まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ハンドメイドバッグ製作歴15年が経過、最初は2007年からのスタートでした。
製作にも発展があり、「良質さ」を高めようと見えない部分にも気を配るようになります。
この目に見えない部分も随分あり、商品に完成した姿を眺めるよりも、バッグはもう少しパーツが実際には多いのではないかと思います。
宙に吊り下げて持つものであることから、強度の面での工夫は非常に重要です。
バッグが意外と単純な構造に感じるのは、表に出る部分だけを見る機会しかないからで、内部には複数の秘密があるのです。
このたびは、製作途中のシーンでしか見ることができない、補強用の当て芯の場所と使われ方にスポットを当ててみました。
「餅巾着」デザインを現在製作中のリアルな場面ですので、後の投稿記事【755】の完成の内部の姿がこうなっているのだという見方でご覧いただけます。
ハード厚芯とハード薄芯の使い分けの理由が分かります
ハード厚芯(あつじん)というのは、暑さが1mmほどある硬いものです。
最初からぎりぎりのサイズにすると縫い目のゆがみや位置のずれに影響するので、型紙としては正方形や長方形の粗裁ちで縫い付け、最後に余分をカット。
次に、ハード薄芯の方ですが、こちらは、取っ手など重い力がかかる場所よりは比較的軽い、内側のポケットの入り口周りに使っています。
わざわざハード厚芯を使うと、バッグ全体が重くなる要因になるので、必要な軽さの薄い方の芯地で良いとの判断です。
それでも、ポケットをそのまま縫い付けるよりも、本体生地への負担が少なく、長い目で見てバッグが長持ち。
完全に隠れてしまう部分ですが、実は、隠しポケットが綺麗に出来上がるための立役者的な存在でもあるので、このハード薄芯を使うか使わないかの違いはあります。
こういったパーツも、専用に型紙を作っています。
なぜかというと、適当では設置の際に歪みの原因になるからです。
斜めのものを当ててしまうと、目の錯覚で、斜めにつられて縫ってしまうということを防ぐ為です。
その後、芯地だけの為の長方形のまっすぐの型紙をすべての当て芯パーツにも作っておくことを徹底したのです。
その後は、パッチポケットは粗いイメージであることと、生地が伸びがちで正方形に縫い付けにくい事で廃止。
隠しポケットの入り口をフラップで覆うという混合タイプで統一するように変わっていきました↓。
ポケットデザインが、「フラップ+隠しポケット」の混合型に改良されたことで、当て芯の面積が減りました。
隠しポケットの枠の周りの細長パーツとフラップのてっぺんの縫い付け部分の細長パーツというコンパクトな面積の当て芯で事足りるようになりました。
それでも、以前のべたっと貼り付けるパッチポケットよりも隠しポケットの袋が内側に隠れることで、容量にもゆとりができましたし、セキュリティー性の高いポケットが実現できたのです。
その他の見えない部分の材料は、「伸び止めテープ」、三つ折りステッチがある隠しポケットの「比翼」に使用
芯地のみご紹介させていただいたのですが、実は、伸び止めテープも隠れた裏側で使っていますので、最後にこれをご紹介致します。
伸び止めテープは少し芯地に役割が似ていまして、補強とハリコシを出すということです。
その名の通り、伸びがちな生地の横向き(引っ張ると織物でもわずかに伸びます)を固定してくれる役割があります。
よって貼る向きが横向きが多いのが自身の製作の特徴。
ポケットの入り口ラインなどが、伸び止めテープによってうねりが解消され、びしっとなり迫力が出るのです。
この貼る/貼らないの違いもなかなか大きなものなのです。
あとがき
随分隠れた部分の内蔵ヶ所が多いことをお伝えできたと思います。
これをどうご理解いただくかというのが、もう、今はこういった発信しかありません。
出来上がってしまえば、何ら他のバッグに紛れてしまいますので、この細かい部分が分かることは無いのです。
今後の製作の発展や努力があるとすれば、一目見てもキラリと光るようなお仕立てを写真で見ただけでも「何か違うな。。」と感じてもらえるようにすることです(^-^)。