今後「ファッション」に関わるお仕事をしたいならまずは過去の軌跡を知る、かの有名な老舗やデザイナーが語る貴重な裏舞台は歴史の破片【1263】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

アパレルが今後変わる時に来た、変わっていかなければならないという過去で一番の危機・変化の時です。

そんな重要な時期だからこそ、今、この本を読んでおきたいと手にした本。

「20世紀日本のファッション トップ68人の証言でつづる:大内順子(インタビュアー)/田島由利子(ライター)」を拝読。

4cm程の厚みの本ですが、もう面白くて面白くて次々に読み進めてしまうほど。

年代別の日本のファッションの草創期1950年代の芽吹きからどんどん読み進め、1980年代後半の低迷期でページの最終を迎えます。

ファッション史なるものは、世界的に見ればフランスがその聖地と言えます。

1900年のパリ万博の大きなウェーブはかなりそのきっかけになったかと。。

その頃の日本というのは、まだ着物を着ていた人も大半の時代、パリ万博にも文化として着物が紹介されました。

着物からお洋服に変わっていき、戦前と戦後でも大きく生活が変わる中で、あまり表立っては語られていないような、戦前の老舗アパレル会社が生まれる様子などもこの本では興味深く知ることができました。

「この会社はもとは、こんな前身であったのだ」という点などあまり知られていないことが分かるのも、構成が該当会社様やデザイナー様本人が語られたインタビュー記事の集まりである所も大きいです。

他人が語ることよりも、本人が語ることのリアルも貴重です。

戦前にも繊維メーカーやアパレルの老舗は芽吹き始めていた

その昔江戸時代、「奢侈禁止令」というものが発令され、贅沢を禁止されるという命令が下されることがありました。

その奢侈(しゃし)の対象になった素材は「絹」。

ここから、「絹:シルク」がいかに高級な素材であるかが計られます。

戦前に「これからは洋服の時代だ」ということがテーマになり始めていたようで、この戦前に平たかった土の中からアパレルが芽吹き始めていたと言えます。

「百貨店」の出現がデザイナー様とのタイアップで洋服の広がりに大きく貢献したのが大枠の見方ですが、戦前は呉服店の形であったなどその前身はすでにあったのでした。

大衆に広まるには、百貨店などの「集客型施設」の存在あっての恩恵もあったということになります。

1960年代は、アパレルは伸びていく一方で、少しアイデアを出しただけの企画が飛ぶように売れたという、この「飛ぶように売れる」というフレーズが1960年代の1つのキーワード、現在では使いたくても使えないフレーズになってしまいました。

聖地パリと日本人デザイナー様との結びつきのきっかけ

現在でも有名デザイナー様達は、「文化服装学院」出身であることが多いです。

ここがいわゆるプロのデザイナー様の登竜門とも言えるのかもしれません。

ここ近年有名デザイナー様達が続々とお亡くなりになってしまいした。

パリの「メゾン:洋服会社」で従業員として働くことがきっかけであるという道をたどられている地道さも本当はあったのです。

いきなり電光石火のごとく現れて、スターになるというデビューの仕方ではなかったのです。

そうして、多くの日本人デザイナー様がパリのメゾンで働くことをきっかけにその後、そのファッション文化を日本に持ち込んだり、世界的に活躍されたパリ生まれのデザイナーとして引き続き活躍されたりしました。

遠く離れたヨーロッパと日本の老舗ブランドとの結びつきのきっかけになった素晴らしい橋渡し的役割を担われ優れた伝達者であったかと。

ライセンス事業の名残は、古い時代の未開封品のブランドロゴマットなどに感じられる

その他、「ライセンス事業」に携わったという軌跡がより大衆にブランドが広まったきっかけだと思います。

有名な海外の老舗ブランドのロゴのお洋服が百貨店で購入できるのは、ライセンス事業が背景にあったのでは。

贈答品のブランドロゴのタオルやマットの風景にその歴史を垣間見ることがありました。

昭和時代がこういったライセンス事業の全盛期であり、現在はもうその面影はほとんど残っていません。

こうして、アパレル全体としての大まかに見た盛り上がりいうのは1960年代をもって下降線をたどっていったと感じます。

あとがき

されど、決して完全になくなることはない「衣」の分野。

こうした悲しい流れは、ファッション好きにとっては残念な姿ではあるのですが、こうした流れこそ変化であり一部成長であるとも言えるのでは。

これまでの生産構造そのものの見直しが、劣悪な環境の労働の例で露わになり、隠された膿のようなものがめくられ暴かれたと考えます。

そんな今後でもこの道で事業活動をやっていきたいのかどうかさえ事業者本人が問うために、過去の歴史と軌跡を「移り変わりや流れ」として知っていることが必要だと考えます。

書き手:ピクチャレスク

師に習い弟子に伝授、決めた1つの道をじっくりと歩んだその画業への「一意専心」のライフスタイルが整っていて清々しい【1228】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「木島櫻谷(このしまおうこく) 画三昧への道:実方葉子 著」を拝読。

本も、特に分野をしぼらずに、ピンと来た「読みたい」という直感で図書館で借りています。

この本は、今から1年前の出版の本であり比較的最近の新書になります。

こうして、目まぐるしい変化の現在は、新書が空いていればまずはそこから探していきます。

図書館の本も人気ですので、新書はほぼレンタル中ですが、時々タイミングよくこうして出会えることもありますし、1年後であると比較的借りやすくなります。

非常に整然とした画風の中の動物の目が「優し気」という特徴を感じました。

このたびは、一人の画家の「お仕事スタイルの人生」という見方でその感動を綴りたいと思います。

お手本にしたいような整然とした画家の一生、1つ決めたことを人生をかけて達成に向かうひたむきな姿の美しさはその画風に表れている

子供のころから、親の知り合いの師なる方の元で修行をしたところからのスタートです。

そして、その後先生の元を卒業して、今度はご本人が画家のコミュニティーの中では牽引役、みんなに教えていく立場に立たれました。

そんな中でもいろんな賞を受賞していき実力が評価されていきます。

そして、その名実と共に、財閥様からお屋敷の一角の美術品として屏風を描く専属の職業としての人生を送られていきます。

いわゆる御用達(ごようたし)なるお仕事です。

ヨーロッパの老舗のハイブランド様の創業当初からの変遷に似ています。

そこには、決して華やかではない、ひっそりとした日課がありました。

昼間はスケッチへ出向き、夜は執筆(漢文や詩のようなこと)もされており、淡々としているように見えて、実はひたすら画業への没頭をしたライフスタイルであったと言えます。

学業に関しては、商業科の学生時代にその内容に興味を持てず退学されていたようです。

広い分野の一般的な学業ではなく、1つのことに時間をかけていくことを選択されたのだと思います。

楽しくないことは決してやらない。。

これは、非常に強い意志であり、人生として一番無駄がないスタンスであると言えます。

私のような「団塊ジュニアの世代」の者くらいまでは、まだまだ昔の、「こうするべき」「こうしておくべき」ということで、学業はなんとなくそれなりに毎日学校へ通っていくのが当たり前だという感覚でした。

しかし、本当にその学びは自分の将来にとって必要な事なのかどうか。。そこまで突き詰めて考え納得した人生をどれだけの人が歩んでいるのでしょうか。

ところで、比較的若いころの作品に動物が多く登場しています。

これらの動物は、和風なタッチの絵の写実的で硬い印象のイメージとは裏腹に、ひときわ特徴が際立ちます。

どの動物も目が優しくかわいいのです。

実物以上にそのまなざしは表情があり、非常に豊かでまるで人間と何も変わらないくらいに思えました。

ひょっとしてその目に「人間味を注入したのではなかろうか」とそんな印象を持ったものです。

確かに実際の絵は壮大ですので、美術館へ出向くことの価値は大きいです。

しかし、こうした画集に加わるもう1つの楽しみは、美しい文章の解説、ここに画家以外の第3者である著者様の活躍が見られます。

文章が非常に美しく洗練され、1つキーワードなる言葉を見つけました。

この「木島櫻谷」様の絵のテイストを一言で表したような言葉、「瀟洒:しょうしゃ」です。

意味は「あかぬけしていて、すっきりしている」というもの、類似の言葉に「粋:いき」があります。

意味としては同じ「あかぬけしていて、すっきりしている」ということなのですが、少し違うのだと表現されています。

「粋:いき」「瀟洒:しょうしゃ」「洒脱:しゃだつ」という類似の表現が具体的にどの点でどう違うのかの証明などというものは、ファッションにも通じるところがあり、非常に興味深く注目した部分です。

あとがき

現在させていただいている事業は、ファッション分野のほんの一端です。

「これしか分からないから」「これしかできないんだ」ということでも、そのたった1つをとことん追求、ひたすら没頭していけば良いのだということを教えてくれるこのたびのある画家様のライフスタイルを見せていただきました。

その代わり、やるからには中途半端にはやらないのだということも忘れないことです。

他の人の為にも、自分の為にも人生を無駄なく過ごしていかれたところも素晴らしい、自暴自棄のハチャメチャ人生などというものは対極のしっとりと静謐な印象なのです。

その人生を作っていものの1つが、毎日の淡々としたルーティーンを続けてこられたことに垣間見えます。

画家様の本も、絵そのものだけではなくて、なぜその絵を描いたのかなどというところまで分かると「ある一人の人生の歩み方」という深みある発見できます。

そこには優れた解説が伴うものであり、著者様の功労であり本の価値です(^-^)。

「同じ・類似」はAIが得意技としている様子、では個性ある独自のスタイルなどを「違う・特殊」でAIが表現してくれるのだろうか【1226】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にも拝読経験のある分野、「行動経済学」はマーケティングには非常に役立つ人間の行動を研究した学問とのことです。

このたびは、チームになった研究者様達の記録、「買いたがる脳 なぜ、「それ」を選んでしまうのか? :デイビッド・ルイス 著/武田玲子 訳」を一読。

脳の未知の分野を探るような「ニューロマーケティング」というものです。

おそらく、テレビなどで頭に機械を装着し、行動をした時の体温や心拍数を測るような実験はイメージにあるかもしれません。

そんな我々のイメージを越えた遥か先に研究が進んでいるとも考えられます。

実験や検証から脳のどの部分が実際の「買い物」の時の反応に関係しているのか、ということなどから、購買するに至るための人間の体内で起きている反応を調べる興味深い研究がされているのです。

未解明の部分もまだ多い脳の構造は、大変複雑だと言えます。

「ビッグデータ」というものの活用についても触れられていましたので、このたびは、「AI」が分析して活躍中の人間の嗜好のようなものの読み取りに対する「疑問」を綴りたいと思います。

よくある「おすすめ」について思うこと、「同じ・類似」は「AI」が得意とするところであるが、「違う・特殊」の優れた点が埋没してしまわないだろうか

こんな疑問があります。

YouTubeでも、「関連動画」というものが評価されたりすることも皆様はご存知のところ。

いかに関連付くかというのがテーマであるといってもよいYouTubeの文化は現在のこのサイトの1つの特徴でもあると感じます。

しかし、人と同じような類似動画を投稿することに対して自分の満足度はありません。

やはり、差別化された特有のチャンネルにしたいとチャンネル主は思っているはずです。

そうすると、テーマが「差別化とか特異」ということも重要だと思っています。

こういったことをYouTube様によくアンケートでお伝えしていまして、みんながやっていないことをやると視聴してもらえないというジレンマに苦しむ思いを吐露。

そして、もう1つの例としましては、マーケットサイトで購入後に、「あなたの購入した商品と同じ商品を他の人も注目しています」というもの。

「は?」と思います。

もう購入後なので、一足遅いメッセージなのはどういった意味があるのだろうと。

購入したお品と同じ物を他の人が購入することに対しては興味が湧くものではありません。

反対に、他の人が購入したからと言ってそれに揺さぶられて購入したいと思うことなどないのです。

いかにそういった推奨の内容が実際の人物にマッチしていないのかの現実の1つを体験しています。

上述のように「同じ・類似」というベースがあっての単純な機能だと思っています。

しかし、有難いこともあります。

購入前に、探しているお品と類似のお品が登場してくれる「推奨」というのは、候補が増えますから、もしかして、見つけられていなかった範囲にあったお品を漏らさずに網羅してくれているようで、素晴らしいです。

よって、「同じ・類似」は世の中では最も最初に重視されることなのかもしれません。

この本を読みながら、このようなことを考えたわけです。

あとがき

想像以上に人間の脳は未解明の部分も多く複雑なのではないでしょうか。

商品を売れることばかりに力を入れていくと、変なサブリミナル効果にはまって本当は欲しくないものを購入させられたなどは決してあってほしくないことです。

一番は、本当に欲しい人へ欲しいものをお届けするベストマッチを目標にするべきなのだと思います。

それを機械的に変なトリックでいざなうということは決して起こってほしくないことです。

「AI」を伴う中で、脳のメカニズムの研究が良き明るい未来への発展に向かって利用されることを願っております(^-^)。

事業者のホームページは大切な資産、分かりやすく魅力的な「ランディングページ」、ご訪問者様の今後の期待と信頼をつかみたい【1222】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、WEB技術の本を拝読、「ランディングページ 成果を上げる100のメソッド:(株)ポストスケイプ 著」です。

2023年に入ってから、遅い取り掛かりではありましたが、「ランディングページ」を作り始めA/Bテストなるものにも足を踏み入れました。

このA/Bテストも当然の事項としてこの本にはよく登場していました。

当然だというのに、今までやっていなかったことがお恥ずかしい限りです。

このたびの記事では、このA/Bテストにもポイントを置き、勘違いしがちなA/Bテストのやり方と本来の相応しいやり方とを比較しました。

そして、1つの最も重要なキーワードを挙げるとすれば「コンバージョン」という用語、つまり「成約」です。

商業にとって、これこそがお客様が行き着いてほしい場所であり、そのための工夫の技術を学んでいるのです。

「コンバージョン」は自社のホームページの中ではどこを指しているのかも当たり前ながら確認すると良いと思います。

コンバージョンのポイントであるにもかかわらず、ものすごく見にくい分かりにくい場所にあったりするならば、最速でたどり着くページであるべきです。

この「コンバージョン」というゴールにどれくらいスムーズにホームページご訪問者様をお連れできるかのあれこれの工夫が100の手法となって紹介されていると考えて下さいませ。

A/Bテストのありがちな勘違い、全く違い過ぎる別物を比較してしまうことは違いを発見できないことに。。1項目だけの違いに絞るところがポイント

2023年1月の頭で行ったA/Bテストは、少し我流も織り交ぜていますが、ブログの1記事をランディングページそのものに仕立てたものです。

読み進めていただいた最終パートにはレンタルジュエリーのお申込みフォームが設置。

一番最初の入り口は、ジュエリーの着用シーンの素敵さを突然現れる「プチ小説」で表したものであることが独自のアレンジ。

実は、当ブログ記事は、最初の投稿の2023.02.09からおよそ1年半後の2024.11.06にブログ記事の「手直し」でタイトルから見直し綴り直しをしております。

A/Bテストとして2種を比較した2023年でしたが、2024年でCも登場していますので、この綴り直しの通りのCを含めた解説をここからしてまいります↓。

「A」はマルチカラーのジュエリーのセット。職業として使用する主人公はラジオのパーソナリティのお仕事の女性です。

「B」はダイヤモンドジュエリーのセット。友人のホームパーティーに参加するお仕事以外の娯楽での使用のシーンで、こちらも小説の主人公は女性。

「C」はプラチナのジュエリーのセット。ファッションデザイナーが引退し本当に相応しい自分の道を見つけて引退会見の場面から始まります。主人公は初の男性です。

そして、その小説が途切れるところまで読み進めていただくと、その後は全く一緒です。

ただ、タイトルも変え、最初の小説のシーンも違い、ジュエリーの種類も違うというのは、本来のA/Bテストの1項目だけの違いを付けて比較することからは外れてしまっているのかも。。

プチ小説にすら深く引き込まれるような妙な別の拘りまで持ってしまって、本来何を目的としているのか、小説を書いているのかと思うほどに出来上がってしまったのがCです。

あくまで、目的は「コンバージョン:成約」への到達であるべきなのです。

A/Bテストもわずかな違いだけを作ってひたすら、その差を見つけていくというところがとても地道な作業ながら正解とのこと。

このやり方が今でもずっと引き継がれていることはその効果が絶大だとも言えるからなのでしょう。

「こんな地道な作業もお仕事なのですね!?」と非常に驚きました。

どうしても全く別物のA/B/Cにしてしまったことは私の妙な拘りと固定観念。

正式なランディングページとは言えなさそうなのです汗。

あとがき

100の方法がきっちりと配分良く2ページ分と徹底されているこの本の構造が非常に読みやすいので、是非手に取ってご一読をお勧めします。

いかにも字がぎっしりで読めそうもないと思ったのですが意外や意外、どんどん読み進めていける本。

こういったWEB技術の事を書かれた著者様(この本では会社名になっていました)は、この本の構造でさえも100のメソッドを駆使した読みやすい本に仕立てあげるということをされたのだと思います。

不思議ですが、字も細かいのになぜか読みやすいのです。

ホームぺージというものをお持ちの方というのは、ホームぺージで伝えたいメッセージが色濃くあり、そこへお客様をお誘いしたいはず、事業規模の大小はもはやここでは関係無いのです。

特に異常に専門分野過ぎるということも全く感じませんでしたので、これで基本的な内容であり、最も事業者にとって大切なことの1つであるに違いありません(^-^)。

どんな事業活動をしていきたいのかを考えると同時に並行して心に留めておくことがある、根本の人間欲求の仕組みと、知っておくべき欲求の種類【1212】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本物志向のレンタルジュエリー」の事業者です。

事業内容の常日頃の確認の際にヒントになればと手にした本、「見栄の商品学:井原哲夫 著」を拝読。

タイトルの「見栄」というところにジュエリーに通じるものを感じまして、手に取ってみたわけです。

ただ、実際に実行しようとすると、はるかに難易度があるのが率直な感想です。

それくらい、マーケティングがいかに難しいものであるか、奥深い人間の心理を研究せねばならない未知の部分に溢れたものであるのかということです。

このたびは、手にするきっかけとなったタイトルにもある「見栄」について、自らの言葉で考えを巡らせてみました。

「〇〇欲求」という多種の満たされない欲求が存在するからこそ商業が成り立つと考える、事業者が追求していくことは、人の心の奥にある気持ちに寄り添うこと

「お腹がすく→満腹になる」ということが単純な例として挙げられていますが、人間の欲求には様々な欲求があります。

そして、ここが重要、欲求の満たされない部分が、「ギャップ」であるということ。

そのギャップを埋めるように働きかけることが商業そのものであるということになります。

ですから、満たされていない部分をうまく見つけていくことがヒントになります。

それは他でもない、親身に人の心に寄り添うことではないでしょうか。

人間は満たされない気持ちを心の奥底に持っているものなのです。

ところで、このタイトルの「見栄」という言葉に事業との関連を感じたからなのですが、本の中で、「見栄」という言葉はダイレクトに登場していないようでした。

それなのに、なぜ「見栄」という言葉でまとめられたのでしょうか。

キーとなる言葉に、文中でも登場の「ネアカ産業」「ネクラ産業」というものがあります。

パーティーで恥ずかしくない装いをしたいから、綺麗なドレスをレンタルする、本物のジュエリーをレンタルするなどと解いていくと、当事業にも通ずるところがありました。

「ネアカ」「ネクラ」は混在する事業もありますし、どちらかが色濃い場合もあるのですが、いずれも人の心の内をまとめた2種の側面ではないでしょうか。

当事業がどちらに当てはまるのか、両方備えたものなのかもしれないなどを考えてみるにも良い機会になる本です。

この「見栄」という言葉は「ウェブレン」の「消費論」に登場します。

よくファッション史の中でも引用の多い「ウェブレン理論」は、消費における人間の最も根底にある気持ちを表したものではないかと。

見栄という言葉も、イメージしていたこれまでよりももっと奥深いものであり、本の中に登場したいろんな欲求が言葉1つで「見栄」として表すことができるということがタイトルに表示となったのかもしれません。

あとがき

そもそも、この事業はどんな欲求を満たそうとしたものなのか。。という視点から見ることができるようになるのも、この本からの良き学びです。

根本的な「人間」という生物のタイプや性質を研究することが実は一番まずはやっていなければならないことなのかもしれません。

しかし、考えてみれば難しいということも決して無いのだとも言え、ただ人のために尽くしたり、人の心に寄り添い助けてあげることから事業が生まれると考えるのです。

事業者は自己中心的な者ではまず厳しいのです。

「人の幸せを願う」という気持ちは、事業活動を通した人間の成長だということもできるかと(^-^)。

キャッチコピーやキャッチフレーズなどの考案作業の多数のボツアイデア、もったいないがボツアイデア無しでは生まれない渾身の1選【1192】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

何か1つのことをご紹介する上で、その結果の華々しい状態を人は見せたいもの。

そんなこととは裏腹な、そこに至るまでの苦労や裏側こそ主役的に見せて下さる本。

コピーライター様ご本人が書かれた本、「広告コピーってこう書くんだ! 相談室 袋とじ付き:谷山雅計 著」を拝読。

この本を手に取った理由は、現在まさにコピーをうまく書く必要性を目の当たりにしているからでした。

そんな状況から、プロのコピーライター様のお話の中からきっと良きヒントがあると思ったのです。

このたびは、コピーライティングに関しての特殊な性質とも言えるような、1つが決まるまでのボツの存在が多数を占める作業において、この「ボツ」の存在感を見ていきたいと思います。

キャッチコピー1つで企業様の行く末が左右される重要なお仕事の裏側、渾身の1案のコピーライティングはボツアイデアがあってこそ生まれた

キャッチコピーを書くようなコピーライター様の商品というのは。。を考えてみます。

目ももちろんキャッチ―な文字として、英語なのかカタカナなのか、ひらがななのかということもありますが、耳に聞こえる音のリズムや響きなど言葉1つの奥深さが影響する非常に多角的な商品なのです。

さらに、心に訴えるという点では、言葉の底力みたいなものを知ることができるということです。

1つのキャッチフレーズを決定するまでには、様々な切り口から100種以上の発案を絞り出すかのように考える、「考案」とういう段階に時間を費やすのです。

本の中身にも書かれているのですが、付録みたいに最後の方に著者様のノートを私達に公開して下さっています。

あれこれ考案することは意外と皆がやっていないことであり、それほどまでの数の考案の中からの渾身の1つが決定されるということが精悦の極みと言えます。

どちらかというと、ブログのタイトルや、商品のネーミングは事業でも楽しくサクサクと決めていって楽しんでやってきました。

しかし、更にもっと踏み込んで考え抜くということが不足していたと思うのです。

あとがき

現在、過去のブログを「手直し」していく作業を1日のタスクに盛り込んでいます。

途方もない作業で年月がかかることですが、特に、現在からは遠いブログ開始当初のタイトルや文章の書き方がてんでなっていないことにびっくりしています。

読まれている記事の場合はその点が結構完成型になっている様子。

ブログが読まれる・読まれないというのはふわっとした偶発的な現象ではなく、ちゃんとした理由あってのものだと。

読みやすくキャッチ―なタイトル、リズム感の効いた文章は見つけやすく読みたいものなのです(^-^)。

品物は伝統的な木製家具、考え方はヒト重視の従業員の幸せを願う体勢へ、望ましいバランスの事業活動の一例として頷ける【1181】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「売れない時代に、なぜ売れる?:橋爪福寿 著」を拝読。

新しいものだらけのビジネスとは違い、その違いこそが差別化。

産地ならではな古くからの伝統も継続していきながら新しい売り方の波にも乗る創業者様の柔軟で複合的な考え方を知ることができます。

家具に関しては、古いアイテムでは箪笥が思い浮かびます。

お洋服をハンガーラックにかける一方で、伸び防止のためにはニット類は箪笥の引き出しにたたんで収納したいので、いつまでも木製チェストやデスクををかれこれ20年以上使い続けているのです。

もとは箪笥屋様からのスタートであった会社様、日本の中でも屈指の家具の名産地という環境があったところからのスタートでした。

家具の名産地x6箇所、古い家具好きな者にとって産地別の木の味わいにそれぞれの特徴がある点が醍醐味

これまで、家具好きが集めてきた手持ちの中には、北海道産、広島産などがあります。

有名どころでは6箇所、もっと規模は小さければ、近隣地域にも家具の有名な地場ブランドがあるのです。

ここで屈指の6箇所の家具の産地を列挙。

<日本の家具6大産地>

①旭川家具:北海道旭川市

②静岡家具:静岡県静岡市

③飛騨家具:岐阜県高山市

④府中家具:広島県府中市

⑤徳島家具:徳島県徳島市

⑥大川家具:福岡県福岡市

というラインナップ。

この⑥大川家具:福岡県福岡市がこの本の舞台です。

どの地方もそれぞれの木製の中の木の種類が違ったりして味わいも違うわけですが、⑥大川家具が日本でも一番の産地であるとのことです。

この環境で箪笥事業からスタートされた会社様だったのですが、随分ライバルが多くどの地域の家具も負けることなく有名なのです。

ECサイトへの移行でこそ従業員の大切さも大きくなった、一人一人の気持ちにまでケアが行き届く働きやすい会社を目指す姿勢が模範的

産地の家具文化の伝統を守っていきながら、その販売方法はECサイトに特化していったバランスの良さを見ます。

伝統に固執し過ぎて、実店舗を継続できなかった環境から時代の流れに沿ってネット販売をしていく柔軟性が素晴らしいです。

現在はECサイト中心ですが、また、そこから更にリアルな産地の現場でへ呼び込むサイクルも生まれているよう。

今の事業が成り立っていくことができているのは多くの従業員あってのことであるという意識を感じます。

日本全国に点在するライバルの家具の産地があることも考えると、売上というのは、そのシェアの獲得。

ましてや、家具離れの現在で簡単ではないのは当然です。

この本を読んだら、意識してこの会社のお品を購入しようなんて思えてきます。

本自体が宣伝の広告の役割を果たし、従業員募集の広告の役割すらも果たしている点がユニークです。

あとがき

すべてを新しく塗り替えてしまうことが「発展」ではなく、古い部分も大いに継承していく姿勢を含む点は非常に参考になる部分。

昔の軌跡なくして決して今はないからこそです。

時代の波などとは言われますが、これだけたくさんの事業が存在しているのならば、やはり自らの事業の「誇り」の部分を大切にしたいものです。

とはいえ昔のままを継続し続ければ変化がないので衰退に向かってしまうわけで、そういったバランスのとり方が非常に参考になると思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

まあるいキュートなデイジーのイメージの定着がファン増大の証、売却してでも残したかった大切なものは「これまでの軌跡」ではなかったか【1180】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」を映画館にて観賞。

ファッション系の事業のほんの片隅に携わる者として、ファッション映画を時々観賞し、思うところをブログ記事にまとめています。

有名デザイナー様が次々に映画化、この方も世界中で有名になった貢献者。

このたびは、事業の実りと人の一生を絡めた見方で、思うところを綴りたいと思います。

1つのブランドの永続がいかに難しいかということ、実るまでも1世代のみではなかったことも衰退もある中で「継承」の大切さもある

「マリー・クワント」様の旦那様の支えが大きかったと伝えられていました。

明るくマーケティング上手な周りの支えの1つ、成功の影には自分以外の大切な協力があるのです。

旦那様が50歳代で1990年に亡くなります。

特に日本が大部分の市場であったことからだと思うのですが、最終的には事業を日本企業に売却済の現在とのこと。

ブランド存続の危機の究極な場面で、魂の領域にまでに考えた「せめてこれだけは。。」というたった1つのことは何だったのか。。考えに考え抜かれたことだと思います。

これまで長きにわたって思い続けた「精神」を他企業様によるブランド継続に託したというような形に見えました。

今までの苦労や込めてきた思いをすべてその「精神」に詰め込んだと言えます。

とても切ないですが、ブランドの存続だけを一番に選択した判断。

自分が考えてきたデザインや製作は自分で見届け管理したいと思うものですが。。

しかし、現実としてそれが受け入れられなくなった時に、終了してしまわずに、それでも続けていける方法があるのか。。

これを考えると、一見矛盾しているようですが、「手放す」ということも実は「存続」につながることがあるのです。

そんな究極な姿なのではないかと思います。

一人の人間の一生の中で物事が華やかに達成されることは本当に恵まれています。

某有名ブランド様は「前世」が靴屋。

その時代は日の目を見ることが無かった地道な靴屋としての活動で一生を終えた人物がいたということ。

そして、同じ魂が次の世代で世界的有名ブランドとなったというのも、いかに人間の一生などはかないものなのか。。ということになります。

「継承」こそが大切、その良きバトンタッチのようなものがあってこそ、長く創業当時の「精神」が続いていくのではないかと思いました。

そういった意味でも、「マリー」様の最後の選択は良い選択なのではないでしょうか。

この映画公開のおよそ半年後、ご本人がお亡くなりになっています。

あとがき

「今後こんな優れたデザイナーは生まれないであろう」などと言われ、そのロゴやブランド名のみが継承されていくことがあります。

ご本人のデザイナー様がお亡くなりになってもその後ブランド名が存続するのは、継承の1つの姿。

それは元をたどれば最初の創業デザイナー様の「魂」がいまだに生きているということなのだと思います。

継承もただの商業目的では決してこうまで続いていないはず、いつまでたっても創業デザイナー様へのリスペクトありきであるべきで、実際にそのような気持ちで継承されてほしいと思います(^-^)。

自分が物を作り上げても複数存在する著作権の認識、すべてをパーフェクトに順守でやっと正当なコンテンツになるという見方【1173】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「コンテンツビジネスによく効く、著作権のツボ:八代英輝 著」を拝読。

この本はある目的を持って手にとったものになります。

現在「ハンドメイドバッグの製作手法のコンテンツ制作」を進めています。

いずれ、多くの方にそのデザイン・ノウハウを「有料ソフト」としてご提供の予定。

特徴はノウハウ部分の著作権を解放した自由な商業利用可能という点、それが「共有型のハンドメイドバッグ」という事業名の「共有」という部分にリンクするのです。

こうしたスタンスは、「著作権行使」とは対極にあり、「著作権放棄」のようなもの。

ただ、「放棄」も無関係でいる立場にはあらず見守る必要があると認識しています。

よって、「著作権の解放」などという呼び名がこのスタンスには望ましいと思います。

このデザインや手法さえ広まれば、独自のものである必要は無いという考え方を示していくのです。

こういった考え方はなかなかできないことでして、多くの製造者がそのノウハウを隠し秘蔵しライバルに負けないようにするのです。

そうしたことと反対のことをすることで、むしろ独自のスタイルになりはしないかと思ったこと、そして、「手放す」ということで得られる別のことに賭けたいのです。

そのきっかけは、製作してもその完成品のバッグやリュックがあまり広まらなかったことの「諦め」からでした。

ただ、「諦める」とうことが「辞める」ということではないことも大きく証明したかったこと。

実際、共有型なので自らも利用させていただくのであり、この姿こそ現実的な「共有型」の事業活動となっていくと思うのです。

これまでと同じように、ハンドメイドバッグを今後も作り続けるということなのです。

ただ、デザインやアイデアが自分だけのものではなくなるということのみの違いです。

「映画」の例が分かりやすいように、たくさんの著作権の集結のような1つのコンテンツの中に細かく「○○権」と細分化されている現実をこの本から教えていただいたのです。

外注が含まれるコンテンツは著作権が複数存在することになる、コンテンツ制作者自らがフリーにしてもその他の要素はフリーではないことも多々ある

以前はお恥ずかしながら著作権はシンプルに1つだけだと思っていました。

確かに「著作権」というワードは1つですが、権利の種類が細かく分かれているのでした。

少なくともハンドメイドバッグでは著作権が2つは存在するのです。

1つは、デザインの案を考え、手法を考えた自らが自明のものとして持たせていただける著作権、もう1つは材料の生地メーカー様や附属メーカー様の著作権です。

著作権が行使されている材料なのかそうではないのかということからのスタートで、他者様が生み出したモノやコトを利用させていただく意識こそ本来の望ましい製作の姿なのです。

事前によく調べて製作をするクセを正しく付けることが必要です。

さらに、もう1つは、完成したソフト自体の著作権についての行使の可否です。

これをフリーにしてしまうと、コンテンツをコピーして転売が可能。

中身無視のただのコンテンツというそのパッケージだけに価値を付けた商業利用が可能になってしまうことを考えると、ここは「行使するべき」なのではないかと思うのです。

金銭を払ってご購入の方が損をする構図になってしまうからです。

このことに関しては、転売禁止のルールを設けるなどして、しっかりとした意志表示の1つに入れ込む必要があると考えます。

ということで、「著作権フリー」を謳っているのはある一部分の著作権だけという見方ができます。

勘違いによるトラブルを起こさないためには、慎重になる部分だとつくづく思います。

あとがき

著者様は、お名前でピンとくると思います、テレビに多く出演されている方です。

その中の例も複雑な構造だと思えるテレビのケースが多く、具体的でした。

ただ著作権の複雑さには重っ苦しいものがありまして、この世の中がいかに著作権でがんじがらめになっているのかというような構造が見えてきます。

テレビがそのままアーカイブでYouTubeで流せない理由なども著作権との絡み。

ライブだと良いということも実際にライブ的にYouTubeで流されている番組だけは見つかることの理由が著作権にあったりします。

著作権に関しては、当たり前くらいに意識するべきで、アパレル関係では認識の甘さや緩さが問題視されています。

それほどに、「製作」にしても「制作」にしても作る者は責任を持って行動するべきということなのです。

販売に関するテクニックの羅列行動ではお客様はお見通し、本当に大切な事は相手の立場に立った人間関係の神髄に等しい【1166】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「買った後を想像させれば誰でもこんなに売れる!:坂本りゅういち 著」を拝読。

あえて難しめの言葉を使わずに読みやすく説かれたような文章は、まさにお客様の立場に立つように読み手のことをよく考えた販売のプロらしい書き方だと見て取れます。

著者様は、多くの販売員分野での賞を受賞された方であり、これまでの経験からの豊富な例が内容に盛り込まれます。

「商品が売れる」ということはすべての事業者が切望することです。

内容に関しては、実際に読んでいただいて感じていただくということで、このたびは、自らのアウトプットで販売に対する考え方を1つ綴ってまいりたいと思います。

「商品販売」、本当に大切なたった1つの事を自分の言葉で考えた、自分らしい伝え方で寄り添うような瞬間こそ販売にのぞむ態度の望ましい姿

接客の技術のようなことはこの本からも大いに学べます。

実際に接客を長い間してこられたベテラン様であるわけで、そのノウハウは確かなものだと思います。

この技術はありがたく拝受し、是非実際の販売に役立てていきたいと思います。

そして、心ある人間が相手である以上短い対面場面であってもより良きコミュニケーションが取れることを目指すことになると思います。

「コミュニケーション」などと難しい言葉で表現はしていても、結局は「屈託の無い情報提供」です。

何も難しいことは無いと思うのです。

情報を秘蔵せずに、知るところをアウトプットし尽くしてお伝えしていくことです。

ここに何がそんなに難しい技術が必要でしょうか。

それよりも、隠し事があるようなベースの商売こそが胡散臭くなり、つじつまが合わない言動となり怪しいのです。

では。。ということになりますが、そもそも自社製品を屈託なく誇れるようなお品物に育て上げているベースありきではないでしょうか。

言葉の節々にユーザー様はその裏側を感じ取るものです。

それだけ鋭くジャッジされるのも、対価をいただくから厳しく見られるに決まっているのです。

あとがき

お客様というのは、想像をはるかに超えた見る目の鋭さを持っておられると思います。

よって、あれこれ技術を駆使した機械的な接客や販売も見抜かれると思います。

商業というのは、もともと「お悩みを解決する」というベースのもとに成り立つ仕組み。

まずは、困ったことが無いかということに対して寄り添う気持ちからのスタートです。

「自らが主人公に」などの「我欲」は見抜かれるものなのです。