まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
「華麗なる宝石物語:桐生操 著」を拝読。
宝石にまつわるエピソード的な貴族の物語や老舗宝石ブランド様の創業秘話などを知りました。
この本から学べることは、商品が広く知れ渡るための努力のようなもの。
どのブランド様も何もせずにただの運でトップの座に至ったわけではないことが分かります。
現在の「成功」に至った軌跡の出発点が意外、最初から未来を予想して最も最短の方法で歩もうと念入りに計画されたものでは決してなかったということです。
長い長い歴史と歩みがあったことを知り、結局大切なことは何なのか。。をどの事業者も学ぶことができると思いました。
他の追従を物ともしない拘りや個性、ハイレベルな競争の中心の老舗宝石ブランド様がこれまで築き上げてこられたもの

前半部分の宝石にまつわる物語も非常に面白くて引き込まれて夢中になりました。
後半部分の宝石ブランド様の創業のきっかけや当時の様子なども非常に興味深いストーリー、こうした大まかな二部構成です。
特に後半では、現在でも固定ファンの多く付いた老舗宝石商様の成功の理由が解かれます。
「宝石」自体の美しさだけを頼みの綱としない、自社で展開する付加価値があるのです。
他の事業のヒントにも必ずなると思いましたのでその点に特に注目してみたいと思います。
まず、誰もが知っている「ティファニー」様。
創業は、骨董品や文房具を扱う小さな雑貨店からのスタート、非常に意外です。
「ティファニー」社はアイデアに個性があったよう。
アイデアというのはデザインのアイデアではなく、商品を売り出して広めるためのアイデア、アメリカ生まれのブランド様らしい特徴ではないでしょうか。
次は、「ヴァン・クリーフ&アーペル」様。
周囲が石を見せることに注視したアイテムを作っていたのに対し、デザインを主軸に据えたことが新しかったこと。
「モーブッサン」様。。新しい時代でも伝統の重みを入れ込むが、伝統といっても古さを感じさせるものではない現代にマッチしたものという拘りを入れ込んでいるとのこと。
「ハリーウィンストン」様。。石本来の美しさを活かすべく、石だけが見えるデザインを技術によって実現。
そして「ブルガリ」様。。いつでもどんな場所にでも付けていけるジュエリーを目指したということです。
それぞれのブランドには、特有の拘りや個性があるのです。
昔は、高貴な人のみが身に着けるものだったジュエリーが、こういったブランド様の多くが大衆に広まるように動かれました。
購入しやすくする工夫や日常的なジュエリーというものをコンセプトに考え直したからこそ、今では身近に感じられるアイテムになることができたのだと思います。
こうした動きは、商業形態を色濃くしたことの良き広まりの例と言えます。
ただ、ブランド様によっては、高貴なイメージを保ちたいということであえて安く入手できるようなお品は提案していないところもあると思います。
だんだんと多くのブランドが伝統的な高級品のラインも保ちつつ、一部のラインとして、購入する人の層を広げるために日常的なジュエリーを提案する全体的な動き。
この広く知れ渡るということについては、どの事業にとってもヒントになることです。
「どこの誰もが知っている」ということこそがそのブランドの成功の証の1つの姿です。
あとがき
時代も変化するものです。。「ブランドの威厳」という意味では、大衆に広まることが模倣品の出現なども相まってその価値を落とします。
2021.01.15が最初の投稿である当ブログ記事のおよそ5年後の「手直し」の2025.12.07現在では、庶民では手が届かなかった威厳に今一度回帰する各老舗ジュエリーブランド様の動きも見逃せません。
結局はそのスタンスに立ち戻られたのですね。。老舗ブランド様が最後まで手放したくないもの、それは「高い地位」なのだと思わざるを得ません。

