危険な香漂い頻繁には使うべきではないが。。マーカサイトや細工が緻密な925ジュエリー洗浄液たった5秒の出番【152】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

地金の中でも一番短い年月で色が変化してしまう、「sterling silver:スターリングシルバー」通称925。

大切にジュエリーボックスの中に保管していただけなのにどんどん色が黒ずんでゆきます。

これは、天然の銀特有の現象で、空気中に含まれる硫黄とジュエリーの銀の反応により「硫化」という化学反応が起こり、身に着けていなくても保管しておくだけで変色してしまうという厄介な性質があるため。

数年そのままの保管で、はや銀製ではないとも思うほどの真っ黒になった経験も。。

洗浄前のシルバー925製のジュエリー:かなり黒ずんできています。どれも彫が緻密で布磨きの限界を感じます。

このたびは、そんな悲運の925を受け入れながら、しっかりと925の黒ずみを落とし切りたい場合に有効なある強力な液を実践と共にご紹介したいと思います。

マーカサイトや緻密な透かしジュエリーの見違えるようなお手入れに有効、ものの5秒以内に劇的変化のクリーニング液

漬け込みを忘れてほったらかしなどというお洗濯とはわけが違うということをまずはお伝えしたいと思います。

短い秒単位で素早く行う慎重かつ集中力が大切な作業となりますことを肝に銘じてご利用よろしくお願いします。

クリーニング液:後で名前や全体像をご紹介しますが、内部に「ザル」が設置され使い易く考えられたもの。

非常に化学的ないかにも危険な匂いと共に緊張感が走ります。

洗浄作業イメージ:新聞紙を敷きながら。バーの持ち上げは附随のピンセットあり。個人的嗜好で私物のペンチ。
作業手順(左上から時計回りに):ザルに対象ジュエリーを設置、バーをペンチで下げ液に5秒以内浸します。

ものすごい威力なので、3秒で十分、後の2秒は上げ下げの時間と水道まで持っていく秒数に充てるべきであると判断。

引き揚げたら、素早くお水で綺麗に液を洗い流すことも5秒ルール内、部分的に液が付いているからです。

クリーニング後の姿:ここまで緻密な透かしリングも白く輝き生まれ変わったような姿になりました。
使用のクリーニング液:「東急ハンズ」様で購入。「CONNOISSEURS:コノシュアー」。蓋に有効期限1年後を記載。

考えてもみてください、ここまで強力な液がこの容器をもいずれ打ち破る威力を持っていることが否めません。

説明書の1年間の有効の意味は、この容器の耐久性もあるのです。

ほったらかして、数年後に容器を突き破り、外へ液がはみ出し他の大切な品物に影響を与えませぬよう、しっかりと管理してお使いくださればと。

あとは、頻繁に使用するものではないということ、平らなフォルムのジュエリーならば、布磨きが素材自体に優しいと考えます。

あとがき

ジュエリーの中ではシルバー925は一番お手入れの頻度が多く管理が大変な地金であると思いました。

一方で、銀製の魅力として、地金の自由度(金やプラチナに比べ1000度以下という比較的低めの温度で解ける性質)が数々の美しいデザインを豊かにする可能性を秘めると解釈しています。

素敵な細工に魅せられシルバー925ジュエリーを手された際に、その後のお手入れも必ず伴うという「管理面」もイメージしてジュエリーご購入をご検討されますよう。

そして、最も相性ある素敵なジュエリーとの出会いにたどり着いていかれますよう(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

リントンツイードを同じバッグに引用して分かる、エレガントなハイブランド様が示したカジュアルテイストへの挑戦状【150】

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まえがき

こんにちは。pictuuresque(ピクチャレスク)です。

2020年に初めて「リントンツイード」という生地を手にしました(友人からの勧め)。

まずは試作品用にとやや大きめのはぎれで入手。

もとはイギリス生まれ、生地メーカー「リントン社」様の創業者「リントン」様の名前をファンシーツイードに名付けたブランド名です。

この「リントン」という名前のツイード生地を女性のスーツに取り入れたのは、「ココ(ガブリエル)・シャネル」が最初。

ツイードというのはその昔はメンズのお洋服に対して専用に使われていた素材。

「メンズテイストを女性のアイテムへ引用」というシャネル様の斬新な発想が、新しい女性スタイルを作ったとも言えるのです。

もともと「ファンシーツイード」という糸がカラフルに織り込まれた生地に興味があり、イタリア製・日本製・ドイツ製などをこれまでバッグ製作に使わせていただきました。

不思議なのが、ラメのようなツヤのある糸が織り込まれても、出来上がった生地はカジュアルテイストに寄るということ。

カラフルな糸がランダムでポップな感じに見えるからでしょうか、これこそがツイード特有のテイストだと言えます。

そしてこのたび、更に素材がウールや綿というより一層カジュアルテイスト溢れる「リントンツイード」を入手し、キューブ型バッグを製作。

実際に「リントンツイード」を使わせていただいた驚きを含めた感想をこのたび綴ってまいりたいと思います。

イメージを遥かに超えたガサガサ感、「リントンツイード」生地をエレガントに仕上げたハイブランド様のバッグへの感服

表地(グレー):リントンツイード、混率不明(ウール混と予想)、イギリス製。
全体柄:ざっくりと市松格子のような柄になっていることに注目。製作するキューブ型バッグとの相性は◎。
裏地(ブルーとピンクのバイカラー配分):いずれもエステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。
バイカラーの活かし方:楽しみながら製作、コントラスト効果を利用し、色を配分していきました。
キューブ型の形成:「ベルポーレン」というプラ底板の2mm厚。角をカーブにカットし控えたサイズで内蔵。
「外表」組み立て式で製作:キューブのフォルムをしっかりと出すためと作り易さで、縫い代始末済みを組立て。
セキュリティー性の強化:内蔵巾着袋を裏地とは別に設け、ドットボタンで底同士を合体しぐらつきを固定。
内蔵巾着袋のひも:蝶々結びで絞ります。内蔵巾着袋にもポケットが設置してあり、多重構造なのです。
「ヒネリ錠」の設置:入口はヒネリ錠。ハンドバッグらしさを示すような象徴的なパーツです。
キューブ型バッグ:<サイズ>縦17cmx横17cmx高さ17cm。ショルダーやリュックは【187】で設置します。

あとがき

更なるチェーンショルダー付けの姿は、後の記事【187】でご紹介しました。

「シャネル」様は、チェーンバッグに引用したリントンツイード生地がここまでカジュアルテイストであることをよくご承知だったかと。

あえて、そのカジュアル感に対して、自社のエレガントの「ブランドイメージ」をもって挑んだのではないかと思えてなりません。

このたびの試作品は、とてもエレガントには程遠い物でした。

この素材だったら、カジュアルなふんわりしたサックなどを作った方が合うなどと作り終わって思ったほどです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.13にブログ記事の「手直し」の順番で、およそ5年後の2025.06.01にタイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この製作にあたって、リントン生地のバッグへの使われ方を「シャネル」様以外で拝見しましたが、ありましたよ、模倣品が。。

我々の頭の中には、「リントンツイードのハンドバッグ」が「シャネルのもの」というブランディングが占めています。

そのままの模倣は全く意味を成しません、少なくとも「シャネル」様への降伏宣言のようなものです。

おそらく苦労して製作したのでしょうから、その時間を独自の「リントン生地」との向き合い方の「考案」に費やすべきだと思います。

もとは友人の勧めで手を付けてみたこの生地、キューブ型に落とし込んだことも良くなかったと考えます。

ピクチャレスクの製作スタイルの「エレガント寄せ」に対しては随分真逆の生地なのです。

とはいえ、デニムなどのカジュアル感満載の素材もエレガントに寄せ、生地に区別を付けないというフラットなスタイルの2025年現在。

いつか再び「リントン生地」に挑む機会があるかもしれません。

その時は、ちゃんと独自の解釈でリントンツイードとの向き合い方をしたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ぶつぶつの織り柄の立体感と高級感のアムンゼン、3色展開のストライプパッチワークをバッグに仕立てた【4】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグは基本的には1点物志向、全く同じ製作を繰り返すということをしないスタイルです。

それでも、材料である生地の売り場の展示の色違いの展開が並ぶその美しさを「そのまま利用したい」と思う感激が時々あります。

2017年くらいに出会った「アムンゼン」というぶつぶつな表層が特徴の生地。

無彩色カラーの3色展開のオフ・モカ・黒すべてを調達、3色が同時に登場するバッグをイメージし、まずこのたびは、ストライプパッチワークでショルダーバッグを製作。

ボーダーやブロック柄も引き続き製作していきます。

マチ無しショルダーバッグがどこまで立体的に映るのかの可能性を示してくれた肉厚のアムンゼン生地

マチ無しですが、ファスナーの入り口サイドに口布を付けました。

そうするとふんわりと膨らみ、マチがあるバッグみたいな容積が生まれました。

ひっくり返しの物理的な「反り」が自然な膨らみを生むのです。

それだけで容積が広がるのであり、肉厚生地ならばなおのこと。

その隙間のサイズに合うような控えめな気持ち程度の口布があるだけで、結構な効果が出ました↓。

こんな風にひっくり返しによって膨らんだ入口をその自然に膨らんだ容量に合うような巾で口布を取り付け。

口布は片方で2cm程です。

ペットボトルの底があたる底面を取り付けたこのような形のパーツを作ります。

バイヤスのキルトステッチをかけて、丈夫で強固なものにします。

通常のペットボトルサイズで少し頭が出るような深さが取り出しやすいかと。

サイドはこんな風になっています。手で持っている部分を縦にミシンで縫い付けて固定します。立派な作りです。
<サイズ>縦33cmx横29cm(マチ無し)。A4強のサイズです。ペタンコではないところが特徴。
3種の同じモデル:左からこのたびのストライプ・ボーダー・市松とそれぞれの柄特有の味わい。

あとがき

無地なのにぶつぶつが凹凸感があって肉厚で美しい生地。

多くの布製バッグの製作には、カラフルな明るい生地を選択されることが多いです。

しかし、「無地ライク」というようなこのたびのような生地でも凹凸感ある織りが高級感を演出できたり、同色のジャガード柄が立体感を演出できることをお伝えしました。

バッグ製造者自らが生み出すことができるのが「パッチワーク」による更なる立体感です。

渋めのダークカラーや無地の扁平の生地にはなかなかスポットライトが当たりませんが、パッチワークはそういった生地も引用できる可能性にあふれていると言えるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ご依頼者様からの指示書通りのオーダーメイドバッグ、ショルダーとリュックの2wayの外付けボトルポケット付き【3】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当記事は、実際に製作したオーダーメイドバッグが2018年10月の製作のものから始まるその後の改良の現在の姿という厚みある変遷がご覧いただけます。

当時2018年ではブログ記事にはしていなかったのですが、その後動画と記事との連動投稿を始めた2020年に整備、2020.07.07にブログ記事に掲載致したので日付がこの日になっています。

その後、過去のブログ総投稿数1,400あまりのすべてを、「手直し」する期間の順番で2024.08.09に一度ここへ来ました。

そして2024年1年間で1周まわった更なる次のターンとしまして、更に内容を高めるリライトを続行、2025.01.03現在に綴り直しをしているのです。

今思えば、この2018年当時のオーダーメイドは、間違いなくその後のハンドメイドバッグ製作に大きくのヒントをいただき、貴重な経験をさせていただきました<m(__)m>。

ある一人の人物の生活スタイルがバッグ1つで読み取ることができるほどの、唯一無二とも言えるバッグになったと思います。

生地のみ製造側で手配、それ以外のサイズや仕様はすべてご依頼者様直筆の指示書による2wayバッグの製作

この時のオーダーメイド内容は、ショルダーにもなる、リュックにもなる、そして、ドラムのスティック入れも設置されている。。などいくつかの機能が明確でした。

指示書も書いていただき、ご依頼主様の願望が理解しやすいものでした。

友人が習う、ドラムの先生で学生の方(男性)年齢が20歳前後。

指示書はこんな具体的なものです↓。

ショルダーとリュックを兼ねたデザイン:指示書は1枚。写真に納まりきらなかったので、2枚で上下に掲載。
仕切りがしっかり決められた多数のポケット:小部屋がいくつかあるタイプは人物像につながる点があります。

生地は、綿/100%の日本製で黒、ダイヤキルトのような織柄は高級感があり、素敵です↓。

小物入れの充実:先程の指示書の一番下あたりが実際この作り。ペン・ケーブル・モニター・タバコ・ライター。

製作側としましても、だんだんお部屋が出来ていく様子が何とも言えない感激と言いますか気持ちの高ぶりを感じたものです。

取り外し可能なリュックショルダー:2WAYでリュックとショルダーに使い分けたいとのご要望でしたので。

フラップ付きのショルダーバッグとリュックとの2wayは、結構特殊なコンビであったと思います。

ペットボトル巾着:外側に付けるというのは初。リュックではサイドの下の方、ショルダーではてっぺんに配置。
かっこよさも追求の赤いライン:デザイン的に赤の十字ラインを付けたいとのこと。この水滴は撥水施工中。
市販のイメージも取り入れたく、ラッセルメッシュ素材の利用:メッシュのケースをポケットとして取り付け。
内側の様子:バッグをショルダー使いにした時にフラップを開けた時のすぐ内側。フラップの写真がありません。
ドラムスティック入れの機能:ドラムスティック(40cm用)ポケットのグレー。黒の生地はリムーバブル底板。

写真が横向きですが、左の方はドラムスティックの入り口で、スティックの上部(左側)を共布ベルトが支えます。

強力撥水加工:リュック仕様の上部はショルダーの片サイド。左側の手前はショルダー(車のシートベルト)。

あとがき

完成したしっかりしたフラップを閉めた時の正面の写真が残っていなかったのが非常に残念(+_+)。

本当は十字の赤いラインの表面を残しておきたかったです。

この経験をいただきました、ご依頼者様そして直接の友人に感謝したいです<m(__)m>。

時代はその後、ショルダー使いが減っていった流れがありまして、街で見かける大半の人がリュックを背負う姿に急に変化したことを感じたのが2020年くらいだったと思います。

希望を機能と共にデザインに落とし込む訓練のような期間をいただきましたこの機会、大変貴重でした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

大容量トートバッグは特別、ボリュームある荷物を両側から「よいしょ」と持ち上げる「支柱」が必ずあるべき【1】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

メンズアイテムの中で誰もがイメージしやすい、典型的な「ビジネスバッグ」があります。

こうして、ベルトが左右2列に渡っているタイプ、通勤のビジネスマン様のバッグで見かけたことがあるのでは。。

事業としてハンドメイドバッグ製作に携わり始めた頃の2018年製のバッグ。

柄をたっぷり映し出すことばかりを考えた機能軽視の部分が見られた製作であったと後で振り返りました。

柄を見せるあまり忘れていたこと。。それは「機能」です。

最も最優先にするべきことなのに、長い間柄の美しさだけにとらわれていた不十分さを反省しました。

当ブログ記事は、一番最初の投稿の2020.07.07からおよそ4年半後の2025.01.01にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしております。

画像で登場する写真は、2018年製のバッグばかり、後で貼りますYouTube動画は当時のまま。

当記事においては、その後の変遷や成長も含めた現在の考え方でお伝えすることができますので、是非記事の方も重視していただければと思います<m(__)m>。

表面だけを見ていた製作者が、その後「機能」に対する考え方を根本から改めることになった重要な記録です。

「柄頼み」の表面的なトートバッグの見直し、持ち上げる時の力のかかり具合を考慮するには取っ手は「支柱」タイプが正解

どれも大きなバッグなのに、取っ手だけを取り付けているところに、機能に対する考えが未熟であったことを反省しております。

芸能人様のステージのお衣装と同じ生地だそう。パイソン柄に膨らんだ加工がしてある高級生地です。

レーヨン/ポリエステルの混率の生地で、@¥2,400/mというような価格のなかなかの高級生地です。

カーテン地。ブルーグレー色の濃淡のぼかしのボーダーがお洒落。ポリエステル/100%、日本製。
メモリーツイード(形状記憶)。ポリエステル/54%、綿/33%、アクリル/11%、麻/2%、日本製

目に映る感じが黒ではなくて、ミックスされた糸がぼやけてグレーに映る点がマイルドです。

ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。ちりめんに、このようなうずら柄。
ジャカード(パープル系)、綿/85%、指定外繊維(ビスコース)/15%、日本製。

ゴブラン織りにも似たように見えますが、もっとやわらかで薄手で使いやすい生地です。

ポケットの薔薇の花柄を合わせています。

上の柄と色違い。ブルー系と同様でベースがモカグレーのような色なので、とても落ち着いていて渋いです。

「1泊旅行に出かけられるたっぷりの容量がある」と謳うならば、物をたくさん入れた時の「丈夫さ」や「安心感」も同時に謳う必要があるのです。

貼り付けポケットの柄を表地の柄と合わせようとした判断は確かに正解であったものの、ポケットはその後正面には滅多に付けることはしなくなりました。

そして、貼り付けポケット自体も廃止、隠しポケットの方が実際には同じ面積でも広く使えるものです。

エコバッグ:一重仕立ての簡易な作りでも、支柱がしっかりと全体を持ち上げ、力強さを感じるサブバッグです。

確かに支柱によって柄は遮ってしまいますが、それよりも重視するべきは「強度」。

「おしゃれ度」と「機能」のバランスを常にジャッジするようになりました。

ヘルメットバッグ:ヘルメットに特化したマチが30cmの特殊なサイズ。取っ手の部分も長めです。

ヘルメット収納の目的で製作したのがきっかけでありながら、支柱を付けたことの理由は、更なる使い道の広い可能性を考慮したからなのです。

ヘルメットバッグと言っているのはもしかして製作者だけなのかもしれないのです。

ヘルメットを遠方へ持ち運ぶこともあるかもしれないのです。

こう考えたら良いと思います、とにかく大容量のビッグサイズのバッグは、フルに物を入れた時の重さに耐え得るよう、必ず「支柱デザイン」にするべきであると。

あとがき

素材の良さは元の生地屋様のお手柄です。

素敵な柄を引用させてはいただくものの、自分の中から生み出されたアウトプットが大きく欠けていたのが未熟な2018年製であったと振り返ります。

ただ、有難かったのは、当時の技術が未熟なバッグも気に入って受け取って下さる方に一部めぐまれました(モノトーン系)。カラーの入った2点は仕立て直しバニティへ変更しておりまして片方はご購入いただきました<m(__)m>。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

入り口完全密閉で無理強いの無い外表構造、パッチワークの柄違いのドーム型とトート型のボストンバッグ【105】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.07からおよ5年後の2025.04.17に、ブログ記事の「手直し」で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

「アムンゼン」という凹凸感ある美しい生地の3色を、ボーダーとストライプのパッチワークに仕立て、ビッグボストンバッグのデザイン違いを2点を作った記録です。

決して綺麗に出来上がったとは言い難いものですが、この作り方の期間あってこその後の見直しも生まれた重要な軌跡だったのでした。

アムンゼン生地で作ったボーダー・ストライプの2点のデザイン違いのボストンバッグ、仕様を見直しする良き機会

ボーダーパッチワークの型紙:ドーム型の方。場所によって幅が違うのは完成時に目に映る当配列を意識。
ストライプパッチワークの型紙:トート型の方。幅の広い方はマチで奪われる分も見込み差が激しくなっています。
本体の型紙(トート型):当時マチは途中で作っていました。後からの見直しでは、最初から削っておくのが正解。
本体の型紙(ドーム型):こちらのマチの作り方は、本体を縦に長く繋いで底部分をマチとして確保するタイプ。
パッチワークシート作り後の裁断:<表地:3色>アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。
裏地(上から反時計回りに①ベージュ②黒③グレー):①コードレーン、ポリエステル/100%、日本製。②ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。③サマーストライプ、キュプラ/100%、日本製。元はストライプをボーダー向きに使用。
貼り付けポケット:片方に寄せて設置。後の見直しでは、柄を覆い柄の美しさを遮るこのやり方をタブーに。
ファスナーポケット:すべてポケットはファスナーポケット。たまたまファスナーカラーが生地に合いました。
取っ手作り:グレーのソフト厚芯を内蔵、4本ステッチでぷっくりと持ち心地良く仕上げるやり方はその後も継続。
取っ手の縫い付け:力が1点集中しがちなので裏面に当て芯を加えています。後に底からの「支柱」へ見直し。
ドーム型の方の底同士のハギ目:ハギ目の縫い代両割り後、両端ステッチでスタイリッシュに仕上げ。
マチ作り:このやり方は、十文字のぴったりした重なりが困難。後の見直しで型紙から削っておくことに徹底。
ドーム型への底鋲の設置:ボストンバッグでよく設置される附属品。
トート型への底鋲の設置:後にこうした穴をわざわざ開けるパーツはすべて廃止。それほど機能的ではありません。
段差ポケット:ポケットの袋構造の融通性を利用、袋が裏面で重なっても大丈夫な段差は、狭い面積に2個が可能。
ファスナーポケットのアップ:もっと極端には、上下にも並べることが可能です。
ドーム型の方の底周辺の半月パーツ:このカーブが実際のボストンバッグの底のフォルムを作ります。
トート型の入り口ファスナー:トートバッグで入り口がファスナーで完全密閉されている点が価値。

ただ、内枠内での使い方となるので、一回り狭くなる感覚を感じるのは、クラシックなボストンバッグと同じで出し入れはしにくいというデメリットがあります。

縫い代のパイピング:「外表」は無理強いがなくてスタイリッシュ、その代わりパイピングが必要となります。
パイピングの完成:よく見ると綺麗ではない点が成功率の低さです。非常に難易度が高い作業だと思います。
くるみ底板の設置:ストライプの方はトート型の方で裏地と同じ生地。ボーダーの方はドーム型の方で別生地。
ショルダーパッド作り:左上の取っ手に内蔵と同じソフト厚芯を多重にクッション性を高めます。
ショルダー:車のシートベルトにイコールの素材であり頑丈。ほつれやすいので縫い代は必ず内側に隠します。
取り外し機能無しのショルダーパッドの完成:取り外し機能は見出せませんでしたので一体型となります。
完成したショルダー:先端にフックが付いていて、Dカンに引っかけます。「ニフコ」社製の丈夫なプラスチック。
ドーム型ボストンバッグ(アムンゼンボーダーパッチワーク):<サイズ>記録に残っておりません<m(__)m>。
ドーム型の方のその他の角度:可愛らしいフォルムだと思います。アムンゼンの生地の高級感が活かされます。
トート型ボストンバッグ(アムンゼンストライプパッチワーク):<サイズ>記録に残っておりません<m(__)m>。
トート型のその他の角度:入り口が完全密閉は確かな価値になると思います。正面のポケットは無い方が良いです。
課題点(トート型):トート型の入り口のファスナー周りの始末。せめてダブルステッチにするべきでした。

あとがき

途中の画像の解説で、今後も継続したもの・見直したものをはっきりと示しました。

この製作体験からは、本当に必要な材料のみをミニマムに使った現在の2025年のナップサック製作へのわずかな道筋が見えていたような気がしてなりません。

ボストンバッグには付けるべきものだと思っていた底鋲も、穴を開けて取り付けたところで劣化するような弱さもありました。

溢れる材料の中からの選択は、しっかりとした製作者の軸を持っていなければならないということになります。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バッグの生地カラーに馴染ませ瀟洒に仕上げるための頻繁な上糸交換、ミシン屋様も推奨の裏技でタイパ獲得【141】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ道を歩みおよそ20年。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.05からおよそ5年後の2025.05.23にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

特に2025年においても、美しいマルチカラーが織りなすジャガード生地やプリント生地を取り揃え、巷には出回っていないような服地を盛り込みお洋服に馴染むナップサックを製作。

美しい柄を最大限に引き立てる策の1つとして、ステッチ糸を瀟洒に生地カラーに馴染ませるというノウハウがあります。

対極には、ステッチ糸が浮き立つカジュアル感の演出もあるのですが、いずれも体験したその答えは前者にピクチャレスクのスタイルとの相性を感じたのでした。

表地と裏地にコントラストが効いた生地の組み合わせも素敵で、その場合おのずとステッチ糸の上糸と下糸のカラーが分かれることになります。

とはいえ、縫製場所によっては、上糸と下糸が同じカラーであるべき場所もあり、作業の途中に「糸交換」が出てくるのです。

このたびは、上糸の交換の場面において、その作業の分の時間を要するケースであってもスムーズに進むような「上糸交換のワザ」なるものをお伝えします。

上糸交換が素早くできる裏技、交換前の糸を「糸案内」手前10-15cmでカットし、交換後の糸と結んで針穴まで引っ張る

交換前の糸:工業用ミシン糸テトロン30番のブルーグレー。テトロン用として「糸案内」にはフル通し。

ブルーグレーを、アイボリーへ糸交換していきます。

これくらいの微妙な糸カラーの違いでも見分けて区別する多色カラー展開の糸の持ち合わせ(全130本程度)。
交換前の糸のカット:この手の分の長さ10-15cm程度を残してカット。
交換後の糸の設置:設置したら10-15cm残してあった糸と2回硬く結びます。2回以上は針の穴に通らず✕。
糸を引っ張る:針穴から出ている糸を引っ張って結び目の行方を目で追います。現在は「糸案内」の手前。

糸の引っ張りは針や、「糸調子ダイヤル」の針金を傷めないように優しく。

針穴の手前にやってきた結び目:ここで引っ掛かりが必ずあると思います。
左手を添える:無理やり引っ張ると針の歪みを起こしますので、左手で針を固定し、右手で引っ張ります。
針穴から糸が通り抜ける:そして、針穴から糸が通って成功です。
結び目を含む余分な糸をカット:下糸と長さをそろえて糸交換が終了です。

時々テトロン糸では結び目を作っても途中でほどけてしまうことがあります。

このような場合は、途中でほどけた続きから、通常のフル通しをやっていくのがよいでしょう。

また、スパン糸は同じ30番でも線径が大きいので、テトロン糸のように針穴には通らない場合があり、針穴の手前で結び目をカット、針穴に通すことだけは手動で行うことがあります。

あとがき

大切な材料の1つの糸。

材料が極めて最低限なスタイルの2025年現在のバッグ製作においても、材料糸はマスト。

こうした材料があってこそハンドメイドでバッグを作れるのだと全体を遠目で見た時、製作者の役割は一部であると思えてくるのです。

バッグ1つ完成するにも、昔は「私が作ったんだ」と思い込んでいましたが、今では、皆で作ったものなのではないかと考えるようになりました。

そうすると、自然と製作スタイルがより一層はっきりしてきたのです。

素敵な生地こそ主役にしたい、自ら考案のデザインは美しい材料を引き立てるものであればと。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

後付けリムーバブルなくるみ底板の最もミニマムな姿、長方形4角をそぎ落とし現実的なフィット感の変8角形へ【140】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号の【139】の記事では、バッグの底板「ベルポーレン」を製作の途中でそのまま内蔵するタイミングと固定枠の「部分ステッチ」のご紹介をしました。

このたびの【140】では、ボストンバッグなどあらかじめ内蔵が不可能なデザインを含むタイプのバッグ用に、別で作る「くるみ底板」の最も望ましいデザインを検討していきます。

必ずしも長方形がミニマムとは限らない、バッグの底に見事にフィットする感触が正解の変八角形くるみ底板カバー

検証のために製作した3デザインのくるみ底板:断然真ん中の変八角形がすっきりとスタイリッシュでした。
共通に入れ込む底板の元素材:「ベルポーレン:2mm厚」です。割れない底板です。角はカーブにカットが共通。

それぞれのデザインのカバーに内蔵することで角のフォルムが中身とぴったりではないという実態。

長方形は明らかに、設置の際に四つ角が余りしわが寄っていて余分であることがはっきり分かりました。

右の楕円型は、製作に困難を伴い成功率が低いデザインであると感じました。

変八角形の底板カバーの作り方:縫い代はすべて1.5cm。ひっくり返しをせずに鋭利な角をはっきり出すやり方。
折る順番:感触としては、短い辺を先に折っておくと作業がしやすいと感じました。
ミシンステッチ:最後の辺のステッチの途中で底板を入れ込むというタイミングで良いです。
変八角形くるみ底板の完成:「外表」のまま続行しましたが、「中表」でも90度を超えた角は可能かもしれません。

あとがき

沈んでいかにも重そうに見えるバッグの底が心地良いなどとは決して思いません。

しかし、融通性も鑑みた畳めるサブバッグの場合は、底板がかえって邪魔になることがあります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.03からおよそ5年後の2025.05.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年現在では、メインバッグの製作スタイルからは撤退しておりまして、サブバッグ的存在のバッグというポジショニングを決めました。

なぜなら、メインバッグは「ハイブランド」様が王者だからです(到底敵わない)。

ただ、先にメインバッグ製作をしてきてからのその後のサブバッグへの切り替えという変遷は、かえって良かったと思っております。

そして、そのノウハウも同時に共有して広める活動も並行しながら、本当の「サブバッグ」の存在感を考えていきたいと思います。

「ブランディング」だけでメインバッグになっていくものなのか。。それともサブバッグとしてご提案しても、実際はメインバッグに使ってもらえるのではないかなど。

ご提案に納得していただけるよう説得型のスタイルよりも、ユーザー様の「意志」こそ最も強力な動きを生み出すのかもしれないという可能性に賭けています。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

マチ底の縫い代同士の固定ステッチで作られる枠組み、トートバッグの底板はここに安定的に内蔵される【139】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

個人事業主になった2018年2月頭、開始当初バッグ自体がなかなか認知されず、ミシン技術を活かした何か別の商業ができないかと随分考えました。

枯渇した策の中から絞り出したアイデアとして、「底板作り」を思い付きます。

きっかけとなるエピソードとして、すでに持っているバッグの底が沈み不格好であることのフォルムのキープからでした。

そして、ただ底板を設置するのみならず、バッグ内の裏地に馴染むような色合わせをした「くるみ底板」をご提案。

大変有難くご利用いただいたことがありました。

その時のお客様のニーズから、オーダーメイドスタイルで、ダイヤキルトを伴った底板作りを賜りました↓。

2018年前半の頃の「くるみ底板」:@¥1,700/点という価格でのご提供でした。サテンのワイン色の生地です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.02からおよそ5年後の2025.05.21にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

難しいもので、底板が必要なケースもこのようにあったわけですが、その後2025年現在では底板はかえって畳めないデメリットがあり廃止しています。

畳めるサブバッグ的存在のバッグに特化することを決めた2025年現在。

メインバッグにしていただけるということは結果的なもので、当製造側としてはハイブランド様には到底かなわないと、メインバッグ製作を降りているのです。

業者が底板を製作することは確かにお役には立てると思うのですが、それだけを発送することの無駄が大きく、かといって高額では成り立たない縛りに限界を感じました。

さて、では必要な時どうすればよいのか。。の1つの策として「自作」をお勧めしたいと思います。

もし、良き背景があった際には商業利用もご検討いただければ、お客様は大いに喜ばれるとは思います。

このたびは、トートバッグへの安定した底板の設置の仕方を「内蔵するタイプ」の方で解説してまいりたいと思います。

ただ設置するのみならず、周りの環境も工夫することで動きにくく、ずれにくくするノウハウを含みます。

トートバッグに底板を内蔵する際の安定感の高め方、表地と裏地のマチの縫い代同士の部分ステッチ

「ベルポーレン」の2mm厚の底板:決して割れない素材。ハンドメイド界隈では定番材料なのでは。
底板専用型紙:バッグ底の型紙がある丸底バッグでも、一回り二回り小さく底板専用に別に型紙を作るべきです。
カット専用にお勧めのハサミ:割れないプラスチック底板2mm厚はかなり硬いです。このハサミお勧めです。

「amzon」様で購入可能のハサミです。

ハンドメイドバッグ活動を長年やってきまして、こうした工業的なハサミは、日本製は安全性が重視され、先の尖りが不足したものが多いです。

一方、中国製の上の写真のようなハサミは、先が鋭利で、しっかりカットできるのです。

生地の裁断も同じで、日本製の良質と言われるステンレス裁ちばさみは、ハサミ自体は良質でも刃先が緩やかで、細かいパーツのカットにエッジが効きません。

一方中国製の裁ちばさみの方もまた、上の写真に似て先が鋭利で細かいパーツを正確にカットできます。

とはいえ、作りの緻密さの不足は日本製には及ばないかと。

価値観に依るところではあるのですが、研いで永続的に使わず切れなくなったら買い替えるスタイルならば、断然この中国製の商標品の方がコスパが良く、使い勝手は優れているという意外があるのです。

底板の内蔵場面:左上の表地と裏地の底同士の合体後、両端の縫い代の部分的ステッチで覆いを作っておきます。
底板内蔵のリュックやトートバッグの底のライン:しっかりとした底を作ってくれました。

あとがき

こうして、そのまま内蔵するようなリュックやトートバッグにはこのたびのようなやり方でやってみてくださいませ。

おそらく、ボストンバッグは底板は内蔵しにくい作り、冒頭の後付けタイプの「リムーバブル」式で生地でくるみ込んで設置となると思います。

冒頭では四角い形でしたが、後に底への沿いの良さを研究し、端っこの尖りをそぎ落とし変八角形へ改良。

その作り方は、次の投稿の【140】ともっと後の【1383】の「変八角形」の形でご紹介しています(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

<マチ>ハンドメイドで作るトートバッグのマチの計算、縫い代込みの型紙をどんな寸法で作るのかの「計算式」【137】

アイキャッチ画像137

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ある日、ハンドメイドバッグノウハウにおける、自らが発信するマチの計算の確認をしていました。

発信するにも見解が偏り過ぎていないかを、時々ネットで確認することがあります。

そうした中、「元の必要寸法が分からない」「割り出し方教えて」の声が溢れんばかりであることに驚愕。

マチ付きというのは3次元の世界観、なかなか想像し辛い混乱があるのだと考えます。

このたびは、「マチ付きトートバッグ」のマチを含めた縫い代込みの寸法の計算方法をお伝えしたいと思います。

つまりは、「出来上がり寸法から逆残によって型紙を作る方法」に等しくなります。

当投稿の【137】では、あれこれとやかく言わずに、とにかく正確な「計算式」を具体例と共にお伝えする回と致します。

出来上がり寸法から型紙を正しく作っていくための「計算式」を中心に、「これを信じて良いのだ」ということを根底にデジタル式にお伝えすることを先にやっていきたいと思います。

「なぜそうなるのか?」という疑問は、【138】【769】【807】【915】で後回し、今すぐ製作していく際には、とりあえず方法論のみの当【137】で十分です。

<マチ>多くのQ&Aでネット上に溢れるマチ付きトートバッグの型紙の作り方(縫い代1.5cmを含んだ型紙)

出来上がりイメージ:縦30cmx横37.5cmxマチ15cmのマチ付きトートバッグを作るための型紙を作ります。
イメージ図を描く:記録メモ程度の簡単なもので良いです。出来上がり寸法を先に記録すると良いです。
デジタル解説:上のメモをデジタル式に表記し直しました、解説の為です。

<縦の型紙寸法の算出>

出来上がり寸法に順に積み算していく方法です。

出来上がり寸法30.0cmにマチが必要ですので、片面ずつの合体構造のトートバッグでは半分のマチ寸法ずつと解釈。

30.0cm+7.5cmがまず積み算に配置されます。

残りは、縫い代1.5cmの上下分として2回足すので、図の左側の通り30.0+7.5+1.5+1.5=40.5が縦の長さ。

ピクチャレスクの作り方では上下とも縫い代が同じ1.5cmでやっています。

マチのくり抜きは横の長さが決まってからですので、次は横の型紙へ続きます↓。

<横の型紙寸法の算出>

出来上がり寸法37.5cmにマチが今度は左右共に必要ですので、縦の時と同じように半分ずつの寸法を2回足していきます。

37.5cm+7.5cm+7.5cmがまず積み算に配置されます。

残りは縫い代1.5cmの左右分として2回足すので、図の右側の通り37.5+7.5+7.5+1.5+1.5=55.5cmが横の長さ。

さて、ここで縦40.5cmx横55.5cmの長方形の型紙が出来ましたので、底の左右両方を7.5cm四方の正方形でくり抜き(ハサミでカット)型紙が完成です。

数字が変わっても同じように計算式に当てはめるだけです↓。

図の省略メモ:出来上がり寸法が縦25cmx横35cmxマチ20cmの巾着袋の場合も、同じ計算式です。

あとがき

このたびは、とにかく方法論のみをお伝えしましたが、もしかして鋭い方は「あれ?」と思われたのではないでしょうか。

図を見るとマチには確かに縫い代が存在するのに、計算の中にマチ用の縫い代が入っていないのでは。。と。

【138】以降の<マチ>に関する投稿では、この台形型のマチの構造を深堀りして理由を探ります。

ここで少しだけお伝えしておきますと、実は足して引いているという打ち消し合いにより0(ゼロ)だから加えないということなのです。

そのことも後の【138】【769】【807】【915】において、ご説明していきます。

ただ、先に「こういうものなのだ」というところから入った方が実践的であると判断してこの順番にさせていただいたのでした。

是非素敵なトートバッグを完成されますよう、同じようにハンドメイドバッグを作るピクチャレスクは応援したいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク