師に習い、弟子に伝授、自身で決めた1つの道をじっくりと歩んだその画業への一意専心のライフスタイル【1228】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、本を1冊読ませていただきました。

「木島櫻谷(このしまおうこく) 画三昧への道:実方葉子 著」です。

本も、特に分野をしぼらずに、ピンと来た読みたいという直感で図書館で借りています。

この本は、1年前の出版の本であり比較的最近の新書になります。

こうして、目まぐるしい変化の現在は、新書が空いていればまずはそこから探していきます。

図書館の本も人気ですので、新書はほぼレンタル中ですが、時々タイミングよくこうして出会えることもありますし、1年後であると比較的借りやすくなります。

ライフスタイルの望ましいすっきりとした形から学べること

子供のころから、親の知り合いの師なる方の元で修行をしたところからのスタートです。

そして、その後先生の元を卒業して、今度はご自身が画家のコミュニティーの中では牽引役。みんなに教えていく立場に立たれました。

そんな中でもいろんな賞を受賞していき実力が評価されていきます。

そして、その名実とともに、財閥様からお屋敷の一角の美術品として屏風を描く専属の職業としての人生を送られていきます。

いわゆる御用達(ごようたし)なるお仕事です。

ヨーロッパの老舗のハイブランド様の創業当初からの実りに似ています。

そこには、決して華やかではない、日課として昼間はスケッチへ出向き、夜は執筆(漢文や詩のようなこと)もされており、淡々としているように見えて、実はひたすら画業への没頭をしたライフスタイルであったと言えます。

学業に関しては、商業科の学生時代にその内容に興味を持てず退学されていたようです。

広い分野の一般的な学業ではなく、自身の1つのことに時間をかけていくことを選択したのだと思います。

楽しくないことはやらない。。

これは、非常に強い意志であり、人生としては無駄がないとも言えます。

とても自分の気持ちに実直な若者であったと言えます。

そんなところは、道が外れたかのように見られたこれまでの考え方から、現在の2023年では、結構受け入れられている考え方です。

私のような「団塊ジュニアの世代」の者くらいまでは、まだまだ昔の、「こうするべき」「こうしておくべき」ということで、学業はなんとなくそれなりに毎日学校へ通っていくのが当たり前だという感覚でした。

しかし、よく考えると、本当にその学びは自分の将来にとって必要な事なのかどうか。。

これに納得した上でどれだけの若者が登校しているでしょうか。

動物の絵の目のまなざしに注目

画家としての生涯の中では比較的若いころの作品に、動物が多く登場。

これらの動物は、和風なタッチの絵の写実的で硬い印象のイメージとは裏腹に、ひときわ特徴が際立ちます。

どの動物も目が優しく、かわいい。

実物以上にそのまなざしは表情があり、とってもゆたかで、まるで人間と何も変わらないくらい。

その目に「人間味を注入したのではなかろうか」とも思えてきます。

美術館へ出向いたかのような価値

確かに実際の絵は壮大ですので、美術館へ出向くことの価値は大きいです。

しかし、こうした画集+美しい文章の解説付きの本、しかも絵がカラー、ここでこの本の著者様の活躍が見られます。

文章が非常に美しく洗練されています。

この中で、1つキーワードなる言葉を見つけました。

この木島櫻谷様の絵のテイストを一言で表したような言葉、「瀟洒:しょうしゃ」です。

意味は、「あかぬけしていて、すっきりしている」というものです。

類似の言葉に、「粋:いき」があります。

こちらも、意味としては、同じ、「あかぬけしていて、すっきりしている」ということなのですが、少し違うようです。

英訳では、「粋(いき)=chic」であるのに対し、「瀟洒(しょうしゃ)=elegant」になるのです。

シックとエレガントとの違いは、ファッションにも通じるところがあり、とても興味深いです。

全く同じではないのかもしれませんし、ほぼ同じなのかもしれません(^_^;)。

あとがき

私が現在させていただいている事業は、「ファッション分野のあるほんの一端」です。

「これしか分からないから」、「これしかできないんだ」、ということでもそれをとことん追求していけば、ひたすら没頭していけば良いのだということを教えてくれるこのたびのある画家様のライフスタイルを見せていただきました。

その代わり、やるからには中途半端にはやらないのだということも忘れないことです。

そういった意味で、他の人の為にも、自分の為にも人生を無駄なく過ごしていかれたように見えます。

画家様の本も、絵そのものだけではなくて、なぜその絵を描いたのかなどというところまで分かると「ある一人の人生の歩み方」などにつながることを発見できるのかもしれません。

もうテレビを見なくなって久しいですが(現在持っていません)、テレビも美術番組に関しては、「絵に人生が投影されている」ところにスポットを当てられています。

そういった番組は長寿ですし、面白いし見る価値大です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください