数ある黒のナイロンバッグの中からひときわ魅力的な光を放つバッグにするためには。。を追求した黒のビジネスバッグ【347】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび1点のハンドメイドバッグが完成致しました。

名前は「テリーヌ」。

内側に柄が鮮やかに広がるビジネスシーンをイメージしたバッグです。

数ある溢れんばかりの黒のナイロンバッグの中で、どのような存在になっていくのか、どういった点が差別化なのかなどのお話を中心に綴りたいと思います。

黒と赤色タータンチェックのコンビが王道で美しい、ビジネスシーンを硬いものから笑顔が広がる楽しい瞬間へ

「テリーヌ」:<サイズ>縦29cmx横36cmxマチ10cm。こちらが実は正面。
リュック用のDカン:リュックを背負う場面が出てきた場合に備えたオプション的な設置の仕方、
内側の様子:出来上がりだと写真が写しにくいので途中段階の写真を掲載してみました。チェック柄が華やか。

もし、多くの黒のナイロンバッグにこの「テリーヌ」が埋もれていたら。。を想定してみました。

見てもらった時に目につくパッと見の特徴あるヶ所をまずはご説明したいと思います。

・リュックになるDカンの設置

リュックのショルダーまでは取り付けていなくても、リュックとして使いたい場合、例えば、自転車での外回りとか電車に乗って遠方まで出向く場合などは、背負う方が安全です。

このDカンの存在で、その後のアレンジでショルダーを付けることを想定でき、使い方の広がりを実現しやすい準備をさせていただいております。

Dカンの設置:もしこれがなければ、リュック仕様にしたいと思った時に大幅なリフォームになってしまいます。

・内側に広がる赤のタータンチェック

無表情で硬めなビジネスシーン、バッグをオープンした時に広がる鮮やかで楽しい柄。

内側にひっそりと笑顔になるきっかけを仕込みました。

・頑丈でセキュリティー性の高い内ポケットと出し入れにストレスの少ない柔軟性のある外ポケット

ポケットも時に、出し入れにストレスを感じることがあります。

頑丈に保護することだけが良いわけではないのだと思ったことがあります。

というわけで、外側に付けるポケットは、仕事中に携帯電話が取り出しやすいように外ポケットに細長い隠しポケットを設置。

携帯電話を入れる入り口にファスナーでは、かえって電話に傷を付けてしまう原因に。。

外ポケット:スマホが入るよう、ポケットが縦長の袋になっています。

スムーズに携帯電話が出し入れできるバランスはこれだと思いました。

その代わり、比翼的な型玉縁風の入り口の作りになって丸見えではない構造にしたことと、携帯電話がこぼれにくい状態を作っています。

内側の隠しポケットは、内側にあることもあり一番重要な物を入れますので、ファスナーをきちんと閉め、完全密封を徹底しています。

内側のポケット:ファスナーでシャットアウトし、中身を護衛。ファスナー周りやポケットの内袋も2重縫い。

・支柱の縫い付けが二重

支柱は、途中でそのまま取っ手になりまた支柱になる1本の長い生地を逆Uの字に縫い付けています。

途中でつぎはぎしていることはありません。

この支柱が重いものを外側からよいしょっと持ち上げる役割があるので、書類がたくさん入っていたり、少々重いパソコンが入っていても安心。

30番の太く頑丈な糸で二度縫いを徹底しています。

・リムーバルの底板の設置

底板がないと底が沈んで不格好であるとともに不安です。

底板が付くとびっくりするくらい底が水平。

本来、内側に内蔵してしまいたいのですが、それが可能なのはトート型のみです。

こういったデザインでは底部分で布の端が重なり合っていますので、1枚の板を入れ込むことが不可能。

そうするとリムーバブルな底板を最後に置くような形で設置することになります。

底板ベルポーレン(割れない強靭なプラスチック製のもの)に裏地でなじむように包み込んだ8角形の底板です。

8角形の底板カバー:四角デザインから変更。角を削り余分をそぎ落とした結果です。底に沿いやすくなりました。

・ふんわり心地よい持ち心地の取っ手

取っ手は支柱からずっと続いていますので、支柱全体ということになりますが、この全体にソフト厚芯を入れ込んでいます。

ソフト厚芯を入れる/入れないの実験でかなりの持ち心地の違いが確認できています。

ステッチの間にぷっくり膨らんだふんわり感を見ていただけるかと思いますが、持った時大変気持ちがよく持てるのです。

心地良さは2つで成り立つ:ソフト厚芯+ステッチ。

以上が、数多い黒のナイロンバッグの中での「テリーヌ」の存在感になる部分でした。

山のように積み上げられた同じ黒のナイロンバッグの中からこのバッグが選ばれる確率を高めた改良とたゆまぬ努力の結果です。

あとがき

その後の展開としましては、この黒の「ナイロンオックスはっ水加工」という生地が共通でも裏地を変えることで1点ずつの違いが表現できます。

ナイロンのはっ水生地はそれほど無限に種類があるわけでもなく、限られています。

そうすると変えていくと効果的なところは裏地だと思ったのです。

ところが、裏地に相応しいようなナイロンの柄物がとても少ないのも現状なのです。

ここを生地屋様にお願いしたいのが増やしてほしいという希望です。

そんな中でなんとか見つけた他の柄物の素敵な裏地もございまして、今後作った場合にはブログ記事にてお伝えしてまいりますね(^-^)。

初めて完成したコンパクトなサイズのリュック「巻き寿司」、丸い四つ角が優しいフォルムが実現した今お伝えしたいこと【346】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび1点ハンドメイドバッグが完成しました。

初めて出来上がる「巻き寿司」デザインです。

この記事は当初の投稿が2021.01.24でした。

その後、2024.03.05現在リライティングの一環でブログ記事1投稿ずつを順に手直ししています。

今日この記事【346】の番になりまして、3年後では随分と意向が変わった今見てもこの時の「巻き寿司」の完成はやはり「完成」であったと言えます。

このデザインで初めて作り上げたという達成だけではなく、それ以前にもここに至るまでにはいろいろモデルチェンジをしています。

このたびはこのバッグによってお伝えしたいことを、これと同じようなバッグを作るハンドメイドをしている方へのメッセージとして綴ってまいります。

「巻き寿司」デザインが出来上がるまでに何があったのか、なぜこのデザインに行き着いたのか

まず、なんといってもカーブのラインをラウンドに改良したことによる作りやすさが生まれました。

「作りやすい=美しく仕上がる」という法則は間違いないと実感しております。

「巻き寿司」:<サイズ>縦23cmx横32cmxマチ10cm。
ショルダーが取り外しのリュックになります。リュックで使用しない場合はハンドバッグの使い方もできます。
ファスナーの開閉にこの半月型のタブが活躍。実際開閉には重圧がかかりますので、頑丈に取り付けています。
内側の様子:底板はリムーバルで最後に設置。お洒落になじむように裏地の生地で包んだ8角形の底板です。

当初は、「かまぼこ」というデザインで、底周辺が急カーブの狭いカーブでした。

その部分が難関になってしまい、綺麗に作れる確率の低さを実感。

そして、そのデザインをあきらめ、すべてのカーブがクリアで分かりやすいすっきりしたものに改良することで「巻き寿司」が生まれました。

「テリーヌ」というビジネスバッグもデザインにありますが、作りは全く同じ構造です。

結局行き着いた場所は、「四角なのだけれど角が丸くなったデザイン」なのだと思います。

あとがき

「巻き寿司」と「テリーヌ」は作りが全く同じ構造。

このたびの「巻き寿司」は複数のカーブデザインにおいて、これまで改良した結果1つの点に集まったと言えます。

サイズが違うだけで全く構造が同じデザインは果たして「同じ」と目に映るのでしょうか。

ビジネスライクな「テリーヌ」に対して「巻き寿司」はリュックに背負いお出かけ用のテイストです。

これまでハンドメイドバッグを何年も作ってきた成果の1つとして、この「構造」が完成されたということになると思っております。

そして、この構造は「ボストンバッグ」にも引用できます。

マチをうんと広げこれらとはまた違ったシーンに活躍するバッグになると思われますが、それでも基本の構造が一緒なのです。

そして、2024年現在では、こうしたアイデアや手法をお伝えする事業へとシフトしようとしています。

こうしたノウハウを広げ、ハンドメイドをする文化みたいなものが根付けば素敵だと思っております。

引き続き浮かんだアイデアは惜しみなく記事にアップしてまいりたいと思います。

上述にもありますが、込み入ったハイブランド様にあこがれたようなデザインは、少なくとも2番手です。

それよりも、単純でもシンプルでもベースの部分から考案して改良を重ねた道を作っていくハンドメイドライフが正解だと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ひっくり返し口をとじる仮縫いに縫製用ボンドを使用、ここだけではない他への引用のヒントになる【344】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「巻き寿司」用のDカンのゴールドがやっと到着。

作業を続行します。

「巻き寿司」とは、ハンドメイドバッグのデザインのこと。

見た感じのフォルムが巻き寿司にそっくりだからそう名付けたものです。

ベージュ色のマトラッセの凹凸感ある表地とオレンジ系の小花柄がほっこりあったかい感じのコンビのリュックです。

ひっくり返して1パーツ分のプレートを製作するときの返し口の始末

お作りしていますハンドメイドバッグの作りの特徴として、「袋にしない」という点があります。

縫い代を隠し、板状のパーツにあらかじめしておいて、合体して組み立てる分かりやすくイメージできる構造なのです。

その時に、表地と裏地を中表にしてひっくり返してプレートを作る段階があります。

この時の返し口の綴じ方をいかに自然に綺麗に行うかが課題となります。

ここが返し口だったと分からないよう、自然なラインに出来上がることを目指しますが、このたびその際にある小道具を使ってみました。

それは綿棒です。

綿棒の先に、ボンドを塗り付け、奥の行き届きにくいところまで塗ると偏りなくボンドが付けられます。

附随のヘラは平面用に作られたものだと思いますが、実際はこんな風に入りくんだ中へも塗り付ける場面があるのです。

結果としましては、一定の効果を感じました。

この後の作業の時にストレスを感じずに綺麗に縫い合わせることにつながるのです。

細い綿棒が活躍したということです。

折った内側の次には、重なる部分の縫い代にも塗ります。はみ出さないように塗ることができます。
そして、アイロンの熱でくっつけます。このボンドというのが、「さいほう上手」です。
プレートが完成。出来上がりのイメージが見えてきました。

存在感のあるファスナータブの下に隠れるステッチの正体は、裏面のファスナータブを固定する重要なステッチだった

この後は、長い口布にファスナーを取り付けました。

このデザインはカーブがかっていますので、タブもカーブを含むものにすることで歩調を合わせました。

こんな半月型のようなタブをファスナー開閉のつまみタブとして付けます。

なぜこんなにつまみがビッグなのかというのは、ひっくり返しの限界があるからです。

その他多角形型もアイデアとしてはあると思います。

タブの面積が広いことを利用し、その下に見えてほしくないステッチが隠れました↓。

タブの下に隠れた二重ステッチの正体:この位置の真裏を見てみます↓。
正体の答え:裏面のファスナータブを固定するためのステッチでした。ここでは完全に小花柄に馴染んでいます。

あとがき

完成まであともう少し。

この後は、長い口布と本体面を合体させてショルダーを作って終了です。

今できる限りの精いっぱいの100%でのぞんでいます。

不思議なことに時が経過すると、別のアイデアや発展でさらに改良が生まれることもあります。

こうした地道な改良の行く末にあるものは、「良質なバッグ」だと言えます。

すべての疑問に答えが存在するような品物になってゆくのだと思います。

お仕事用のナイロン製ビジネスバッグ作り、入り口ファスナーの表と裏のタブそれぞれの役割の違い【343】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在製作中の「テリーヌ」という名前のブリーフケース。

この名前は、そのフォルムがあのゼラチンでゼリーみたいに固められたカラフルなおしゃれな食べ物テリーヌにそっくりだからそう名付けました。

このテリーヌ型を現在黒無地のナイロンオックスはっ水加工生地と赤のタータンチェックとのコンビで製作中です。

このたびは、口布にファスナーを取り付ける作業を主に行いました。

その中で、1つご紹介したいヶ所が「ファスナータブ」です。

その名の通りファスナーとのコンビで取り付ける機能なのですが、実は【319】の記事でもこの部分について複数の柄や色違いのイメージと共に綴らせていただいております。

ファスナーを取り付けるのは、実際の所裏面に当たる場所。

表でファスナー開閉時に使う表のタブと、裏側にファスナー設置の際のファスナーの先端に取り付け更に本体に縫い付けるタブとは別物です。

そこまでは【319】の記事と同じなのですが、このたびの記事【343】ならではの特徴としましては、表に付けるタブが「わ」になったところが新しい点です。

なぜ、一重から「わ」にしたのかなどの理由もございますので是非このたびの記事で「ファスナータブの機能」の役割なるものをご覧くださいませ。

2種類の「ファスナータブ」はただのデザインなのか、それとも。。

お作りしていますファスナーの取り付け方は、カチャッとはめ込んでいるかのような取り付け方です。

ファスナー自体に袋を縫い付けてひっくり返す古典的な手法は複雑過ぎますし、実際には丈夫ではありません。

単純な当てているだけのような方法は、一目見て取り付け方が分かるような方法です。

その代わり、ファスナー自体もむき出しで、昔ながらの縫い付け方のファスナーの始末では隠れていたファスナーサイドが目に映る場所となっていきます。

表に見えるファスナーのタブというのは、ファスナー自体に付くのではなく、ファスナーの先端周辺に開閉時のつまみタブとして設置するものになります。

表側に取り付けるファスナーつまみタブ:ファスナー枠の先端がタブの「わ」に当たるような位置に縫い付け。

このタブは、開閉する時には重要な機能です。

もしこれがないと、開閉時にバッグのどこか本体の一部をつかむことになり、それがバッグの変形やしわの原因になります。

変な癖がつくことの積み重ねでバッグが早く傷むことになってしまいます。

よってこのタブを指で持ちながらファスナーを開閉していただくと、丁寧な優しい使い方ができるのです。

もっとも両開きファスナーなのでタブなしでもそこそこスムーズには開閉できます。

両開きファスナーを使うということ自体も持続的なバッグになる大きなポイントです。

さて、今回この小さなタブではありますが、今まで作ってきた作り方にもう少し新しさを加えます。

あらかじめこのように短い辺の方の縫い代を隠す際にアイロンで折った後、ステッチを入れます。
少し見にくいのですが、返し縫いをしない端っこを4箇所そのままぎゅっと玉止め。
そうして、長い辺を三つ折りして、裏側(左)から細長いボックス型に縫い付けます。
3度縫いx2列のステッチをかけます。これが1列だと本体の生地を部分的に傷めやすいので2列がグッド。
内側へ2列の端の糸を出して表側の見栄えをすっきりと整えます。
隣同士をペアに、2個のみの玉止めですっきり完了させます。結局裏側に付けるファスナータブでここが隠れます。
ファスナーの裏側に付けるタブ。直接ファスナーへ取り付け、その後タブの真ん中を二重ステッチで口布に固定。
もう片方のサイドも全く同じようにタブを付け、タブ自体を固定した二重ステッチ。このステッチは表に出ます。
先ほど表に出ると書きました裏側のファスナータブを固定した線が右の方に出ています。

このステッチが出ない方法としては、もっとファスナーを短くして、表側のつまみタブの下側に隠れるようにステッチを出すということも考えられます。

しかし、長さを短くせなばならないことで安定感が減りますし、いろんな作業が同じカ所に密集しすぎてしまい、別の意味で不安定になる部分が出てきます。

よって今のところステッチが見えるということで納得しています。

このファスナーつまみタブの向きは輪がファスナー側を向いていなければ機能としては良くないのでこの向きも大切です。

一重仕立ての時よりも力が加わった時に対応しやすいタブになったのが、「わ」のタイプ。

ナイロン/100%は地が薄いので「わ」にすることが十分可能。

「わ」は簡単には生地がヨレないので末永く良い状態のままのバッグをキープすることにつながり、全体としての経年の傷みのバランスがより平均的になると見ています。

あとがき

ファスナーというのは、開け閉めで負荷がかかる部分です。

バッグを持ち上げる時の「支柱・取っ手」に続いて力が加わる部分ではないでしょうか。

そうすると長持ちするには、頻繁に負荷がかかることで傷みやすいことをできる限り解消していく工夫が大切になります。

実際の製作のバッグも、ご購入者様はかなり実用的なアイテムとして考えておられることがほとんどです。

それを持って置いているだけでも価値がある「ハイブランド」様のバッグとは少し性質が異なるものかと。

見かけのかっこよさや美しさももちろんのこと、「機能」の面では大げさな話、ハイブランド様以上の部分がないといけないのではないかとさえ思っているのです。

「ここで購入すれば間違いない」とまで思っていただけるよう、ユーザー様の目線に立った追求をこれからも続けていきたいと思っております(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

定番で永久不滅なベストコンビ、黒と赤タータンチェックの組み合わせをハンドメイドバッグの表地と裏地に使った結果ご購入いただいた【342】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

製作中の「巻き寿司」デザインの途中ではありますが、「テリーヌ」デザインの製作も急ぐものであり、今回割り込みをしました。

割り込み、などということがその都度柔軟に行えてしまえるのもプチ事業者のメリット。

もともとあれこれ同時進行などということは、割と苦にならない性格、むしろ得意な方なのでこういう時にその性質が役立つものです。

では、割り込んでまで優先したという「テリーヌ」デザインの生地、そして途中までの製作場面をご紹介したいと思います。

黒x赤タータンチェックの組み合わせのロックっぽさは永久不滅のテイスト

<表地>ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。
<裏地>ナイロンタフタはっ水加工アクリルコーティング、ナイロン/100%、日本製。

遠目で見ると実際のぱっと見の雰囲気が分かります。

この黒と赤タータンチェックの組み合わせはロックっぽいテイストです。

パンクとかロックのミュージシャン様のパンツのイメージ。

上は革ジャンがイメージされます。

こんなミュージシャン様のアイテムの雰囲気の組み合わせをビジネスシーンに落とし込むのです。

その意表を突いたようなアイデアは面白いものになりそうです。

このぱっと目立つ典型的な赤タータンチェックについてはあこがれを持っていますが、洋服でもなかなかここまでの典型的な赤タータンは見つからないのです。

多くの古着好きの方はすでにこの柄には注目されているのではないでしょうか。

この赤タータンはバッグの裏地に使いますので、バッグを開けた時だけ広がる世界です。

ビジネスシーンに「笑顔」をお届けできたら良いと思っています。

赤のタータンチェックにグリーン色が入っていることで少し柔らかい雰囲気になっています。

進捗度のスムーズさはナイロン/100%ならでは

実は、ナイロン/100%は縫いやすく、進捗度は高めです。

ハリコシがあるとどんな作業もしやすいのです。

反対に時間がかかってしまうのはとろんとした柔らかい生地ですね。

バッグの場合、生地1枚の風合いはあまり関係ないですし、むしろ、とろんとした生地でもハリコシを出していかねばバッグらしい迫力が出ません。

よって、そもそも柔らかい生地をバッグには使わないという手もあるのですが、どうしてもその柄を使いたかったり、その生地で作りたい時には芯地の利用でハリコシを高めることができるのです。

<裁断・接着芯貼り>:ニット芯を貼ります。ナイロン/100%にはニット芯が必須。織芯だと気泡ができます。
<支柱/取っ手作り>:中に接着芯と、さらにソフト厚芯というふんわり芯を内蔵していきます。

このぷっくり感は、ソフト厚芯+ステッチのコンビの賜物です。

<外側の隠しポケット・支柱/取っ手>:外のポケットはスマホ入れをイメージ、キズ防止の為ファスナー無し。

この写真では分かりづらいですが、中に入れたソフト厚芯は、一番下の縫い代から1.5cmの分入れずに空洞とします。

その理由はひっくり返す時のラインが綺麗に出るよう厚みを軽減しているからです。

左右ともそのように1.5cm控えてソフト厚芯を入れ込んでいる作りです。

このことは今まで作ってきて、大変効果と手ごたえを感じている点です。

<中側の隠しポケット作り>:ビジネスシーンで使用の大切な物入れとして、ファスナーも付けます。

実際に会社員時代に外回りのお仕事をさせていただいていた時には、会社の大事な印鑑を持ち歩くことがあり、こういったポケットを利用していました。

今後印鑑は廃止になっていくかと思いますが、名刺を入れたり、何かバッグの中に1つ隠しポケットがあることはきっと役に立ってくれると思います。

書類でいっぱいの中に小さな小物が入ると、見失うこともありますので、こういったポケットを別のお部屋として使う保管がやはり安心です。

アップにしてみました。ファスナーの色と生地の色との相性も良いです。

あとがき

ナイロン/100%の生地というのは、接着芯を必ずニット芯にすることさえ確実に行えば、作りやすく、出来上がりはとても素敵なものになります。

ただ数が少なくて裏地の柄を探すのに苦労しているところです。

生地メーカー様、どうぞたくさんナイロン/100%の撥水加工の柄の生地をよろしくお願いしまーーす<m(__)m>。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

大きめのバッグ用に裁断した生地パーツの跡が付かないたたみ方、二つ折りよりも三つ折りの方がつぶれにくい【339】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

計画的に附属品も調達しておくのが望ましいのですが、このたび注文の色を間違えたミスがあり、少し日にちが空いてしまうことになりました。

よって、附属品が届くまでの間にする作業として、次の製作分の裁断をして進捗度を進めておきます。

このたびは、ビッグなサイズのヘルメットバッグをセルヴィッチデニムで作るという企画のもと、裁断をします。

セルヴィッチデニムはゆったりサイズのトートバッグ型ヘルメットバッグを3点作ることですべて使い切るような見込みです。

裏地を変えて1点物志向の裁断をしていきます。

そして、裁断後、大きなパーツをしばらく保管するわけですので、そのたたみ方がどんな形が望ましいのかを実際にやってみた経験からお伝えしたいと思います。

跡が付かないのが目的ですので、それを目指した安心な保管方法を追求していきます。

二つ折りよりも三つ折りの方が真ん中部分に折り目ができず、ふんわりたためる

いろいろな生地がある中で保管しておく際に注意しなければならない生地があります。

それは、いったんたたみじわや折り線が付くとなかなか取れない生地があります。

そういった生地というのは、生地屋さんがよく知ってみえるので、棒に巻いてくれたりします。

そのようにしていただいたものは、裁断後も気を付けねばならないということです。

パーツが小さければ広げたまま保管すればよいですが、なかなか大きいパーツであるとそうもいきません。

どうしても三つ折り程度にたたむことになります。

これは長い支柱兼取っ手パーツですが、途中で横に白い筋が入らないようこれも折ってはいけません。

ふんわりとたたむ必要がありますので、基本的に三つ折りのような包み込み方でふんわり保管します。

デニムのセルヴィッチタイプは特に硬いので、跡が付きやすいです。デニムはアイロンでも元には戻りません。
裏地。ポリエステル/100%の跡が全く付かないような生地ですが、そろえるために同じように三つ折りしました。
そして、跡が付かないタイプの生地を下に敷いて、上にデニムの三つ折りを置きます。
そして、こんな風に風呂敷風に包んで保管します。これで跡が付く対策はできました。

こうは対策しましたが、できるだけ早いうちに使用してバッグにするのが望ましいです。

あとがき

特に、綿/100%の生地は、その混率からも跡が付きやすいです。

よって、デニム、帆布、チノ、ブロード、ローンなどカジュアルな素材こそ保管の徹底を気を付けたいものです。

カジュアルであることが粗雑な保管やしわがあるということなどにイコールでは決してないということです。

最初の材料の調達の時点で気を付ける「保管」は、丁寧に生地を扱ってこそ、後にそのテイストのカジュアル度を見てもらうわけで最初はまっさらに綺麗な状態であるべきです。

裏地の他にも別布が付くバッグの生地は全部で3種類、2種類ではない新たな展開の3種類目に選ぶ生地の決め方【338】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、Dカン待ちの期間でありまして、裁断を進めてまいりました。

ここ最近のバッグのデザインでは、材料の生地が表地、裏地だけでなく別布も登場してくるパーツの多いものに発展しています。

多ければ良いというわけでもないのですが、どれも必要なパーツであり、型紙の数も多くなってまいりました。

別布は、登場させなくても裏地で対応できるとも言えるのですが、これには事情があります。

生地は過去のストックであり、長年保管していたもの。

当時の購入の時は、デザインの改良前でパーツの数も多くは無かったのです。

当然購入する分量は過去のものは少なかったので、今になって何年越しに生地を使う時に不足が起きるのです。

そこで、別布として3種類目の生地を登場させているということになります。

それでも、ストック生地の中から相応しいものを使っていくのです。

このたびは、その3種目の生地にご注目いただき、生地同士の相性とかなぜその生地を入れたのかの理由などを知っていただければと思います。

2点のバッグのそれぞれの裁断風景に見る3種の生地の組み合わせがどのようになされているのか

こちらは、「おにぎり」というデザインのボストンバッグがリュックにもなるデザインです。

「おにぎり」の裁断・・・表地の無地のヘリンボンの赤以外は2度目の使用なので残りが少ない3種の生地。

バラのお花の裏地に合わせた丸いお花のジャガードのカーテン地を利用。

ベージュ色の透けるタイプです。

表地と裏地が肉厚で3種目を薄手に変えて変化を付けバランスを取りました。

とはいえ、3種目の薄手の「ミラーレースカーテン」は透明度はあるものの丈夫な生地なのです。

少し心配なのが裏地に使うマルチカラーの薔薇の厚みです。

重なりの部分が上手く縫えるとよいのですが。。

「餅巾着」の表地の裁断・・・シティポップのような音楽が流れてきそうな楽しい街の風景の柄。カーテン地。

裏地や別布には、この楽しい、綺麗なマルチカラーの中の色を抜き出したような裏地の色を使います。

「餅巾着の裏地:ベース部分」・・・濃いめのかわいいピンク色は、表地の柄の中から抽出。
「餅巾着の裏地:巾着袋部分」・・・巾着袋をこの色で作ります。こちらも同様に表地の柄の中の色から抽出。

この2色は、色相環図で言うと、ほぼ反対側同士の色。

この裏地の2色は、色相環図の中では、赤と緑の関係に当たるかと思います。反対側に位置していて、補色の関係。

この2色が一緒に1つの空間の中では、「互いに際立つ」という効果を発揮してくれるのかと思います。

あとがき

3種も生地があるということは、お洋服のコーデに似ています。

とはいえ、意表を突いたような裏地の色の実現もお洋服ではなかなか勇気が必要ですが、バッグならば取り入れやすいです。

そういった意味ではクラシック派、馴染む感じの組み合わせを好みます。

とはいえ上述の補色のように互いの色が際立つことができるのです。

マルチカラーのおかげで、合わせやすくなっているとも言えるのです(^-^)。

バッグ作りに使う裏側に隠れてしまうハード薄芯、8箇所も貼りひそやかに良質さを高める【336】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よく会社の経理の事を「縁の下の力持ち」などと呼ぶことがありますが、この「縁の下」というのは表からは見えないような影や裏の部分。

ハンドメイドの製作においても、表というのはその出来上がりで誰もが見る場所で、当然見栄えを良くすることはどの製造者も心掛けていることです。

では、裏の部分で縫いこんだら表には見えない部分はどう作らているのか。。

これは、それぞれの製造者によって分かれるところではないかと思います。

ここにこそ、「物を作るための誠実な態度」が本来現れるものだと思います。

ただ、決してそれが表立って分かることはありません。

それゆえ、表面的な良さだけを見せ、裏の部分に手を抜くことが行われていることもあるのです。

特に「大量生産品」にはそれが顕著に見られることがあり、さらには開き直って表に見える部分でもコスト削減の効果が分かることもあります。

当然ながら目に見える部分でさえ手間を省いているのですから隠れた場所はおのずと予想ができます。

このたびは、小さな製造業者である個人レベルがもっとも強味とできる部分、「必要であるべき所に手間をかける」ということの例として、「当て芯」の大切さをお伝えしたいと思います。

手間をかけることはとても大変な事ではあるのですが、それは、巡り巡って、「手間をかけることができる環境と事業形態にある」と考えると小規模な製造では有難いことだとも言えるのです。

大量生産ではそれをしたくても事業形態自体のバランスが崩れるがゆえになかなかできないのですから。。

このたびのバッグは「巻き寿司」、ぽかぽかするような暖色系の世界観がある生地

ベージュ系ということでジャガードとプリント柄を採用。

表地はここ最近めったに製作していなかった無地ライク。

ジャカード生地なので柄は入っていますが色が1色使いです。

そして裏地に色物の柄を使います。

今回使用の生地:全体にあったかい色味です。もっとぐっとズームで近寄ってみます↓。
左:<表地>マトラッセジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
右:<裏地>ブッチャープリント、ポリエステル/100%、日本製。

マトラッセは、某ハイブランド様の象徴的なワードですのでイメージが湧きやすいですね。

市松柄みたいな柄の事です。

裏地のブッチャーは、お肉みたいということではなく、お肉屋さんの作業着(エプロンのこと)がこういった節の入った凹凸感ある生地だったことからのネーミングのよう。

表地のマトラッセも、裏地のブッチャーも凹凸感ある表面の織り方の生地で、とても美しいものです。

マトラッセの縦横に走る柄と小花プリントのブッチャー織の縦横に走る柄の相性はあると見て、一見不似合いな柄同士のコラボを実現させてみました。

ハード薄芯を貼る8箇所のご紹介、決して表からは分からないここでしか分からない隠れた場所の数々

では続いて、ハード厚芯を貼る箇所をご紹介します。

想像としては、大きなメインパーツに貼るのだろうと思われるかもしれません。

それはそれで正解です。

けれどもそれ以上に意外な小さなパーツにも貼っていることに驚かれるかと思います。

1:口布・・・ハリ・コシを出して、頑丈な風合いにしてくれます。
2:ブランドネームの裏側の当て芯・・・ブランドネームが水平に安定感ある縫い付けができます。
こんな風にブランドネーム大きめに裁断して、後で余分をカットするという方法です。
3:隠しポケットの当て芯・・・型紙により5cm巾の横長のパーツに裁断して行うとその後の作業が歪みません。
裏地の裏面の中心に当てます。上からの長さはこの場合8cmが当て芯のトップの線に来るという目安です。
4:本体・・・当然本体は一番しっかりと見えてほしいパーツなので、必須です。
5:リュックのショルダー・・・ゴブラン織りのような分厚い生地以外大抵の生地には入れた方が迫力が出ます。
6:ショルダータブ・・・ショルダータブというのは、いわば、全体の重さを支える箇所ではないかと。
7:フラップポケットの当て芯・・・フラップポケットの付いた裏地の裏面です。後でハサミで余分をカット。
8:取っ手の付け根タブ・・・八角形の形を正確に出すには、作業もしやすいですので貼った方が綺麗にできます。

以上の8箇所をご紹介しました。これほど多くの箇所にハード薄芯を貼るのです。

1つ1つの積み重ねというものは、8箇所にもなれば、効果が大きく表れます。

パッと見るのは一瞬ですが、その時の印象を良くも悪くも決定付けるのも、この細かな隠れた場所の工夫が「パット見」を作ることにもなるかと。

あとがき

こういったことは、実際に作ってきた中で分かってきたことなので、本とか基本的な作り方レシピには書かれていない部分だと思います。

以前より細かいパーツも増えてきましたので、考えてみると意外に、細かいパーツにこそ貼っているというのが驚きでしょう。

お店での販売では決して見ることのないバッグの「裏側」。

ここに手間をかけることができるのかできないのかは、長持ちとかコスパのよい良質なお品になるかどうかに繋がります。

そして何よりも、「信用・信頼」を得るための大切なカギを握っているのではないかと信じてやみません。

「おにぎり」と「巻き寿司」という共にカーブラインを持ったバッグのデザイン、作りやすさも十分に考慮した発案【335】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の1つ前の記事【334】では、「おにぎり」デザインを試作してみて、出来上がりの形があまりに悪かったので、そのデザインを廃止しました。

最後の型紙修正による試作品:結果このデザインを廃止に決めました。魅力的ではありません。

廃止に至った大きな原因は、ファスナーが本体に直接縫い付けられる口布無しのデザインであり、2次元的なミシンでは物理的に難しいので綺麗に作ることができないというのが1つ。

ただ、それが実現できると、いかにも「がま口」と呼ばれる人気のデザインが実現するところでした。

口がぱっかりと開くことで中身が見やすいのです。

しかし何度改良を重ねて型紙を変更しても思うようになりませんでした。

そして【334】の最後の型紙改良の結果をもって、このデザインの廃止を決めたのです。

とは言え、「おにぎり」というデザインを別のデザインで考え直しました。

そして、作り方が全く類似の「巻き寿司」も同時に発案。

このたびは、お腹が空いてきそうな「おにぎり」「巻き寿司」の試作品をご覧くださいませ。

ファスナーの両サイドに口布を取り付けることで組み立て易さが倍増、「作りやすい=綺麗に作れる」の実現へ

ポイントとしては、非常に綺麗に作ることが可能なゆるやかなカーブでできているものになります。

急カーブは、物理的にミシンがずれがち。

その点を配慮して易しく製作できるものにしています。

「おにぎり」の試作品の裁断:上のカーブや下のカーブはゆるやかで縫い合わせがぴたっと重なる見込み。
生地(おにぎりの試作用):カスリネップツイード、綿/100%、日本製。
「巻き寿司」の試作品の裁断:以前の「かまぼこ」を改良したもの。四つ角が均等なカーブ。
生地(巻き寿司の試作用):ジャカードテーブルクロス、綿/57%、ポリエステル/43%、日本製。

それぞれ、必要な部分のみの試作といたしましたので、片面のみ縫い付けをしています。

こんな風に2枚を中表で縫い、ひっくり返して縫い代が隠された1枚の板状のパーツにします。
長い口布と本体を縫い合わせます。
新型「おにぎり」の試作見本完成。
「巻き寿司」も誕生です。縫いにくいことであいまいな角はもう存在しません。

ということで、「おにぎり」と「巻き寿司」のデザインが確定しました。

これらがリュックになる仕様になるということですので、非常に面白いと思います。

あとがき

早速次からは、これらのデザイン製作を始めてまいります。

スクエアなラインも面影が残る巻き寿司には、チェックなどのスクエアな柄を当てはめるとすっきりまとまりそう。

一方、おにぎりは、まあるいラインの柄を入れたりしていくと生き生きしそう。

これで、リュック仕様になる3型の「餅巾着」「おにぎり」「巻き寿司」がそろいました。

餅巾着は、トートバッグ仕様の作りなので作り方が別ですが、おにぎりと巻き寿司は作り方が同じ。

それでも出来上がりの雰囲気がそれぞれ違ったので今のところ2デザインに分けています。

ある1つのあこがれと真似デザインの廃止、発案者しかできない正しい改良があることの学びと今後の決意【334】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近壁となっていますカーブ型のバッグの正しいフォルムがなかなかつかめません。

このたびは、最後の型紙として、改良した試作品を作っていきます。

これまでいくつか変更した型紙ではどれもラインが違い、イメージのものではありませんでした。

というのも、そもそもカーブ型のバッグはハイブランド様にあこがれて作ったからです。

言い換えれば「真似」となります。

真似も全くのピッタリ以外は、その追従を許さないほどのものがブランディングが完全に確立されたハイブランド様のデザインにあることを身に染みて感じました。

この度の試作を最後に、この「あこがれ」だけで始まったデザインを廃止することに決めました。

そして、ちゃんと発案の型紙に1か所ずつ丁寧にその「哲学」が入るような、たとえシンプルであっても「優れた品物」と言い切れるようなバッグを目指していく決意を致しました。

型紙と現物とのギャップが大きい理由、平面で出来上がりをイメージしにくいから

先回の【333】の記事からの続きとなります。

【333】では「おにぎり」デザインのバッグの底とサイドのラインがうまく沿うようにと考えたはずの型紙がてんで間違っており、この度の型紙に改めました。

「変な斜めの突き出した線は、型紙の線が斜めだからであり、まっすぐな直線に改めてはどうか」というこのたびの考え方の見直しです。

考え直した型紙:特徴は、サイドのラインが上からまっすぐ降りてくるストレートライン。

意外と分かりやすい型紙に戻りました。

本来、ここからスタートするべきだったのではないかと、ただの「あこがれ」で型紙に角度を適当に付けてスタートしてしまったことを反省。

ストレートラインは、立体的に出来上がった時にどうなるのかが見やすいです。

初期の型紙で斜めの角度を適当に決めてしまうと、その後どちらの方向へ調整したらよいのかの方向が分かりにくいからです。

実際のフォルム:型紙ではストレートな両サイドラインが内側に反りました。この発見は重要です。
正面から見ると、こんな風に内側にへこんだ出来上がりになってしまいました。

ここから何が言えるのかというと、ストレートラインで内側へへこんだのだから、調整するとすれば、ストレートから角度を「ハの字」へ広げるということです。

そうすると、一番最初の型紙である、角度が付いた型紙もあながち間違いではないということです。

ただ、これを最初にやっておくべきだったことは、ステップの悪さであり、階段を何段も飛び越えてゴールに到達しようとしてしまったことがいけなかったのです。

カーブ型のバッグのデザインはここで廃止、一から素直に思い浮かんだアイデアを改良したものとしてスタートする決意

さて、こんな信じられない結果となった製作でしたが、デザインと実物のギャップに大きな学びが得られました。

なんとなくのものでは、不完全さが簡単に見抜かれてしまうものです。

「おにぎり」という名前を付けるのが早かったかもしれません。

けれども、実は、おにぎりの形にふさわしいような1点、新しいデザインが用意してあります。

結果おにぎりみたいな形になっている台形を丸くしたようなものなのですが、こちらの試作を後日作ってみたいと思います。

あとがき

試作となれば、他の関係ない部分を省略したりして短い時間で必要な見たい部分のみを作ることも可能。

今回使用した生地は、綿/100%のマスタード色の迷彩柄のジャガードのような柄です。

結構丈夫くて中肉で使いやすい生地、日本製です。

これが黒だともう少し貴重になりますが、カラシ色はあまり受けないようで、このたび試作に使いました。

出番のない長期的にストックしている生地を研究のための試作品、もしくは試作パーツとして利用することも後に大きな成果につながると考えると無駄な使い方では決してないかと(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク