前面と後ろ面の合体であるボストンバッグの底のカーブラインの徹底的な整え方【330】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「かまぼこ」という名前のミニボストンバッグが完成。

リュックにもなるところが個性的であり実用的です。

こちらをオレンジ系のデイジー柄のマルチカラーで製作。

プレート状の板を表地と裏地であらかじめ作っておき、ファスナー周りの口布と共に最後に組み立てるという作り方をしています。

最後の組み立ての場面でネックになるのは、底のマチ部分を介した前後の面の同じ位置への配置です。

これを徹底的に実現するにはどうしたらよいのかの工夫をこの度考えました。

ポイント1:とにかく最初の作業のひっくり返しを正確にすること

この角の部分を美しく前後に並ぶようにするための工夫として、プレート状のパーツ作りの正確さがあります。

そもそも、重ねる以前に本体の面の角のカーブが綺麗に正確なラインでひっくり返しをされている状態であるべきです。

縫い代に食い込んだり浅かったりしてカーブラインが崩れていると、口布との重なりからはみ出したりする部分が出てきてしまいます。

この写真はもうひっくり返した後ですが、その前の段階にもこうしてコツがあるということをまずお伝えしました。

急カーブの部分だけ切り込みを細かく入れ、ひっくり返した時のカーブのラインが出やすいようにするということもやってあるべきだということになります。

ポイント2:仕付け糸で細かく位置の固定をサポート

この仕付け糸をしっかりすると、綺麗に出来上がる効果が期待できます。

全体に仕付け糸を1重(ひとえ)で細かく縫い付けていきます。底のカーブの箇所は細かく固定。

この後やっとミシンで縫って組み立てていくのです。

ミシンでしつけ糸の上を縫ってしまうので、後で仕付け糸を外す作業があります。

あとは、仕付け糸を信じて元の口布の端のステッチの上をなぞるように縫っていく作業です。

ポイントを実行した効果はどうだったのか

さて、結果ですが厳しいことではありますが出来栄えとしましては、半分くらいでした。

そもそもひっくり返しが完璧でない部分もありました。

次回は、ポイントの1と2をもっと徹底して、より綺麗さを高めていきたいです。

底の左側:こうしてじっくり見ると口布と本体面のカーブの重なりがわずかにずれて裏地が見えています。
底の右側:こちらも人差し指で押さえているところがやはりわずかに重なっていないようです。

確かに難易度は高いのです。

ただ、ここをクリアしていくとぐんと良質さが増し立派になっていくと思います。

あとがき

2021年は、しぼったデザインをいろいろな素材でたくさん作ってまいります。

その中で技術力を高めようとしております。

具体的に「上手くなる」ということは、どういうことなのか。。

「課題→研究→成果→次回への課題」という風にサイクルを繰り返していった結果が「技術を高めていく」のだと思っております。

次回は、抽象柄で同じ「かまぼこ」を完成させていきます。

近いうちにアップできますので、お楽しみにどうぞ(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ボストンバッグには内蔵しにくい底板、後付けでスタイリッシュな八角形は角の沿いが良い【329】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「かまぼこ」という小さなボストンバッグが完成しました。

このデザインは、当ハンドメイドバッグのデザインの中では、かなり初期のころから作ってきたデザイン。

縦や横の長さやバランスを改良し、本体の前後面と長い口布を合体して成り立つ分かりやすい形です。

比較的このデザインはスムーズに出来上がっていきます。

というのも、作りやすいからであり、作りやすいということは、結果綺麗に出来上がることに繋がります。

作りやすい工夫も技術の1つになります。

とは言え、長いこと作ってきたこのデザインでも初の学びがありました。

今まで四角で設置していたくるみ底板を8角形にするという変更です。

これによって、縁の四つ角に皺が入って結局は邪魔な部分であったところをそぎ落とし、うまく底に沿うように出来上がることができました。

八角形の縫い代を折る順番が綺麗にラインを出すカギである

8角形のパーツを2枚ひっくり返さずに貼り合わせて縫い付けるようなイメージの作り方です。

中に入れ込むベルポーレンの底板は角を緩やかに型紙に当ててカットしてあります。

底板は包み込み袋である裏地の生地よりも2まわりほど小さいので、底板専用の型紙をあらかじめ別で作っておいて、それに当てて裁断します。

8角形パーツのまず、一番短い辺である4箇所を縫い代の印1.5cmに忠実にアイロンで折ります。

この一番短い辺から順に折っていくというところが今回のポイントとなります。

2番目に短い辺2箇所を同じように縫い代に忠実に1.5cm分アイロンで折ります。
最後に一番長い辺を2箇所折ります。

この順番の理由は、短い辺の箇所を最後の方に残してしまうと、縫い代が見えなくなってしまい、ずれる原因になるからです。

「見やすい縫い代=正確に折る=良質に仕上がる」ということになるのです。

この後、もう1枚も同じことをして2枚を外表に重ねて外側からステッチしますので、ひっくり返して作ることをしないのです。

ぴたりと8角形の角がすべて合う必要があります。

その代わり、角のとがりが完璧に出せるのでそこがメリットです。

とても美しく仕上がります。

よって、折る順番のコツで角の位置をしっかり合わせるような下準備というのがあるわけです。

そして、完成したのがこちらです↓。

底板の完成(8角底板):ステッチをする前の前後重ね合わせた待ち針がとても留めやすいです。

その後ショルダーを作って、「かまぼこ」が完成。

結構整った形にどっしりと完成できました。

最後の場面の本体と口布を縫い合わせる時の下側の角の位置が、前後の面同士で並行になっているかがネックです。

「かまぼこ」:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ10cm:イタリア製のジャカード生地に裏地が金茶キルトの組み合わせ。裏地は日本製のスラブ生地。

あとがき

紺色は、なかなか紺色1色ではカラーの強さがあってコーデが難しいものです。

どのようなお洋服に合わせたらよいかなど結構難易度が高いものになります。

しかし、このたびのようにブロンズゴールドのデイジーの柄、花の中心の黒色も合わせた3色のマルチカラー、そしてブロンズの裏地がお洋服を決めやすくしてくれます。

この中に登場している色の1つを意識するとベージュのセーターなども合うかと。。

「かまぼこ」は、あと2種の生地で2点が残っています。

生地違いではどんな風に違って見えるのかということにも是非後日の完成でご注目下さればと思います(^-^)。

ハイブランド様のバッグにあこがれたデザインを布製で作った結果の非常に厳しく辛口な自主感想【328】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自分に対して、厳しいのか甘いのかということに関しては前者。

このたび、1点のバッグが完成。

非常に難しかったのが、突飛なデザインだったからというだけでしょうか。。

そうは思いませんでした。

もし、最初から少しずつオリジナリティー溢れた等身大のデザインからのスタートで改良していったものだったらこうは難しくなかったと思っています。

少し前の記事では、口が大きく開くがま口タイプのバッグでサポートしたい、サイドからの中身のこぼれ防止策を設置↓。

バッグのサイドに取り付けるロングファスナータブ(両端)。

このたびは、このパーツを含むバッグの完成となりますので、両サイドのこのパーツが設置してあるケ所にもご注目いただければと思います。

そもそも、ハイレベル過ぎる技術へのあこがれに飛びついてしまった「つけ」が完成品の未熟さに現れた

もともと、ハイブランド様のバッグでいうと、「ヴィトン:アルマ」というデザインにあこがれて型紙を考案したデザインでした。

他のハイブランド様でもその後類似のデザインが出回りますが、おそらくここが最初だったかと。。

1990年代初頭にこのタイプがその他のブランド様の多くでも本革レザー品で豊富にあったので、その時に一気に惹き付けられました。

その後、一定の流行がこのデザインに関しては消えた様子でしたが、その後の他のデザインや、トートバッグやリュックなどの流行が起こっていく中で、ニッチなデザインのとして注目してきた長年のカーブ型のファンです。

そうして、このデザインにあこがれたものの、そもそも型紙の形が分からず試行錯誤。

そうして、いったん理論的には納得した型紙を完成し作ったつもりだったのです。

なにやらぐちゃっとなってしまいましたが、ロングタブをサイドに取り付けた様子です。

一番下の底のラインが綺麗ではないです。

これは誰がどうやっても完ぺきにはなりにくい部分なので、さらなるタブで覆って隠してしまうのが良いかと思っています。

某ハイブランドバッグもこういうデザインの場合ここは何かで切り替えて覆っているようで、必然なのでしょう。

やはりそういった細かな部分にも、表には発信されていない隠れた意味があるのだと思います。

「おにぎり」完成:<サイズ>縦22cmx横33cmxマチ13cm。
リュックにもなるところが意外かも。ハンドバッグとリュックの2WAYです。

さて、この出来上がりですが、底のカーブのラインがとがっているのが分かります。

これは、型紙をもっとゆるやかな底面に当てて同じ角度にしたものに変える必要があります。

あのとがりがないともっと綺麗になるかと。

カーブは底面と合わせながら、今回よりももっと急な感じで上がっていく形にせねばならないかとも思います。

まだ、サイド部分がのけぞって台形型に開いている様子なので、あれがまっすぐに縦に立つような角度のカーブのちょうどな具合を探る必要もあります。

このおにぎりは、まだデザインが確立されていないのだと今回分かりました。

あこがれだけで、階段を飛び越えたような製作をしたために、こうして「つけ」が回ってきたと感じています。

そういった意味で、「真似」のスタイルの製作は、到底馴染みませんでした。

ましてや、改良の数が半端ないこのデザインの発案に対しては、まだ未熟なのだと。

あとがき

この後、もうこのがま口タイプはその後作っていきませんでした。

ただ、「おにぎり」というデザインは、後に、こんな風に変わりました↓。

改良版の「おにぎり」。これこそ、基本的なボストンバッグ型からの作りで考えたファスナーバッグ。

ファスナーの周辺には口布が付くのでバッグを開けた時には、口布のせいで視界が狭まるということがちょっとした欠点に。。

それに比べてこの完成のがま口タイプは口布無しであったがゆえにぱっかりと開き中身が見やすかったのです。

一長一短あるバッグのデザインですが、どの点を一番重視に置くかということです。

その後の「おにぎり」は、入り口はぱっかり開く見やすいものではないですが、何よりも、そのフォルムはとても満足いくものに出来上がることができています。

あこがれや真似だけで背伸びして作ったような品物は到底良い方向へまっすぐ進んでいけないこと痛感したのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

大きく口が開くがま口タイプバッグ、サイドからの物こぼれ防止パーツの設置のスタイリッシュさの追求【327】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

昨年末から製作を持ち越しました4点を今年2021年の頭で完成させていきます。

その4点中1点の「おにぎり」というデザインの製作です。

これは過去に作った、初期の頃の「おにぎり」。サイドのファスナーが下の方まで来ています。

こんな形をもっとサイズを変えて改良したものになるのですが、がま口タイプと呼ばれるデザインです。

口がぱっかりとよく開いて、物が取り出しやすいメリットがあるものの、物がこぼれやすい対策もしてあげねばなりません。

この辺りはつくづくバランスの大切さを学ぶところ。

このたびは、ファスナーが途中で止まるような細長いタブを取り付けるというアイデアを持ってファスナーにタブを取り付けるところまでの場面です。

完成は後の記事にアップとなりますが、とても重要な箇所だと思います。

大きく口が開くタイプのバッグのデメリットの解消策

とても中身が見やすいので、物を探すストレスが少ない一方で、ファスナーをフルに開け過ぎる場合物がこぼれる心配が出てきます。

そこで、両開きのファスナーで下の方まで開けすぎないように挑むのですが、それにしても、開け過ぎないようにとの注意をする必要がユーザーに委ねられます。

そういったところが余計な気を使わせてしまい、製造側が事前にストッパー的な役割を機能として設置してあげた方が断然良いという考えに至りました。

要するに、ファスナーが下の方まで開きすぎるから物がこぼれるわけなので、もっと上の方で止まるように強制的にせき止めてしまったらどうかという案です。

かといってせっかく中が見やすいという大口型なので、メリットは損ねぬようその塩梅はしっかり調整せねばなりません。

ロングファスナータブの製作、綺麗に本体に馴染むようなデザインの考案

ファスナーの先にちょんと小さいタブを付けていただけの今まででしたが、それを10cm程度のロングタブに変えました。

さらに、開閉時に、バッグの本体の一部分を引っ張ってバッグが変形せぬよう、引っ張る時のタブも同時にセットで取り付けるという機能を考えてみました。

今まで短かったファスナータブをロングにしたタブを取り付けます。

こんな風に包みこんで、ボックス型に縁を縫い付けるといった作り方です。

ファスナーの両端をこのように完成。プチタブを内側に挟み込む箇所は、丈夫に3度がけのステッチを施します。

このたびは、ここまでです。

これを本体パーツにいかに馴染ませるかなのですが、それは次回の組み立ての際の課題になると思います。

あとがき

完成まで一歩近づきました。

初のおにぎりの完成型が出来上がります。

このがま口タイプは、ハンドメイドバッグではほとんど作られているのを見たことがありません。

ハイブランドのレザー製のバッグで見かけるデザインです。

そもそもフォルムが縫いやすくスタイリッシュに出来上がるという2つを徹底的に研究しつくされているのがハイブランド様。

型紙が分からなかったため、明らかに間違ったラインで型紙を作ってしまった過去があります。

その後は、試行錯誤で型紙を直し、物理的にはやや複雑なこのモデルを完成させようとしているのです。

ここで思うのは、ハイブランド様のバッグのデザインにあこがれたところに問題があったと思います。

そのブランド様しか知らない型紙の詳細をぱっと見で到底同じように真似ることの難しさです。

この完成を機に、本当の自分の中からあふれた形の型紙を考案することが望ましいと思いました。

いわゆる「真似」の限界を見た気がします。

一番最初に発案したハイブランド様は、その後の追従をはねのけるほどのダントツな「デザイン」を生み出している、これが誰も追いつくことができない「すごさ」だと思います。

次の【328】の記事が完成です。

お楽しみにどうぞ(^-^)。

ハンドメイドバッグの名前付け、モデルチェンジで名前がそのまま受け継がれたものとモデル自体を廃止した伝説のネーミング【323】

アイキャッチ画像323

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

冒頭からお伝えしたいのは、当ブログ記事は最初の投稿の2021.01.02からおよそ5年後の2025.11.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文綴り直しをしていることです。

当初のまま残る、後で下に貼りますYouTubeとはやや切り口が違い、製作物への名前付けの「変遷」の部分にスポットを当てたいと思います。

ハンドメイドバッグ活動をスタートして以来初めての名前付けをしたのが、2019年でした。

記事では【78】が一度目の名前付けの2019年時のラインナップです↓。

5点のバッグの名前付け(2019年):コンパクトなサイズで生地を共通にデザインの違いを感じ取る企画でした。

そして、時は2021年初頭、2019年の時からラインナップから廃止や新規が生まれます。

更に時は2025年、当ブログ「手直し」の現在ではもっと劇的な変化がありました。

名前付けの理由や背景と共に、2025年で行き着いた意外な顛末をご堪能いただければと思います。

どんな分野のハンドメイドでも作品に「名前」を付けて披露すると良い、ハンドメイドファンは親しみや愛着を感じてくれることだろう

7点のバッグの名前付け(2021年):2019年から引き継いだ上段4点と、新規の下段3点が追加。

この美味しそうな食べ物が並んだ意味、伝わりますでしょうか。

「衣・食・住」の「衣」に含まれるこうした雑貨・小物品であるバッグと「食」の垣根を崩壊させた1つの姿なのです。

「崩壊」というワードが言い過ぎということなら、「部分的に溶け合った」とでも表現したら良いかもしれません。

もう、「衣・食・住」すべてが互いに交じり合った1つの生活・一人の人間の姿なのだという意味です。

そんなメッセージを込めた食べ物特化の名前。。ただ「テリーヌ」だけ和食っぽくないですね(^_^;)。

「テリーヌ」は評判が良くすべて完売でしたが、私が思うに、「外回り」のお仕事がなくなる今後はあまりイメージできなかったモデルとなります。

いかにも会社員らしいブリーフケースですから。。よってその後は廃止しています。

最後は、2025年現在の状態をお知らせしたいと思います↓。

3点の名前付け(2025年):「切餅」「餅巾着」「鏡餅」の3点のみ。「鏡餅」はまだ当投稿の1か月前の決定です。

「鏡餅」は研究製作でボディーバッグを作ったのですが、これをリュックに縦長の楕円型で正式としたいと思っております。

変遷といっても、決して数が増えるわけではなくむしろ減っています。

これは、「厳選」という意味で受け取っていただければと思います。

変遷の中の特徴は、「餅巾着」の姿が変わっても最後まで名前が引き継がれたことが1つ。

そして、3点共「餅」料理であることが、製作自体の「特化」「拘り」の強さと比例しているのです。

あとがき

2025年のモデル数がミニマム化したことには結構深みがあります。

実は、この3点で自分だけが製作するのではなく、「著作権フリー」をベースに、コンテンツに3つを1パッケージとしてまとめようと思っているのです。

長い間モデルチェンジしながら引き継いできた真ん中の「餅巾着」は、2025年では素材に制限など無い、どのような厚みのある生地でもカバーできる完全融通型仕様なのです。

かつては、厚みがあり過ぎてゴブラン生地が活かせなかったことをこのデザインで可能にしました。

今後、素敵なバッグを製作する方への応援や共有を通じながら、一緒にハンドメイド文化を高める活動を続けていく大きな決心をしたところです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

仕事場はある程度混沌としているもの。。という言い訳を捨てた、引っ越しによってすっきりと整頓された姿は発展への第一歩【322】

アイキャッチ画像322

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.01からおよそ5年後の2025.11.21にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しています。

一方で、下に貼りますYouTube動画は当時のままです。

やや切り口に違いがあるのも、この期間の考え方の変遷として受け取っていただければと思います。

このたびは、2020年末に整理整頓したいろいろな場所の中で、「仕事場」のみにスポットを当てます。

せっかくの2025年の「手直し」のタイミングですので、2021年1月1日のスタート時点の模様替え後の姿と、更に2025年現在との違いを見たいと思います。

その違いには、随分考え方がまとまり方向性のクリアな感じを見ていただけると思いまして、それがこの期間の中での発展です。

「整い」はあらゆる事象に引用できる概念、この先の決意新たに年末に行う重要な意味を持っていた仕事場の整理整頓の姿

2021年スタート時点の仕事場:ハンドメイドバッグ製作の材料の保管やミシンの姿が見られます。

2025年の目線では、これですら随分混沌としている印象に映ります。

しかし、これが2020年末当時の精一杯の姿だったのでした。

なぜ、整理整頓後でもこのように今一つまとまっていないという印象になるのか。。それは材料の余分がどんどん増えていた時期だったからということが1つ思い出されます。

チェスト横の反物はすべて芯地、ここまでの種類は2025年現在ではもっと最低限に見直しすっきりとまとまっているのです。

その他は物品の量の多さで、使用していないのに保管のみということが多かったと振り返ります。

そして、もう1つ大きな理由があると思います。

それは、引っ越し前のお部屋だったことです。

もともと仕事場として考えていなかった2002年に初入居当時の、「おしゃれなお部屋」というコンセプト。

初入居当時は会社員でした。

その後自営業ライフへの転換後は、同じお部屋では見合わなくなってきたことを非常に強く感じた2021年末に引っ越しを決めました。

2025年現在の仕事場:現在11月でまだ年末の整理整頓をしていないのにこのすっきりさ。常にこの状態です。

お部屋がいかにも事務所用の四角い間取りである新居は新しいライフスタイルに見合っていました。

じんわりと感じてきた自営業スタート後の心境の変化は、充実のためのものだったと後から振り返ることができました。

どう散らかしたとしても、片付ければこのようにすっきりとまとまるところに行き着くという配置の基盤ができました。

あとがき

3年はよく一区切りの年月として区切られますが、実際の手応えとしては5年の方が明らかな変化を感じ取ることができました。

3年だと「相変わらず」の部分が削ぎ落し切れておらず、思い切った変化の感触は随分年月を要するものだということでしょう。

非常に不思議な事なのですが、2025年の仕事場の配置になってから、バッグ作りの技術面での向上も劇的にアップしたと実感するようになったのでした。

その証拠に、これまで気づかなかったノウハウが格段に増え、これまで作れなかった構造を作れるようになりバッグ作りのノウハウがバラエティー豊かになりました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ファスナーという附属品のバッグ製作への落とし込み方、カバータブ作りや周辺つまみタブを共布で設置することの相乗効果【319】

アイキャッチ画像319

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地違いの同デザイン・同じ生地の別デザインの両方を含む5点のバッグ同時製作を行っています。

2つの背景の違いで、同時進行による効率やどこまで同時進行の効果があり、単独進行の部分的効果はどうなのかなどの検証を兼ねています。

ここまでの体感としては、同じ生地であっても違う生地であっても同じパーツの同時進行は一定のスムーズさを感じたことが1つあります。

そしてもう1つ、共通のパーツ設置が完了した後のそれぞれのデザインらしい作業となると、今度は1点ずつ進めていくことの方がスムーズだと感じました。

このたびは、同じファスナーの入り口が共通の前者の「生地違いの同デザイン」の3点、「ミニボストンリュック」のファスナー付けの場面を記録に残しました。

このたび初の試みとしましては、入り口のファスナーの開閉の時の「つまみタブ」を四角からラウンド型へのモデルチェンジ。

ちょっとした部分ではあるのですが、ボストン型の本体のフォルムのカーブラインにリンクするようなタブのデザインの方がよく馴染み相性が良いのではないかと考えたのです。

装飾含む立派な機能のファスナータブ、ファスナーそのものの先端のカバーの一面とファスナー開閉時の周辺のつまみの一面

ボックス枠くり抜き:「片玉縁」手法を引用。表面に「中表」でラッピング布を当てY字カットし裏面へ返します。
四角のファスナーつまみタブ:ファスナーの開閉の時に持つ場所。変な場所に跡を付けないという良き存在。

ファスナー開閉にここをつまめば、バッグ本体に歪みや傷みを生じさせないというのが「つまみ」の存在意義です。

新型の「カーブつまみ」の製作:左上から右下へ、2枚を「中表」でひっくり返し縁枠ステッチで完成。

その他2点の四角いつまみは一重仕立てを折って作りましたが、こちらは2枚を合わせて縫うという点が比較的労力が少ないです。

ただ、随分大きなパーツになってしまう点、細かいとひっくり返せないからです。

口布パーツへのカーブ型つまみタブの縫い付け:ファスナー周辺に、ファスナーの留め具のカネを避けて縫い付け。
ラウンド型ファスナーつまみタブ縫い付けの裏面:裏地側に貫通しますので、こうして二重線が出ます。
「ファスナーカバータブ」:もう1つのファスナータブです。ファスナーが丸見え、両端の先端をまとめる意味。
ファスナー両端の固定:力のかかるファスナー部分ですので、このタブを利用し、タブの上から固定ステッチ。

見えるステッチですので、スタイリッシュにすっきりと返し縫いで固定します。

あとがき

このたび、同じファスナーに対して2つの「ファスナータブ」が登場しました。

①「ファスナーつまみタブ」と②「ファスナーカバータブ」です。

「つまみ」と「カバー」のワードで、表面に付く方なのか裏面に付く方なのかを言い分けています。

ハンドメイドバッグは、元の材料である「生地・附属」が無ければ決して作ることはできません。

バッグ製造側から見ると、「既製品」になるわけですが、元の製造業者様にとっては、これらが「ものづくり」なのです。

芸術的で独創的なことのみが「作る」ということではないということ、そうした有難い既製品にお世話になっていることを忘れてはならないのです。

そして、今度はバッグ製造者が生み出す「提案・考え方・メッセージ」があるということがハンドメイドの製造の意義ではないでしょうか(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

多くのバッグ製作者が悩む巾着バッグの入り口の隙間、緩さをそのまま受け入れ内側の内蔵巾着袋でしっかり補填した【315】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在同時に5点のリュックを製作中、同型3点で生地違いと別型3点で生地が同じという部分的な共通点を持つことの同時進行の効率性を確かめています。

途中までは、生地が違っても同じパーツを同時進行することが効率が良いと感じました↓。

生地違いで同じパーツの同時進行:糸の色は交換しますが、作業としては連続するのでスムーズだと感じました。
生地が同じでデザイン違いの3種同時進行:糸の色を交換する手間がなく共通パーツもありスムーズな感触でした。

その後の作業は、1点ずつを一気に完成まで進めていくやり方が何となくスムーズな気がしています。

このたび全5点の最初の1点が完成、一気に最後まで行く過程を経て「巾着リュック」の完成に行き着きます。

「餅巾着」という名前を付け、ふんわりとした優しいリュックになったと思います。

蓋を開けると、そこには立派なもう1点のバッグ(巾着袋)が内蔵されている点、多層構造の面白い点です。

外側の蓋による隙間を覆うことの限界、内側の内蔵巾着袋の口が完全密閉される強味を持った美しい抽象柄の巾着リュック

当て芯:取っ手の付け根カバーの8角形パーツや入り口の留め具の6角形パーツの裏の当て芯は「ハード厚芯」。
底板の内蔵場面:表地(上)の「中表」と裏地(下)の「中表」の底同士がくっつくその間に挟みます。

写真に写せていませんが、挟む前に底の縫い代同士を部分的なステッチで囲い込みずれ防止をしています。

巾着リュックの完成(マルチペール抽象柄):<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。
使用生地:表地(マルチペール抽象柄)-ジャガード、ポリエステル/100%、イタリア製。裏地(くすみピンク)-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。
ショルダーの取り付け部分:底面のDカンタブにフックを引っかけて取り外し可能。
内蔵巾着袋の出来上がりの姿:完全設置なので取り出しできない点が安全。巾着ひもが複数のカオス状態(^_^;)。
新しい発見:内蔵巾着袋設置によって、新たなお部屋が生まれました。巾着底と裏地底の間も、立派な隠し部屋。
背負い面:何となく取っ手の付け位置がごつくなっているのは上の方過ぎるということかもしれません。
2way使い:巾着ひもを解いてトートバッグとしても使えます。内部の内蔵巾着袋は絞って閉じたままです。
お洋服とのコーデ例:中間色には中間色でまとめ上げ。シルバーグレーのカットソーとグレーのデニムです。

あとがき

どうしても隙間が解消されにくい巾着型のリュック。

多くがファスナーへシフトしてしまいがちな中、それでも巾着型の魅力というものがあるのです。

クシュっと縮む可愛さがあり、このフォルムは江戸時代から。。いやその前からあったであろう物理的な動きの誰かの発見が素晴らしく、是非継承したいのです。

ただ、こうも巾着を手で結ぶ作業が多いこのタイプは煩わしさを生み、その後は廃版と致しました。

当ブログ記事の「手直し」の2025.11.14現在ですが、この当時名付けた「餅巾着」という名前は、そのまま同じ名前でモデルチェンジしたナップサックになりました↓。

新型(2025年型)の「餅巾着」:どんな生地でも作れる厚みの悩みを解決した巾着ひもホールタブ型のデザイン。

ただ、こういったナップサックは「サブバッグ」的存在ですので、底板は内蔵せず畳める柔軟性も考えました。

要するに「メインバッグを作る」という立ち位置からは降りたということ、この決断には非常に納得しています。

とはいえ、時々の研究製作もあり、今回の「内蔵巾着袋」は時々利用する機能です。

背負うことで視界から遠ざかるリュックではなかなか躊躇するものですが、視界内のトートバッグなどでは有効。

抜け感たっぷりの開きっ放しのデザインでも内部にしっかりした安全性を実現することができるのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

大ぶりな宝石を装飾的に浮いた付け方の過去の日本人マダム達の風習、「らしさ」溢れる馴染み溶け込む装い方への発展【313】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「成熟へのジュエリー:光野桃 著/ジュエリースタイリスト:伊藤岬」を拝読。

かつては「成金」「マダム」よろしく、キラキラのお洋服にギラギラと大ぶりなジュエリーを付けていた人々が見られた時代があり、それが日本のジュエリーの装い方の特徴でもあったらしいのです。

確かにお品1点ずつは豪華で素晴らしいのですが、どこか「浮いた」ものに感じるのはなぜでしょうか。

そこには、「誇示」という意識が根本にあったと分析します。

「◯◯のふりをする」というような本来の自分に蓋をして大きく背伸びをした風習です。

「誇示」は、己とかけ離れたところにイメージを置く姿そのもの。

そんな点が身に着けている人物に対してジュエリーが浮いてしまう根本なのではないかと見ています。

一方、「ジュエリー大国」と呼ばれるイタリアでは、多くの人々が洋服になじむジュエリーの付けこなし方が伝統として受け継がれています。

このような姿は、おしゃれ度の高さだけでは語れない一面があると思います。

「成熟」という観点からは、冒頭の成金的な姿は「未熟」であるとも言えるのではないでしょうか。

ジュエリーが一人の人間にうまく馴染み溶け込んで映る姿が美しい、まずは己をよく知り全面的に受け入れる姿勢がそもそもの始点

「自分らしさ」はどう表現することができるのかを考えてまいります。

自分らしい表現はアウトプットの姿ですが、それ以前に自分についての理解・把握をすることが重要です。

冒頭の大ぶりジュエリーを違和感たっぷりに浮いた感じで付けてしまうのは、そもそも自分らしさに蓋をしている行為、自分を分析していないと言えます。

自分らしいジュエリーは決してそのような大ぶりではなく小さく1粒が煌めくようなアイテムだったかもしれないのです。

ということで、まずは自分分析が第一ということになると思います。

難しいことではありません、日々その時々の瞬間ごとに、自分の行動と共に己の性格を把握するだけで良いのです。

その代わり、良いも悪いも平等に受け入れなければ成り立ちません、悪い部分にも目を背けず素直に受け入れ理解する「正直さ」も必要です。

これが出来なければ、背伸びをしたような不似合いな付け方をこの先もしていくことになってしまうのです。

あとがき

意外にも、技術的なことではなくて、そもそも自分をちゃんと認めてあげるということがカギを握ると思えてなりません。

ここをしっかりと築いていった時に、素敵なコーデが出来上がってゆき、「おしゃれ」に映る結果を得ることに繋がると思うのです。

どうしてもジュエリーを付けることが「良く見せる」ということ1点にとらわれがちなのが現状。

本当はそうではなくて、本当の自分探しの結果自分を見つけた「証」のバッジみたいな姿であるとよいです。

拝読の本のタイトルの「成熟」は、そうした人間としての望ましい姿を説いたものだと解釈します。

ジュエリーがより本当の自分に近い存在になりますように。。と今後を願いながら、ここで筆をおきたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト

変8角形の取っ手付け根カバーは部品、裏にハード薄芯を貼り予め縫い固めることでシャープな多角形の角を美しく出した【312】

アイキャッチ画像312

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

5点同時進行のコンパクトなリュックを製作中です。

デザインが全く同じで生地違いとデザイン違いの同じ生地の両方を含み、同時進行の効率性を細かく確認する目的もあります。

各パーツを同じタイミングで作っていく進行の様子はこのようです↓。

バッグ5点分の取っ手作り:糸の色を交換する小休止も含みながら、全体としては同時に進行していくスタイル。

このような進行の中で、5点すべてに共通の「取っ手付け根カバー」の製作場面を写しました。

オクタゴン型の8角がシャープに美しく出るためにはどうすればよいかをしっかりと考えた回となります。

取っ手の付け根カバーはオクタゴン、硬めてしっかり折り込み事前の単独ステッチで部品のように整えた出来上がりのシャープさ

変8角形パーツの事前準備:接着芯貼り後型紙に当て正確に裁断。更にハード薄芯もボンド貼りしてあります。
過去の失敗例:出来上がりラインの不揃いの原因を解明。チャコペン使用を改め事前ステッチも取り入れます。
細い手芸用のペンを利用:消えるタイプですがボールペンでも全くかまいません。縫い代1cmを実線で印付け。
事前の縫い固め:本体に縫い付けと同時ではなく、事前に外枠を端から3mm程度でステッチして縫い硬めます。
完成した合格の変8角形パーツ:上下・左右がちゃんと平行なライン同士に出来上がりました。

このクリアなラインが、見た目の取っ手の美しさの一部となることが間違いないと思いました。

複数を引き続き製作した取っ手付け根カバーパーツ:この生地のみ3点分なので1点で4個x3点分=合計12個です。

このたびは8角形タイプですが、偶数の角の多角形はその他「四角」「六角」なども時々取り入れています。

奇数の「三角」「五角」は縫い代が隠せないので優れたパーツにはならないのです。

こうした必然が「なぜ8角形である必要があるのか」などの完成品に見る理由の部分になっていくのです。

あとがき

このたび改めて理解したことは「ハード薄芯」の役割。

ただ風合いをしっかり出すということのみならず、細かいパーツのはっきりしたラインも出してくれる「縁(ふち)の役割」のようなことです。

随分と重要なポジション、「不織布」の素晴らしさを見た回でした。

そして、縫い代1つの正確さは、先の細いペンを使用した実線という細かな部分においても出来上りに効果を上げるということです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク