「中表」よりも「外表」の方が困難だったボストンのカーブの縫い合わせの正確な重なり、実際に縫った者がお伝えする限界【330】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

全5点のリュック仕様の小ぶりなお出かけバッグを製作中、同生地で別デザイン3点・別生地で同デザイン3点という分配で同時作業効率を検証することも兼ねました。

前半は共通パーツも多く、5点を同時進行していましたが、後半からはそれぞれの1点集中の方がスムーズであると感じました。

このたびは、4点目が完成しましたのでご紹介したいと思います。

ポイントは、ボストン型の複数のカーブがそれぞれきちんと重なるかの追求、可能な限りの努力と限界を実直にお伝えする回です。

綺麗事をお伝えして実際には困難な仕様であるなどのことは決してしない、目指すゴールは「作りやすいモデルである」という点を重視しています。

それは、優れたデザインは是非広め皆で共有するスタイルこそ、「共有型のハンドメイドバッグ」という名の当事業活動が行き着く姿であるという考え方だからです。

困難な作りに敢えて挑むことも大変素晴らしいことではあるのですが、たかが一人がそのようなことを成し遂げたことに大きな意味はないのだという考え方に変わりました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.09からおよそ5年後の2025.11.29にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しています。

こうした困難を伴うデザインに挑戦したからこそ、その後の上述のような考え方が芽生えてきたわけですので、当内容をここに至るまでの変遷として記録に残しています。

では、完成したミニボストンリュックのオレンジ系デイジー柄をどうぞお楽しみくださいませ。

内部に生地と芯地が重なった厚みパーツを「外表」で組み立てた時のボストンバッグのカーブの重なり、追求の限界を見た

ファスナーパーツと本体との合体:「外表」で縫い合わせるやり方。待ち針の位置決めの正確さは歪み防止へ。
仕付け糸での縫い合わせ:シミュレーションを兼ねて出来上がりをしっかりイメージします。
仕付け糸のズーム:上の写真が少し見にくいのでズームで。一重仕立てで全体を仕付けしました。歪み防止です。
縫い合わせ:「外表」で縁から3mm程度を縫い合わせます。カーブ部分の重なりは特にゆっくりと正確に意識。
しつけ糸外し:2周(2重縫い)が完了したら、仕付け糸をリッパーを使いほどきます。
底周辺の歪みの確認:前後面の位置が悪いとここが歪みますが、今回はこの点に関しては合格。
カーブの重なりの確認:見る角度によってははみ出しがありました。精一杯やった上での限界を感じました。

決して落ち込むことは無いと思いました、これが物理的限界でもあるのです。

もしかして、「ポストミシン」などではもう少し良くなるのかもしれません。

厚みある部分を重ねながらも綺麗に重なることを求めることは貪欲、しっかり重ねるために薄くする。。そうすると作りの貧弱さが生まれる。。このように、綺麗に重ねるためにはジレンマがあるのでした。

丈夫に作りたいということを捨てなかった結果の限界ですので、この事実には納得しました。

使用生地:表地-ジャカード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。裏地-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。
ミニボストンリュック(オレンジ系デイジー柄):<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ10cm。
背負う面:ショルダーは裏地と同じ生地です。取り外し可能です。
別の角度:ぱっと見のフォルムには一見問題は無いように映る点は、ある一定の成果です。
サイド面:ファスナー周辺を写しています。この生地はそれほど厚みはないですが、織柄のおかげでしっかり感。
お洋服とのコーデ例:アイボリーの楊柳ワンピース。柄バッグに対して無地のお洋服は王道なコーデの考え方。

あとがき

生地の柄だけが素敵では決して成り立たないバッグ製作。。このたびもこんなことをつくづく感じました。

そして、反対側から見た感じ方もありました↓。

すべて美しいイタリア製のジャガード生地を使用させていただいたにもかかわらず、製作が未熟であることで随分生地がもったいなかったと感じたこと。

不完全ではなく、確実な完成度のモデルを考えていくべきではないのか。。これはその後2025年現在の製作デザインの絞り方にも繋がっていきました。

ボストンバッグ1つとってみても、どのサイズのものが成功率が確実なのか。。そこまで考えたサイズの選び方であるべきなどという新たな切り口が生まれたのもこうしたコンパクトサイズにトライしたからこそ。

次の番号の【331】投稿では、いよいよ最後のミニボストンリュックの完成をお伝えしまして、当企画を終了することになります。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

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