まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
企業に勤務していた時の経理部時代ですら、簿記の参考書との違いを感じたことがありました。
ただ、そう思えるのも簿記の勉強をして資格を取得したからこそなのです。
このたびは、特に「◯◯品」という決算時には「資産」になる部分が、結局は「棚卸資産」に含まれるという解釈から、わざわざ「仕掛品」と「積送品」という科目を立てないシンプルな考え方をお伝えしたいと思います。
当事業形体は、ハンドメイドバッグを自主製作している個人事業主です。
結局は「棚卸資産」に含まれる「仕掛品」「積送品」、製作中のバッグは材料のままと同じ扱い・委託商品は科目無しでも正当

物を材料から製品に作り上げる形態が含まれる事業においては、決算を迎える時に未完成品の状態にあることがあります。
これは、簿記の中では「仕掛品:しかかりひん」や「半製品:はんせいひん」に相当します。
一番最初に勤めていた会社の時は、経理事務担当ではなかったのですけれど、時々経理部に出向き材料購入の納品書を持って短い打ち合わせに行っていました。
その時に経理の部長さんが、「これは仕掛品となるよ」ということで、「仕掛品」のゴム印をその納品書に押していました。
その会社はメーカー的位置付けの事業(アパレル品輸入業者でOEM形態)。
当時「委託加工貿易」という材料を日本から輸出して海外で製造して完成品を輸入する形態において、「仕掛品」勘定を使っていたのです。
個人事業主スタートの頃は、簿記2級の工業簿記により、「仕掛品」を使わないといけないと思っていました。
ただ、実際は使わなくて良いのです。
材料を購入した時だけ、1,000 材料仕入 ※生地:ジャガード(黒)x1m 買掛金 1,000 という計上をしておくのです。
そして、決算の時に未使用もしくは作りかけの場合に「棚卸資産表」の材料のお部屋に載せています。
反対に、完成したものはもう材料ではないので、「製品」という別種類の資産で掲載します。
ハンドメイドバッグでは、棚卸資産の中の内訳は①材料(生地・附属)②製品です。
未完成品が完成したその都度の日付においても、簿記に出てくるような「製品」という科目を計上しません。
よって、「製品」という科目を使うのは、決算の棚卸し仕訳で初めて出てくるのです。
これが一番シンプル、かえって分かりやすいという判断をしています。
こうしたたぐいの事は疑問を直接税務署様へお電話でお問合せを何度もしてまいりました。
税務署様は決して簿記にガチガチでもありません、むしろ故意の偽りの方を重視され、分かり易さ・シンプルさは人間同士共通するところなのではないかと考えます。
ただ、この判断も当方の責任においてしっかり説明ができるよう、これまで質問をしながら自ら判断していった考え方になります。
後半は、「積送品」を使用するとなっている「委託販売」についてです。
自社の店舗がない場合に、他のお店に製品を置かせてもらい、売れるとそのお店に売上価格の何%かを手数料として支払う形態。
以前「レンタルボックス」の業態をされているお店にお世話になり、委託販売を初めて経験させていただきました。
こちらのお取引も実際は簿記の通りには仕訳しませんでした。
簿記の通りだと、お店に置いてもらっている商品を自分の手元にある商品との区別で簿記通りでは「積送品:せきそうひん」勘定を立てます。
しかし、積送品というのはいわゆる、「資産勘定」に属し、決算時は結局は「製品」に含めることになるのです。
別紙などでお店に預けた商品を把握していますし、「積送品」の勘定科目を使った計上による効果は実際にはありませんでした。
ということで、委託先で売れた時に初めて仕訳をすることになります。
あとがき
このたびの使わない科目、「仕掛品」「積送品」は、いずれも「〇〇品」という「棚卸資産」になります。
「仕掛品」にはならなかった購入時そのまま保管の材料も、結局「棚卸資産:材料分」としてカウントしますので最終的な金額の行き先は同じです。
「積送品」に関しても、他の場所にあっても自社のものだと把握できるエクセルシートがあり、「棚卸資産」の中に最終的に掲載しますので、結局は混じっていくのです。
よって、把握できる範囲内にある個人事業主ではあえて「〇〇品」という科目は使っていません。
ただ、漏れることなく「棚卸資産に入れる」ということは必ず守る必要があります。
そのせいで、カウントし忘れのミスは無いようにせねばなりません。
結局は、分かりやすく整備されていることが「仕掛品」や「積送品」を使わないことに対する説得力になります(^-^)。

