まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
「抜け感」というテイストを理論的に説明できるものでしょうか。
「力が抜けた感じ」「ルーズな感じ」「カジュアル寄り」から「クール」「かっこよさ」という印象へ向かうようなもの。
そんなテイストを作っているのは具体的にはどんな部分なのか。。随分ぼんやりした「抜け感」を理論をもってこのたびお伝えしてまいります。
独自に「抜け感」を演出したコーデを3セット作ってみました。
どれも共通する点があり、「ノーカラー」であることです。
このようなちょっとしたパートも「抜け感」を作りあげてくれる重要な要素の1つとなるのではないかと考えています。
クラシックな「ラペル」を伴う衿のデザインと「ノーカラー」でまっさらな衿のデザインの比較を、どうぞお楽しみいただければと思います。
軍服の名残のラペルは長い服飾の記憶に刷り込まれたクラシックを感じる部分、ノーカラージャケットの抜け感が教えてくれた

ぱっと見て、襟元にまず視線がいくという現実的な傾向も重要です。
素材がレザーとツイードということで比較しにくいものの、明らかに右の方が親しみやすさを感じます。
この印象は「抜け感」の1つ「かしこまらない」という感覚。
左のラペル付きは素材が違えばよりきちんとした印象ですが、ロックテイストにも通じるレザーであることで、程良きバランスを感じて入手したのがきっかけでした。
では、ここからはすべて「ノーカラー」の3点のジャケットコーデを上下の組み合わせでご紹介します↓。

切り替え線の視覚的効果が大きいシンプルながら洗練されたような印象があります。


衿の端の形が一癖あってユニーク、このクセをすっきりとしたノーカラーが親しみやすい方向へバランスをとってくれているかのよう。

黒の水玉コーデには、黒以外を入れないという最も王道の考え方で。


あとがき

こうして、ノーカラージャケットの気負わない「抜け感」を味わったことで、クラシカルなラペル付きの「テーラージャケット」のきちんとした印象を作る要素の1つに、「ラペル」の存在があることを再認識。
必ずしも「付いている」ということがアドバンテージ・メリットとは限りません。
このことは、古着のアレンジの可能性の1つとしても言えることであり、多くのジャケットの中で大半を占める「襟付き」に対し、ニッチな存在の「衿無し」への変更は劇的な変化です。
そして、大半を占めてきた襟付きの中でも特に、「テーラー襟」こそ、最もクラシックさを極めた姿なのだという点です。
きちんとした場所では襟1つがその場に挑む「姿勢」をも印象付けることがあり、衿のデザインへの注目は大切なことです。
襟にとどまらず、裾の仕上げの仕方など数々のパートごとにこうした発見がある可能性を感じました(^-^)。
