まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
長い間お洋服においては、定番人気のデニムだったのですが、ここ近年ジーンズをアメカジさながらにはく文化が大きな流行の波の中では下火に。。
そして、デニムをドレスライクにはくようなワイドなスラックス寄りなデザインであったり、そもそもデニム自体の素材をお洋服のラインナップに取り込まないなどの変化が見られます。
とはいえ、デニムという素材自体は定番。
丈夫で親しみやすく何かの形で取り入れたいものです。
ワードローブに4点のデニムが現在有ります。
このたび素敵なデニム類の生地に出会いまして、キルト加工をして、より素材の表面の長持ちを実現していこうということをしてみました。
現在進行中のナップサック系のデザインにあてはめる5cmダイヤキルトのシート作りの場面です。
やわらかデニムという素敵なギャップを感じる素材の魅力
早速ながら、キルトをかける作業の一場面になります↓。
ダブルナップサック用の本体のパーツを裁断、接着芯貼り後、ハード薄芯を当てて、5cmのダイヤキルトを作図。
そうして、こんな風に待ち針を均等に内陸部にもちゃんと打ちます。
そもそも、この「やわらかデニム」というネーミングがユニークで、本来のデニムのイメージを覆すギャップがあります。
デニムは硬くてごわついたものであるというイメージなところへ、これを見てそのイメージとは裏腹な柔らかさに驚かされるのです。
キルトをかけることで特に膨らむというところまでは行きませんが、ハード薄芯を当ててさらにステッチを均等にした効果は絶大。
パーツが一体化することで厚手のデニムに良い勝負を挑みます。
もとはやわらかいデニムなのでソフトなまま厚みが増すということになりますが、ハード薄芯の効果もあり、ハリコシも出るのです。
このデニムすごく魅力的で、まるでジーンズをはき続けたヴィンテージ感漂う表面の具合です。
デニムも新品の生地購入では、インディゴカラーと言えども濃紺であることが大半です。
今までセルヴィッチデニムでもウォッシュした状態の色落ちのある生地は見たことがありません。
そうするとこのはき古したような雰囲気はとても貴重です。
ただ、本格的なデニムではないことは仕方がないことです。
せっかくのデニムの綾の雰囲気を主役にするために工夫したのが、キルトの糸をなじむ糸で控え目カラーにしたこと。
うっすら影のようにしかキルトステッチの糸が映らないのは、デニム生地の綾織部分の方が勝っているからです。
あとがき
セルヴィッチデニムなどの厚みもあり硬さもあるものにキルトをかけるのはあまり好みません。
いろんなバランスを考えると、セルヴィッチデニムはその生地1枚で十分な迫力が表現できますので、わざわざキルトをかけていかない方が良いと思うのです。
今回のような「デニムライク」の場合であると、その柔らかさからくる弱さをカバーするキルトの役割があるということになります。
そうして、ただ飾るだけではない、「機能」や「意味」を重視すると良いと思います。
そうすることによって生まれる効果が絶大であるなら、その作業は無駄ではない「どうしてもそうしなければならなかった理由」になって行き、「哲学が入ったお品」になってゆくのです(^-^)。