決して表地のみに依存しない、薄グレーの美しい「フクレ」に対する裏地は、マルチカラーのぼかし柄が美しい「フクレ」という攻めた巾着バッグ【958】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで、バッグの素材にエレガントさと特徴を入れ込みたいと、「凹凸感のある生地」を利用させていただくことを意識してまいりました。

元々好みの凹凸感ある素材だったので気持ちからのスタートだったことですが、凹凸感と言ってもその構造は様々です。

長い間生地を集めるだけで製作の方が追い付かずにたくさんの凹凸感ある生地をためこんでしまいました。

そこで、この2022年を中心に在庫生地を短い期間で一掃し、次へのステップにと「インテリア収納袋」の連続製作を始めました。

このたびは、その4点目となります。

表地も裏地も両方同じフクレを使い、むしろマルチカラーの美しい方を裏地に選んだ取っ手付き巾着バッグ

これまでの3点の中には無かった新しいデザインで製作してみました。

ひもでキューッと絞る巾着袋の型紙でありながら、サイドリボンの巾着タイプにアレンジ。

<サイズ>縦26cmx横26/46cmxマチ20cm。中身無しの場合には完全にぺたんこです。
<表地:薄グレー>ストレッチフクレパフ服地、ポリエステル/95%、ポリウレタン/5%、日本製。
<裏地:マルチカラー>フクレプリント、ポリエステル/100%、日本製。

裏地は表地に負けず劣らず美しい生地です。

こちらを表地にするのかを最後まで悩みましたが、裏地にする良さのイメージが浮かび、表地のうねりの迫力の方をメインにしました。

製作した結果なのですが、ちゃんとしたお写真が撮れないほどくったりとしたものでした。

まさにインテリアでの収納袋に徹したものですが、少しこのことについては不満でして、あわよくばお出かけ用にも使えるように作るべきだったと。

本来バッグにするような生地ではないフクレは服地に見つかることに気付き目を向けるようになりました。

せっかくの服地の意外なアレンジですので、実際にバッグとして十分成り立つような出来上がりにしないと説得力がなかったかもしれません。

その他、ぷっくり膨らんだジャガードは、「ブリスタージャガード」として検索するともっと発見する生地が広がると思います。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.04.21からおよそ2年後の2024.08.10に過去のブログ記事の「手直し」の順番でまさにこの部分を追記しています。

これまでの文章もほとんど書き直しをしてここまでたどり着きました。

この度のフクレ生地は、過去のストックですので、このまま使用することを軸に製作しました。

ただ、フクレ生地も数は豊富ではありません。

確かに凹凸感が素敵なのですが、その後、製作者からのアウトプットが必要なのではないかと思うようになりました。

元の生地に依存するのみの製作を見直し、「ハンドメイドダイヤキルト」を定番にかけるような製作に移りました。

そうしますと、素材自体をちゃんと作り出すことを一部分なりともすることになります。

このたびのフクレ生地の場合は、反対に、キルトをかけるとせっかくの風合いが潰れて見た目の美しいうねりが変わってしまうと思います。

よって、製作の変遷の中では、このフクレの生地集めと共に製作したこういったスタイルはこの「インテリア収納袋」をもって終了になると思います。

大抵がプリント物のブロードやキャンパス地がバッグにハンドメイドで作られる中では良い差別化ではあったのですが、プリントの素敵な柄頼みとあまり変わらないスタンスだったのでした。

ただ、このような素敵な生地の存在にまず気付けたことは十分な資産だったと思いますので、こうして記録に残しながらまずはお伝えすることをして引用させていただいたお礼のようなものにしたいと思います(^-^)。

縦長トートバッグは「ピンタック」を四つ角に入れた方がスタイリッシュになると製作後どうしても気になってしょうがなかった【957】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「インテリア収納袋」を作る企画としまして、比較的短い時間(およそ3時間程度)でインテリア専用のバッグを連続製作しております。

長い期間そのままになっていた生地在庫の一掃の目的と、存分に柄の素敵さを広い面積で味わえる、容積とおしゃれ度重視のバッグ作りへのシフトをしてみたのですす。

在庫を残さない方向ということで生地をめいっぱい使う方法に見合い、これまでの外出用に特化したバッグとは違った柔軟さも生まれています。

必要な時だけ、畳んで収納してある引き出しから取り出して使うという融通があり、室内でただ収納するためだけの入れ物となることで傷みが少ない長持ちなバッグになると見ています。

実際に昔のバッグをいつまでも保管している経験もありますので、おそらく長年の持ちに関しては確かなことだと思います。

このたびは、このシリーズの製作の3点目になりまして、縦長のトートバッグを作ります。

比較的大きいサイズの縦長は、「くったり」となりがちでそんなところをハリコシある裏地とのコンビでバランス良く工夫していきます。

では、どうぞご覧くださいませ。

表地も裏地も同じ形の薔薇柄の相性と、元はステージ衣装のようなワンピース向けの服地である共通点を持ったコンビ

このたびの生地も凹凸感がある生地なのですが、いろんな凹凸感の表し方がある中の1つとして「フロッキー」という素材があります。

ベースの基布の上にまるで貼り付けたような(実際に貼り付けるというようなことに値する構造)凹凸感です。

<表地>シャンタンフロッキープリント、生地:ポリエステル/100%、柄:ナイロン/100%、日本製。

シックなシルバーグレーx黒、この無彩色感がまたクールです。

<裏地:黒>ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

裏地の前面側と後ろ面側とでツヤが違いますが、奥の方、裏を向けてしまいまして、間違えております<m(__)m>。

手前のツヤのある方が表で本来の向き、奥の方は逆サイドに接着芯を貼ってしまい、ツヤの出方が違ってしまいました。

カラートーンがちぐはぐになって映ってしまい失敗ですが、接着芯が貼り付いてとても剥がせませんので、やり直しせずに作ってしまいました。

完成:縦長のトートバッグ。<サイズ>縦42cmx横33cmxマチ20cm。
縦向きは、何も中に入れていない場合に、どうしてもだらしがなく見えることがあります。
そこで、上の方だけピンタックを四つ角に施してみましたが、ほとんど効果はありませんでした。

そこで、一度中途半端に上の方だけ施したピンタックを外しまして、上から下まで四つ角すべてに入れ直していきました↓。

ピンタックを四つ角すべてに施した本当の完成:これで良いです◎。スタイリッシュに整った造形になりました。

あとがき

背丈にも関係するので、あまり縦長のビッグサイズは万能とは言えないこともありますが、横長にはないスタイリッシュなかっこよさがあります。

こうして、出来上がって思うことは、縦長は、ほぼすべてにピンタックが入っていた方が必ず素敵になるという結論です(^-^)。

マルチカラー大花プリントリネン生地の中のカーキグリーンとの相性に「遠州生地」の1パーツを選択した結果、ハリコシと味わい深さが出た【956】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

インテリアで入れ物として使うことに特化した「インテリア収納袋」の連続製作企画をしています。

インテリアでの収納だけに注視した仕様ですので、お出かけ用で製作するものに比べれば柔らかく、ポケットも無く、セキュリティー性も高くはありません。

ただ、そのおかげで柔軟性があり、たたみやすいので、必要な時だけ引き出しから取り出して使える融通性があります。

そうしますと、動きの少ない室内で使うわけですから傷みも少なく、結果長持ちなバッグになると思います。

とはいえ、しっかりと4本ステッチの持ち手であり、何らお出かけ用とは変わりのない作り方をしています。

このたびは、このシリーズの2点目。

もともと生地幅が108cm程である上に、わずかな長さの調達でしたので、ビッグサイズとまではいかず、中くらいのサイズのバッグになりました。

感じの良いマルチカラーがベースのサンドベージュの麻に非常に相性が良いです。

では、この度の完成したバッグを是非ご覧くださいませ。

二重織の大花プリントリネン、裏地にフル使いの1パーツの「遠州生地」の活躍ぶりが大きかった

<表地:オフベージュ>リネンWガーゼプリント、麻/100%、日本製。まだひもを入れていません。
<裏地:ライトオリーブグリーン>無地ネップ木綿、綿/100%、日本製。節が美しく、ハリコシが特徴です。

表地も裏地もとても良い生地です。

表地は人気の麻素材、ハンドメイドバッグの麻素材は不動の人気であるとお見受けします。

この素材、丈夫な織り方である二重織の一種で、「ダブルガーゼ」という名前の生地です。

作っている最中に2枚がくっついている構造を感じました。

そして、裏地はごわっとした綿素材、何とも言えない淡いグリーン色が特徴です。

この生地だけ見ていると黒白かと思うのですが、他の黒などと比べるとグリーンなのです。

いずれも接着芯を貼り、丁寧にお仕立てをしていきました。

せっかく取っ手が付いているので、フックに掛けたり、壁に掛けてインテリアを兼ねた入れ物として使うことができそうです。

サイズは、縦24cmx横26/46cmxマチ20cmです。

中ぐらいと申し上げましたが、容量は結構あるのです。

このサイズ感は、救急箱としてなどインテリアにおいては、使い道が豊富なサイズ感、実際に同じようなサイズ感の巾着袋をインテリアで使っています。

納得いくまで江戸打ち紐のカラーをいろいろ試してみた変遷

その後届いた巾着ひも、色がだいぶずれてしまいました。

マルチカラーのグリーンとはかけ離れた抹茶色。腑に落ちません(*_*)。

新たな色が生まれてしまってマルチカラーの柄の中の1つの色とマッチしていないです。

ピンクは結構色としては合ったのですが、コットン素材の紐はバッグが田舎っぽくなってしまいます。
最終的には、このツヤのあるブルーグレーに落ち着きました。ぴったりではないのですが、既製品あるあるです。

あとがき

このたびの裏地の遠州生地についてなのですが、もともとごわっとした風合いが特徴です。

ダブル織である表地のリネンは確かにしっかりしてはいますが、バッグとしてはもう一押しハリコシが欲しいところ。

そんな時に裏地のこのごわつきが上手く機能してくれていると思うのです。

裏地を表地の附属品と思うことをせず、表地と裏地のコーデであるとしてきた考え方が功を奏した結果と見ています(^-^)。

大花柄は大きなバッグに仕立て広々と柄を演出すると素敵になる、小花柄との違いは途中で途切れることを事前に考えておくデザインの判断【955】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「インテリア収納袋」と称しまして、インテリアで使う目的のバッグを連続製作中です。

目的の1つに過去の古い高級生地を中心とした在庫生地の一掃があります。

凝ったお出かけ用バッグでは5-6日かかる製作に対して、1日の内の3時間程あれば仕立てることができる簡単なポケット無しのトートバッグ中心でコマを進めます。

出来るだけ柄をめいっぱい活かし、大きいサイズから順番に作っていきます。

このたびは、まだ最初の製作になりますが、ビッグデイジーの無彩色なマルチカラーが素敵な「風通ジャガード」でトートバッグを製作しました。

過去に製作の面積の狭いバッグに仕立ててしまった品物との比較も交えながらトートバッグの完成をお届けしたいと思います。

柄のサイズが大きい生地は大きなバッグの方が迫力と価値が高いのではないかの実物の比較での証明

せっかく凝った作りのぷっくり膨らんだうっとりと眺めるほどの素敵なジャガードです。

柄も大きなお花で存在感があり、できるだけ広い面積に大花を敷き詰めたい。。

そうすると、バッグは途切れ目の少ない広い面積である方が良いと思うのが現在の考え方です。

ただ、過去には全く同じ生地で、小さめのコンパクトバッグを作ったお写真があるので比べてみてくださいませ↓。

2018年製作のドーム型のバッグ:デザインにこの柄を当てはめた形なので、途中で柄が途切れます。

ポケットの切り抜きで柄が途切れる部分があり、せっかくの柄が十分に登場せず、物足りなさを感じます。

2022年製のトートバッグ:<サイズ>縦37cmx横44/62cmxマチ20cm。柄が広々とした印象です。
<表地:オフ>風通ジャカード、ポリエステル/76%、ナイロン/24%、イタリア製。日本製には無い凹凸感。
<裏地:黒>透かしオパール、綿/46%、キュプラ/26%、ポリエステル/18%、ナイロン/10%、日本製。

裏地の柄はあまりはっきりしていない抽象的な柄なのですが、大花の表地に相性が良い大柄です。

無彩色の表地に黒を裏地に持ってくることも出来上がりの大人っぽさ、高級感へと方向性がはっきりとしてきました。

インテリア専用ということでそれほど追求しなくても良い強度、その代わりにたたみやすさや軽さが生まれている

たためます:底板も入れていないので折りたたみもでき、使わない時に引出しの中などに大切に収納できます。

一見写真だけ見ると、この同じようなデザインをお出かけ用にも使えるかもしれません。

しかし、お出かけ用を作るとなると強度と安全性を追求することになりますので、随分違った作りになるのです。

これまではその使い勝手や機能を持ち歩く外でのシーンであることを想定して製作してまいりましたが、シーンをずらすこの度の製作から得られることもありました。

何と言っても、1日の数時間で完成してしまうところが、次々に作って行けるメリットです。

それと引き換えに強度やセキュリティー性は下回るということです。

ただ、作りに手を抜いていることは決してありません。

取っ手についても、接着芯しか入れてはいないのですが、ステッチの4本線によって丈夫にしっかりとしています。

室内用としては十分ですし、これを持ち歩くことも不可能ではありません。その想定も入れてちゃんとしたお仕立てをしています。

こうしてたためることで、使わない時に日に焼けたり、ほこりがかぶったり、汚れたりなどの傷みを防ぐ引き出しやクローゼット下に収納ということも可能。

結果長持ちのお品になる可能性があります。

室内で入れ物として利用するのは、動きがない静止状態なので、強度をそれほど追求しても意味がありません。

持ち上げて全体の力がかかる場面というのは配置を変えたりするときのみ。

あとは、じーっと同じ場所に置いているだけの入れ物なのです。

しかし、目につくところであれば、時々視界に入り、綺麗な柄を愛でるということも日々の暮らしが潤いのあるものになるインテリアの1つとなると思います。

あとがき

今まで作ってきたお出かけ用のリュックなどを製作者本人のライフスタイルと比べると少しずれていました。

お出かけする時はブランドバッグなのです。

そして、インテリアである室内でたくさんこういったハンドメイドの花柄ぎっしりのバッグを楽しく使っているのです。

その点では、この度の製作は、ずれがありません。

まだ「インテリア収納袋」のシリーズがこのたびで1点目ですが、引き続きどんどん製作していきます。

大きい容積のバッグから順に製作していき、小さい面積のものは巾着袋になっていきます。

引き続き、今後の比較的ペースある製作を見守っていただければと思います(^-^)。

ドイツ製のサテンの薔薇柄の素晴らしさのおかげ、三つ折りステッチのみの単純な作業でできたインテリア性の高い「ドイリー」【953】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドメイドバッグを以前の「お出かけ用」から「インテリア用」にシフトした製作をしています。

インテリアで使う「収納袋」として活用していく方向であっても同じバッグなのです。

そうしてインテリア用のバッグの製作を考案中に生地を見ておりましたら、あるひらめきが。。

インテリア性の高さがありながら最も単純なアイテムである「ドイリー」を三つ折りだけで作ろうと。

思い立ったらすぐに行動、ということでこのたびはインテリア性の高い生地を利用した短い時間で作れる敷物「ドイリー」のご紹介です。

短時間で製作可能な「ドイリー」、生地は中厚程度が良い、薔薇柄が広々と目に映るにはほぼ生地そのままである使い方も選択肢の1つ

今回選びました生地がこちら↓。

<使用生地>:朱子織薔薇柄ジャガード、ポリエステル/100%、ドイツ製。

この真ん中の折れ線でカットして半分を使います。

余分をカットせずとも綺麗にカットされているので、そのままアイロンで三つ折りします。

生地は得に極厚である必要はないですが、やはり中厚程度があった方が良いです。

ミシンによる三つ折りステッチ:事前に2cmの箇所に印、1cmずつの三つ折りアイロン後ステッチ。
完成。アイロンも最後に掛けました。カットしたもう1方の生地は後の製作に保管。

完成した薔薇柄の「ドイリー」をお部屋の中のインテリアに馴染ませた使い方

では、最後に待ちに待った使用の場面です。

インテリアの中の1小物としての位置付けとして見ることができます↓。

こんな見映えになりました。赤い色の薔薇柄が映えます(^-^)。周りのパンダンボックスとの相性も良いです。

他のインテリア小物との調和も意識したいもの。

単純ですが、すべてのクロスを薔薇柄で選び、柄でありながらごちゃごちゃし過ぎない調和のとれたものに意識しています。

いろんな薔薇柄が混在するインテリアの様子。どれも薔薇柄ですが、統一感は意識しています。

あとがき

その後の、カットして保管した片割れのその後の姿はこちら↓。

良い位置に薔薇の赤いお花の部分が出てくれました。背景も相まってミステリアスな巾着袋になりました。

確かにドイリーは柄がいっぱいに広がったアイテムとして魅力がありますが、こうして出来上がった巾着袋もこちらはこちらで素敵です。

製作者としての感覚で言いますと、巾着袋の方が「作った感覚」があるのは確かです。

手間をかけることをいとわない姿勢は大切で、やはりこういったものは頭の中で前もって手間賃を計算するようではとことん良い品物を作ることはできないと思うのです。

素敵になることだけを懸命に考えて作った姿の結果から考えていくことが本来の望ましい順番だとどうしても思うのです。

ドイリーの製作自体は確かに生地1枚のみで作るので、「素材依存・柄依存」と言えます。

しかし、それでよいと思うのです。

ありがたくその生地の素敵さを大いに利用させていただいて、縁の始末だけをきちんとしたという「ドイリー」。

ただ、その後のお部屋のまとめ方に関しては、お部屋主様の裁量にかかってきます。

せっかくの「ドイリー」が映えるも馴染むもインテリアに対する考え方しだい、うまく活かされ素敵になっていかれますよう(^-^)。

トート型アレンジのリュック製作のパーツ別の縫い代の違い、安心な地縫いは1.5cm、小さなパーツはすっきりミニマムな1cm【921】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今では氷以外のすべてのものを入れられる万能バッグとして君臨の「トートバッグ」。

元は氷を持ち運ぶためのものだったとか。

使用目的がひっくり返った実態が、大変興味深いです。

裏地を付ける、着けないにかかわらず、バッグの合体における地縫いや小さなパーツの縫い付けでは必ず縫い代を要します。

このたびは、地縫い部分と、小さいパーツの縫い代の寸法の違いがあることがかえって美しく機能的に出来上がることを、場所別に確認する回としたいと思います。

1.5cmの縫い代と1cmの縫い代はそれぞれどこのパートなのかを見ていきます。

重さや圧力がかかる地縫いは1.5cm、細かいパーツは作業がしやすくすっきりと出来上がる1cmで決めた

重い物を入れたときの重圧などは、こういったハギの部分にかかってくるので圧力がかかり、少し動いたり生地のハギ目が引っ張られたりします。

その積み重ねで耐え切れず破れたり裂けたりなどが起こり得る5mmなどは到底危ない不足の縫い代の製作だと想像します。

5mm程度では、いつパンクするのか分からない不安に襲われるのです。

やはり3倍の1.5cmとっておくことがとても安定感があります。

今度は、逆に細かいパーツに関してです↓。

細かいパーツは、ショルダータブ以外は重圧がかかるところではありません。

よって、縫い代を1.5cmも取る必要もないことと、1.5cmでは狭い部分に混沌としてしまい、縫い代の行き場がなく表へ響くことがありますし、綺麗に作りにくくなってしまうのです。

1cmにしてすっきりと縫い代が収納されるような環境の方が表からの見栄え、作りやすさ共に良いのです。

ということで、1.5cmと1cmというわずか5mmのことではありますが、この違いが随分大きいということで、使い分けが重要です。

以前、某ハイブランドポーチの縫い代が浅くて、使っているうちにパンクした過去がありました。

そこをロックミシンで覆い、リフォームのおかげで現在も使えているという経験があります。

地縫い部分が一重仕立てでしかも縫い代も浅く、縫い代の始末もしていない。。

ユーザーがそこまでやることなのかと非常に問題の品物だと思いました。

まさしく、「ブランディング」のおごりではないでしょうか。

あとがき

ちょっとした縫い代の違いが、その出来上がりに影響すると思いますし、いかにも丈夫そうな素材を使うことだけでは表面的なのです。

見えない縫い代だからこそ、製造側が気に掛けることであり、その後の長持ちを祈りながらこうしたところにも気を使いたいと思わなければならないと思うのです。

そして更にその先が重要、こうしたことの気遣いがその時だけではなく、何年も後の「信頼」を生むのではないでしょうか。

これまで随分中綿キルトのリュックを作ってきたが、バッグ類以外に中綿キルトが利用できるアイテムを考案し可能性を広げる回【900】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

リュックやバッグにお作りしてきたこれまでの中綿キルトをそれ以外に何か使い道は無いのかを考案してみましたのがこの度の投稿です。

とにかく固定観念を作らないように時々広い見方をしてみるのも良いのではないかと思います。

広く見るためには、「根本」を見る必要があります。

広い見方は「切り口の違い」へのヒント、日常に眠る「ニーズ」の本からも着想を得た中綿キルトの引用

以前読んだマーケティングの本の中で、「ニーズというのは身近に眠っている」、といような内容の本がありました。

【821】で投稿の、「サイレントニーズ:ヤン・チップチェイス/サイモン・スタインハルト 著/福田篤人 訳」という本です。

案外身近にニーズがあるのかもしれません。

今回はゆったりとした考えるだけの時間を記事にしてみました。

こんな感じの中綿キルトをリュックに作ってきましたが、品物違いでバッグ以外にも使えるものだと思います。
中綿キルトでバッグを作った例。バッグ専門で製作しているものの、大きく俯瞰した目線も必要です。

なぜ中綿を入れているのかということをまず改めて掘り下げます。

ふんわりした綿のクッションで緩衝(かんしょう)の役割を果たしてくれるわけですので、「壊れやすいアイテム」を守ってくれるイメージです。

1)重いもの

2)大切にしたいもの

3)落としやすいもの

4)割れやすいもの

こんな数種の目的が浮かびました。

すべて日常的な当たり前のことばかりです。

このようにあえてまとめますと、随分ユーザー側の立場になって考えられることに気づきます。

その他機能に関しては、例えば、型紙使っている小道具の「文鎮」。

文鎮は重いので1)に該当するのですが、中綿キルトの巾着袋に入れることで、「まとめる」とか「収納」の役割も生まれます。

そして、ここ近年では、「動物」のクッションです。

かわいい小動物達は家族の一員。

お昼寝用のちょっとしたスペースであるだけでもふんわりキルトの役割や、そのような場所をもらえた動物達の喜びなど「心地」の面にも触れる何かがあるのではないかと。

こうして、たった1つのみの単純な役割ではない深みのある品物になることができるのだという可能性が価値を高めます。

あとがき

そもそもバッグ製作のノウハウを研究してきましたが、バッグという括りも時々外してみる見方も必要だと思いました。

キルトだけのことに限らずなのですが、少しスライドした見方で随分新しい可能性や発見があるかもしれません(^-^)。

巾着ひもホールのサイドのコの字ステッチの曲がり角、近くなったら目打ちで裂け目を押さえて場所を見逃さない、きちんと描けるコの字型【899】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

どうやったら巾着袋が綺麗にできるのか。。ということを追求しています。

まずは、丁寧でクリアな「仕様」を持つことが大切なのではないかと思いました。

このたびは、美しく出来上がるための具体的な「仕様」を細かいところまで追求しました。

巾着ひものコの字ステッチの曲がる位置の徹底、位置がどこなのかということをこのたびご紹介したいと思います。

どこで曲がるの?コの字ステッチ、曖昧ではなく具体的に目打ちで押さえる場所

コの字の曲がり角は結構曖昧。

しかし、きちんと決めれば徹底したものにちゃんとなると思います。

コの字の曲がり角がなぜ大切なのかというと、コの字の短い線が後の巾着ひもホールのホールを作るステッチと重なるようにする仕様を決めたからです。

これらのステッチは分離しているよりもぴったりと重なった方がはっきりとしていて、綺麗だと判断したのです。

目打ちを押さえた場所:まずてっぺんから縦に降りてきます。次に巾着ホールのV字の裂け目を押さえました。

コの字を曲がる周辺では、V字の裂け目周辺が急に視界から「押さえ」に隠れて消えてしまうのです。

よって、曲がるまでずっと目打ちで曲がり角の決まった位置を目打ちで押さえるというのがピンポイントの場所の示し方です。

実際には、裂け目から1mmくらいわずかに内陸部に入ったところを縫います。

ただ、その決まった位置という以前に徹底されるべき部分は、地縫いの時に上から7cmの位置から縫うなど、縫い始めの位置も大切です。

よって、すべての作業が連動していることを意識して、地縫いの時の最初のスタート位置も正しくミリ単位で徹底するということになります。

目打ちにはいろいろな役目が考えられます。

元は小さな穴を開ける目的ですが、「印付け」としての役割がこうした生地を材料に使った作業では活躍してくれます。

一瞬の「印付け」であればマジックではなくてもこれで事足りるところがスムーズなのです。

あとがき

常に、「なぜそのやり方なのか」こういうことがシンプルに説明できたりすると、出来上がった品物にストーリーや哲学が入り優れた品物になると思うのです。

流行を表面的にとらえただけの模倣が良いレベルの品物にはならないということも分かります。

少しずつのこうした追求は集まると随分強味になっていくのではないでしょうか(^-^)。

アセテート混のサラサラ生地で細い8mmひもを作った結果大きく失敗、お洋服の裏地ではメリットな滑りと皺の寄りにくさがすべて悪影響のケース【877】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

製作の中である失敗がありました。

それは、幅8mm仕上がりの巾着紐

縫い線が脱線してパンクヶ所が多発。

これは、そもそも巾着ひもに向いていなかった生地だと反省。

そして、混率の大部分を占める「アセテート」の性質を実感しました。

このたびは、その失敗作の様子と、あるアイテムではメリットでも別のアイテムでは全くのデメリットになるケースとしてご紹介したいと思います。

このことを通じて、生地の性質をよく理解して利用することや、混率の大部分を占める素材の特徴が製作のやりにくさにも現れてくるということをお伝えしたいと思います。

アイロンをかけにくく跡が付きにくい素材のアセテートの性質、お洋服の裏地には抜群でも細かい作りの共布ひも作りには向いていなかった

巾着ひも製作に使用したちりめんニット:アセテート/72%、ポリエステル/25%、ポリウレタン/3%。

そもそも、この表示を見て、アセテートがこのように高い割合で入っている場合、アセテートの性質が、扱いにくさにも現れるというイメージをするべきでした。

出来上がった巾着袋に通すひもになる予定でした。
いったん2本とも完成してみました。出来上がり巾8mmです。
よく見ると、こんな風に縫い代がはみ出してしまうヶ所が見られます。
片方の面を縫いそびれてぱっかり口が開いてしまう「縫い外れ」の箇所がこの他にもいくつも見られました。
全体の太さが統一されていなくて、膨らんだり細まったりと安定的ではありません。

ここまで全体的に問題が出たということは相当です。

そもそも、縫う前のアイロンがけの時点で線が付きにくいのがこの生地。

アイロンの線が付きにくいということは正確に作れないと考えるべきです。

細いひもを美しく作る時にいかにアイロンの折り線が大切かも同時に分かったということです。

このアセテートという生地は、以前に100%の物を使用した過去があります。

なんとバッグを作ったのでした。

その時も、非常に線が付きににくくて、ラインが波打ち気味であったことが思い出されます。

その時は、細かいストライプだったと思いますので、その線に沿って何とか縫えましたが、形がぐにゃぐにゃしていたと思います。

左の奥:これでした。アセテート/100%の素材はサラサラ過ぎて、アイロンの線が付きにくい特徴がありました。

柔らかくしっとりとしているので、素敵には見える生地なのですが、実際の縫製では、一定の太さに重なりにくい不安定さと言いますかとろんとしてしまうのです。

ということで、そもそも、巾着ひもに、アセテートメインの素材を選んだということがミスだったということです。

はぁ(*_*)。

では、この、せっかく作ったひもは捨てるのか。。

反物を収納するためのロープとしてリユース:こうして見てみるとよくできた紐のように映ることが不思議。

商品にはなりませんでしたが、ぱかっと開いた部分もあまり影響がないこういった使い方なら、せっかくここまで作ったので利用したらよいと思います。

気になるようであれば、ぱかっと開いたところを上から縫い付ければよいのです。

ただ、売り物にはなりません、一度でびしっと縫いを決められなかったひもにレベルはないのです。

あとがき

今回1つの大きな学びがありました。

そもそも「アセテート」は細かい作業には向かないということです。

お洋服に出来上がりさえすれば、着ていく時に、アイロンの手間要らずで良いのかもしれませんが複雑な重なりの多い製作は大変だと思います。

以前にアセテート/100%で作ったトートバッグの不出来の時には深く考えませんでしたので、この二度目の経験でやっとピンと来たといった鈍さ。

綿や麻はアイロンで折りやすいですので、作りやすいですが、素敵な生地となると、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、絹などの混率のものも多いです。

アセテートは、ポリエステル、レーヨンン、キュプラに並んで時々裏地にも使用されています。

お洋服の裏地にとっては、正に「しわになりにくい、滑りが良い」というメリットがあり、このたびの巾着ひもで必要とする性質と真逆だったことを後で顧み、素材の選択ミス(求める性質と真逆を選んだ)だったと反省したのでした。

過去の少なめの在庫生地を使ったリュックの製作、生地が不足の事態の裁断時にとんちを利かせた対処法【875】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去の時に調達した生地が数年経過の現在、製作するデザインの用尺が不足の事態があります。

過去の単純な構造から、その後の仕様の変化で生地を多く使うようになったのです。

そうしますと各パートごとの生地の不足が起こることがあり、あと1パーツ分が足りないなどという事態が時々あります。

そんな時にもご参考になるようなこのたびの対処例をご紹介したいと思います。

過去の在庫生地を使う製作でどうしても不足したパーツを別布で代用、かえってデザイン性が生まれた

まず、表地で不足したパーツが早速ありました。

表地:肝心なショルダーパーツがとれませんでした。取っ手はとれています。

こういう時に、不足でありながらも、どのパーツを不足にするかをよく考えます。

ショルダーは取り外しのもので、本体に附随していないものであるので、別布であっても大丈夫という判断です。

ショルダーパーツx2枚:裏地で対応です。ちりめんは丈夫ですので表地としても行けます。
裏地:ちりめん生地の黒無地です。
裏地のちりめんは、巾着袋の紐にも充てました。細いロングパーツ2枚です。
白の小花柄の不足:フラップの片面を裏地のちりめん黒無地で対応。違和感はなく補填できます。

ポケットのフラップにコントラストが効いて、どちらが表面に来てもデザイン性が生まれます。

巾着袋地(外):黒の最近よく使っている無地の生地です。今回は、巾着袋の外面に使います。2枚です。
巾着袋地(内):他のパーツにも助っ人しながら、巾着袋の内側部分2枚を確保。

こんな感じで、裁断しながら、より、意味のある補充で、他のパーツ用の生地の余りからの移動という方法です。

新たな生地を追加はあまりにも混沌とし過ぎるので望ましくない、4種にとどめたいという思いがこのアイデアに行き着いたのでした。

あとがき

バッグも通常2種ほどの表地、裏地くらいの使い分けでこれまではやってきましたが、最近のこの餅巾着のデザインは、コンパクトなわりに、構造が重なって、思ったより多くの生地を使うというのが特徴です。

よって、4種の生地を使うことも珍しくないのですが、不足という時には、デザインとしてうまく活かせるような補充の仕方をこの4種内でやっていく方法が1つあるという例でした。

よく、大きなパーツは残っていないけど、半分ずつにハギにして、何とか1つになるというのも似た例です。

そのハギをうまくデザイン性が高い素敵なものにすれば、ハギも継ぎ接ぎじゃなくて立派なデザインになるというものです。

ただ、ショルダーなどの長いパーツを継ぎ接ぎというのは考えものですので、フルにとった方がそれこそ高級品になり得ます。

このハギもハギでやっても問題ないのか、1枚どりの方が良いのかは後の影響をよく考えたものになると思います。

生地を贅沢に余らせて高額なバッグを作るという高級感もあるかと思いますが、生地をエコノミーに使いながら、お得に購入できる素敵なバッグという分野もあって良いかと思うのです(^-^)。