まえがき
こんにちは。pictuuresque(ピクチャレスク)です。
お洋服やバッグにまで作られる「リントンツイード」。
リントンツイードはもとはイギリス生まれです。
生地メーカー「リントン社」様の創業者「リントン」様の名前をファンシーツイードに名付けたブランド名です。
この「リントン」という名前のツイード生地を女性のスーツに取り入れたのは、「ココ・シャネル」が最初です。
もともとツイードというのはその昔はメンズのお洋服に対して専用に使われていた素材。
「メンズテイストを女性のアイテムへ引用」という発想は今後も大いに注目したい考え方です。
反対のことももうすでに起こり始めており、男性がかつては女性ならではのアクセサリーであったアイテム「真珠ネックレス」を付け始めた例にもジェンダーの垣根が崩壊し、溶け合ったと見ることができます。
もとは、「ファンシーツイード」という糸がカラフルに織り込まれた生地に興味があり、イタリア製・日本製・ドイツ製などを実際にバッグに製作してまいりました。
不思議なのが、ラメのようなツヤのある糸が織り込まれても出来上がった生地はカジュアルテイストに寄るということ。
どうしてなのでしょう、カラフルな糸がランダムでポップな感じに見えるからでしょうか、これこそがツイード特有のテイストなのです。
そしてこのたび、全くご縁のなかった「リントンツイード」ですが、友人の勧めで購入してみたのでした。
リントンツイードを実際に初めて手にしてみた印象や特徴は写真のイメージを遥かに超えたガサガサ感、カジュアル以外の引用が考えられない
このたびリントン生地を初めて手にしてみて思った感想です。
このような高級な生地は手にしたことが無かったのでとても新鮮。
とりあえず最低限の分量をできるだけお得購入。
柄は特に選びません、とにかくエコノミーな生地を探して納得した色合いであればと思ったのがこの度のチャコールグレーベースです。
高級なのに、カジュアル感が高めというこのバランスがすごいと思います。
ガサッとしているというか、今まで見たことのあるイタリア製などのファンシーツイードとは違ったものでした。
そして、リントンツイードは、ほとんど四角い柄のような織模様が入っていて、角々したイメージだから、四角い形のデザインのバッグが合いそうだと思いました。
これはカジュアルの極みとも言うべきテイストの偏りだと思ったのです。
このテイストを作るものは、まさにこのガサガサ感と四角く浮き出る柄にあると思いました。
「リントン」生地について混率のみに焦点を当てて調査してみると、主に綿を多く使ったもの、毛を多く使ったものに大別の傾向を見ます。
使う金具は断然シルバーを選びたいと思いました。
キューブ型のデザインのバッグを製作した感想、キューブ型は体への沿いが悪いのでリュックではなくハンドバッグ向き
今回のキューブ型は、仕事仲間からの提案のデザイン。
へえこんな形のバッグもあるのだと新鮮ですが、キューブ型はあまり見かけません。
だからこそ際立って個性的になるのだというところです。
構造の類似品としてはバニティーバッグが一番近いものがあります。
まずは、手で持つハンドバッグの使い方が1つあり、ショルダーにもなって、リュック仕様の3wayで製作したのでした。
ところで、中側の構造が問題です。
こういった口が広いままのバッグは、セキュリティー性に甘い点があり、物がこぼれ落ちる確率が高まります。
持ち歩く中でいろいろな動きをする場面があるかと思いますので、安心な作りにせねばなりません。
そこで考えたのが、いったん立方体のバッグを作っておいて、内袋をはめ込む形はどうかということ。
そして、このような内袋が生まれました。
そうすると、オープンなイメージの容器が中でしっかりと守ってくれる役割を果たしてくれます。
製作したその後考えたことは、サイドの隙間を埋めるべく、キャラメル箱みたいなタブを両サイドに縫い付ける設置。
これと同じデザインではなくても、直方体などの立体的なバッグの場合には「キャラメルタブ」の存在はセキュリティー性を高める上では役立つパーツではないかと。
あとがき
「ファンシーツイード」の「ファンシー」の部分の意味は、「装飾的」というような意味で、「ファンシーヤーン」というモール糸やラメ糸のような個性的な糸を織り交ぜてあります。
それによって柄のような生地に仕上がり、ファンシーヤーンが織り交ぜられたツイードということで「ファンシーツイード」という名前になっています。
「ファンシーツイード」のジャケットには、ボトムがすっきりとしたデニムやつるりとした扁平な素材が合うのもこの素材が柄的な織り方だからなのです。
このたびの「リントンツイード」を手にした驚きはその素朴さ。
今まで見てきたイタリア製やドイツ製、日本製のファンシーツイードにはないンメンズテイストがたっぷりでした。
やはりもとはイギリスで紳士用のジャケットやスーツなどに使われる目的であったことがうなづけます。
この生地が随分以前のものだったこともあると思うのですが、そのメンズアイテム用の名残をこの生地に強く感じました。
今一度シャネル様のお話に戻りますが、かの有名な「チェーンバッグ」をこのファンシーツイードでコンビにしてあるバッグに、更にゴールドの金具が使われているお品が絶品です。
こんなカジュアルテイストをエレガントに提示した「シャネル」様のバランスに脱帽、そしてさらには、「挑戦状」のような意味も感じなくもないのです(^-^)。