まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ここ最近ずっとナップサック型を製作してまいりましたが、数か月ぶりに「切餅:きりもち」というエコバッグ型にいってみました。
というのも、このデザインは1枚仕立てで表地1種のみで作るので、1種の生地で生地幅が幅なり1m必要です。
そこそこパーツの数が多いのです。
どこの場所にというのは、なんといっても支柱や取っ手、そして底ベルトです。
隠れた内側部分では底のラッピング布と左右のマチのラッピング布です。
一重仕立ては縫い代を美しく隠す工夫が必要で、高級な作りとなるとロック始末よりもラッピングになります。
なかなか良い仕立てのジャケットやコートのハギ目に両端ラッピングで縫い代を始末してあるタイプをご覧になったことがあるかもしれません。
ああいった作業は高級感の証(あかし)と言えます。
さて、この用尺1mかかるデザインを生地ストックの中、「ちりめん」が使えそうだと取り出してみました。
黄色がかったクリームベージュ色の無地のちりめんは凹凸感があって高級感が高まります。
久しぶりに製作したためか、作り方を間違えてしまった3箇所、その間違いが一応出来上がったにもかかわらずダメな理由
久しぶりだったのもあり、結構ポイントを自分が忘れていました(^_^;)。
そして、3箇所も仕様を間違えて作ってしまったのでした。
一見問題ないようですが、その作り方に込めた意味があるのでやはりミスになります。
では、その理由を解説してまいります。
大きめの箱も入る程のたっぷりとした容量が誇れる点です。
取っ手もたっぷりとした長さがあるので、少し箱がはみ出しても大丈夫。
現実的な買い物シーンではこうしてはみ出すことも多いです。
早速なのですが、この肝心な底ベルトの順番を間違えました。
先に底ベルトを縫い付け、後から支柱が縦に縫い付けられるのが正解です。
それには理由があり、まずは中に入ったものを底ベルトで底板のような役割で支えるのが第一。
そして、さらならるパワーとして縦の支柱を両サイドから全体を持ち上げるという意味です。
その意味を考えると製作してしまった順番は矛盾が起こっているのです。
ただ、このお話をしなければ気づかないことかもしれないですが、私としては、意味をこめていますので、非常に違和感があり「間違えた」と思えます。
自分で考えながらも自分が間違えるというこの何とも言えないミスです(^_^;)。
この時は忘れても何ら問題がないように感じますが、その後のトップの三つ折りの時にごわついてしまうので、先に作業のサイドの三つ折り時点で薄くすいておかねばならなかったのです。
それを忘れ、あとで応急処置的にトップの三つ折りの直前に三つ折り部分のサイドごと隠れる部分を斜めにカットしたことは、結局効果が薄くごわついたままだったのです。
この歪みが起こらないようにと工夫した少し手前の段階のサイドの斜めカットだったのに、すっかり忘れていたのです。
1.5cmを1.25cmで三つ折りしてしまったその差0.25cmの差が意外と大きいのです。
その影響は取っ手の付け位置との距離が増えトップのラインがややたれ気味に。。
今回仕様のちりめん生地の重くタランとなるという性質には打撃のミスです。
もう1つはバッグの入り口らしく幅をもっととったそれでいてすっきりとした1.5cmの三つ折りは私の判断ではベストな入口の様子なのです。
まるで、建築でいうところの「門:もん」のようなイメージですかね。
ということで、3箇所も自分で考えた仕様を間違えるというハプニングを伴った出来上がりだったのでした(^_^;)。
Q:たためるエコバッグがメインバッグになりうるのか、A:生地によってはなりうる
それだけ頑丈な作りを追求していると思っていただいたら良いです。
じゃあメインバッグになるのかということなのですが、とてもならないと感じています。
何も入れていない時にもちゃんと形がキープされていなければいけないと思いますので、それを考えると今回のちりめんで作ったこちらはあくまでサブ的な役割です。
ただ、この発展バージョンとして、ゴブラン織でやってみたり、デニムや帆布など硬いしっかりとした厚手生地はメインバッグになる可能性があります。
その代わりこのちりめんよりももっとたたんだ状態がごわつきます。
もう少し切り口を変えて考えてみましょう。
先程例に挙げましたゴブラン織などは、裏地と組み合わせたような重なりの多いバッグは職業用ミシンでも困難な箇所が出てきます。
そうすると、一重仕立てで作ることの意味が出てきます。
重なりを避けたいから一重仕立てで作るという理由です。
それでも1枚だけでもごわついたしっかりした生地なのですからメインバッグの役割も果たしてくれそうです。
こんな風に、重なる作業ではお手上げの生地を是非一重仕立てのバッグに当てはめて採用してみて下さいませ。
敬遠されがちな厚手生地も出番があるのは一重仕立てにおいてこその舞台なのかもしれません。
あとがき
何ともお恥ずかしながら、自ら考案した仕様にもかかわらず、久しぶりに作ると忘れてしまって3箇所も間違えてしまったというこの度の製作でした(^_^;)。
そこで思ったのは、やはり私はたまたま考案した役割を担っただけであって、自らもその仕様の記録をしっかり見直してその通りに作る何ら第3者なのだという感覚です。
デザインは私のものではない、みんなにアウトプットし、広める、「共有型」のものなのだと改めてそう思ったこのたびの製作でした(^-^)。