まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ヴィンテージの定義はおよそ30年を超えた頃からそう呼ぶものだということ。
アンティークは100年以上でないとなかなかそのような資格が得られないもの。
貴金属ジュエリーに関しては、天然金属なので新品磨きや仕上げをしてもらったお品はピカピカでいつの時代の物かなかなか分からないはずなのですが。。
しかし、実際はなんとなく分かるものです。
それほど流行などが激しくあるわけでもないジュエリーアイテムでもヴィンテージらしい面影があるものなのです。
このたびは、そのような年代物の様相が素敵に現れた18金イエローゴールドのリングをご紹介したいと思います。
ヴィンテージ物の判断の基準の1つは、厚みのある地金使い
多少デザインのどこかにヴィンテージらしさがあります。
むしろ地金の使う分量を見ると年代の予想もつきやすいです。
地金高騰の2023年現在に製造されたジュエリーとの比較では、昭和時代のお品物は断然地金が厚く作られているものが豊富です。
いろいろな古いリングを質屋様などで拝見させていただきまして、そのように実感しています。
宝石よりもむしろ地金は正直にその時代を反映しているところがありそうです。
地金の価格の上昇に伴う材料の入手のしにくさなどが絡んだ諸事情から、ここ最近の新しく製造されるお品は全体的に薄っぺらいのです。
リングの指にはめる輪の部分だけでも地金をおしみなく使ってあるもの、そうでないものが分かることもあります。
そういった読みから、この度ご紹介のリングは、厚みあるしっかり感が特徴で、実際にずっしりと重みもあり、ヴィンテージらしい様相をしていると言えます。
なかなかスタイリッシュなX型が表現されたデザイン。
正面の左右にお花のような柄でダイヤモンドがセッティング。
抽象的で合わせやすいマーキスカットモチーフを意識したセットになりました。
マーキスカットの「マーキス」は「侯爵:こうしゃく」のこと。
侯爵という地位は、かつてのフランス、王政における貴族達の反映の時代では「公爵の下位、伯爵の上位」の位置付けです。
ただ、この形のジュエリーを身に付けたルイ15世の公妾(こうしょう)のポンパドール夫人に由来があります。
この夫人がよくこのアーモンド形のジュエリーを付けていた、この時代に流行していたことから。
ポンパドール夫人は大変影響力のある女性だったのです。
あとがき
現在は薄いデザインが軽やかで美しいのだというような傾向もありますが、雑誌やメディアの煽りもあるので、本当は何が素敵なのかを自分でよく好みを判断したいものです。
ペラペラの美しさももちろんありますが、ちぎれやすかったりなどの強度は大丈夫なのか、小さくてもしっかりしている、ずっしりと重みがあるなど、多方面から見た慎重な選び方をお勧めしたいです。
このたびのリングのように厚みがちゃんとあるところには「正直さ」が見えてきます。
これくらいはリングには地金は使うものだというメッセージのように感じるほどです。
謳い文句や流行を100%信用し過ぎず、実際に手に取った重みなど人間が感じるその直感のようなものを大切に。
ジュエリー購入は本来見て手に取ってということが一番望ましいのではないでしょうか(^-^)。