せていきました。

これらは、レンタルのお客様のニーズを感じ取り、間違いなくその必要性があったので改良してきたことではあります。

しかしシルバー925も安定のすばらしさ。

これをどのようにお伝えできるのだろうと考えた時に、やはりブログや動画でその組み合わせをしたお洋服とのコーデということなんだと思っております。

ジュエリーそのものだけだったら類似品も多いですが、なぜそれじゃなければならなかったのかが、またとない渾身の組み合わせによってお洋服に素敵にマッチする姿を実現することで紐解かれるのだと思うからです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

年代物の「化学材料」の落とし穴、ユニフォーム素材のつやのあるメッシュTシャツのプリントの剥がれは30年後に「洗濯」で起きた【406】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ15年間、古着の洋服しか購入しなくなりました。

店舗で実際に手に取って購入することはほぼ「ゼロ」。

2010年代における「ファストファッション」の大盛況の中で、その流れに乗れず全く反対のお洋服を見つけることに価値を見出し、より一層古着への愛着が深まりました。

そんな中で、1980年代辺りの品数が少ない年代物に素敵なマルチカラーが見つかったことがありました。

現在でも世界的に多くの人が日常着として来ている「アディダス」製です。

現在では随分世界的な「ファスト」的な製造形態が確立されているという印象ですが、1980年代の品物は良質だったと感じており、ジャージなども現在とはかけ離れた厚手の良質さがあったのです。

このたびは、素敵なマルチカラーの部屋着として考えていた「アディダス」製ビッグTシャツがお洗濯後ロゴが全部はがれてしまった事件から古着Tシャツの選択の仕方の極意のようなものを考えたいと思います。

事件は洗濯後に起こった!この事件から導く2つの大切な事、①古着業者の責任感②消費者の品物の性質を見極める目

ある時期に、素敵なマルチカラーの古着Tシャツをネットの古着屋様で見つけます。

ボトムに黒を合わせたいので、黒を含むマルチカラーを探していました。

そんな時に素敵なこちらを発見↓。

洗濯前の状態:何も問題が無いように見えます。ボーダーは生地の切り替え、胸と背のプリントは塗装タイプ。

なぜこちらを選んだかの理由は、丈が70cm以上あったからです。

ボトムにはレギンスのようなフィットしたパンツを用意しており、それも同じ「アディダス」でした。

ヒップがすっぽりと覆われるようなロング丈をしぼって探すと、ほとんど無いことに気づきました。

Tシャツは、メンズであっても65cm辺りの着丈が平均であり、70cm以上ものロング丈はなかなか見つからなかったのです。

そうした時にこちらはサイズがメンズのL以上のもので、丈も75cmくらいあったのでした。

古着購入の到着後必ずやることがあります。

それは「洗濯」。時にはクリーニングも。。

そうして、新たなスタートを切る節目としています。

古着は洗濯がされていないものもありますし、洗濯の仕方1つにもその仕上がりの香りが思う香りと違ったります。

「柔軟剤」が広がったような香りは違和感を感じます、無臭が一番だと思っております。

そして、洗濯をした後、事件は起こりました↓。

洗濯後の状態:わずかにロゴの塗装が前側も背中側も残っていますが、ほぼ全滅です。しかもベタベタします。

これでは、古びた感じの印象にもなってしまいますので、着用する気持ちにはどうしてもなりません。

まず、この原因を考えてみます。

おそらく「PVC」のような劣化する印刷塗料が、長年の時を経て劣化したのだと思います。

おそらく、30年前の1980年代後半あたりのお品だということです。

30年ともなれば劣化する部分は劣化してくるということなのです。

30年も前のTシャツというアイテムが残っていることがせっかく素敵なことなのに、こんな状態では、がっかりです。

販売業者様へは苦情を申し出まして(直電)、「無責任さ」を追求しました。

刺繍のロゴの場合は、素材が糸なので永久的ですので劣化の心配はないです。

また、アップリケも布であれば永久的です。

アップリケが合皮の場合は将来劣化が予想されます。

今回の科学的な塗料も詳しい素材までは分からないですが、おそらく、空気にふれた瞬間から劣化が始まるPVC、合皮などと同じ性質を持っているのだと思います。

ここで勘違いしてはならないのは、大切に引き出しにしまっておけばよいではないかというと、保管の引き出しの中で空気に触れているので、同じことが起こります。

ということで、古物で気を付けたいことは、「塗装」タイプのプリントの劣化です。

決して「塗装」タイプを選ばないというのが正解だと。

同じ「ロゴ」なら、刺繍や布製のアップリケに注目していくことがお勧めとなります。

この「塗装」と「プリント」の違いを次の類似のメッシュ素材のTシャツでお話致します↓。

質の良い、マルチカラーのメッシュTシャツは永久的な作り

「カステルバジャック」のキャラクターメッシュTシャツ、ポリエステル/100%:イタリア製。

このたび塗装部分が劣化したTシャツと似たメッシュ素材です。

おそらく、ゴルフなどのスポーツシーンに向けられたTシャツかと。

マルチカラーが楽しく、当ブランド様らしい遊び心があります。

明らかにこちらの方が、何も問題なく今後も安心してそのままの状態で着用して行けるのです。

幅広い視点は大切で、「このブランドで」と決め過ぎて、間違った選び方をしてしまった購入者にも責任はあるのです。

ただ、こうした将来の状態を想定した気配りは、「古着屋」様がやるべきことだと思います。

「商品を仕入れ、横に流すだけが仕事なのですか」という追求に対して、古着屋様は「今後気を付けていく」とのことでした。

あとがき

いくつかの購入の失敗をしながら、その学びを新しい知識として他の人に伝えていく役割は実際に購入してこうした事件が起こった自分にあると思っています。

実は、1つその後のアイデアが生まれています。

「リメイク」に当たると思いますので、その後の「転売」は一切不可になる行為ですが、自分使いだけなら正当な処置となります。

それは、更にお洗濯でブラシなどを使ってロゴを完全に消滅させてしまうのです。

そして、ロゴが付いていた正面だけに左胸かVネックの先端の下あたりに、「アディダス」の別のどうしようもない捨てるような古着の「ワッペン」を移植するのです。

移植方法は、ボンドで軽く貼って、ミシンで色がなじむ糸でステッチで固定するというやり方です。

これなら、がっかりした後の立ち上がりとして、せっかく金銭をはたいて購入した古着が活きるのではないでしょうか。

1つの箇所がだめになったとしても、別の切り口で活かす方法はないかと考える「アイデアの考案」もこうして起こってしまったどうしようもない事件の対処方法としてあるのではないでしょうか。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク