レースでも決して弱々しくなんかない、美しいカーテン地のジャガードがエレガントなエコバッグがその使用シーンをうんと広げる瞬間【817】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ本格的に冬の気配がしてまいりました。

先日少し早いながらもホカホカ心地よく温まりながらのちょっとした夜の外出に手袋を着用。

そのような季節ではありますが、アパレル業界では、2022春/夏の準備が始まる流れ。

季節が真逆の時に準備をしていくのです。

これは、過去からのしきたりといった感じでありますが、そこまでのように季節が予想しやすい現実でもなくなってきている気象の変化があります。

そこで、これまでの季節感のイメージにとらわれたバッグの利用機会の喪失を見直し、季節感無視で素敵な素材を取り入れたオールシーズン対応の製作をしてみました。

レースカーテン地のジャガードが非常にエレガント、エコバッグだからこその季節感を無視した縛りの無い利用を見込んだ製作

このたびの素材は「レース」と生地の名前にも付くので、て夏のイメージがわくのかもしれません。

そこにあえて挑戦、生地の素敵さにのみスポットを当て、冬であっても利用しやすい身近な機能性重視のバッグからのスタートで季節感を無視した製作に挑戦してみました。

「切餅」:<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ18cm。

この四角い様相から「切餅」と名付けた一重仕立てのエコバッグです。

とはいえ、丈夫に丁寧に仕立てたところが特徴。

メインバッグにもなり得る可能性を感じていただければと思います。

<使用生地:黒>レースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
ここ最近変更したど真ん中の取り付け位置に変えた「底ベルト」と縦に縫い付ける「支柱」の交わり部分。

ぱっと見では見ることのない底の部分の美しさも追求したところです。

こんな感じで使わない時は折りたたんで収納。

これだけの強度とお仕立てだと全体にはなかなかしっかりしたものなので、この四つ折りまでが限界、それでも畳めることのメリットは大きく、メインバッグ内に入れての持ち運びを可能にしてくれます。

裏地を取り付け芯地を貼るバッグとの違いは、「そのまま生地の風合いが素直に現れてしまう」ということ。

ただ、このたびのレースカーテン地、いかにも薄そうに見えますが、なかなか丈夫であることが分かっています。

重いものを入れる対応も底ベルトと支柱で工夫していますので、弱々しい作りということは決してなのです。

生地チョイスに一番におしゃれ感を優先出来るのも、この丈夫な仕立てあってこそです。

生地だけの丈夫さに頼るのも、それは素材に依存し過ぎ、半分は自分で丈夫さを作り上げていくものなのだと思っております。

あとがき

私もこのデザインの試作のものを実際に毎日使わせていただいております。

コンビニ、スーパーに立ち寄った時に、そのままこのバッグにin。

とても使い勝手が良く、サブバッグでなくメインバッグとしても十分使えると感じています。

リュックなどの他デザインではセキュリティー性を高める工夫をとことんしているわけですが、こういった入り口が開きっぱなしの留め具も何もないバッグの良さもあります。

こんなレース地がここまで出来上がるのだと考えたら、生地は無限だと思えてくると思います。

その通り、どんな生地であっても製作可能だと思うのです。

条件などない自由な製作ができるための仕様、生地幅も気にせずに生地を中心にできるような「コンテンツ」に現在このデザインの製作ノウハウをまとめ中です。

コンテンツが完成したら、是非お好きな生地で作る技術を得るということも考えてみてくださいませ、自分で製作することの喜びと可能性は人生をも変えてくれると思います(^-^)。

一重仕立てのバッグに重いボトルの洗剤も入れられるフィードバックあり、補強サポート役の底ベルトの大きな働きを見た【814】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「切餅:きりもち」という四角いエコバッグを考案し、様々な生地で製作しています。

このたびは、比較的薄手の生地でありながら、底ベルトの機能の徹底によりどこまでの丈夫なバッグに仕上がっているのかのフィードバックをいただきましたので、底の部分を眺めながらその重要な役割をご紹介したいと思います。

底ベルトの位置を出来上がりで等間隔にした結果は上々、重いものが平気だったフィードバックが物語る底の機能の充実

実は、底ベルトの上下に並ぶ位置を少し変えました。

以前は、製造側都合の縫い代を含むど真ん中が印としては分かりやすく、結果としては内側に寄ったものでした。

その取り付け位置を改良、使う側目線の均等など真ん中へ見直します。

底ベルト(旧位置):横線2本が底ベルト。内部に寄る理由は縫い代を含めたど真ん中だったからです。

さらに、これは物理的な現象なのですが、こういった縫い付けた部分は硬めなので、このせいで、マチにクセが自然と現れ、縮こまった感じに映ります。

一方、このたびの改良で底ベルト同士の間隔が広がることで、その見た目がゆったりとしたものに映るのではないかという仮説を立てました。

マチのサイズは決まってはいますが、その箇所でない縫っていない部分がいかようにも大小膨らんだり縮んだりするのが物理的な現象です。

よって、この底ベルトの位置変更がマチがそのままのサイズでありながら広がるカギになったようなのです↓。

底ベルト(新位置):すっきりと等間隔に仕上がりました。これが正解だと思います。

随分スッキリと美しくなったものです。

完成:<使用生地>先染ストライプ(黒x白)、綿/100%、日本製。たためるエコバッグです。

どちらかと言うと薄手の生地だったのですが、支柱や取っ手やベルトは多重に重なりステッチと共に強化。

畳めるものでありながら強度も十分にあるバッグになり、実際に洗濯洗剤のボトルごと複数入れても平気であったとのことです。

大変実用的になれたと光栄でありましたし、生地によっては、メインバッグも夢じゃないと思えました。

あとがき

これまでは、幅が150cm程あるような生地限定の製作でした。

それも支柱が一続きでありたいと長い支柱をコスパ良く横幅めいっぱい使った製作だったからです。

その後、このモデルは、使用生地の幅の限度を選ばずに作れるようにと、シングルの112cmなどでも可能な、継ぎ目を作るモデルへ変更しています↓。

取っ手の途中にタブがスタイリッシュに付きますが、この下に継ぎ目が隠れます。

なぜこうしてモデルチェンジしたのかというのが、多くの方にこのモデルでの製作を自由にできる「コンテンツ制作」を考え始めたからでした。

このことで随分視野が広がりましたので、「製作する人目線」ということも「ユーザー目線」に加えてもう1つ加算されたのです。

この活動は間違いなく発展です。

製造者様が素敵に作って行けるようにということは、一人だけの製作よりもはるかに可能性があると思い始めました。

一重仕立てのシンプルなデザインであっても随分奥が深いものなので、そんなこともハンドメイドでバッグを作る方へお伝えしていく役割としてしっかりアウトプットしてまいりたいと思っております。

おそらく、作るとなったら他の方の方が間違いなく素敵な世界観で作られると思われ、そこに希望を託しています(^-^)。

「バッグを底から眺めるなんてあるのだろうか」「もちろんあります」、を想定したベルト位置の均等さがとんでもなく美しかった【810】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かなり良いフィードバックをいただいていますバッグに、「切餅:きりもち」というデザインがございます。

いわゆる、「エコバッグ」「レジ袋」「サブバッグ」というイメージの畳めるような袋のようなバッグです。

一重仕立てのサブ的存在とはいえ、素材によってはこれも十分にメインバッグになり得るものであり、使い道の可能性が非常に大きいのです。

せっかく、このデザインを考案したならば、その良質さを徹底的に高めていくと決めました。

このたびは、この「切餅」の底のベルトを縫い付ける「間隔」にスポットを当てました。

「底ベルト」という2パーツをハギ目に対して対象に底に取り付ける、その場所の変更をしていきます。

少しのことなのに随分見た目が変わる驚きがあると思います。

是非ご一読どうぞ。

以前の取り付け位置は、作り手都合の縫い代を含めたど真ん中だった、以後は見た目の美しさ重視の位置へ変更

まず、以前の製作品の取り付け位置をご覧いただくのが、どう変えていくかというのが分かりやすいかと思います↓。

底ベルトの位置(旧仕様):横に2列真ん中から対称の上下のベルトのことです。真ん中に寄っています。

この底ベルトの取り付け位置、実は真ん中寄りであることに気づいていただけるかと思います。

マチから見ると外側が広くて内側が狭いです。

こうなる理由は、製作時に縫い代を含めたど真ん中に取り付けているからです。

これを縫い代を省いた状態の真ん中にすると、ベルトの位置が上下に広がり、出来上がりから見た本当のど真ん中に付くことになります。

このど真ん中に移動することの効果を見てみたいというのもありますし、そもそも真ん中の方が言葉など要らないほどの自然なものになるのではないかと。

基準の線をアイロンで示す方法を考案、アイロンの折り線をたよりにど真ん中へ

マチのど真ん中をアイロンを二つ折りすることで線を付けます。チャコペンが必要ありません。

こんな風に、チャコペンを使わなくても線が引けました。

マチは出来上がりが20cmに設定してあるので、型紙通りに裁断したこの状態の縦のマチ部分の長さは、半分の10cm。

そうすると、アイロンの線は半分の5cmの位置にあります。

改良前は。この線をど真ん中になるように底ベルトを置いていましたが、今度は、縫い代1.5cmを省きます。

底ベルトの出来上がりは巾2cmちょうどくらい。

よって底ベルトの真ん中はベルト自体の端から1cmの部分。

取り付け位置は、折った印の線から1.5cm内側へ縫い代分移動したのがベルトのど真ん中なので、1.5cm - 1cm = 0.5cm。

つまり、折り線から5mmの位置に底ベルトの右端を取り付けると出来上がりがど真ん中へ行くという考え方です。

ここで間違い易いのが、ベルトの端で計算してしまうこと。

合わせやすいのはベルトの端であることはじゅうじゅう承知なのですが、ど真ん中を実現するには、ベルトの真ん中で見る、これが注意点です。

底ベルトの位置変更後:出来上がりがど真ん中になるような位置へ変更しました。

これで出来上がりがど真ん中に行くのです↓。

底ベルトの位置(新仕様):ど真ん中配置の美しさがあります。最初の画像は詰まった感じでした。

ここで学べるのは、「間隔の美しさ」とも言うべき姿です。

ストライプの柄もそろえていますので余計にベルトの間隔の均一さがスポットライトを浴びています。

あとがき

究極の仕様は、むしろ一重仕立てのシンプルな製作の中でこそ生まれていると感じています。

隠すところがなかなか無い素直な一重仕立て製作だからこそ生まれるもの、それが「粋」「瀟洒」「洒脱」というテイストなのかもしれません(^-^)。

刃の長持ちのために生地以外には決して使用しない裁ちばさみが切れなくなった時、「不織布」や「型紙」専用への移行でコスパの良い継続使用【804】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

布製のバッグ製作をさせていただいております。

その時に使用の工具の特に大事なアイテムとして「裁ちばさみ」があります。

まずは、裁断のきめ細やかさは後のフォルムの美しさに影響するもので、ハサミの良質さも大切です。

手の大きさも考慮し、比較的コンパクトなスリムなモデルを好んでいます。

そして、鉄よりもステンレスを選んでいます。

ただハサミも刃が使用していくうちにダメになるものであり、研ぐのか新規購入なのかという選択があります。

研ぎ屋様へお願いするにしても、新規購入を選択するにしても、どの道コストが同じくらいの価格でかかります。

そこで、生地が切れなくなっても別の紙や不織布はまだまだ切れるという特性を活かします。

このたびは、そんな生地を切れなくなった裁ちばさみのその後の使い方をご紹介致します。

目的の違う同じ2点の裁ちばさみ、マジックでその使い道を記載しながら廃棄することをできるだけ先延ばしにしたコスパを高める使い方

同じ裁ちばさみ2点:左側の生地用は最近新調したもの。右側の芯地用は以前に生地の裁断に使っていたもの。

この裁ちばさみが定着。

楽天市場の「ほんまもん」様で購入。「Silky Stainless」と刻印のあるややコンパクトめなお品。

このお品は、大き過ぎず手首が楽、先端が細かい部分のカットにも切り込める繊細な刃に作られている点が非常に優れています。

大きければ良いということは決して言えないと思います。

そして、鉄のハサミが本格的で良いというのもまた価値観の違いによるものかと。

これは、実際に長い間生地を裁断し、いろんな裁ちばさみを試してきた者の意見です。

いずれ刃物というものは最初にどれだけ「とぎっとぎ」であったとしても刃がだめになってくるのです。

そこで専門業者様に研いでもらういう手もあるかと思うのですが、過去に、1つの物を末永く使おうと研ぎ屋様へお願いしたことがあります。

実際は、そのお代金が新しく程好く良質な裁ちばさみを購入することと変わりがなかったことがありました。

また、研ぎ屋様へお願いしている間に作業ができない分結局予備も必要な場面も出てくるでしょう。

よほど愛着のあるハサミであれば研いででもずっと使い続けていくことに意味はあるかと思いますので、ここは価値観ですが。。

そして、ここからがこの度お伝えしたい工夫の点になります↓。

前に使っていて生地をうまく裁断できなくなった古い裁ちばさみを、不織布の芯地の裁断専用へ移行するのです。

生地はうまく裁断できなくても、不織布はその同じハサミで十分スムーズです。

そこまで素材には違いがあるものなのです。

よって、ハサミを捨てずに、他のものをカットすることへの移行という使い方によって結果的にコスパの良い、エコノミーな使い方を工夫しています。

不織布芯地以外では、紙を切る専用、ビニールひもを切る専用、ベタベタになりがちな、布製のガムテープを切る専用といろんな専用へシフトしていけるので結構無限です。

反対に、生地専用の裁ちばさみを不織布や紙などに使ってしまうと早く傷むということも実体験しております。

実際に過去にそういった混同の使い方をしていた時期があり、早く刃がダメになりましたので、まずは、「生地専用」ということを主軸に置くと良いと思います。

あとがき

このたびは、「捨てない」「他の物を切る専用へ移行」ということで、1つの道具を長く大切に使うという方法のご紹介でした。

1つのものをずっと長く使うということが望ましいですが、そうはいかない時の工夫として、「バリエーションに富んだ使い方」というのが、ハサミ以外の他の事にもアイデアとして引用できると思います(^-^)。

<糸調子>ヘビーオンスデニム(25oz)を職業用ミシンで縫えるのかの問いに「はい縫えます」と答えることができる条件とコツ【803】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、大変有難いことに、YouTubeの過去の動画にご質問とコメントをいただきました。

少しやり取りさせていただき、おそらく、このことにお悩みであろうと思いました。

厚手のデニムを職業用ミシンで縫う場合、少し大胆なまでの糸調子の合わせ方をすると良いのです。

その大胆ということは、糸調子ダイヤルを「4」にするということでは決してありません。

良い糸調子になる時の糸調子ダイヤルと糸案内の糸の通り方の2つのポイントを確認しながら、デニムにはふさわしくない普通生地と同じ糸調子の条件と同じの状態から先に分かりやすくお伝えしてまいりたいと思います。

保存版、職業用ミシンでできる厚手デニムの糸調子の上手な合わせ方

今回は、思い切ってデニムの厚手の王者、25ozのヘビーオンスデニムを使います。

特に生地の地の目に対して、並行ではなく垂直に縫う時によく起こる下糸のループ現象などが分かりやすくご覧になれますように、横に縫う設定をします。

三つ折りにしてステッチをします。

縫っている方向は、生地後の目に垂直向きです。この時に特に糸調子が狂いやすいのです。

こちら側の向き、上糸側はほとんど綺麗に糸目が出るものです。

問題は裏側の下糸側の面の糸目の出方です。

そもそも、前提として、下糸の糸調子が合っているというのはベースです。

よくご紹介されているような、クレーンのようにボビンケースに入れて吊り下げた時、鈍い感じで滑って下がっていく様子が正解です。

これが成された後は下糸はいじることはありません。

ほとんどは、上糸側で調整するやり方です。

まずは、通常の他の生地全般のそれほど糸調子をいじることなく使ってきた糸調子ダイヤルで縫ってみます↓。

糸案内(普通地):30番スパン使用。取説にもあるように、真ん中を空けて通し、普通生地ならこれで合います。
糸調子ダイヤル(普通地):押さえを上げてた状態だとこのような位置。押さえを下げると1.5-2.0程が通常。

こうして、とりあえず、まずは、通常の他の多くの生地と同じ条件で縫ってみました↓。

通常の糸調子1.5で縫ったステッチの下糸側:非常に汚いです。右の方は、ループもできています。

糸が絞められ切っていない緩んだ状態で余ってループみたいに飛び出してきていると見ます。

つまり、上糸側から出ている糸が緩んでいるので上糸が緩いのだと導けます。

他の場所もすべてアウト。非常に汚いです。わらびやゼンマイのようなループは、これと同じ理論です。

表面は、何ら問題ないのですが、この縫った裏面が汚いのです。

これを下糸が原因だと思ってしまいがちですが、原因は上糸側の糸調子にあるのです。

下糸の糸調子に関しては、上述の通り、ボビンケースにボビンを入れて吊り下げた時の、スルスルとは行き過ぎない適度に支えられているような感覚の絞まり具合が目安。

マイナスドライバーの溝のあるネジで緩めたり絞めたりしますが、そこを適度な状態に調整してあれば後はいじることはありません。

すべてが上糸のせいでこうなるのです。

ということで、実際にデニムの厚手を縫う時に調整後の糸調子にいきます↓。

糸案内(25ozデニム):スパン糸であっても3つの穴にすべて通します。

これでかなり引き締まる効果があるので有効。このことは取説には決して書かれていません。

そして、これを忘れてはいけません。糸調子ダイヤルを触る前にいったん押さえ金を下げ、針も指します。

糸調子ダイヤルは、押さえ金を下げ、糸を指して縫う状態と同じ状態で目盛りを見るのが大鉄則。

糸調子ダイヤル(25ozデニム):ほどほどにして3強くらいまでです。4までやりません。

そして、同じように三つ折りステッチをしました。

左:糸調子(悪い)、右:糸調子(良い)右側が糸調子を合わせた方の縫い目の下糸側です。

左側の先ほどの失敗と比べて全く変わりました。

さらにもっと細かい微調整は都度、それぞれの生地の種類やデニムのオンスとの兼ね合いで試し縫いをしながらパーフェクトに合わせていったらよいのですが、大きくは、これで劇的に変化できます。

まとめますと、

①下糸はボビンケースごと吊り下げた時に鈍く下がっていく感じにボビンケースのネジを絞める調整をしておく。

②糸案内をスパン糸でも3つの穴にすべて通す。

③押さえ金を下ろし、糸を刺した状態にして(実際に縫う時と同じにする)、糸調子ダイヤルを3強あたりまで絞る

以上がポイントとしてお伝えしたいことでした。

あとがき

デニムは、こういったことからも特殊な生地だと言えます。

デニムがこれほどまでに特殊な理由は、「目の強固な詰まり具合」「織り密度の高さ」だと思います。

糸調子が良くなった右側の写真でもステッチがあっちこっち向いていますが、その理由も同じです。

仕方がないというデニムの性質もあるのですが、それでも許容範囲内の綺麗さまでは持っていくことができます。

今回のこの実験から言えること↓。

「厚手で針が通るのだろうか」という心配は誰でもするかと思いますが、たとえ、針が通ったとしても糸調子というものこそが結局綺麗に出来上がる大切な条件であるということです(^-^)。

バッグのポケットのフラップの固定ステッチを一列から二列に変更、生地の一点集中負担の解消が見込めた一方で開けにくくなったデメリットもあった【801】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグの内部には、最低1つはポケットを付けようと思うものです。

せっかくなら、ゆったりとした万能なポケットをと考えたのが、フラップポケット。

開きっぱなしではなく、フラップによって出し入れもスムーズでありながらセキュリティー性もある程度高めるという機能のバランスを考えたアイデアです。

このたびは、このフラップを縫い付ける時のステッチに注目。

一列の二重縫いだった今までから違ったやり方の二列(こちらも二重縫いでの二列)にしてみました。

これをやってみようと思った理由は、1点集中の力のかかり具合が生地を傷めるのではないかと一列のみのステッチを見直してみたものになります。

ただ、やってみたその効果が必ずしもパーフェクトではないところに現実の厳しさがありました。

最終的には、この二列を選択しなかったのです。

その理由をどうぞじっくりとご一読くださればと思います。

フラップ固定ステッチは、1連より2連の方が生地に負担がかかりにくいメリット、幅が狭くなり入り口は狭くなってしまったデメリット

フラップポケットのトップ部分。面積を広げた負担のかかり方にして生地を傷めにくくするという対策です。

この部分には、元のシングルステッチの時から、「ハード薄芯」で裏側に当て芯をしていたのでした。

そうはいっても、シングルステッチだとたしかに狭い面積に一極集中的に力がかかるようだと感じました↓。

裏面にはハード薄芯を当て芯。この後ステッチの周りを適度に残しハード薄芯の余分をカット。

二列の方が生地を広範囲に力分散させるので負担が無いと実感しました。

フラップを開け閉めした時の動かしでこの裏側の様子を眺めてみるとよく分かります。

しかし、ダブルステッチにしても今までと同じ袋とフラップの距離ですので、このようなことが起きてきました↓。

フラップと袋の距離は今まで通り2cmくらい。ステッチの2本目のせいで入り口のゆとりが少なくなりました。

このことによって、ポケットの開閉がしにくくなったと言えますし、反対にセキュリティー性が高まったという解釈もできます。

つまり、メリットも確かに生まれましたが、デメリットも生まれてしまったことになります。

あとがき

当ブログ記事は、当初の投稿が2021.11.21でしたが、そのおよそ3年後の2024.06.22に「手直し」をしています。

2024年は、1年間かけて毎日3記事ずつの過去の記事を手直ししていく年とする目標を立てて実行していっているのです。

この3年後の現在、このメリットとデメリットをどうジャッジしているかというのが大変興味深いと思われるでしょう。

実のところ、この時にやってみたダブルステッチは現在は不採用。

理由は、デメリットとしていた「入口が狭くなる」ということと、もう1つ「美し映らない」ということです。

上の写真の時の「シャンブレー」というラメマルチカラーの生地ではそれほど美しさが損なわれたという印象は無いかもしれません。

ただ、全ての生地に対してはどうなのか。。と考えますと生地によっては、フラップのてっぺんの美しい姿は損なわれると判断しました。

また、先ほどのお話に戻りますと、メリットもあった半面同時に存在することになったデメリットが入口周辺のゆとりがないということでしたので、これが多大なストレスを生むことをとても気にかけました。

おそらくメリットよりもデメリットの方がはるかにインパクトが強いものになるかと。

よって、ダブルステッチは廃止したのでした。

「当て芯」をその後「ハード厚芯」に替えて強化することでシングルステッチの二重縫いを継続、これが現在の腑に落ちた選択です(^-^)。

リュック本体に内蔵の無接着のハード厚芯、縁のボンドのみでは不安定なことをフォローしてくれる更なる縁のミシンステッチ【797】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグを製作する際に本体には、接着芯+ハード薄芯を貼ります。

このハード薄芯、何か矛盾したような名前と思われるかもしれません、ハードなのに薄い?という混乱。

実は、これは名前の区別でありまして、もう1つ「ハード厚芯」なるものがあるのでそれと区別したネーミングが、「ハード薄芯」の方です。

実際その通りで、ハードなんだけど薄い方とハードでしかも厚みのある方と2種あります。

かつては、すべてのバッグの本体にをハード厚芯を設置していたこともありましたが、実際ハード厚芯を本体に使うことで重みが増してしまいます。

レザーに匹敵するような重厚感が出るのと同時に重さもあるわけで、800gくらいに仕上がったこともありました。

それを考えますと、軽くてハリコシも出せるハード薄芯を主体にしていくようになりました。

このたびは、あまりに表地が薄いことでバランスをとるためもあり、「ハード厚芯」の方をあえて使ったケースです。

この仕様に伴い、元々無接着の芯地にボンドの役割が欠かせません。

それでも、厚芯の方がごわついてすぐにボンドがはがれてしまうことに対して、もう1つ工夫を考えていきます。

それが、「粗い糸目の縁の固定ステッチ」です。

このたびは、その5mmステッチの様子をお届けしたいと思います。

ハード厚芯を使う時の条件

ということで、ハード厚芯を本体に貼るということは、めったに使わなくなり久しいのですが、部分的には常に使っているのです。

それは、「当て芯」使いとして利用していること。

取っ手の補強、タブなど裏側に補強的にハード厚芯を当てて縫い付けることによって素材自体にかかる負担を軽減。

この効果はかなり感じていまして、出来上がりの表側からは全く見えない部分ですが、実は裏の構造というのがこういうことになっているのです↓。

左(ハード厚芯):取っ手付け根タブとDカンタブ用当て芯、右(ハード薄芯)貼り付けポケット用当て芯。

こうして、部分的にハード厚芯、ハード薄芯共に使用する細かい部分に使う場面もあります。

本体に使う場合は当然、全面的な広い面積にカットし、ボンドで端っこのみを貼り付けてその後、中表の地縫いステッチで固定するということをしています。

これをハード厚芯で同じようにやるとものすごくごわつき感が出ます。

このごわつき感は、出すべき時と、出さない方が良い時とを判断をして使い分けていく必要があるのですが、実際はほとんどハード薄芯の方です。

このたびの場合は、本来ごわつき感を出すべきだったのに、ハード薄芯の方を選択してしまったことで出来上がりが柔らかすぎたため、ハード厚芯をさらに貼るという追加的なリフォームです。

ハード厚芯をボンドで貼る粘着力の限界、しつけ的な5mm巾ミシンステッチで押さえて固定する案

裁縫用のボンドも使い過ぎては、風合いが損なわれます。

やはり見えない縁の縫い代内だけにボンドを使うことはこれまでの「ハード薄芯」の場合と何ら変わりません。

そうしますと、ハード厚芯のごわごわしたものは、作業の途中の動きによってすぐにボンドがはがれやすくなります。

乾かして、ある程度接着はしますが、それでもところどころ折り曲げた時などに剥がれる経験を幾度となくしてきました。

そこで、こんなアイデアを思いつきます↓。

ボンドに加えて、更に端から3mm程を粗めの5mm程度でしつけの意味のミシンステッチを1周入れます。
出来るだけ縁っこということを意識。この後の重ね作業によってボンドがはがれにくくずれにくいです。

これをすることで、その後の作業の折り曲げなどでもボンドがはがれたりピラピラとハード厚芯が生地から分離したりすることが防げます。

これをするにも、しわが寄らぬよう気を付けたりはしなければならないですが、この効果は十分に感じました。

ボンドの範囲内ということと、ピラピラを極力防ぐためになるべく先端周辺の縫い代の端から3mmほどの位置を縫います。

ミシンで行う仕付けのような意味がありますが、これは最後まで外さず内蔵され、出来上がっても内部で永久に残っていくものです。

あとがき

これによって、生地がかえってゆがんだりすることは注意せねばなりませんので、メリットだらけではないことだということも同時にお伝えしておきたいです。

どうしても困った時には、こういったことも取り入れて、とにかく、縫い外れなどが起こらぬようにすることを優先にしています。

上述のように、ハード厚芯を本体に前面に貼るということは、重さが増します。

せっかく背中に楽に背負えるリュックなので、重くなることは本当はあまり望ましくはありません。

よって、軽さよりも優先するこのたびのような「生地の伸びを解消」などのケースの時だけ、この重さがあるハード厚芯でもあえて本体に入れることにしています。

フィードバックをいただくまでは不足していたことに気づかなかったことを、このたび充足していったということです。

バッグは非常にこういった点が難しく、万人にすべて受け入れられない場合があります。

ハイブランドバッグでさえも、不満だらけなこともあるのです。

ただ、改善できるところは最大限やってフィードバック後、更にもう一度改良後のご意見を聞くところまでやってこそ踏み込んだ深い製作だと思いました。

ツルツル生地を重ねると滑ってずれる特性に注意、巾着袋のひもホールステッチが滑って皺が寄らないための待ち針の固定の重要度【792】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、巾着袋内蔵のリュックを製作中です。

内蔵巾着袋は裏地付きでして、2種の生地を使っているのですが、共にツルツル感がある生地をこの度選択しました。

その滑り易さがステッチの際に歪みが起こりがちである特性を知り、待ち針の工夫をこのたび考案したご紹介をしたいと思います。

地味な場面であり、まだ完成には至らない途中の場面ではございますが、美しい巾着袋のひもホールのステッチの存在はかなり重要だと考えます。

真っすぐで美しいステッチになりますよう、じっくりと作っていきたいと思います。

ツルツル同士の重ね合わせの素材で分かったずれやすさによる皺が起きないように、待ち針の打ち方で工夫した

綿/100%素材であるとガサっとした生地も多いので気づかないことかもしれません。

表地も裏地もツルツルとしたポリエステル/100%、そして、ナイロン混のポリエルというさらにいっそうツルツル感の増す素材の組み合わせで巾着袋のひもホールを製作しました。

その時に表地と裏地をきちんと重ねてステッチで固定するのが最後の方の場面の巾着ひもホール。

シャンタンはがさっとした素材ですが、裏面はツルツルなことが多いです。

こんな風に外面からものさしでトップから3.5cmのところをストレートにステッチしていくのですが、この写真のようにそのまま作業しましたら、最後にしわが寄せられてしまいました。

寸法がずれているという原因ではありません。生地がすべってずれたのです。

そこで、今一度やり直しですがある工夫を凝らします。

待ち針で固定するということを全体に均一に行い、ずれが起こらないように固定します。

表地と裏地の重なりのスタートと最後の地点に待ち針で固定。
そして途中の部分も、まめに待ち針を打ち、ずれないように固定。
このまま、同じようにステッチをかけ直していきました。

結果は、成功です↓。

皺が起きませんでした。待ち針は大変優れている固定ツールだと実感します。
ぴったりと重なって綺麗です。

あとがき

このたびの巾着ひもホールではない位置であっても、つるりとした生地は、「ずれ」に注意です。

ずれにくいからつるりとした生地を使わないのか、その生地を使いたいから、ずれ防止の対策を考えるのかですが、「生地の利用の自由度」を重視して、少し苦労してでも望む素材を選択できることの喜びを優先しました。

その他ずれやすいヶ所としましては、取っ手などのベルトパーツを作る時の観音開きの重なりです。

これもツルツルの生地は重なって美しく仕上げることが難しいのですが、出来上がるとなったらツヤがあり美しいリボンやベルトになるのです。

コットンや麻素材は製作はしやすいのですが、もっぱら雰囲気がカントリー調になります。

ツヤのある素材は出来上がりとしてはエレガントな雰囲気を放ちます(^-^)。

友人に感謝、ここまでの具体的なフィードバックはなかなか得られない貴重な真実、友人だから許してもらえただけの身勝手な製作の見直し【791】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ショッピングの際のレビューというものを多忙な中ではなかなか書くことはありません。

時々、あまりにも感動があった商品や、今後もリピートしたいような販売業者様の場合に希にわざわざログインをしてでも、購入履歴からレビューを書き賞賛と感謝の意をお伝えすることがあります。

ただ、よほどの感動があった時に限りですのでおそらく、世の中の多くの本当のレビューは伝えられずにご縁がそれっきりであることが大半だと思います。

そう考えますと、このたびのハンドメイドバッグを実際にご購入いただきましたお客様(友人)からの直接の目の前でのフィードバックをいただく機会は、それはそれは貴重だったと言えます。

この直後に、隙間だらけのリュックのてっぺんを試行錯誤を重ねてセキュリティーを最大限に高め、随分身勝手な製作をしてきたものだと大きく反省をする機会となりました。

友人などフィードバックの得やすい人にもご購入いただくメリット

家族や友人であるとついつい忘れがちなこと、それは、お客様の一人であるということです。

このたび、友人にハンドメイドバッグ(リュック)をご購入いただいた際に実際に会って、商品の使い方とか実際の使っていく中での様子などのフィードバックをいただきました。

では、ここからフィードバックをいただいた内容を大至急改善し、直していく様子をお伝えしてまいります。

このようなリュック。トートバッグ兼用。「餅巾着」という名前。<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。
フィードバックをいただいたのは、このフラップの部分。物を入れて背負った時に、ここがとても伸びます。

そもそも、このタブの長さが長い、もしくは、相手のDカンの付け位置が上の方過ぎることもありますが、背負うとメッシュ素材も相まって伸びて隙間がたくさん空いていました。

背負った様子:工夫してリボン結びで何とか隙間を埋めるも、もっとナチュラルな形でも安全にしたいものです。

では、あのフラップをどうしようかということです。

これだけの隙間を覆うには、取っ手の間めいっぱいの幅の大きなフラップが有効だというところに行き着きます。
内側設置の巾着袋に関しては、ここにはすべての物を入れるのではないとのこと。

大切な物だけを入れておく場所。

残りは取り出しやすいように、この巾着袋の外のスペースへ入れているようです。

袋をよけた隙間です。ここに貴重品以外の残りを入れているということ。

そうすると、貴重品ではなくても大切は大切に変わりがないので、セキュリティー性がやはりこの場所へ入れていても求められるということになります。

フラップを可能な限りの取っ手間の幅へ改良予定。現在は半分くらいですので、倍の幅になるイメージ。

そして、改良した大きなフラップを入り口をゆったりと覆うような位置に取り付けた取り付け位置をも改良ということになりました↓。

背の部分:フラップの先端はリュックの入り口先端から4cmの所に合わせて設置。

この4cmの意味は、取っ手にじゃましないぎりぎりのスペースを確保した位置です。

お気づきだと思いますが、取っ手の内側同士を少しずつオーバーした幅になっていますが、これで進めました。

これが内径に忠実過ぎるとまた隙間が空き、いつまでも隙間がカバーされないのです。

取っ手の付け位置を横へ移動すると今度は口がたくさん開くというイタチごっこ、よってこれで良いのです。

改良後の隙間が解消された様子、いかにも「安全で守られている」という安心感

出来上がりです↓。

本体部分の口がフラップによって真ん中に向かってアーチ状に入り口が閉じたこの姿はこの改良の成功です。
フラップがかなり隙間を覆ってくれました。完全に隙間解消不可能なデザインでも最大限にはできたのでした。
上からはこんな感じ。背から覆いかぶせるフラップでなければいけないということがよく分かりました。

ということで、あまりにも複数のやり直しがあり省略させていただきましたが、試行錯誤が随分あった結果こんな感じになりました↓。

6角形のパーツのてっぺんからの位置:てっぺんから15cmの位置に落ち着きました。安定感のある良い位置です。

途中、試行錯誤の間に、このDカンパーツの6角形も他の形に変えたりしていましたが、やはりこのデザインが良いと再認識。

今後このデザインで行きます。

Dカンはパイプ状に丸い構造ですが、細い部分が無かったので、引っかけに力を要するということで、一度「タルカン」という下のようなスタイリッシュな四角いタイプで細くなっている部分があるパーツを設置してみました。

ところがタルカンは望ましくなかった。見た目は良いのですが、ネジが回転して外れた事実が見られました。

よって、今一度Dカンに戻しました。

あとがき

当記事に載せきれないほどの試行錯誤ということを実際に体験してきました(^_^;)。

YouTube動画共に、ここまで来るのに4記事くらい投稿していましたのですが、区切ることで読みにくくて仕方がないと判断しまして、試行錯誤の実が綴られた分はすべて削除。

この結論を早めにフィードバックと共にお伝えした方が分かりやすいということで記事を当【791】1つにまとめました。

非常に多くの学びがあり有難い経験、これで「餅巾着」のリュックは間違いなくレベルアップできたと思います。

こんなことを聞いたことがあります↓。

「がんじがらめの苦しい状況の中から工夫が生まれる」と。。すごく染みる文言です。

「こんなの作りましたー。」のその続きこそがやはり大切なのです。

その後の使い勝手などをよく考えてお作りしていたつもりでしたが、まだまだ全然甘い点があるということ、現実は甘い想像を上回るのが常なのかもしれません。

返し口を作らなくても、マチの角が返し口になる便利さ、あえて手間をこめる巾着袋内蔵のリュック作りのただ1つの休息の場所【781】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「餅巾着:もちきんちゃく」という名前のリュックを連続製作しております。

違う素材1点物を都度作りながら、シリーズとして同じデザインで連続製作をしながら途中のポイントをご紹介しています。

完成した時には、お写真や動画と共にその姿を同じようにご紹介しております。

メッシュ素材は、集めてみると様々な種類があるもので、それぞれの味わいがあります。

このたびは、「メッシュシリーズ」の最終の1点となりまして、重要な締めくくりの製作となっています。

リュックの構造は、裏地付き、巾着袋内蔵ですので、①巾着袋作り②裏地パーツ作り③表地パーツ作りという3つの構成で出来上がっていきます。

通常の単品の巾着袋と違う点は、リュックの内部に設置して、マチで縫い付けて固定するという構造である点です。

ということで、このたびは、①の最終の作業ということになります。

安心な設計とセキュリティーを考えたものになります。

この巾着袋パーツをひっくり返すシーンを後で貼ります動画で楽しんでいただけたらと思いますので、当記事では、その時のポイントを綴りたいと思います。

わざわざ返し口を決める必要がない楽ちんさ、マチの穴を利用するひっくり返しの仕方はこの構造ならではの特徴

マチを空き口としてひっくり返しをスタート。
無理をせずやわらかに内側の部分を引っ張り出します。この時に、マチの縫い目に負担がかからないよう。
完全にひっくり返りまして、裏地部分の紫色が中に入りました。二重仕立ての完成です。

今回のポイントは、ひっくり返しの返し口にあたる空き口が、マチとして既に存在している点が作業のしやすさのメリットになります。

自然にそんな工程となったものでしたので、計画したことではなかったのですが、マチは後で裏地と重ねて裏地にドッキングするので、ひっくり返すところまでは開きっぱなしで良いからです。

必要な分量の返し口にあたる分量がマチに確保されていたので、ありがたい偶然でした。

ただでさえ、手間をかけた内部に巾着袋の裏地付きを設置するという構造ですから、ほんのわずかな箇所ですが、楽ができるのです。

あとがき

製作において、「楽」を一番の軸に置くのではなく、「良質さ」を追求した結果起きた「楽さ」をいただいた意外なケースでした。

ひっくり返し口は、「縫い閉じる」という作業が後から追加になり、この1手間が無いということが「楽ちん」です。

今後も、必ず「良質さ」を追求したご提案をしていくのだと、このたまたまのミラクルの「楽さ」によって改めて決意を固めたのでした(^-^)。