まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
現在「本物志向のレンタルジュエリー」という事業をさせていただいております。
ネックレス(ペンダント)、ブレス(バングル)、リングの3アイテムを1セットにまとめてジュエリーのみのコーデをあらかじめ完了、雰囲気を作ったお洋服に合わせやすいセット組としています。
その中には、過去には真珠も多く何割かを占めているほどでした。
ただ、レンタルとしての価値は真珠があまりに低く、ショックを受けた現実がありました。
これも実際にレンタル事業をやってみて分かったことでした。
随分好みとの距離を感じ、より一層元のコレクションの感覚から抜け出すきっかけになりました。
当然お客様の意向を取り入れることが優先なので納得の上、お手入れしにくいデリケート過ぎる割には地金部分の少ない真珠は廃止へ。
それでも実は真珠の大ファン。
ということで、今後できることもあります。
真珠の装い方をご対案することなど、役割の末端ながらも真珠に関わって行ければと思っております。
あこや真珠については、天然と人工の部分が良いバランスで融合した素晴らしいお品物。
そんな真ん丸な形をしたかわいいあこや真珠について、このたび新たに知ることとなった知識と歴史をご紹介し、フォーマルだけのイメージが根強かったあこや真珠に対する新しい向き合い方をお伝えできればと思います。
あこや真珠は日本人が生み出した養殖技術で作られるもの
真珠と言えば、かの有名な「ミキモト」様や「タサキ」様が思い浮かぶかと思います。
社名である「ミキモト」というネーミングは、人の苗字そのまま「御木本幸吉」様のことです。
まだ、真珠が高価な希少性が高すぎて気軽に一般の人々が持てなかった時代に、養殖技術によって、たくさんのしかも形の整った宝飾品を作れるようになったことに貢献し、その後あこや真珠が多くの人に広がっていきます。
現在真珠をジュエリーとして装うことに関してはあまり盛り上がっているとは言えないものの、一部では真珠ファンは健在であると思いますしクラシックなアイテムです。
このたび、1冊の本を拝読。
あこや真珠について、特に真珠がどのように出来上がるかというなかなか私達が分かりにくいような構造を知りました。
「真珠 美の壺 著者:***:NHK出版」。
もともとこの本は、美の壺というNHKのテレビ番組が元なのです。
実は、この番組が開始の2006年当初よく見ておりました番組で、VHSビデオ録画をしていました。
こういった芸術系の番組は堅いイメージですが、この美の壺は、雰囲気が刷新され、身近に芸術を感じられるような番組でした。
現在ももしかして番組は続行中なのかもしれませんが、テレビを見なくなった私は現在は見ることはありません。
ところで、あこや真珠の真ん丸についてですが、あれは、もともとあの真ん丸に出来上がるのではなく、技術として真ん丸に仕上げる工程があってのもの。
そのことはぼんやり知っていたものの、具体的にはよく分かっていませんでした。
まずは、自然に何も手を加えずに出来上がる真珠の出来方をまず理解するところが近道です。
真珠はある意味、奇跡的な生物であると言えます。
貝の性質とか働きとして、持ち備えた貝殻を作ろうとする働きというところがポイント。
貝には「外套膜(がいとうまく)」という物体を覆う役割の膜を持っていて、外部から虫とか異物が混入することがたまにある時に、貝の隙間から中へ入ることがあるとのこと。
その時、貝の身は、「あ、何か来た!」と反応。
そして、持ち備えている物体を覆う外套膜を使って真珠袋という袋を形成。
つまり、貝殻を作ると同じように、混入物にも貝殻を作ろうとするのだそう。
それが真珠の正体です。
その自然構造で出来上がった真珠が真ん丸になることはめったにないわけです。
ぐちゃぐちゃの形だったり、整ったものではない。
それを創業者の御木本様が、よく研究の末真ん丸に出来上がることを目標に養殖という、人間がお手伝いする形で整った形状を実現。
自然に出来上がる異物混入と同じことを、綺麗な形状に出来上がるように人間が手を加えることの価値があります。
実際のやり方などは、真珠専門店様のブログなどに書かれていまして、どうぞプロの説明をご一読されることをお勧めしますね。
経年のビンテージあこや真珠を今着る洋服に取り入れる例
ただ、こうして、手間がかけられた美しいあこや真珠も昭和の時代に作られたものが、しっかりお手入れされなかったりすると、令和の現在では、黄ばんだり、キズなどで、質が低下したものになっていることがあります。
慶事や、弔事には、そういった黄ばみなどのあるものはなかなか気が進みませんので、やはり、真っ白な綺麗な物を付けたいと思います。
けれども、普段使いの気軽に少しだけお出かけだったり、通勤だったり、カジュアルな着こなしのアクセサリーに使う真珠は、もっと質が落ちていてもそれがかえって気軽で使い勝手が良い物です。
ということで、あこや真珠であっても、質を見分けて、シーンで使い分けるということが私のお勧めする使い方になります。
このネックレスは、もう真珠自体が保管やお手入れが悪く、汗やらなにやらで質の悪いものになってしまったので残念ですが、それでも、あこや真珠という価値は変わらず健在。
留め具も質をシルバークラスプからぐんと落として、ステンレスのダルマ板やカニカンに交換。
元の豪華な作りの良いクラスプは、高級な程度の良い真珠のネックレスへ付け替えて使ったりしました。
この留め具がなじみのあるダルマ板やカニカンであることだけでも普段使いの証となります。
見る人が見ると、あこや真珠の価値を分かってくれて、カジュアルなあこや真珠の使い方を理解してもらえそう。
ということで、このような古いビンテージ物のあこや真珠の使い方のご提案でした。
シルバー925は留め具のほんのわずかな部分でも金属アレルギーに影響があるもの。
ステンレスの留め具に変えて、最大限の対応をしてみたのでした。
ロングの真珠がピカピカだと大変近づきにくいフォーマル色が高まります。
そしてお値段もとても高価。
それよりも、気軽にジーンズにさえ装えるようなロングあこやネックレスを自作。
しかも古い黄ばんだようなものがかえって良いのです。
同じような少し傷んだようなものをロングにつなぎ合わせれば、自主的にリフォームが完成。
留め具のやり方だけはそれぞれ学ばねばなりませんが、動画で分かりやすい説明もあり、最初知識ゼロからのスタートで連物だけは作れるようになったのです。
あとがき
日本人は、真珠をそのまま連の粒がそろったままネックレスという使い方を好むようで、ジュエリーとしての使い方が主流ですが、ヨーロッパの人々は、芸術品のように飾りなどにすることも多いそうです。
文化とかお国柄の違いがあるようです。
今後は、ネックレスなどの身に着けるアクセサリーからもっといろいろな使い方に拡張していく余地がまだまだあるようです。
それに加えて、かつては女性だけのアイテムのように扱われた真珠ネックレスも今や、男性も何ら躊躇なく身に着けるところへも広がりを見せている様子です。
せっかくのあこや真珠という日本生まれの古き良き産物、新しい使い方や、新しい使い手に広がることが期待されます。
真珠のコーデも、エレガントなイメージがまだまだ強いですが、カジュアルな真珠のコーデというものが、かつてのフォーマル一辺倒とのギャップが感じられ新鮮です。
そんなコーデの例なども今後お伝えしてまいりたいと思います(^-^)。