リュック本体に内蔵の無接着のハード厚芯、縁のボンドのみでは不安定なことをフォローしてくれる更なる縁のミシンステッチ【797】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグを製作する際に本体には、接着芯+ハード薄芯を貼ります。

このハード薄芯、何か矛盾したような名前と思われるかもしれません、ハードなのに薄い?という混乱。

実は、これは名前の区別でありまして、もう1つ「ハード厚芯」なるものがあるのでそれと区別したネーミングが、「ハード薄芯」の方です。

実際その通りで、ハードなんだけど薄い方とハードでしかも厚みのある方と2種あります。

かつては、すべてのバッグの本体にをハード厚芯を設置していたこともありましたが、実際ハード厚芯を本体に使うことで重みが増してしまいます。

レザーに匹敵するような重厚感が出るのと同時に重さもあるわけで、800gくらいに仕上がったこともありました。

それを考えますと、軽くてハリコシも出せるハード薄芯を主体にしていくようになりました。

このたびは、あまりに表地が薄いことでバランスをとるためもあり、「ハード厚芯」の方をあえて使ったケースです。

この仕様に伴い、元々無接着の芯地にボンドの役割が欠かせません。

それでも、厚芯の方がごわついてすぐにボンドがはがれてしまうことに対して、もう1つ工夫を考えていきます。

それが、「粗い糸目の縁の固定ステッチ」です。

このたびは、その5mmステッチの様子をお届けしたいと思います。

ハード厚芯を使う時の条件

ということで、ハード厚芯を本体に貼るということは、めったに使わなくなり久しいのですが、部分的には常に使っているのです。

それは、「当て芯」使いとして利用していること。

取っ手の補強、タブなど裏側に補強的にハード厚芯を当てて縫い付けることによって素材自体にかかる負担を軽減。

この効果はかなり感じていまして、出来上がりの表側からは全く見えない部分ですが、実は裏の構造というのがこういうことになっているのです↓。

左(ハード厚芯):取っ手付け根タブとDカンタブ用当て芯、右(ハード薄芯)貼り付けポケット用当て芯。

こうして、部分的にハード厚芯、ハード薄芯共に使用する細かい部分に使う場面もあります。

本体に使う場合は当然、全面的な広い面積にカットし、ボンドで端っこのみを貼り付けてその後、中表の地縫いステッチで固定するということをしています。

これをハード厚芯で同じようにやるとものすごくごわつき感が出ます。

このごわつき感は、出すべき時と、出さない方が良い時とを判断をして使い分けていく必要があるのですが、実際はほとんどハード薄芯の方です。

このたびの場合は、本来ごわつき感を出すべきだったのに、ハード薄芯の方を選択してしまったことで出来上がりが柔らかすぎたため、ハード厚芯をさらに貼るという追加的なリフォームです。

ハード厚芯をボンドで貼る粘着力の限界、しつけ的な5mm巾ミシンステッチで押さえて固定する案

裁縫用のボンドも使い過ぎては、風合いが損なわれます。

やはり見えない縁の縫い代内だけにボンドを使うことはこれまでの「ハード薄芯」の場合と何ら変わりません。

そうしますと、ハード厚芯のごわごわしたものは、作業の途中の動きによってすぐにボンドがはがれやすくなります。

乾かして、ある程度接着はしますが、それでもところどころ折り曲げた時などに剥がれる経験を幾度となくしてきました。

そこで、こんなアイデアを思いつきます↓。

ボンドに加えて、更に端から3mm程を粗めの5mm程度でしつけの意味のミシンステッチを1周入れます。
出来るだけ縁っこということを意識。この後の重ね作業によってボンドがはがれにくくずれにくいです。

これをすることで、その後の作業の折り曲げなどでもボンドがはがれたりピラピラとハード厚芯が生地から分離したりすることが防げます。

これをするにも、しわが寄らぬよう気を付けたりはしなければならないですが、この効果は十分に感じました。

ボンドの範囲内ということと、ピラピラを極力防ぐためになるべく先端周辺の縫い代の端から3mmほどの位置を縫います。

ミシンで行う仕付けのような意味がありますが、これは最後まで外さず内蔵され、出来上がっても内部で永久に残っていくものです。

あとがき

これによって、生地がかえってゆがんだりすることは注意せねばなりませんので、メリットだらけではないことだということも同時にお伝えしておきたいです。

どうしても困った時には、こういったことも取り入れて、とにかく、縫い外れなどが起こらぬようにすることを優先にしています。

上述のように、ハード厚芯を本体に前面に貼るということは、重さが増します。

せっかく背中に楽に背負えるリュックなので、重くなることは本当はあまり望ましくはありません。

よって、軽さよりも優先するこのたびのような「生地の伸びを解消」などのケースの時だけ、この重さがあるハード厚芯でもあえて本体に入れることにしています。

フィードバックをいただくまでは不足していたことに気づかなかったことを、このたび充足していったということです。

バッグは非常にこういった点が難しく、万人にすべて受け入れられない場合があります。

ハイブランドバッグでさえも、不満だらけなこともあるのです。

ただ、改善できるところは最大限やってフィードバック後、更にもう一度改良後のご意見を聞くところまでやってこそ踏み込んだ深い製作だと思いました。

ツルツル生地を重ねると滑ってずれる特性に注意、巾着袋のひもホールステッチが滑って皺が寄らないための待ち針の固定の重要度【792】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、巾着袋内蔵のリュックを製作中です。

内蔵巾着袋は裏地付きでして、2種の生地を使っているのですが、共にツルツル感がある生地をこの度選択しました。

その滑り易さがステッチの際に歪みが起こりがちである特性を知り、待ち針の工夫をこのたび考案したご紹介をしたいと思います。

地味な場面であり、まだ完成には至らない途中の場面ではございますが、美しい巾着袋のひもホールのステッチの存在はかなり重要だと考えます。

真っすぐで美しいステッチになりますよう、じっくりと作っていきたいと思います。

ツルツル同士の重ね合わせの素材で分かったずれやすさによる皺が起きないように、待ち針の打ち方で工夫した

綿/100%素材であるとガサっとした生地も多いので気づかないことかもしれません。

表地も裏地もツルツルとしたポリエステル/100%、そして、ナイロン混のポリエルというさらにいっそうツルツル感の増す素材の組み合わせで巾着袋のひもホールを製作しました。

その時に表地と裏地をきちんと重ねてステッチで固定するのが最後の方の場面の巾着ひもホール。

シャンタンはがさっとした素材ですが、裏面はツルツルなことが多いです。

こんな風に外面からものさしでトップから3.5cmのところをストレートにステッチしていくのですが、この写真のようにそのまま作業しましたら、最後にしわが寄せられてしまいました。

寸法がずれているという原因ではありません。生地がすべってずれたのです。

そこで、今一度やり直しですがある工夫を凝らします。

待ち針で固定するということを全体に均一に行い、ずれが起こらないように固定します。

表地と裏地の重なりのスタートと最後の地点に待ち針で固定。
そして途中の部分も、まめに待ち針を打ち、ずれないように固定。
このまま、同じようにステッチをかけ直していきました。

結果は、成功です↓。

皺が起きませんでした。待ち針は大変優れている固定ツールだと実感します。
ぴったりと重なって綺麗です。

あとがき

このたびの巾着ひもホールではない位置であっても、つるりとした生地は、「ずれ」に注意です。

ずれにくいからつるりとした生地を使わないのか、その生地を使いたいから、ずれ防止の対策を考えるのかですが、「生地の利用の自由度」を重視して、少し苦労してでも望む素材を選択できることの喜びを優先しました。

その他ずれやすいヶ所としましては、取っ手などのベルトパーツを作る時の観音開きの重なりです。

これもツルツルの生地は重なって美しく仕上げることが難しいのですが、出来上がるとなったらツヤがあり美しいリボンやベルトになるのです。

コットンや麻素材は製作はしやすいのですが、もっぱら雰囲気がカントリー調になります。

ツヤのある素材は出来上がりとしてはエレガントな雰囲気を放ちます(^-^)。

友人に感謝、ここまでの具体的なフィードバックはなかなか得られない貴重な真実、友人だから許してもらえただけの身勝手な製作の見直し【791】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ショッピングの際のレビューというものを多忙な中ではなかなか書くことはありません。

時々、あまりにも感動があった商品や、今後もリピートしたいような販売業者様の場合に希にわざわざログインをしてでも、購入履歴からレビューを書き賞賛と感謝の意をお伝えすることがあります。

ただ、よほどの感動があった時に限りですのでおそらく、世の中の多くの本当のレビューは伝えられずにご縁がそれっきりであることが大半だと思います。

そう考えますと、このたびのハンドメイドバッグを実際にご購入いただきましたお客様(友人)からの直接の目の前でのフィードバックをいただく機会は、それはそれは貴重だったと言えます。

この直後に、隙間だらけのリュックのてっぺんを試行錯誤を重ねてセキュリティーを最大限に高め、随分身勝手な製作をしてきたものだと大きく反省をする機会となりました。

友人などフィードバックの得やすい人にもご購入いただくメリット

家族や友人であるとついつい忘れがちなこと、それは、お客様の一人であるということです。

このたび、友人にハンドメイドバッグ(リュック)をご購入いただいた際に実際に会って、商品の使い方とか実際の使っていく中での様子などのフィードバックをいただきました。

では、ここからフィードバックをいただいた内容を大至急改善し、直していく様子をお伝えしてまいります。

このようなリュック。トートバッグ兼用。「餅巾着」という名前。<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。
フィードバックをいただいたのは、このフラップの部分。物を入れて背負った時に、ここがとても伸びます。

そもそも、このタブの長さが長い、もしくは、相手のDカンの付け位置が上の方過ぎることもありますが、背負うとメッシュ素材も相まって伸びて隙間がたくさん空いていました。

背負った様子:工夫してリボン結びで何とか隙間を埋めるも、もっとナチュラルな形でも安全にしたいものです。

では、あのフラップをどうしようかということです。

これだけの隙間を覆うには、取っ手の間めいっぱいの幅の大きなフラップが有効だというところに行き着きます。
内側設置の巾着袋に関しては、ここにはすべての物を入れるのではないとのこと。

大切な物だけを入れておく場所。

残りは取り出しやすいように、この巾着袋の外のスペースへ入れているようです。

袋をよけた隙間です。ここに貴重品以外の残りを入れているということ。

そうすると、貴重品ではなくても大切は大切に変わりがないので、セキュリティー性がやはりこの場所へ入れていても求められるということになります。

フラップを可能な限りの取っ手間の幅へ改良予定。現在は半分くらいですので、倍の幅になるイメージ。

そして、改良した大きなフラップを入り口をゆったりと覆うような位置に取り付けた取り付け位置をも改良ということになりました↓。

背の部分:フラップの先端はリュックの入り口先端から4cmの所に合わせて設置。

この4cmの意味は、取っ手にじゃましないぎりぎりのスペースを確保した位置です。

お気づきだと思いますが、取っ手の内側同士を少しずつオーバーした幅になっていますが、これで進めました。

これが内径に忠実過ぎるとまた隙間が空き、いつまでも隙間がカバーされないのです。

取っ手の付け位置を横へ移動すると今度は口がたくさん開くというイタチごっこ、よってこれで良いのです。

改良後の隙間が解消された様子、いかにも「安全で守られている」という安心感

出来上がりです↓。

本体部分の口がフラップによって真ん中に向かってアーチ状に入り口が閉じたこの姿はこの改良の成功です。
フラップがかなり隙間を覆ってくれました。完全に隙間解消不可能なデザインでも最大限にはできたのでした。
上からはこんな感じ。背から覆いかぶせるフラップでなければいけないということがよく分かりました。

ということで、あまりにも複数のやり直しがあり省略させていただきましたが、試行錯誤が随分あった結果こんな感じになりました↓。

6角形のパーツのてっぺんからの位置:てっぺんから15cmの位置に落ち着きました。安定感のある良い位置です。

途中、試行錯誤の間に、このDカンパーツの6角形も他の形に変えたりしていましたが、やはりこのデザインが良いと再認識。

今後このデザインで行きます。

Dカンはパイプ状に丸い構造ですが、細い部分が無かったので、引っかけに力を要するということで、一度「タルカン」という下のようなスタイリッシュな四角いタイプで細くなっている部分があるパーツを設置してみました。

ところがタルカンは望ましくなかった。見た目は良いのですが、ネジが回転して外れた事実が見られました。

よって、今一度Dカンに戻しました。

あとがき

当記事に載せきれないほどの試行錯誤ということを実際に体験してきました(^_^;)。

YouTube動画共に、ここまで来るのに4記事くらい投稿していましたのですが、区切ることで読みにくくて仕方がないと判断しまして、試行錯誤の実が綴られた分はすべて削除。

この結論を早めにフィードバックと共にお伝えした方が分かりやすいということで記事を当【791】1つにまとめました。

非常に多くの学びがあり有難い経験、これで「餅巾着」のリュックは間違いなくレベルアップできたと思います。

こんなことを聞いたことがあります↓。

「がんじがらめの苦しい状況の中から工夫が生まれる」と。。すごく染みる文言です。

「こんなの作りましたー。」のその続きこそがやはり大切なのです。

その後の使い勝手などをよく考えてお作りしていたつもりでしたが、まだまだ全然甘い点があるということ、現実は甘い想像を上回るのが常なのかもしれません。

返し口を作らなくても、マチの角が返し口になる便利さ、あえて手間をこめる巾着袋内蔵のリュック作りのただ1つの休息の場所【781】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「餅巾着:もちきんちゃく」という名前のリュックを連続製作しております。

違う素材1点物を都度作りながら、シリーズとして同じデザインで連続製作をしながら途中のポイントをご紹介しています。

完成した時には、お写真や動画と共にその姿を同じようにご紹介しております。

メッシュ素材は、集めてみると様々な種類があるもので、それぞれの味わいがあります。

このたびは、「メッシュシリーズ」の最終の1点となりまして、重要な締めくくりの製作となっています。

リュックの構造は、裏地付き、巾着袋内蔵ですので、①巾着袋作り②裏地パーツ作り③表地パーツ作りという3つの構成で出来上がっていきます。

通常の単品の巾着袋と違う点は、リュックの内部に設置して、マチで縫い付けて固定するという構造である点です。

ということで、このたびは、①の最終の作業ということになります。

安心な設計とセキュリティーを考えたものになります。

この巾着袋パーツをひっくり返すシーンを後で貼ります動画で楽しんでいただけたらと思いますので、当記事では、その時のポイントを綴りたいと思います。

わざわざ返し口を決める必要がない楽ちんさ、マチの穴を利用するひっくり返しの仕方はこの構造ならではの特徴

マチを空き口としてひっくり返しをスタート。
無理をせずやわらかに内側の部分を引っ張り出します。この時に、マチの縫い目に負担がかからないよう。
完全にひっくり返りまして、裏地部分の紫色が中に入りました。二重仕立ての完成です。

今回のポイントは、ひっくり返しの返し口にあたる空き口が、マチとして既に存在している点が作業のしやすさのメリットになります。

自然にそんな工程となったものでしたので、計画したことではなかったのですが、マチは後で裏地と重ねて裏地にドッキングするので、ひっくり返すところまでは開きっぱなしで良いからです。

必要な分量の返し口にあたる分量がマチに確保されていたので、ありがたい偶然でした。

ただでさえ、手間をかけた内部に巾着袋の裏地付きを設置するという構造ですから、ほんのわずかな箇所ですが、楽ができるのです。

あとがき

製作において、「楽」を一番の軸に置くのではなく、「良質さ」を追求した結果起きた「楽さ」をいただいた意外なケースでした。

ひっくり返し口は、「縫い閉じる」という作業が後から追加になり、この1手間が無いということが「楽ちん」です。

今後も、必ず「良質さ」を追求したご提案をしていくのだと、このたまたまのミラクルの「楽さ」によって改めて決意を固めたのでした(^-^)。

巾着袋の素敵な横顔でありますよう、ひも通し口の「コの字」縫いの美しいステッチのポイント【780】

まえがき

こんちには。picturesque(ピクチャレスク)です。

巾着袋作りは小学校の家庭科での体験が過去の記憶にあります。

女子はピンク、男子はブルーで製作。

女子がブルーで男子がピンクを選ぶことが暗黙に許されない変な垣根。

現代から見ると随分変な擦り込み教育だったものだと(^_^;)。

現在、「餅巾着」というリュックのデザインの中に、内袋として設置の巾着袋で製作の機会を得ました。

その中で、ひも通しホールの「コの字」のステッチのポイントをお伝えしたいと思います。

おおよそ、縫い代含むてっぺんから6-7cm辺りにコの字の角が来ませんかね。

ステッチが表にあまり表れないモデルの巾着袋において、数少ないステッチの1つがコの字なのですから、目線が行く部分だと思うのです。

巾着袋作りの際に是非意識して見てみてくださいませ。

ポイント①:三つ折りした側(裏面)から縫う

三つ折りした側から縫うなどとは当然だと思われるかもしれないのですが、実は以前表側から縫ったことがありまして(表に出るステッチを上糸側にしたかったから)、位置がはっきりせずしわが寄って失敗。

やはり、三つ折りした側の裏面をきちんと見ながらその側から縫うのがポイントです。

そうすると、下糸の糸目が表側に出るということで、下糸の調子も万全である必要が当然あります。

次のポイントにこのことが繋がっていきます。

ポイント②:糸調子を整えておく

糸調子は下糸が上手く調子が合わず(原因が下糸の調子が悪いとも言い切れないが、下糸側という意味です)、汚い糸目にでることもしばしば。

巾着袋の「コの字」ステッチは、裏面から縫いますので、表側に出る糸目をチェックすることが必須。

糸調子と同時に、両割りがあいまいで皺がよっていないかなどもチェックしたいものです。

ポイント③:コの字の曲がり角はV字の裂け目1mm内側で

コの字の右に曲がる部分は、裂け目の1mm内側でやっています。力のかかる裂け目の固定の意味もあります。

コの字を曲がる時の横線がてっぺんと並行の真っすぐが美しいです。

ポイント④:コの字の横線は返し縫い3度で

この返し縫い3度が2度ではない理由は必然、最後にコの字の上へ登っていくので、2度だと進行方向に向かえないから3度なのです。

この返し縫いの効果というのは、実際にひもを通して引っ張る時の重圧に耐え得る強靭さが必要です。

今後の改良点(ポイント⑤):そもそも縫う位置が真ん中ではなくて、三つ折りの先端ではないのか

コの字の縦線を縫う位置について:写真は真ん中ですが、外縁をステッチしていく方がより確実に固定されます。

もう1つ、曖昧な点をご紹介したいと思います。

コの字の下の方の三つ折りはどこでやめるのかということ。。とてもあいまいな点です。

コの字を越えたしばらく数センチは三つ折りアイロンはしておかないと、急にやめてしまっては、コの字ステッチの縫いにくさに影響してしまいます。

よって、適当な場所でやめているという点が随分曖昧。

しかし表には全く見えない部分であり影響がない部分だと判断し、コの字越え数センチの範囲(5-8cmくらい)でやめています。

次に、表から見た感じをチェックします。

表からのチェックの重要さこそ見た目の美しさ、どこを注視するとよいのか

コの字ステッチの直後の表からの確認は必ずあるべきです。

下の写真の表からのチェックの場面でどうも左右の縁からの幅が違うようであれば、まだやり直しのチャンス。

幅が均一であることは「美しい」のです。

もし、前述の三つ折りの先端をコの字ステッチしていくことにした場合、このコの字は横幅が広くなります。
3度の返し縫いは針目は3mmで2針のみ。前述の三つ折りの先端を縫うことにすると、この針目の数が増えます。

裏面のメリットを考えた「ピラピラしなくて固定される」ことと表から見た「幅」のいずれにも納得できれば、上述のような今後の改善の「縁を縫う」で良いと思います。

裏の事情に合わせて表の幅が広くなることに納得するということで腑に落ちています。

巾着をしぼった時に、右と左のコの字がぴったりと合うというようなものに仕上がると気持ちが良いです。

あとがき

巾着の開閉は機会数が多いので返し縫いの効果は大きいと思います。

出来上がりのその先の未来をイメージしながらの製作は「良質な品物」であることに関わるのです。

この場所以外であっても、この「未来をイメージした製作」というものに一度落とし込んでみていただければとご提案したいと思います(^-^)。

底のハギ目の重なりが美しい十文字のトートバッグへ、待ち針を使いピタッと合わせる執拗なまでのマチの溝の追求【779】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

おそらくハンドメイドバッグで一番多いデザインはトートバッグではないかと思います。

たくさんのトートバッグを製作していくと、あのシンプルなフォルムの一番のポイントヶ所が見えてきます。

取っ手や入り口などはもちろん主役級ではある場所ですが、マチの部分の十文字こそ重要なヶ所だと思うのです。

ある意味、ここを見るだけで徹底した作りなのかどうかの評価が下るというものです。

ということで、このたびは、マチの重なり部分をピタッと美しい十文字に合わせるということをするためにやっていることをご紹介したいと思います。

綺麗な底のフォルムを出すためのマチの縫い代の位置の徹底、待ち針で固定する時のその固定の仕方の深堀り

縫い代1.5cmでとっていますが、マチのステッチ部分は台形の底辺の突き出した部分が端っこなので、曖昧にしてはならないのです。

縫い代が計りにくいからこそずれやすい、そうなると、事前のアイロンがけも結構重要です。

美しいマチ作りは、事前のアイロンがけからすでに始まっているということになると思います。

この印の付け方は悪い例です。なぜかというと、端っこがあいまいだからです。
こうして、先端まできちんと縫い代の印を付けます。

上の台形の左上の先端からまっすぐに降りてきた位置から左へ1.5cmが台形の底辺の左端です。

右側も同じように先端まで印を付けます。待ち針は真ん中を一番最初に打ちます。

両割りの真ん中の溝と中心を針で正確に打ちます。

この時にすでにピタッと合うかが決まるようなものと思ったらよいと思います。

そして、先端は返し縫いをし、玉止めも先端のとがった部分の位置で丁寧に行います。

端から端へを二重縫いで丈夫に仕上げたステッチなのですが、滑るような生地の場合、端からではなく、最初にど真ん中から始めるのも1つの手だと思います。

十文字の正確さの追求と共に、この真っすぐラインの徹底もありまして、実践で縫い代を印することの意味がここにもあるのです。

<まとめ:まちの十文字がぴたりと重なるためにやること>

①事前のアイロンがけで「等脚台形」に徹底

②待ち針をど真ん中の溝部分からスタート

③縫い代線を実線で引く

④縫い始めをど真ん中からスタートするとよい

あとがき

結局、いろんな箇所でその小さな1つ1つの丁寧さが完成の「ぱっと見」という数秒に影響するのであり、考えてみればとても重要なことです。

何かビッグなポイントを「ドーン」と1つ提示して惹き付けるのでは決してないことに奥深さがあり、たくさんの小さなことの集結なのだということです(^-^)。

ゴブラン織などの厚手で作る丸底バッグの底面と側面がきちんと重なるために。。ロックミシンではない手縫いのブランケットステッチの固定【777】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグで丸底バッグを製作する時の難関、丸底の地縫いがあります。

ひたすらカーブの難関の連続、この場所こそが製作の中の一番の山場とも言えます。

製造側からしますと、まっすぐな線のトートバッグは確かに作りやすいです。

しかし、丸底バッグのメリットとしては角がないので、擦れなどを解消するデザイン、このメリットはユーザー側の気持ちにに寄り添った「長持ち・コスパの良さ」が追求できます。

この場所の苦労は製造側が手間をかけ、ユーザー側にメリットが大きいからこそ「価値」となってゆくのだと思います。

では、このたびは丸底バッグの難関、底パーツと側面パーツを重ねて縫う場面で、ずれやすさを解消する工夫として取り入れた「ブランケットステッチ」の方法をご紹介したいと思います。

ゴブラン織などの厚手で硬い生地の場合、まずはずれやすいことを解決、待ち針以上のブランケットステッチの引用

丸底バッグの底の安定は、底パーツの「縫い」のしっかり度をまずは徹底したいです。

薄手であっても接着芯以上に更なるハード芯を入れて強固にしたり、場合によっては、「底板」を設置するという重要な場所です。

カーブの側面との重なりは、待ち針を使っても3次元的な部分であるので、立体的な部分を平面のミシンで行うことの限界の部分です。

元々難関であることをいったん受け止め、より美しくできる方法へと強い気持ちでのぞみます。

そこで、考えました案、待ち針のみでは「ズレ」が起きてしまうことに対して、ブランケットステッチの仕付けを取り入れました。

まず、そこそこ細かめに待ち針を底面1周全体にほどこします。
待ち針を付けたまま、ブランケットステッチ。しつけ用の生糸ではなくてテトロンでも。2本仕立て。

とにかく、このブランケットステッチ、完成まで残しまして、糸を切らないということで「内蔵型」になります。

ステッチの深さ(縦)は5mmほど、横幅は1cm以内。
先ほど5mmの深さでブランケットステッチしたことの理由が、地縫いのミシンを7mmの位置にするからです。

ブランケットステッチが表にはみ出して見えてしまうことが無いように縫い代内でやった作業です。

こうして出来上がってひっくり返した時のラインは、非常に綺麗だという実体験がありました。

もし、もっと強固に仕上げるなら、楕円底のロック始末、側面パーツの下辺のみのロック始末をあらかじめしておくのも重なりやすい後押しになると思います。

ロック始末をしても裏地で隠れますが、「丈夫」というのは「働き」の面ですので、目には映らなくても意味のある事だと考えます。

あとがき

底部分を縫い合わせた後に「ハサミで切り込みを入れることをしないのか」ということがあるのですが、重圧のかかる底部分なので切り込みによって強度を弱めるような気がしてカットできませんでした。

この「そんな気持ちになれなかった」を今は大切にしています。

ちなみに、本革レザーの楕円底では決まってカットされていることのようで。。

楕円底に特化して連続製作を再びしていく際にもう一度この「カット」については考えたいと思います。

ご注文をいただいて製作するデニムトートバッグのデザインとサイズのシミュレーション、入れたい物をヒアリング【772】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグもシーンに応じて、ファスナーだらけの頑丈な物がかえって開け閉めにストレスがかかることもあるものです。

簡単なトートバッグは、中の物をスムーズに取り出し出来る気軽さがメリット、セキュリティー性ガンガンのバッグとは対極にあるものです。

バッグも1点だけではなく複数を使い分けるということのヒントになり、対極同士が同じ持ち主に共存ということになります。

このたびご注文をいただいてバッグをお作りすることになりました。

この度は、前者のタイプであるトートバッグをデニムで製作していきます。

事前に入れたいアイテムをお聞きし、型紙の上に置いてシミュレーションしてみたのです。

実際に入れたい物をヒアリングし、型紙に置くシミュレーションの実施

トートバッグのマチ付きも、角張っているためにその鋭利な部分が傷みやすく、使用するうちに擦れていきます。

それが起こりにくいデザインなのが丸底バッグ。

角張っていないので、全体的に緩やかで他の物と触れにくいという点が角のあるタイプよりも長持ちの可能性を秘めます。

四角い底のトートバッグとの違いは、マチが底パーツにイコールで、別型紙(楕円)になるということです。

出来上がりが、縦25cmx横40cm(短い方)xマチ20cm。

この出来上りに合わせて、縫い代上下各1.5cmずつを見込み、型紙の側面パーツだけをまず作ります。

大まかなサイズ感はこのように測ってみました。ヒアリングのアイテムを実際に置いてみました。
あえて、型紙パーツを2枚用意して、実際に近い立体のシミュレーションもしました。

サイドの洗濯ばさみは、縫い代を1.5cmくらいずつつまんだイメージ。

少しふにゃふにゃしてやりにくいので壁に立てかけながら行いました。

こうして、底が無い状態でも、前面と後ろ面さえあれば、サイズ感を測ることができます。

最初の大まかなサイズ感とは違い本が横になり長財布も横たえる、これが実際の使い方に近いものになります。

この立体的なシュミレーションはなかなか現実的で具体的なものになりますので大切な場面です。

あとがき

寸法だけのイメージではなかなかつかみにくい具体性が見つかり、驚きました。

シミュレーションは大変具体的な作業みたい♪。

デニムと丸底バッグの相性が良いと思うのは、擦れやすくアタリが付きやすい素材だからこそ重なる部分がミニマムな丸底バッグは長い目で見たら正解。

四角い底をハギで作るトートバッグだとおそらく何年後かに特にその重なる箇所に集中的に擦れが起こると思います。

デニムの色落ちの味わいも、平均的な「擦れ」が起こる環境がまずあっての「味わい」だと考えますと、製造モデルの重要度があると思うのでした。

ミシンでステッチをかけている途中で下糸がなくなった時、美しく自然な糸目のつなげ方【771】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

おそらく誰でもミシンを使えば必ず出くわすであろう場面、縫っている途中で下糸が終了してしまう時があります。

こういった時に、上手くつなげる方法はないものであろうか。。

このたび、途中でステッチが途切れた際に美しい縫い目を自然に継続できる方法をご紹介したいと思います。

そのまま糸を放置するのはほつれの原因になる、きちんと隠し丁寧な仕立てを最後まで貫く姿勢

こんな風にボックス状に長いショルダーなどをステッチしている最中で下糸がなくなりました。

途切れた場所の右側は、「わ」なので、結構致命的な箇所。

その時に、糸を針で通せるくらいの長さが確保できるまでほつきます。

そして、一針のみ手縫いで進んだ、その針が内部に入ったまま左側のハギ目の溝の中心から糸を引っ張り出すのです。

引っ張り出した瞬間が上の写真になりますして、その位置で玉止めして溝へ納めます。

実際は内側で糸が宙ぶらりんに横たわりますが、後で、真ん中に縫い付けられるステッチの2本線で固定されるという見込みです。

そうして、こんな感じでショルダーを完成していきます。

ただ、このやり方、仕方がないとはいえやや跡が分かるものになります。

よって、もう少し計画的にこのことが起こりにくい状況を作ります↓。

下糸のボビンにフルに糸を巻いた状態でボビンを複数用意。一気に縫えるよう下準備をして行う方法。

そうはいっても、途中のボビンももったいないので使いたい、材料の糸のコスパを良くしたいものです。

別の箇所で、溝などに隠せる部分のあるパーツのところに残ったボビンンの下糸を使えば、消費できる可能性はあります。

途中で自然に糸目をつなぐもっとじっくりとやり方をご説明した記事がございまして、【123】の記事です。

あとがき

長い長い支柱などを製作する際には、下糸のボビンがどこまで持つのかは、なかなか読みにくいことです。

時間をかけないのは、②のボビンの複数の準備だと思います。

ちなみに、ものすごく長い支柱と取っ手のコンビのベルトの場合では、ボビンが1個でも事足りぬ場合があるかもしれません。

そんな時には、①の手法が嫌が応でも必要になってきますので、その際にはこの度のやり方を思い出してみてくださいませ。

先にハギ目の方からスタートしますので、糸が無くなるのは、「わ」の方で起こることも多いです。

ベルトだけではなく、他のケースにご利用できるやり方で、リフォームの際などにも大いにご利用いただけるやり方だと思います。

ただ、頻繁に途切れることは決してよくないと思いますので、出来る限り一続きの縫いで仕上げることがベースです(^-^)。

糸が絡みがちな端っこの折り返し部分、セルヴィッチデニム生地の返し縫いステッチをすっきりと仕上げるウラワザを発見【770】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

デニムはただでさえ糸調子が困難、別記事で糸調子に特化した話題で記事を綴らせていただいております。

糸調子に関しましては、記事タイトルの頭に<糸調子>を付けていますので、もしご興味があれば、後でブログ目次の「検索機能」で検索してみてくださいませ<m(__)m>。

このたびは、同じセルヴィッチデニムに関しての悩みやよく完成品で売っているものでさえも、ミシンの糸目の絡まりが最後の返し縫いの際に起きているようです。

これがすっきりとなると、デニムもドレスライクに寄せることができる重要なポイントだということで研究した結果、なかなか単純な方法で効果が出ましたのでご紹介したいと思います。

極端に分厚い生地を取り扱ったからこその有難い発見

現在商品の「エプロン」を製作中でございまして、セルヴィッチデニム11ozを三つ折りして、更にその三つ折り同士が端っこでは重なるという場面があります。

このいわば「難関」と呼ばれる箇所に関して、どうしても悩む点がありました。

返し縫いの糸目が綺麗ではなく、糸がたくさん絡まることです。

端の糸の絡まり:このような部分ができてしまうと、せっかく他のステッチの部分が美しくても台無しです。

ということで、ここを解決していきたく、いろいろ考えました。

そして、1つのある方法を発見したのです。とても単純です↓。

最初の返し縫いの場面:三つ折り同士が重なる難関が早くも登場。

まず、3針ほどまっすぐそのまま進みます。

通常この後、返し縫レバーを押しながらバックしますよね。。ちょっと待った!。

バックをしない返し縫い:そして、縫う対象物をひっくり返して、再度まっすぐ縫うということをします。

通常の返し縫いは、対象物はそのままの向きで、そのままバックして戻っていくやり方ですが、そうではなく、バックをせず、方向転換して、同じ向きで縫うという言い方が分かりやすいでしょうか。

そうした結果下のように(にっこり(^-^))。。

2大変美しい糸目ですね。変な糸の絡まりが全く起こりませんでした。

これは行けるぞ!と。この方法1つありなのではないでしょうか。

なかなか納得のいく結果が得られましたのも、究極に分厚いデニム生地の取り扱いの機会があったからこその、本当に感謝です。

綺麗に仕上がることが、作っていても大変気持ちが良いです。

あとがき

特にデニムや帆布のような分厚い素材は、縫い始めと縫い終わりの糸の絡みが起こりやすいです。

解決方法が見つからず、仕方がないものであるかのようにお店にも並んでしまっているようです。

原因がはっきりわかりませんが、おそらく、押さえ金が水平ではなく、斜めに傾くことが原因で、ストレート向きの場合の傾きよりも、傾斜が激しいことが糸が絡まる原因なのだと予想しました。

こちら側に傾いている斜めの場合は絡まりが起こらないから、対象物をひっくり返して同じ方向に縫えば、成功したということだったと判断しました。

これは、本などには書いていないようなこと、大変貴重でした。

対象物をひっくり返す手間など、汚く仕上がってしまうことに比べれば、どうってことありません、苦労を買ってでもしたいことです(^-^)。