まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
これまでいろんな厚手の生地を縫ってまいりました。
自作のハンドメイドバッグやCHIC様(多治見の古着屋さんのセルヴィッチデニムエプロン企画)のエプロン作りでたくさんの厚手の生地を扱わせていただいたのです。
スパン糸の30番と20番というのはひとくくりに「デニム向き」などと称されますが、実際に両方を使用する機会にめぐまれて、その違いがあまりに大きくて是非この記事でお伝えしたいと思いました。
カラー展開が豊富で見つけやすいのは30番ではあるが。。。
もともと自分のデザインのハンドメイドバッグでしっかりした作りを目的として30番糸をそろえていきました。
その前までは、50番や60番だったのですが、どうしても弱々しく、糸を横に引っ張るとプッツンとすぐ切れました。
スパン糸は短繊維なので切れやすいというのはデメリットです。
しかし、そのぱさついた様相がカジュアルで、コットン方面の気取らない生地には向いているのです。
番号が少なくなるにつれて糸が太くなりお品もレアになっていきます。
通常60番などは一番多くの人が使用します。洋服にも使われるので、よりユーザーの多い番号が60番。
それより少し丈夫にと、ハンドメイドのスタート時期には50番にも注目していました。
そして、ミシンを家庭用から職業用に変えていった時期くらいから、30番へと移行。
そして、2017年頃、30番統一で一気にいろんなカラーの糸を集めていきました。
私の場合、ツヤのある生地が多いのでスパン糸よりもテトロン糸の方が多いですが、いずれもすべて30番で収集してきました。
メンズライクな世界とか、カジュアルさを追求すると、30番でも上品で控え目だと思うことがあります。
今回、たまたまエプロン製作で20番の糸が生地にぴったりだったのをきっかけにして、初めて20番で縫うという機会があり、その感想等をこめて、比較の検証をしてみました。
30番と20番の糸がどのくらい違うかの比較です。とても興味深いですね(^-^)。
レアな20番糸を思いっきり使ってみた結果の感想と30番と20番の比較実験


驚かれるかと思います。
この違いは非常に大きいです。20番はより存在感があり、力強いです。
ステッチのアクセントを強調するようなデザインに20番は向いていますね。
30番は考え方を変えれば、適度に上品ですので、カジュアルな素材を大人っぽく製作したい場合などには向いています。
入手しやすいのは30番の方です。20番は思うような色が見つけられないこともあるかと思います。
たまたま今回使用したいオレンジ色生地にぴったりの糸が20番で見つかったという偶然から20番糸を使用することになったのでこういった比較が生まれました。
20番糸でも職業用ミシンでの製作が可能なのか
結論からは、可能ということになります。
私は、JUKI様のシュプール:TL25です。末尾に何も追加番号のない昔のTL25(その後TL25デラックスという商品が出たようです)であることからなのか、こういった太口の糸の場合に工夫は必要です。
その工夫というのは糸調子の調整になります。
下に貼りますYOUTUBE動画内でポイントの糸調子を整える箇所をご紹介致しますが、ここでまとめて置きますと、2つの箇所を徹底します。
①糸案内にすべて通す・・・取説によるとスパン糸は2箇所通しでよいのですが、3穴にフルに通します。そうすることで、糸がピンと張り、硬いデニムにしっかり糸が埋まっていくのです。
②糸調子ダイヤルは強め・・・こう覚えたらよいです→。硬くて厚い生地にはダイヤルは番号が大きい方へ絞めるということ。ただ、あまりにかちんこちんに4などにしてしまうとかえって糸が切れやすかったり、他のパーツが引っ張られて傷みますので、優しくミシンを扱うということです。
ミシンを優しく扱うために①をやっておいて、上糸を引っ張る際には、針の周辺を引っ張ると動きにくいので無理矢理引っ張らず、糸のコーンと糸案内の間をたるませることを手動で行います。
この作業は、縫う途中では出てきませんので大丈夫。最初の縫い始めと最後の縫い終わりに引っ張る時がありますね、あの時にそのまま引っ張る前にコーンと糸案内(三つ穴のパーツ)の間を手動でたるませるのです。→これはYOUTUBE動画内でも
ご説明させていただいておりますのでどうぞ見てくださいませ↓。
あとがき

今後たくさんのハンドメイド作品作って行きたい方へのメッセージとしましては、ある時期に家庭用から職業用のミシンへの切り替えをお勧めします。
確かに家庭用ミシンはロックミシン機能なども付いていて便利なのですが、縫い目が歪んで綺麗に縫えません。
いずれ商業利用などをしたハンドメイドを作りたいと誰もが思うことでしょう。
そうした時に、土台であるミシンを職業用にしておくことで、こうして、何とかデニムとか帆布なども上手く縫っていけるのです。
しかも驚くほど美しい縫い目が購入者様の心をぎゅっとつかむのです!!。
デニムや帆布は糸調子が普通地である服地に比べて上述のように難しくなりますが、それでもこうして工夫と対策を分かっていると悩みは解決できます。
どうか、素敵なオリジナル作品をお作り下さいませ(^-^)。
そして、途中でやめてしまわないこと、何年も何年もひたすら続けていくことです。
そうした中で何かの転機が生まれたり考え方が良い意味で変わったりして発展が起こると思います(^-^)。
