製造者自ら考案の仕様を3箇所も間違えたエコバッグはボツ品へ、それでも決して使い物にはならなくはない作りの良さがかえって分かった【1325】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっと連続製作のナップサック。

数か月ぶりにもう1点の定番品、「エコバッグ:切餅:きりもち」を製作しました。

というのも、このデザインは1枚仕立てで表地1種のみで作るので、縦が1m必要であり、そこそこパーツの数が多いのです。

支柱・取っ手・底ベルトなどの長いパーツが多いというところも特徴です。

一重仕立ては縫い代を美しく隠す工夫が必要で、丁寧な作りとなるとロック始末よりも「ラッピング:くるみ込み」を選択しています。

なかなか良い仕立てのジャケットやコートのハギ目に両端ラッピング/パイピングで縫い代を始末してあるタイプをご覧になったことがあるかもしれません。

ああいった作業が高級感の証(あかし)と言えるのも、手間をかけるからなのです。

さて、この用尺1mかかるデザインを生地ストックの中、「ちりめん」が使えそうだと取り出して製作したのです。

黄色がかったクリームベージュ色の無地のちりめんは凹凸感があって高級感が高まりました。

しかし、結果、3つの仕様ミスによりボツとなったのでした。

このたびは、そのミスの3つを解説しまして、ボツにするほどの理由と反対にボツになっても結局は使い勝手には何ら申し分のない現実もお伝えしたいと思います。

①ベルトの取り付け順間違い②三つ折り内部の生地カットし忘れ③トップの三つ折り幅間違い(幅狭過ぎ)の3つのミスでボツになったエコバッグは十分使えた

久しぶりだったのもあり、考案者自らがポイントを忘れて、3箇所仕様通りではない出来上りになりました。

一見問題ないようですが、その作り方に込めた意味があるのでやはりミスになりまして、試作品として自分使いの機会をいただきました。

自分使いの持ち心地などの感触に関しましては、別記事の【1324】に綴らせていただきました。

では、その間違いの場所をを解説してまいります↓。

切餅:<サイズ>縦37cmx横36cmx18cm。<表地:ベージュ>ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。

大きめの箱も入る程のたっぷりとした容量が誇れる点です。

取っ手もたっぷりとした長さがあるので、少し箱がはみ出しても大丈夫。

現実的な買い物シーンではこうしてはみ出すことも多いと思います。

使い勝手に特に大きく影響することは有りませんでしたが。。

<間違い①>底ベルトの順番を支柱よりも後にしてしまったこと。本来は横向きが先に取り付ける順番です。

早速なのですが、肝心な底ベルトの縫い付け順を間違えてしまいました。

ここには深みある理由があり、まずは中に入ったものを底ベルトで底板のような役割で支えるのが第一。

そして、さらならるパワーとして縦の支柱を両サイドから全体を持ち上げるという意味です。

その意味を考えると製作してしまった順番はとんだ矛盾なのです。

このお話をしなければ気付かないことかもしれないですが、意味をこめていますので、非常に違和感があり「間違えた」とどうしても思えるのです。

自分が考案しながらも自らが間違えるというのが何とも。。

<間違い②>両サイドの縫い代の三つ折りの一番上。三つ折り内部の隠れた1枚をカットし平らにするのが正解。

この時は忘れても何ら問題がないように感じますが、その後のトップの三つ折りの時にごわつきます。

先に作業のサイドの三つ折り時点で薄くすいておかねばならなかったのです。

後から応急処置的に三つ折りの直前に分厚くなった状態を斜めにカットしていては、結局効果が薄くごわついたままなのです。

そうした結果、トップの三つ折りのステッチはこのごわついた箇所でゆがんでしまったという負の連鎖が。。
<間違い③>そもそもトップの三つ折りは、1.5cmの巾の三つ折りが正解。サイドと同じ1.25cmずつでミス。

1.5cmを1.25cmで三つ折りしてしまったその差0.25cmの差が意外と大きいのです。

その影響は取っ手の付け位置との距離が増えトップのラインがややたれ気味に。。

ちりめん生地の重くタランとなるという性質には打撃のミスです。

もう1つはバッグの入り口らしく幅をゆったりととりながら、それでいてすっきりとした1.5cmの三つ折りはベストな入口の様子だと確認した上での仕様なのです。

まるで、建築でいうところの「門:もん」のようなイメージですかね。

ということで、3箇所も自分で考えた仕様を間違えるというハプニングを伴った出来上がりだったのでした(^_^;)。

たためる範囲はこれくらいまで。これで縦21cmx横12cmx厚み5cmです。

それだけ頑丈な作りを追求していると思っていただければと。

あとがき

このたびの3つのミスによって分かった事。。ピクチャレスクはたまたま考案した役割を担っただけであるということです。

自らもその仕様の記録をしっかり見直してその通りに作る何ら第3者なのだという感覚です。

デザインは私だけのものでは決してない、多くの方にアウトプットし広める、「共有型」のものなのだと改めてそう思ったこのたびの製作でした(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

美しい畝のちりめん生地を広く使ったエコバッグの持ち心地の実態、やわらかでソフトな肩への接触具合は是非お伝えしたい素材の特性【1324】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっと連続して製作の「ナップサック」から、少し離れます。

もう1つの定番バッグとしております、「エコバッグ:切餅」を試作。

試作品となってしまった理由は、自らの考案にもかかわらず、仕様を間違えてしまったからであり、自分使いをすることになりました。

時々製造者自らが使ってその使い心地を味わうと良いという勧めがおかげ様で生まれました。

何の変哲もないありふれたエコバッグのイメージを覆したい、「ちりめん」素材を日常的なデザインに落とし込んだ

エコバッグのイメージとは少しかけ離れている「ちりめん」をあえて利用させていただきました。

実際に使わせていただく中で、ちりめんの特性を感じる瞬間があります。

<表地:クリームベージュ>ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。

実際はもっとクリーミーな黄色みが入ります。

このちりめんは、お洋服にはたくさん利用されますが、バッグに利用ということが意外。

しかもエコバッグ、高級感あるエコバッグになると思います。

ちりめんは織り目が密集していて丈夫なことがそもそもの特徴です。

そして、しわが寄りにくいとか表面の波のような模様がなんと言っても美しいというのが魅力です。

近く寄るとそのうねりがはっきりと目に映ります。大変美しく立体感に溢れます。

やや重くずっしりとしているのでたらりとした感じもありますが、実際は丈夫なのです。

まず裁断で思うことは、ほつれにくいのだと感じます。

それもこの織りに理由があると思います。

こうして、美しくて丈夫であるというメリットを活かします。

無地でも華やかさが感じられるちりめん、エコバッグの分野にとらわれることもありません。

上着入れやお土産入れなど常に必要ではなくとも、必要な時に取り出せるたためるものですのでその用途は幅広く考えていただけるものと考えます。

以前、この「切餅」デザインは、長い支柱/取っ手が一繋ぎでした。

一繋ぎでありながらエコノミーに製作できるためには。。を考え、生地幅が150cm程度の広幅に限定したご紹介でした。

しかし、そんなことでは、好きな生地で自由に作れない、かえって縛りがあると思い直しデザイン自体を変更。

そうして、継ぎ目を作ることで、シングル巾の110cm程度も可能になりました。

その継ぎ目をさりげなく隠すのが、四角いタブです。

このタブには、①機能:ハギ目を隠す②デザイン性:ぱっと見の目のようなアクセントの2つが入っているのです。

他の部分は一重仕立てですし接着芯を貼りませんが、このタブにだけ接着芯を貼りました。

一番力がかかる部分だと言えます。

このタブに関しての縫い付けも、他の生地よりもちりんめんは作業しやすかったと感じました。

完成したのですが、この中に間違いがあり、試作品として自分使いになったのです。その間違いとは。。

あとがき

さて、間違いに関しては、後日の【1325】の記事にてじっくりお伝えします。

間違いがあったとはいえ、使用には影響が全くありませんので、その使い心地を味わってみたのでした。

この畝(うね)による肌触りがまず気持ちが良いです。

そして、物を入れた時の持ち上げ肩に背負う時の感触が少し伸びる感じがあります。

それでも元に戻る融通性はちりめんの特徴だと思います。

持ち上げて伸びるなんて良くないことのように感じますが、ふんわりとした持ち上げ方と言いますか、心地は良いのです。

では、間違えた箇所というのを、次の【1325】で綴ってまいりたいと思います。

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書き手:ピクチャレスク

生地をもったいなく余らせることで完結するのか、それとも寸法の足りないバッグを作るのかの正解は実際に作って売れるかどうかにある【1323】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、はぎれと呼ぶにはもったいない余り方をしていたストック生地を同じマス目のブロック型でパッチワークにしてバッグにしていく製作が完成しました、

8号帆布最終ストックの消化を生地の残り具合に合わせて、縦の寸法が5cm不足の状態で仕上がりました。

ここに至るまでには決断があり、生地をもったいなく余らせて終了するのか、すべて使い切って寸法不足の訳あり品のような完成にするのかの選択がありました。

後者を選択した結果がどうであったのかは、そのお品物自体が受け入れられるのかどうかが答えなのではないかと思います。

5cm短い寸法は、ちょうど目で見て分かる範囲の狭間であり、なかなかの分量なので重要です。

このような選択の必要があったことで、問題提起も生まれ、結果的には意味のあるハプニングであったと思っております。

やや小ぶりだと感じる5cmの不足で完成のワンショルダーバッグ、残布を使い切らなければ「その先」が無かったことを思うと提示をしたことに一定の意味はある

パッチワークシートを裁断した時に、せっかく返し縫いした端っこの糸もカットされることが避けられません。
そこで、糸目6mmという粗い巾ですべての縁を単独ステッチして、ハギ目が避けてきているところを固定。

返し縫いするハギ目の箇所は3度同じところが縫われますので、それは安心感ある固定ステッチとなります。

「ワンショルダバッグ」:縦27cmx横21/41cmxマチ20cm。型紙では▲4.5cmが実際は▲6cmでした。

特別サイズとして、縦が短いバージョンで完成、生地は3種類使用しました。

1)<表地:オリーブグリーン>カラー帆布8号、綿/100%、日本製。

2)<裏地他:焦げ茶小花柄>小花ブロードプリント、綿/100%、日本製。

3)<ポケットフラップ他:青緑>麻混無地、麻/55%、ポリエステル/45%、日本製。

外側は3種類すべての生地が登場。不足部分はバイカラーのように半分ずつ使いながら対称になるような仕立てに。
ストッパーさえも面積が不足して、2種をハギにして作ったのです。これはこれで面白い切替です。
裏地は、メインが小花柄のブロードです。フラップは麻混無地でコントラスト効果。
ワンショルダータイプにはこうして線コキも取り付け、長さの調整を可能にしています。1.2cm巾のショルダー。
底面はパッチワークのハギ目がつながることが望ましいです。正方形の底面はリュック仕様の時の安定感を意識。
裏地:ベースが焦げ茶なのに、柄が混沌として詰まっているため焦げ茶の面積が控え目。色バランスが良いです。

あとがき

こうして残布を使っていくという選択をしたこのたびですが、結果的には寸法が不足した出来上がりにならざるを得ませんでした。

この選択が正解であったかどうかは、このワンショルダーバッグが受け入れられるかどうかが答えだと思っております。

事情をちゃんとご説明することで理解を得られることがあればと思います。

確かに、もともと寸法が足りないようなバッグはその時点でデメリットを背負うことも厳しい事実だという学び。

されど、受け入れられるためにはどう工夫していくのか、そんなことを考えるきっかけになったことでは、この選択は間違っていなかったと考えます。

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書き手:ピクチャレスク

どうしても生地の余り方がもったいない場合、バッグの縦の長さを5cm削って作れてしまうことが「物理的には可能」ですましてはいけない【1321】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去の古い生地を製作して消化した後は、もったいなく余った生地のストックの破片を集め、パッチワークの1マスずつにカット、ブロックパッチワークを製作してバッグに作っていくことをしています。

このたびは、ブロックパッチワークでは硬めの素材、8号帆布の使用となります。

何分ぎりぎりの分量しか残っておらず、このたびやむなく不足の縦の長さ5cm分を特別に短く仕上げるということに決めたのでした。

一繋ぎでは裁断できない不足の面積は、パッチワークで可能になることがあり、ここにメリットを感じます。

このたびは、まだ完成ではないのですが、ワンショルダーバッグ製作です。

パッチワークシートを作って裁断まで進みまして、この裁断の段階で裏地の方を表地の不足に合わせ、元の型紙寸法から5cmカットしたのでした。

もったいなく余った生地はバッグの型紙には不足だから廃棄なのか、在庫生地を使い切るために縦を5cmカットして作ったパッチワークシート

少し強引ではあるのですが、最終在庫の場合には仕方がないと決めたことです。

わずかに縦の長さが不足の事態になりましたが、それでも作り上げるアイデアを思いつきます。

それは、本来の型紙よりも5cmカットしたことです。

さて、順番が逆になってしまいましたが、ここまでの経緯をお伝えしたいと思います↓。

裏地は1枚仕立てですが、表地はブロックパッチワーク。横に飛び出した分もカットする部分になります。

表地は、カーキグリーン色のカラー帆布8号、綿/100%、日本製です。

この表地の8号帆布は2021年「大塚屋」様にて購入の生地。

あの時以来姿を見かけないので、おそらくその当時の貴重な生地だったと見ています。

この時点で表地のパッチワーク仕立ての横幅は型紙よりはみ出しています。

まずは、表地を型紙に当て、左右のはみだしをカットしながら裁断。

そこで縦がおよそ5cm(正確には4.5cm)が不足していたことが分かりました。

<裏地:茶xピンク/グリーン小花柄>小花ブロードプリント、綿/100%、日本製。

購入はこちらも「大塚屋」様、常に定番生地としてプリントのコーナーにあります。

いつでもあるという安心感は有難く、帆布を片手に様々な生地に合わせてみましたが、この生地が見た中で一番ピンときました。

オリーブグリーンの表地は小花柄の葉っぱの色にリンク。

そして、元の型紙に裏地を裁断後、てっぺんの表地に対してのはみだし部分5cmくらいをカットしたのでした↓。

裏地は本来の型紙でまずは裁断。表地がわずかに短かったところへ裏地の方をカットすることで合わせました。

あとがき

ワンショルダーバッグの完成は、【1323】の記事で投稿致します。

当ブログ記事は、最初の投稿の2023.07.10からおよそ1年半後の2024.12.09にブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し、ここまで綴り直してまいりました。

実は、この完成品は、5cm短いことがなかなか受け入れられなかったことが原因で売れ残っていると感じています。

同じ型紙で製作したものはご購入いただいた複数から判断しますと、たった5cmの寸法の短さでも、選ぶことに影響することが間違いないのではないかと結論付けました。

世の中キャッシュレス化に伴いバッグが小さくてもよいということで小さめがご提案される中、本当の実際の心理としては、「少しでも大きい容量の方を好む」という答えを感じています。

そうはいっても極端に大容量である必要は無いと思うのですが、こうしたサイズ感の日常使いの中では、5cmの不足がなかなかの致命的なデメリットという学びです。

もともと5cmからが目に見えて分かるサイズ感の変化と把握していましたので、ちょうどの狭間のこの5cmはサイズ感の不足を感じる1つの原因なのでした。

とはいえ、そのまま続行して完成させてしまいましたので、ワンショルダーバッグに出来上がって行きます。

こうした寸法不足のハプニングによって、貴重な学びも得られたことは決して無駄ではなかったと思い直しているところです。

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書き手:ピクチャレスク

古い着物を解体しパッチワークにリメイクした大花柄の裏地、表地デニムの内部にうまく和柄として溶け込む様子を楽しめるナップサック【1318】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびピクチャレスクとしては初めてなのですが、製作のハンドメイドバッグに「リメイク」した部分を取り込みました。

リメイクは、元ある出来上がり品を解体していきますので、その二次利用の著作権や商標権を侵害がないようにきちんと意識しなければなりません。

究極のところ、お洋服をリメイクしたバッグはほぼアウト。

「著作権の侵害」や製造アパレルメーカー様の「商標権の侵害」になると思います。

このたびナップサックの裏地にパッチワークで利用させていただきましたのは、古い着物生地。

古い着物を解体して、パッチワークシートに仕立て、バッグに材料として利用させていただきました。

ナップサックの完成をご覧いただきながら、なぜ「グレーゾーン」の部分が否めないとも言える古着物生地を利用したのかというところをお伝えできればと思います。

1つのデザインで多種の素材を落とし込む時の中の1つとして体験、「著作者不明」の古着物をパッチワークでナップサックの裏地に利用させていただいた

リメイクの商業利用の可能性がほとんど認められないであろう中、古い着物に関してはグレーゾーン。

グレーということは、完全OK(白)であるということでもないのが気を付けねばならないところ。

「著作権を有している人が不明な場合には有効ではない」という法の内容をもとに、品質表示やブランドネームの付いていない古い着物に関してはおおよそ該当します。

ただ、着物の文化の歴史もあり、情報を提示していなかったに過ぎない過去のお品物が正直に「本当のところはどうなのか」を語ってくれることがあります。

象徴的な大花柄はそれが美術的で装飾的な要素が大いにあり、本来著作者は間違いなくいらっしゃるのでは。。

このたびどうしてもこの着物の素材を利用したいことから、その著作権者様の「権利の行使」のお申し出があった場合にはきちんと対応する覚悟でご利用させていただきました。

よって、安易に利用するものではないことをここで前もってお伝えしたいと思います。

このたび完成のハンドメイドバッグ「ダブルナップサック」の裏地に利用の着物のデフォルトの姿。

ある意味この写真は貴重、間違いなく元はこの姿であったということになります。

引用元の姿を隠さずに素材の入手経路を明らかにすることは、元の素材に感謝しなければこのたびの製品も出来上がらなかったからです。

実直にやらなければ、都度の1つ1つで細かく違うことで、もやもやしたグレーゾーンのままだからです。

もとはこの素敵な柄を生み出した着物の反の製造者様、そして、この柄を選んでこの着物を作った製造者様に著作権があるということを忘れてはいけません。

ただ、品質表示も無いことが多いこうした古着物は、「法律」の中の「著作者不明」に該当する可能性が高く、ピクチャレスクの責任の範囲内においての判断で利用させていただいたのです。

「着物解体のリメイク品への二次的利用」という行為には間違いないことを自覚するところがまず大切、長々とこのようなお話をさせていただいたのも、非常に大切なことだからです。

ダブルナップサックの完成:<サイズ>縦29cmx横34/48cmxマチ15cm。
名付けて「はまぐりの横顔」。表地のライトインディゴブルーに対してショルダーのマルチカラーはアクセント。
ひっくり返し。ポケットのフラップは表地のやわらかデニム。ポケットの位置が分かりやすくコントラスト効果。

何度目かのこのデザインの製作ですが、生地を変えるたびにそれぞれ特徴があって面白いものです。

表地は「やわらかデニム」という名前の綿/100%、日本製。

確かに柔らかいので融通が利きますし、本来のセルヴィッチデニムなどよりも縫いやすくはあるのですが、やはりそこはデニム。

織り目はもともと緻密であるがゆえ、重ねてステッチするとかなり強固になっていくところに特徴があります。

表地の5cmダイヤキルトの効果もちゃんとあり、内側に内蔵の「ハード薄芯」がハリコシを出してくれます。

どうでしょう、この和柄とデニムとのコンビ。

どうしてもリメイク生地を使いたかった理由は、このライトなインディゴブルーに合う裏地を分野を縛らずに広い範囲で徹底的に追求したかったからです。

がさついたその着物の素材はポリエステルなのかな。。と予想しますが、詳しいことは分かりません。

実際に感じたままの素材感をカジュアルテイストに解釈しながら、それでもエレガントに寄ったバッグにと考えていきました。

どうしてもパッチワークしてでもこの和柄を取り入れたかったのでした。

美しいマルチカラーの大花柄がインディゴブルーと溶け合った姿は、ここだけのものなのです。

1.2cm巾の出来上がりのショルダーひもに4本ステッチ。均等な巾であることが美しさに繋がります。

着物地は縦に長く裁断されたパーツが多いので、ショルダー作りには困ることはありませんでした。

ここまでなら畳めます。たたんだ状態のサイズ:縦29cmx横20cm。

使わない時には、三つ折りにたたんで、引き出しに収納できるということさえ、「価値」になればと考え、あえて底板を内蔵していません。

こうして、サブバッグの延長のようなナップサックの立ち位置みたいなものを感じています。

あとがき

目立たなくはなっていますが、裏地のパッチワークはハギ目があります。

1パーツが大きめだからポケットに影響がなくうまく取り付けることができましたことや、柄がぶつ切りに途切れる様子は感じないということも良き成果です(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

ブランドネームも品質表示も無い古い着物。。とはいえ柄は誰かが描いたデザインに違いない、解体してパッチワークにし、バッグに製作して販売することの可否のジャッジ【1315】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで時々、「著作権」が生地のプリント柄のデザインにあるお話を記事に投稿させていただいております。

このたびも、大いにこの著作権が絡むお話になりますが、私の行動が今までと違ったケース、バッグに古着物のリメイクを部分的に引用させていただくというケースです。

これまでは、柄には著作権があるからYouTube投稿とかブログ投稿などを控える必要があるというケースが多かったです。

このたびは、反対に、慎重な判断の末、YouTube投稿もブログ投稿も、そして、リメイクしてそれを材料にした商業利用のバッグ販売も良いのではないかというジャッジに至ったケースです。

著作権のジャッジは一番には、その著作権を持った人、つまりその柄、お品物の構造をデザインした人がだれか分かった上でその人の意向が一番優先だと認識しています。

ただ、「著作者不明」のケースでは、商業利用が認められると判断したものになります。

著作権の法律もその変遷をよく見守ることで、変わることがあるのです。

元は古い着物、着物を解体してカットし、パッチワークに仕立てバッグを製作、著作者不明のケースとして敬意を払いながら商業利用させていただく判断

あまりの柄の素敵さに、通常の原反生地では見られないテイストを感じました。

マルチカラーが好きなこと、柄がめいっぱい描かれた華やかなこの柄に惹かれました。

パッチワークの1マス:縦17.5cmx横28cmというそこそこ大きな面積の1マスです。着物を解体しました。

そしてこのたび、バッグの裏地に使うようなパッチワークシートを2枚作ったのです↓。

1マスの面積が広いので縦をずらすことをやめました。そのためハギ目が格子状に並びます。

ハギ目があってもできるだけ柄が自然につながるようにと。。

この後は、この筋(ハギ目)の両サイドをすべてステッチして固定していきますが、本日はここまで。

著作権が存在しないと巷では言われている着物。しかし、この象徴的な柄はどこかで誰かが考えたデザイン。

さて、ここからが今回お話したい一番の事です↓。

このような大花で特徴がある柄は、美しく芸術的です。

この素材がお洋服になってブランドネームや品質表示やであった場合はリメイクの商業利用は当然アウト、「著作権の侵害」行為となります。

自分使いの範囲ならまだしも、YouTubeに投稿ということも「商業利用」に当たると解釈しております。

YouTube投稿がなぜ商業利用に当たるかということを理論的にお話させていただきますと↓。。

YouTubeは、登録者1000人以上などの条件をクリアすると広告が動画に付くようになり、収益を得ることになります。

会計上、収益は科目としては「雑収入」、YouTuber様の場合はそれがメインビジネスの1つなので、「売上」という科目で計上しておられることもあるでしょう。

「雑収入」にしても「売上」にしてもいずれも決算においては、同じ「売上」に組み込まれていくのが会計ソフトで出来上がる決算書の構造です。

よってYouTube投稿自体が「商業利用」なのではないでしょうか。

話を戻しますが、仮にお洋服であったとして、オーダーメイドのような自作だった場合は?。

品質表示もブランドネームも付いていなかったとします。

それでも、作った人は自ら作ったデザインのお洋服だと分かっていますのでその人が権利を主張されたときには、利用者である私は2番手。

その一番の権利者である製作者ご本人の意向に従わねばなりません。

そして、今度はこのたびの着物の場合です。

法律上の「誰が作ったかわからない、誰が描いたかわからないデザインは著作権が認められないという」法律の部分があります。

この度の、古い名もなき着物は、実際には間違いなくこの柄をデザインした人がいるのでしょうが、法的にはOKだと判断しました。

ただ、最後にここからピクチャレスクの考え方です↓。

いくら、法律的には通ることであるとはいえ、自分で生み出したものではない柄やデザインを利用させてもらって、別の物を作っていることが間違いのない事実。

それをバッグにして販売するのですから、その材料の裏地の「柄のデザインの著作権」をご本人がその権利を主張される可能性はわずかにあると心しておくべきであるという点。

その覚悟を持ってこの製作に踏み切りました。

このデザインをした人が申し出てこられる場合の可能性は「0ではない」、常にわずかな可能性があるという認識を持ちました。

もしその時は、「利用させていただきました」という事実をまず素直にお伝えします。

そして、ご希望によっては、著作権を行使したいということであれば、まずは、YouTube投稿は取消しです。

そして、あくまで、自分使いの範囲だけで私は作っていくことになります。

そうしたことをご本人に誓うということをやり取りするでしょう。

間違っても法廷で戦うなどとは、利用させていただいた側は、大変おこがましいことなのではないでしょうか。

あとがき

今後の新しい「着物」は、品質表示が付くかもしれませんし、著作権を行使されるような芸術的な柄が新しく製造される新着物においては可能性があると見ています。

とはいえ、「著作者不明の場合はOK」という法律も確かなわけで、着物屋様は品質表示を付けられた方が良いと誠に勝手ながらそう思います。

あれが付いていれば、「著作者有り」と理解されやすく、かなり大きな違いだと思うのです。

そして、このたびのみで、ピクチャレスクも古着物をバッグに利用した商業利用は控えたいと思います。

本来、着物は着物のままで利用する機会があれば、それこそが一番に望ましいことであると考えます。

ここ近年、そしてこの先はより著作者は権利を行使される方向へ進むのではないかと考えます。

というのも「無固形資産の高まり」が背景にあるからです。

一番よくないのは、「勘違い」「知識不足」ですので、まだまだピクチャレスク本人も知識が不足の一人として、今度よく考えていきたいと思います。

まずは、自らの製作品が侵害していないのかをチェックするところが一番にできること、慎重に判断していきたいと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

味わい深いメンズシャツみたい。。「やわらかデニム」にかけた5cmダイヤキルト、多種のデニムの中の薄手に有効であると解いた【1314】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

長い間お洋服においては、定番人気のデニムだったのですが、ここ近年ジーンズをアメカジさながらにはく文化が大きな流行の波の中では下火に。。

そして、デニムをドレスライクにはくようなワイドなスラックス寄りなデザインであったり、そもそもデニム自体の素材をお洋服のラインナップに取り込まないなどの変化が見られます。

「ジーンズ」という呼び名から「デニムパンツ」という呼び名へ。。

とはいえ、デニムという素材自体は定番で永久不滅だとピクチャレスクは考えます。

丈夫で親しみやすく、今後も何かの形で取り入れたいと思う気持ちが失われることはありません。

このたびは、素敵なデニム生地に出会いまして、キルト加工をし、より素材の表面の長持ちを実現していこうということをしてみました。

現在進行中のナップサックデザインに落とし込んだ、5cmダイヤキルトのシート作りの場面をご紹介したいと思います。

ごわついたイメージとは裏腹な「やわらかデニム」という画期的なネーミング、キルトをかけることで傷みを解消し新たな活用例を示したい

早速ながら、キルトをかける作業の一場面になります↓。

ナップサック用の本体のパーツを裁断、接着芯貼り後、ハード薄芯を当てて、5cmのダイヤキルトをボールペンで作図。

こんな風に待ち針を均等に内陸部にもちゃんと打ちます。

出来るだけステッチの最中に邪魔をしないよう線の内部に打っています。
待ち針が均等に打たれている様子を裏側(実際の表面)から見るとこんな感じ。内陸部に打つのは皺防止。
左:ダイヤキルトあり。右:ダイヤキルトなし。<生地名:インディゴ>やわらかデニム、綿/100%、日本製。

そもそも、この「やわらかデニム」というネーミングがユニークで、本来のデニムのイメージを覆すギャップがあります。

「大塚屋」様で購入させていただきました、ありがとうございました<m(__)m>。

デニムは硬くてごわついたものであるというイメージが強いですが、これを見てそのイメージとは裏腹な柔らかさに驚くのです。

キルトをかけることで安定感が生まれ丈夫になります。

それならば、セルヴィッチデニムで良いのでは。。と思われるかもしれません。

この生地が生まれた意味をピクチャレスクなりに紐解いてみました↓。

・ノンウォッシュの状態でしかないセルヴィッチデニムに対してライトブルーが実現している

・ごわつき過ぎるセルヴィッチデニムのお洋服に引用しにくい風合いをお洋服向きに実現している

・近寄りがたいセルヴィッチデニムに比べて親しみやすい普通生地のように扱える融通性を実現している

こんな感じでまとめてみました。

キルトをかけることの効果:安定し丈夫になります。損傷などもたやすくは受けにくいのがキルトの良い所です。

あとがき

ハンドメイドバッグ活動においては、生地なくしてバッグを作ることなどできません。

素敵な生地に出会った時には、是非感謝して下さいませ。

そのおかげで素敵なバッグを作るスタート地点に立てたのだと。

そして、その有難さに感謝しながら、優れた生地に対して敬意を表しながら製作していってくださいませ。

そうした姿勢においては、決していい加減な粗雑な製作などできなくなるはずです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

「巾着ひもホールタブ」10個が口を閉じた時に密集する物理的な事情の理解、口の隙間が最大限に解消されるためには薄手の生地選びが一択【1313】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【1312】でワンショルダーバッグを黒無地と赤のタータンチェックのコンビで完成していました。

その途中では、失敗があり、やり直してをしての完成でした。

場所は、「巾着ひもホールタブ」、厚みがそこそこのタータンチェック生地で設置してしまい、口が完全に閉まらなかった失敗があったのです↓。

失敗場面:巾着ホールタブがボリュームがあり過ぎて口が完全に閉まりませんでした。

「これはまずい」と思った理由は、わざわざタブホールの仕様にした理由が口をきゅっと絞める目的だったからです。

それなのに閉まらなければタブがただの機能を持たないデザインになってしまいます。

そうであれば、本体そのままを折り曲げてホールにしていく通常の巾着袋の仕様と変わらないからです。

よって、このたびはこのタブx10個をすべて薄手の生地(この製作の中では別布のエステルポプリンという生地)に取り換えていきました。

もう1つ同時に、ショルダーに調整機能を加え、「線コキ」を設置するということもやってみましたので、合わせてご紹介していきたいと思います。

「巾着ひもホールのタブ」の生地は融通の利く集まり方をしてくれる薄手の1択、口がきゅっと閉まることが「売り」であることを今一度しっかり思い出した

今回使用の3種の生地の中で一番薄手のこの黒無地のエステルポプリンを付け直し、口がきゅっと閉まりました。

最初のタータンチェックと比較すると、隙間が解消されています↓。

分かりやすく修正前と後を並べて比較してみました。劇的に空きが解消されたのが分かります。

もっと言うと、修正後の生地のエステルポプリンも実は、ブロードの2倍の番手の糸で織られた生地。

表地のごわついた生地に対しても、「巾着ひもホールタブ」だけは、思い切って極端に薄手の生地で作ったタブを設置することがポイントとなると思います。

表地とのバランスを変に考えてしまってそこそこな厚みのタブを設置してしまうと、失敗してしまうのです。

アーモンド型のショルダーの位置がややきついと感じる感触をユーザー様に委ねる、調節機能に「線コキ」付けた

この2wayの機能の1つであるワンショルダーの方は、Dカンが中心に1つになるので、ハの字ではなく、アーモンド形になります。

「ワンショルダー兼リュック」:<サイズ>縦33cmx横21/36cmxマチ15cm。
リュックとして背中に背負う際に、ショルダーの設置場所の関係で通常のリュックよりも少しきついと感じます。

長すぎると下に下がり過ぎ、ちょうど位に設定すると短すぎて背負いにくいような感じであることから、ユーザー様にその調整を委ねる意味で、調節機能の意味が生まれます。

線コキは、出来上がり1.2cmの巾のショルダーに対して「18mm」を選択しました。生地の厚みもあるからです。
寝かせた状態で、ショルダーの調整機能の位置をご覧くださいませ。かなり範囲が広くご利用いただけます。
こうしてすっきりとショルダーを中にしまい込んで畳めます。

あとがき

一応ご紹介しました調整機能の線コキ付けは、このモデルを廃止することで使わなくなると思います。

ただ、金属パーツが付くことで装飾的と言いますか、プロ仕様みたいなものを感じてもらえるのかもしれません。

しかし、ピクチャレスクとしましては、既製品頼みのようなことはあまり良しとしないスタイル、絞る巾着タイプには調整機能は無しで今後は製作していくと思います。

とはいえ、作り方や一歩足を踏み入れていくことは研究段階では意味があったと思っております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

「見せる裏地」という表現もあるのでは。。黒の中にロックテイストで映える赤のタータンチェックが魅力のワンショルダーバッグ【1312】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ワンショルダー兼リュック」という2wayに機能を展開したバッグが完成しました。

メインはワンショルダーの方ですので、リュックにした時にはサイドのハギ目が正面と後ろ面に来てしまいます。

よって、そのハギ目が目立ちにくい格子状の凹凸感ある素材やハギ目があるパッチワークを選択することでデメリットを解消するという工夫をしました。

所謂、「条件付き」という製作ですので、研究製作の1つになり、すべての生地をカバーできるものではないということでゆくゆくはこのデザインは廃版予定です。

ただ、「ワンショルダー」を持つ人影の遠目からの映りが非常にかっこよく決まり、ある一定のニーズも感じていますので、一歩足を踏み入れておこうとしたシリーズなのです。

このたびは、「ロックテイスト」のイメージにぴったりの、黒と赤のタータンチェックのコンビで完成しました。

赤タータンチェックには黒が一番粋、「見せる裏地」がコンセプトのロックテイストなワンショルダーバッグは2wayでリュックにもなる

「ワンショルダー兼リュック」:<サイズ>縦33cmx横21/36cmxマチ15cm。

<表地:黒>ジャバクロス粗目、綿/100%、日本製。

パッと見て、凹凸感ある編み込み柄が素敵です。

この四角いマス目が四角い柄として映り、チェックとの相性が良いという解釈で、赤のタータンチェックを裏地に選びました。


<裏地>デッキングタータン、綿/100%、日本製。<別布>エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

別布の黒無地は、外側ではDカンショルダータブに使用、内側ではポケット全般に使用しました。

この内側にひっくり返した写真では、赤のタータンチェックに黒が映えています。

どの生地でもどの柄でも言えることですが、柄が切り替わるポケットのフラップや、片玉縁風の比翼は、無地に切り替えた方が悩みは少ないです。

同じ柄で行う時には、柄の途切れ目が不自然で美しくありません。

かといって柄を合わせるとなれば、柄の細部の重なりを神経質に意識し、場合によっては生地を余分に要するのです。

よって、柄の中にはその柄にマッチした色の無地で切り替えていく方がすっきりと不自然さがなく仕上がります。

ただ、同じ柄の生地が余っている場合は、外から見える「比翼」部分のパーツの裁断の向きをバイヤスにすることで解決することもできます。

次に、失敗してしまった姿を一度ご覧くださいませ↓。

失敗点:隙間がここまで空いてしまうのは、失敗と言わざるを得ません。この後別布の黒でやり直ししました。

やり直しはどこまで遡るかといいますと、最後の口綴じのステッチをほどき、裏地に縫い付けのタータンチェック生地の「巾着ひもホールタブ」を10個すべて取り外します。

そして、エステルポプリンの黒無地(レンズストッパーと同じ生地)で設置し直しました。

エステルポプリンの生地はまだストックがありましたので幸いでした。

そうするとデッキングタータンよりも柔らかくて薄手のエステルポプリンは融通が利いて入り口がクシュっと閉まったのです、成功です(^-^)。

修正後の口の閉まりの成功:「巾着ひもホールタブ」の生地は薄手が望ましいとこれで証明できました。

あとがき

修正した後の巾着ひもを絞った隙間の解消の検証は、次の投稿でメインにお話致します。

「ハンドメイドバッグ道」の精神としては、入り口が大きく開いてしまった出来上がりに対して、作ってしまったからとここで終わるのではないちゃんと解決するまで終わらないということです。

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書き手:ピクチャレスク

<糸調子>くり抜くポケットの入り口は生地が重なる、縫う手前で糸調子案内にフル通し・ダイヤルを上げるという2ステップで糸調子を整える【1311】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの記事は<糸調子>と記事タイトルの頭に付いています。

糸調子が狂った時の調整方法としてご利用いただける可能性を発見するための「印」のような形式と思っていただければと思います。

なぜ、シリーズになるほどの複数の記録があるのかは、生地の種類によって糸調子が狂うことが相当あるということなのです。

このたびも新たなケースが判明し、普通の厚みの生地でも重なる場合に糸調子が急に狂う例です。

作業の途中で厚みが急に増した場所でそれは起こりました。。

中肉程度も重なれば生地の厚みが増しデニムみたいに糸調子が狂うことあり、ポケットの入り口枠を縫い始める前に整え直します

そもそも糸調子が狂う理由の1つに、「生地自体の硬さ」があると思っています。

厚みがあってもガサガサの粗くて緩い織り目の生地だと起こりません。

厚みがあるということが必ずしも目が詰まっていて硬いということにはならないこともあり、反対に薄手でも重なればデニムのような糸調子になることがあるのです。

とはいえ、結果的には太い糸で織られた生地が厚みがあると同時に硬く目が詰まっていることが多いというのも事実。

このたびの生地は、タータンチェックであり、厚みは中くらい程度だと思っていたのですが、実はこれがデニムに寄った硬さを持っていたのです。

その起こった場所というのが、生地や芯地によって多重に重なって厚みが増したポケットの入り口枠の部分でした。

<生地:赤>デッキングタータン、綿/100%、日本製。このボックスを1周するステッチの場所が生地が多重です。

ここでは、チェック生地(接着芯付き)・黒のラッピング布(接着芯付き)・黒の比翼布(接着芯付きで更に三つ折り)と生地の重なりが多重なのです。

糸調子の狂いは、上糸側では悪く表れないことが、縫った裏側(下糸側)で起こるというのが特徴です。

つまり、「この生地にとっては上糸が緩いのだ」と導けます。

勘違いしがちなのは、裏側の糸調子が悪く映るから下糸に原因があると考えてしまうこと。

下糸は、それほどいじるものではありませんので、最初に一度ボビンケースに入れて「吊り下げて、クレーンのようににぶく下に下がっていく様子」であればそれでよいです。

あとはすべて上糸の糸調子に原因があるのです。

<生地:黒>エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。この黒生地はポケット内部側から見た写真。

急な事だったので悪い例があまり撮影できていないですが、やり直しの前の糸が一部分残っていました。

右側の赤い点と左側の赤い点、この反対側を上糸側で縫っていますので、こちら側の面が下糸側に当たります。

こうして、点や時にはループを描くように下糸側へ飛び出る原因は、つまり「上糸の緩さ」なのです。

今まで良かったのに急に悪くなると、「なぜ上糸が緩いなどと急になるの?」と疑問に思いますが、その答えは「現在縫っている箇所が硬く厚みがある場所に変わったから急に狂った」ということになります。

さて、いよいよ糸調子の直し方です。

この時に縫い直しをして良い糸目にしていくわけですが、2箇所を触ります。

まず1つ目は糸案内。

今回使用の糸はスパン糸の30番なので、取説から言えば、真ん中の糸案内には糸を通さないのが通常。

しかし、こういったケースは特別。取説以上の奥深い対策をせねば対処できないのです。

テトロンで推奨の真ん中にも通すということをスパン糸でも行うのです。

最初は下からくぐらせて最後は上から出ます。

①糸案内に3穴とも通す:これでかなり上糸が絞められる効果が出ます。

次に、糸調子ダイヤルを触ります。

②糸調子ダイヤルを3に近づける:3の少し手前なのか2と3のちょうど真ん中くらいなのかは幅があります。

先にこの糸調子ダイヤルを触りがちですが、糸案内の方が思い切った効果が出ますので、①が先に触る場所であるとお進めしたいです。

そして、糸調子ダイヤルは「3」オーバーはあまりなく、3手前くらいでだいたい解決できます。

過去に25oz(ヘビーオンス)というとんでもなく分厚いデニムをこの写真のミシンで縫いましたが、その時はさすがに「3強」くらいでしたが、それでも3周辺の範囲内なのです。

それよりも、糸案内に3つとも通すということの方が効果が大きいです。

覚えやすいのが、「3の法則」です。たまたま3という数字が並びました。

3つとも糸案内に通す3と糸調子ダイヤルの数字の3です。

あとがき

実は、黒い生地のエステルポプリンの方にも原因があるからこそ、極端に糸調子が狂ったケースだったのです。

ポプリンという生地は、織り糸の番手違いでブロードと同じ種類の織り方です。

ポプリンはブロードの2倍の番手、最初から織り糸が太いのです。

よってブロードに類似とは言え、勝手が違ってきて、コンビの赤のタータンチェックとも相まって余計にこの度の糸調子の狂いが分かりやすく起こったと言えます。

糸調子が狂う原因の多くが、「生地の硬さからくる上糸の緩さ」だとまず考えてみてくださいませ(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク