まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
その昔、昭和時代には、ポーチも小さな巾着袋、リュックも巾着仕様であるナップサックと、同じような絞るタイプが大半だったような記憶です。
いろんなデザインであふれたバッグの中の現在の巾着袋の存在というのは、それほど中心にあるものではなく、むしろトートバッグが台頭してきた現在だと言えます。
この度のお話は、そもそもバッグが最初に生み出された形は巾着のような形だったといわれているところから始まります。
現在のような財布のような四角い形のフォルム自体が実現できなかった「いにしえ」にそのバッグの起源があったようで、とても興味深いと思います。
読んだ本は、「新かばん・バッグの商品知識:エフ ワークス(株)発行」です。
この本のかばんの分類の中で、類似のかばんのモデル同士が本当に同じ分類に入っているのかどうかそんな区分けのイメージとのユニークなギャップも知りたいと手に取った本になります。
ハンドメイドバッグを作る自身がそもそもバッグというものの起源を知ることで、しっかりと今後の考え方を持つ上でも重要な本なのではないかと考えました。
分かりやすーいかばんの誕生秘話
その昔、商品の売買は、今日のようにお金を介してのものではなく、物々交換といって、互いにほしい物を自分の持っているものと交換する形の取引でした。
当然こういった取引はいずれ困難に直面します。
そもそもそれぞれの物の価値が違いすぎて、交換するには理論としても心理としても不公平になってしまうのです。
いずれ、物同士の交換は行き詰まり終焉を迎えます。
そして、互いに公平な取引として「お金」というものが生み出されたのです。
このことで、とても面倒でしかも不合理な物々交換ではなく、お金を払うことで品物をスムーズに受け取れるようになりました。
さらにお金を得た側はそのお金で他の欲しい品物を得るというように、お金の誕生により商品の売買がより潤い社会が発展していった、紀元前1000年頃のことです。
その頃、地中海東部のギリシャ諸都市やギリシャの植民地で、お金を入れて持ち運ぶための入れ物が使われていたとの記録があるようです。
それは、当時描かれたであろう壁画のような絵から巾着袋のうような袋であったと。。
これがどうもバッグの「最初の形」だったようなのです。
財布といってもよいでしょう。
昔話の絵本や漫画に出てくる海賊達がこの中にたっぷりコインを入れて嬉しそうにしていた場面が思い浮かびます。
よくこういったイラストに「$マーク」も加えられていますよね。
こうした袋物のようなデザインからは、今の財布は随分変貌を遂げました↓。
現在の巾着バッグでいうとこのような感じのものを持っていまして、これでも1990年代前半のヴィンテージもの。
すっきりしたタイプではありますが、やはり華やか。
いかに元祖というのが非常にシンプルで最低限だと分かります。
かばんの持ち運び機能と呼び名
ハンドバッグというのは、
「常に身近に携えられる服装を完成させる装飾性豊かな袋」・・・新かばん・バッグの商品知識:エフワークス(株)発行より引用
という定義をされていいるようです。
このことから、最初はお金専用の入れ物であった機能だけのものから、服装と調和することが要求されるものに多角的に成長していったということがうかがえます。
バッグは、迷いながら時間をかけて選ぶアイテムの1つです。
同じく、上記の新かばん・バッグの商品知識で述べられている、基本の持ち運び機能4種というのがあります。
・手提げ
・クラッチ(かかえ)
・背負う
・肩かけ
手提げは、主にトートバッグ、クラッチはパーティーバッグなど、背負うはリュック、肩かけはショルダーやポシェットなどが思い浮かびます。
本ではこの4つでしたが、5つ目に、
・吊りさげる・・・小さなウエストポーチのようなもの
・引く、転がす・・・キャリーバッグ
などが私は浮かびましたが、何らかの理由で含まれないのでしょうか。
今やキャリーバッグこそ、町中で見かけるバッグの1つです。
この概念は、ここ近年の新しいタイプなのかもしれません。
かばんの意外なおもしろ豆知識
ここでは、バッグのへえー、というような面白いお話を寄せ集めのような形式でご紹介していきますね。
「コスメボックス」と「バニティ」は属する部類が違う
コスメボックスもバニティも形が基本同じような作りで、しかも化粧品を入れて使うことが多く用途も似ています。
しかし、「(社)日本鞄協会」様の定める、「日本標準商品分類」の中の「かばん類」というコードにおいては、「コスメボックス」は「トレインケース」に属し、「バニティバッグ」は「タウンバッグ」の中に入ります。
写真でなんとなくニュアンスつかめますかね。
しかし、さらに意外なことで、大きいくくりの部類では、上記2つとも「旅行用かばん」に属していることです。
「ボウリングバッグ」というバッグはどのような形をしているのか
ボウリング用の必需品入れ目的で作られたバッグで、マチが非常にたっぷりとってあるボストンバッグの形です。
近年は、やはりキャリータイプになってきていて、旅行のスーツケースと見分けがつかない形となっているようです。
こちらは、「旅行用かばん」という部類でなく、「スポーツ及びレジャー用かばん」の大別に属しています。
ボストンバッグの名前の由来
ボウリングバッグが、昔、ボストンバッグのような形をしていたということですが、では、通常のボストンバッグはというと、これは上記に出てきた「旅行用かばん」です。
由来は、アメリカのボストン大学の学生がよく使用していたバッグだったということからのこの名前です。
「アタッシュケース」は、正しくは「アタッシェケース」
フランス語の大使館や公使館付き随行員の「アタッシェ」と呼ばれる人達が持っていたバッグの形からの由来。
アタッシュケースと呼んでしまっていますが、正しくはアタッシェとのこと。
小学生のランドセルは陸軍が日本では最初のユーザー
ランドセルは、オランダ語のランセル(RANSEL)から、別名「背嚢(はいのう)」という日本語が当てられていました。
この言葉、すごく臓器みたいで私はなかなか引いてしまっていますが。。
日本では小学生に普及するより先に、陸軍兵士のバッグであったようです。
「キャディーバッグ」と「ゴルフバッグ」は別物である
もしかして、ゴルフをされている方は、ご存知かもしれませんが、「キャディーバッグ」は、あの縦長のクラブなどを入れるバッグです。
しかし、「ゴルフバッグ」という呼び名になるとは、前述のボーリングバッグのようなニュアンスになります。
ゴルフシューズやグローブを入れる、ボストンバッグのような形のバッグを指します。
キャリー型スーツケースの表面のデコボコには意味があった
一日、近隣の駅の構内中を歩けば、必ずすれ違うキャリーバッグを引いて歩く人。
このキャリーバッグの素材は、主に「ポリカーボネートABS」という樹脂素材が一般的で、必ず、リブデザインなどの凹凸が表面に加工してあります。
これは、ただの模様ではなく「機能」があるとのことに驚きました。
もちろん、素敵な表層に見せる役割も十分に果たしているようでお洒落度が高いですが、機能の面では、圧縮、ずれ、ねじれなどの外圧に対する強靭性(きょうじんせい)を保持することができる役割があるのです。
まさか、あの柄が陰で活躍していたとは。。
ストライプのリブ型から、今後はより好きな凹凸の種類を選べるように更なる別の柄も多種生まれそうな予感です。
あとがき
今回は、バッグというものの原点を見たり、意外と知らなかったような事柄も見て随分学ばせていただきました。
バッグというのは、前述にもあります、体の身近に携えるものであるわけで、歴史からみる発展の段階として、機能性からより装飾性のあるものへと広がっていったと見ることができます。
では、その後の未来というのは「〇〇性」という表現で、どんな発展があるかというとずばり「情緒性」なのだそうです。
なるほど、これからの未来は、人間の成長として自分の人生そのものを自分らしくということがテーマとなっていくのです。
となると、今までは、中に何か入れて持ち歩くだけのものから、そのバッグを持つことにさえ意味を持った装い方をするようになるのかと。。
さらに、「持ち主の性格や人生をも表す携帯品」それがバッグである、というような存在になっていくのではないかと期待し心が躍ります。
もしかして、「バッグを持たない」ということさえ、自身らしいジャッジでありバッグの存在そのものをどうとらえているかの考え方が反映された「スタイル」です。
シンプルで飾り気の無いバッグがかえって素敵に思えることも、自身の考え方の反映です。
自分の好みを知る、そして自身の性格や今後のスタイルを追求する中で、当たり前に普段持つ物のそもそもの起源を知ることをお勧めしたいです(^-^)。