コロナ禍のマスク製作で出てきた、上糸と下糸の色が極端に違う場合の悩みの解決策【167】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク))です。

今回、マスク製作のご依頼を受けまして、9点の同時製作を行いました。

その内、6点が表地も裏地も白、残る3点が表地が紺で裏地が白です。

今回は、後者の3点の表地と裏地の色が極端に違う場合の悩みについてお話したいと思います。

果たして、この悩みが解決可能なのか。。そんなことも考えてみました。

糸の色を生地に忠実に合わせる方針

ハンドメイドバッグでもそうですが、やはり、生地の色になじむ糸の色を基本的には選びます。

そうすると、今回の場合表地の紺色の麻素材には紺色の糸、裏地のガーゼの白には白色の糸という合わせ方をします。

やはり、この「なじむ糸の色」というのが、プロが作るような品物になれると、そして綺麗にすっきり見えるということでこの方針で行っています。

表地の裏地の色が極端に違う場合の悩み

生地の色に糸の色を合わせると、こんな風になることが↓。。

糸調子を幾度か調整してもこのように紺のステッチの中に白い糸が入り込みます。

最初下糸のが飛び出したと思っていたのですが、どうやら、裏地のガーゼの織り糸が飛び出しているようです。

以前にもこのような麻の紺やブルーで同じことがありました。

裏地はその時はガーゼではなくテレコニットの白でしたが、その時も表地と裏地の色が極端に違っていました。

出来上がりの見栄えがあまりよくないので、可能なものはその白い飛び出た糸を取り除く作業をして消えたものも一部あります。

普段のハンドメイドバッグ用の番手のままの#30糸、針は#16で行っていることにも原因があるかもしれません。

もっと#14くらいの針で糸番手を#50-60あたりに対応するのが小物であるマスクでは良いのかもしれません。

表地と裏地の色がほぼ同じ場合が糸目のカラーの出方が一番美しい

表地のボイル水玉も白、裏地のガーゼも白の場合は今回のような問題は目には映りません。

表地と裏地の色を変えるからこそ面白みや立体感があるのですが、全く同じ色というのは糸目の出方だけで見ると一番美しいです。

麻などの織り糸の飛び出しが起こりやすい節のある素材の注意点

9点完成です。内訳は、白x6点、紺x3点。

極端に色の違う生地の組み合わせは、上糸と下糸の色をそれぞれの生地にせっかく合わせても糸が飛び出すことがあるということがよく分かりました。

今回のように、糸調子が原因でもなく、生地の織り糸が飛び出してきたというのは、「麻」などの節のある素材では起こりやすく、避けにくい現象です。

しかし、上述のように、麻の中の節が飛び出しにくくするには、糸の番手を細身に、そして、針の番号も細身にすることで、ガツンと強く針を刺さないと節も飛び出しにくいということになるかもしれません。

このことはまだ実験しておりませんので予想ですが、マスクのような華奢で柔らかいお品物に対して、バッグ作りのような太い糸や太い針を使用していてはこういったことも起きやすいのではないかと予想しました。

では、対策をまとめます。

①針を#12-14で、意図は#50-60で。

②糸調子を徹底することで下糸が上糸側に出てくることがないようにする。

③そもそも生地の色の選択において、表地と裏地に極端に差をつけすぎないこと。

あとがき

コロナ禍の2019年の春4月-5月はマスク製作をたくさんしてきました。

ほんの2か月位で、2019年の5月末くらいから量産で大手企業が製造を開始することでもう私達の出番は皆無に。。

とはいえ、この経験での学びは貴重な「宝」となり、こうしてお伝えすることができます。

マスクも、コロナ過の最初の頃はとにかくマスクというアイテムであれば受け入れられたのが、だんだんデザインとか機能の追加などにニーズが求められるようになりました。

今回の自身の学びは、節のある「麻」のような素材の性質とかカラーが出来上がりに及ぼす影響などです。

マスクを製造したことは貴重な体験でしたし、ミシンで物を作ることをしていたからすぐに着手できたことでした。

そして、「マスク製造をしよう」と友人が声をかけてくれたことも大きく、自分だけだったら思いもよらなかったことでした。

コロナという「不幸」の中から「幸い」も間違いなく見つけられたと言えます。(^-^)。

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