かしこまりがちなブリーフケースと対極にあるテイストをデザインに落とし込んだエキゾチックなバラ柄の書類リュックでビジネスシーンを柔らかく彩る【93】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ<簡易リュックシリーズ>の製作がラストの1デザインとなります。

今回製作のリュックは、A4のクリアファイルが入るペタンコの四角型。

もしかして、ビジネスシーンでも活躍できるかもしれないと思っております。

そうなれば、これまでの堅苦しいイメージなビジネスシーンに彩(いろどり)を添えられそうです(^-^)。

スエードライクな毛羽立ちがやわらかな生地をビジネスアイテム入れに落とし込む

<表地・裏地共通>スエードプリント、ポリエステル/100%、日本製。

名前が、スエードプリント。しかしながら。。。実際は、あの本革スエードではないです。

ただのネーミングです。

スエードと呼ぶには「皮革」であることがベースであるという一応の定義のようですので、スエード調と呼ぶのが正解かな。

しかしながら、近年はいろんな布地をスエードと呼んでいるようで、今後個のスエードという言葉の定義も変わっていくのかもしれません。

生地の毛羽立ち、さらさら感、ポリエステル/100%であるということ、生地の斜めにラインが入った綾のような織り目、「ピーチ」という素材にも類似しているなあと思いました。

いつもの生地屋様ですから、ピーチという名前を表示されるでしょうから、正式には、違うのでしょうね。

とにかく薔薇の花柄の色がとても華やかな紫がかったピンクで、その周りの、黄緑色とか、オレンジと一緒になって、エキゾチックな景色です。

ファスナー使いにおいてのpicturesque流なこだわり

メインの開閉には、ファスナーを取り付けていきます。

私は、過去にファスナー使いを何度もポーチやバッグで製作してきましたが、その中で、ファスナーには、物理的な負担はかけない方が長持ちだな、と思う部分があります。

というのは、あるエピソードがあるのです。

基本的なポーチは、ファスナーをてっぺんに取り付ける方法が王道ですね。

ただ、あの方法は、基本的でありながら、ファスナーを取り付けた後に、縫い代を隠すためにひっくり返すので、とてもファスナーに負担がかかります。

上述はこのタイプの事をお話しています。
これこそがファスナーポーチの王道みたいになっていますが。。。

つまり、無理なことをしているといった感じです。

あれが、すごく不安になるんです。ファスナーさんも可哀そうだと思ってしまうのです。

いずれ、ファスナーの務歯が開いてきて、ファスナーの機能が壊れる気がします。

実際、過去に、ハンドメイドを始めたばかりの頃に何百個と作ったポーチやバッグに取り付けたファスナーがサイズによっては、留め具の部分でちょうど終わらない場合、カットすることがあります。

この時に、カットした部分を一応、開いてこないように留めることをミシン+手縫い(刺繍みたいに行ったり来たりのコイルみたいに始末する)をしていましたが、それでもなんとなく不安でした。

実際にファスナーの務歯が割れて、開いてきたこともあり、「えーっ、新品のファスナーなのに」と、思いながら、無理矢理とじるみたいな作業をしたことが思い出されます。

自由にファスナーの長さをカットするとこんな風に端を工夫せねばなりませんでした。

当然です。本来の定位置から真反対にくねらせてうなぎのような体制でそのまま出来上がるのですから。

ファスナーに圧力がかかって開こうとする力が働いてしまうのです。

こんな体験から、だんだんあの基本的なタイプのファスナーの取り付けをひかえていくようになりました。

ゆるやかに取り付けたら気持ちがいい♪、そして、ゆったりと無理なく取り付けられたファスナーはいかにも安定していて見ていても心地よいのです。

ということで、今回こんな感じで、まっすぐにファスナーを無理のない体勢で取り付け、その代わり、ひっくり返せなかった縫い代を外にそのまま飛び出すことにしました。

このようにファスナーに無理な体勢を強いずに、まっすぐに取り付けました。

ファスナーが飛び出した縫い代を美しくラッピングする方法

では、外に飛び出したこの縫い代はどうするかということが、今回のポイントとなります。

共布ラッピングという方法です。

バッグの底ラインは、裏地と表地とを向かい合わせて互いに中側に1.5cm折り込んでのステッチを施したので(ひっくり返しをしていません)、縫い代は隠れました。

残るはサイドの縫い代のみ。

硬いファスナーの務歯があるサイドは底部分のように内側に縫い代を折り曲げる方法は無理です。

そういった時は、そのままの安定した状態に共布ラッピングをかぶせることが効果的な方法の1つです。

縫い代1cm程ででスタートとゴール部分を縫い代を隠すように折り込みます。
ラップ巾は2cm。地縫いで1度、最後の縫いとじで1度の合計2度のステッチの2段階作業。
ラッピングの縫いとじの場面:待ち針を留めながら正確にくるみます。
このショットの場面こそ、ラッピングで一番大切な場面。幅をいかに正確に一定にするかです。
そうして、ミシンの縫い目が裏面にも同じような位置に出るのです。

これが、カーブの部分だと難易度が極端にアップしますし、そもそもバイヤス裁断が必須ですが、今回はまっすぐの線なので、トレート裁断のテープで大丈夫。

幅が2cmもあると比較的難易度は下がります。

両サイドのラッピング始末出来上がり:もう1点ポイントがあるとすれば、どちらの面から行うかということ。
表面を最後の縫い付けに持ってくるのが裏側よりも綺麗です。
よって、ラッピングは、どんな時も裏側からスタートして、表で縫い閉じるというのが綺麗かなと。

完成品をご披露

A4書類スクエアリュック完成:縦35cmx横29cmxマチ無し。

この1つ前の記事の【92】と同じように、共布ショルダーにジグザグキルトをかけました。

そして、同じく、調節機能は付けていません。直接挟み込みの縫い付けをています。

マチが無いタイプの書類中心のリュックですが、スタイリッシュですね。

まさに、「簡易リュックシリーズ」の「簡易」が感じられるものです。

この「簡易」ということは、上手くポイント箇所をしっかりしていくと、「粋:いき」や、「瀟洒:しょうしゃ」という雰囲気が実現できます。

この柄が、まさかビジネスシーンに使用するということは想像しませんね。

「世の中に多すぎるほどのビジネスバッグがあふれている、その中で目立つのはその対極のテイストをその型に落とし込むこと」、こんな風に考えてみたのです。

ビジネスなのだから、引き締まったイメージもあり、緊張し過ぎないようなリラックスした柄というバランスを取ったコンビなのです。

このバランスは私ならではです。

あまり堅苦しくはない分野の会社に勤務した過去があったことで着想できたことだと思います。

業界は、「ファッション業界」でした。

あとがき

今回で簡易リュックシリーズ終わります。

3点の違うデザインの製作でしたが、どれも、とてもやさしい作りをしています。

「作るのが簡単な易しさ」と、「無理な材料の使い方をしない優しさ」の2つのやさしさが込められたものです。

リュックは、ああいう形のことを言うのだというような固定観念はとうに打ち破っています。

しっかりと作って、機能があれば、素敵になります。

今回のような弓矢のような弾力性のあるショルダーのように、単純でも、しっかりした作りこそがまずは大切なのです。

あるジャズピアニストのインタビューでの言葉を思い出します。「ビル・エヴァンス」様です。

「華やかにただ弾くのが素敵な音色なのではない、シンプルでもポイントの音を押さえれば、素晴らしい音色になる」と。

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