まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
今では氷以外のすべてのものを入れられる万能バッグとして君臨の「トートバッグ」。
元は氷を持ち運ぶためのものだったとか。
使用目的がひっくり返った実態が、大変興味深いです。
裏地を付ける、着けないにかかわらず、バッグの合体における地縫いや小さなパーツの縫い付けでは必ず縫い代を要します。
このたびは、地縫い部分と、小さいパーツの縫い代の寸法の違いがあることがかえって美しく機能的に出来上がることを、場所別に確認する回としたいと思います。
1.5cmの縫い代と1cmの縫い代はそれぞれどこのパートなのかを見ていきます。
重さや圧力がかかる地縫いは1.5cm、細かいパーツは作業がしやすくすっきりと出来上がる1cmで決めた
重い物を入れたときの重圧などは、こういったハギの部分にかかってくるので圧力がかかり、少し動いたり生地のハギ目が引っ張られたりします。
その積み重ねで耐え切れず破れたり裂けたりなどが起こり得る5mmなどは到底危ない不足の縫い代の製作だと想像します。
5mm程度では、いつパンクするのか分からない不安に襲われるのです。
やはり3倍の1.5cmとっておくことがとても安定感があります。
今度は、逆に細かいパーツに関してです↓。
細かいパーツは、ショルダータブ以外は重圧がかかるところではありません。
よって、縫い代を1.5cmも取る必要もないことと、1.5cmでは狭い部分に混沌としてしまい、縫い代の行き場がなく表へ響くことがありますし、綺麗に作りにくくなってしまうのです。
1cmにしてすっきりと縫い代が収納されるような環境の方が表からの見栄え、作りやすさ共に良いのです。
ということで、1.5cmと1cmというわずか5mmのことではありますが、この違いが随分大きいということで、使い分けが重要です。
以前、某ハイブランドポーチの縫い代が浅くて、使っているうちにパンクした過去がありました。
そこをロックミシンで覆い、リフォームのおかげで現在も使えているという経験があります。
地縫い部分が一重仕立てでしかも縫い代も浅く、縫い代の始末もしていない。。
ユーザーがそこまでやることなのかと非常に問題の品物だと思いました。
まさしく、「ブランディング」のおごりではないでしょうか。
あとがき
ちょっとした縫い代の違いが、その出来上がりに影響すると思いますし、いかにも丈夫そうな素材を使うことだけでは表面的なのです。
見えない縫い代だからこそ、製造側が気に掛けることであり、その後の長持ちを祈りながらこうしたところにも気を使いたいと思わなければならないと思うのです。
そして更にその先が重要、こうしたことの気遣いがその時だけではなく、何年も後の「信頼」を生むのではないでしょうか。