まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
世間の長いバッグ素材の流れの中で、ある時期から確実に市民権を得たであろう「ナイロン/100%撥水加工」生地。
ピクチャレスクのハンドメイドバッグ製作でも引用し始めました。
やや困難なカーブを伴ったバッグ、縫い合わせの馴染みなどがスムーズなのも、ナイロン自体の薄手ながらの強靭さに融通が生まれているからだと考えます。
ナイロン生地をバッグ製作に引用のし始めの頃、ある事件が起こります。
その事件の解決が、接着芯の種類との相性にあったという重要なノウハウをこのたびはお伝えしたいと思います。
接着芯貼り最中にどんどん気泡が出来てしまう「ナイロンオックスはっ水加工生地」、「ニット芯」がマストの証明
以前は、織物生地には織芯を貼り、ニット生地にはニット芯を貼るという使い分けでやってきました。
ところが、織物のナイロン撥水加工生地でこんなことが起こりました↓。

様々な生地を取り扱う中で、いずれはこの状況に出くわす運命だったと言えます。
この原因の解明の前に、「織芯」と「ニット芯」の見かけ・性質の違いを先にお伝えしたいと思います↓。


柔らか過ぎる「ニット芯」ではハリコシが出にくいと「織芯」を好むこともあるのです。


さて、すぐには分からなかったことが、後の何度かの気泡の経験によって解明。
ナイロンという素材は織物の中でも特に糸自体の性質に弾力性を持ち備えたもの。
ニット生地という分類には入らなくても、ニットのような伸び縮みの性質を持っていることを引出しの中にしまっておいてくださればと思います。
アイロンの熱によって、ナイロン生地が伸び縮みすると同時にそこにぴったりと貼る接着芯も一緒。
アイロンの熱が冷めた時に、ナイロンの弾力性が今度は戻る動きをする時に気泡が出来ると解明しました。
伸び縮みの融通性が無い「織芯」の例のように、「合っていないよ」と気泡という姿で教えてくれるのだと考えたら分かり易いです。
ナイロンオックスはっ水加工にとどまらず、混率の中にナイロンが30%-50%占めている生地の織物や、ポリエステル/100%の織物でありながら横に手で引っ張ると伸び縮みする生地は同じこと。
それらには「ニット芯」を貼るべきなのです。

2018年頃のバッグ製作で使用のアムンゼン(ポリエステル/100%)はびっくりするほどの横伸びの性質がありました。
別のアムンゼンも多少同じような伸びがありますが、このダイナミックな2018年入手のアムンゼンは特別でした。
裏面に貼った不織布芯に皺がうねるように出ていた記憶がよみがえりました(その時はただの不思議現象として通過)。
よって、分類の括りの織物が必ずしもすべて「織芯」対応ということは決してないのです。
そういったことから巷では、接着芯はニット芯1種のみ持ち合わせておけば事足りるという考え方も推奨されています。
とはいえ、「織芯」のあのハリコシはニット芯には出ないものであり、「正しい使い分け」によりそれぞれの特性を存分に味わうのが本来の望ましさではないかと考えます。
あとがき

このたび写真には登場しなかった「不織布接着芯」については、「織芯」と同様だと考えていただければと思います。
生地は購入前であっても購入後であっても、横に伸ばしてみて弾力性を確かめておくことも必要だということです。
こうしたことから、ある括りにとらわれ過ぎることの注意が浮かび上がります。
その括られたグループは皆同じ性質なのだと考えていたら、とんでもない全く別物のような性質を持っていたということです。
様々なグループ・分類で括られることでかえって見失うかもしれない真の姿、これをちゃんと見抜く大切さも同時に教えていただいたような気がします(^-^)。
