ハイブランド様のバッグにあこがれたデザインを布製で作った結果の非常に厳しく辛口な自主感想【328】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自分に対して、厳しいのか甘いのかということに関しては前者。

このたび、1点のバッグが完成。

非常に難しかったのが、突飛なデザインだったからというだけでしょうか。。

そうは思いませんでした。

もし、最初から少しずつオリジナリティー溢れた等身大のデザインからのスタートで改良していったものだったらこうは難しくなかったと思っています。

少し前の記事では、口が大きく開くがま口タイプのバッグでサポートしたい、サイドからの中身のこぼれ防止策を設置↓。

バッグのサイドに取り付けるロングファスナータブ(両端)。

このたびは、このパーツを含むバッグの完成となりますので、両サイドのこのパーツが設置してあるケ所にもご注目いただければと思います。

そもそも、ハイレベル過ぎる技術へのあこがれに飛びついてしまった「つけ」が完成品の未熟さに現れた

もともと、ハイブランド様のバッグでいうと、「ヴィトン:アルマ」というデザインにあこがれて型紙を考案したデザインでした。

他のハイブランド様でもその後類似のデザインが出回りますが、おそらくここが最初だったかと。。

1990年代初頭にこのタイプがその他のブランド様の多くでも本革レザー品で豊富にあったので、その時に一気に惹き付けられました。

その後、一定の流行がこのデザインに関しては消えた様子でしたが、その後の他のデザインや、トートバッグやリュックなどの流行が起こっていく中で、ニッチなデザインのとして注目してきた長年のカーブ型のファンです。

そうして、このデザインにあこがれたものの、そもそも型紙の形が分からず試行錯誤。

そうして、いったん理論的には納得した型紙を完成し作ったつもりだったのです。

なにやらぐちゃっとなってしまいましたが、ロングタブをサイドに取り付けた様子です。

一番下の底のラインが綺麗ではないです。

これは誰がどうやっても完ぺきにはなりにくい部分なので、さらなるタブで覆って隠してしまうのが良いかと思っています。

某ハイブランドバッグもこういうデザインの場合ここは何かで切り替えて覆っているようで、必然なのでしょう。

やはりそういった細かな部分にも、表には発信されていない隠れた意味があるのだと思います。

「おにぎり」完成:<サイズ>縦22cmx横33cmxマチ13cm。
リュックにもなるところが意外かも。ハンドバッグとリュックの2WAYです。

さて、この出来上がりですが、底のカーブのラインがとがっているのが分かります。

これは、型紙をもっとゆるやかな底面に当てて同じ角度にしたものに変える必要があります。

あのとがりがないともっと綺麗になるかと。

カーブは底面と合わせながら、今回よりももっと急な感じで上がっていく形にせねばならないかとも思います。

まだ、サイド部分がのけぞって台形型に開いている様子なので、あれがまっすぐに縦に立つような角度のカーブのちょうどな具合を探る必要もあります。

このおにぎりは、まだデザインが確立されていないのだと今回分かりました。

あこがれだけで、階段を飛び越えたような製作をしたために、こうして「つけ」が回ってきたと感じています。

そういった意味で、「真似」のスタイルの製作は、到底馴染みませんでした。

ましてや、改良の数が半端ないこのデザインの発案に対しては、まだ未熟なのだと。

あとがき

この後、もうこのがま口タイプはその後作っていきませんでした。

ただ、「おにぎり」というデザインは、後に、こんな風に変わりました↓。

改良版の「おにぎり」。これこそ、基本的なボストンバッグ型からの作りで考えたファスナーバッグ。

ファスナーの周辺には口布が付くのでバッグを開けた時には、口布のせいで視界が狭まるということがちょっとした欠点に。。

それに比べてこの完成のがま口タイプは口布無しであったがゆえにぱっかりと開き中身が見やすかったのです。

一長一短あるバッグのデザインですが、どの点を一番重視に置くかということです。

その後の「おにぎり」は、入り口はぱっかり開く見やすいものではないですが、何よりも、そのフォルムはとても満足いくものに出来上がることができています。

あこがれや真似だけで背伸びして作ったような品物は到底良い方向へまっすぐ進んでいけないこと痛感したのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

大きく口が開くがま口タイプバッグ、サイドからの物こぼれ防止パーツの設置のスタイリッシュさの追求【327】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

昨年末から製作を持ち越しました4点を今年2021年の頭で完成させていきます。

その4点中1点の「おにぎり」というデザインの製作です。

これは過去に作った、初期の頃の「おにぎり」。サイドのファスナーが下の方まで来ています。

こんな形をもっとサイズを変えて改良したものになるのですが、がま口タイプと呼ばれるデザインです。

口がぱっかりとよく開いて、物が取り出しやすいメリットがあるものの、物がこぼれやすい対策もしてあげねばなりません。

この辺りはつくづくバランスの大切さを学ぶところ。

このたびは、ファスナーが途中で止まるような細長いタブを取り付けるというアイデアを持ってファスナーにタブを取り付けるところまでの場面です。

完成は後の記事にアップとなりますが、とても重要な箇所だと思います。

大きく口が開くタイプのバッグのデメリットの解消策

とても中身が見やすいので、物を探すストレスが少ない一方で、ファスナーをフルに開け過ぎる場合物がこぼれる心配が出てきます。

そこで、両開きのファスナーで下の方まで開けすぎないように挑むのですが、それにしても、開け過ぎないようにとの注意をする必要がユーザーに委ねられます。

そういったところが余計な気を使わせてしまい、製造側が事前にストッパー的な役割を機能として設置してあげた方が断然良いという考えに至りました。

要するに、ファスナーが下の方まで開きすぎるから物がこぼれるわけなので、もっと上の方で止まるように強制的にせき止めてしまったらどうかという案です。

かといってせっかく中が見やすいという大口型なので、メリットは損ねぬようその塩梅はしっかり調整せねばなりません。

ロングファスナータブの製作、綺麗に本体に馴染むようなデザインの考案

ファスナーの先にちょんと小さいタブを付けていただけの今まででしたが、それを10cm程度のロングタブに変えました。

さらに、開閉時に、バッグの本体の一部分を引っ張ってバッグが変形せぬよう、引っ張る時のタブも同時にセットで取り付けるという機能を考えてみました。

今まで短かったファスナータブをロングにしたタブを取り付けます。

こんな風に包みこんで、ボックス型に縁を縫い付けるといった作り方です。

ファスナーの両端をこのように完成。プチタブを内側に挟み込む箇所は、丈夫に3度がけのステッチを施します。

このたびは、ここまでです。

これを本体パーツにいかに馴染ませるかなのですが、それは次回の組み立ての際の課題になると思います。

あとがき

完成まで一歩近づきました。

初のおにぎりの完成型が出来上がります。

このがま口タイプは、ハンドメイドバッグではほとんど作られているのを見たことがありません。

ハイブランドのレザー製のバッグで見かけるデザインです。

そもそもフォルムが縫いやすくスタイリッシュに出来上がるという2つを徹底的に研究しつくされているのがハイブランド様。

型紙が分からなかったため、明らかに間違ったラインで型紙を作ってしまった過去があります。

その後は、試行錯誤で型紙を直し、物理的にはやや複雑なこのモデルを完成させようとしているのです。

ここで思うのは、ハイブランド様のバッグのデザインにあこがれたところに問題があったと思います。

そのブランド様しか知らない型紙の詳細をぱっと見で到底同じように真似ることの難しさです。

この完成を機に、本当の自分の中からあふれた形の型紙を考案することが望ましいと思いました。

いわゆる「真似」の限界を見た気がします。

一番最初に発案したハイブランド様は、その後の追従をはねのけるほどのダントツな「デザイン」を生み出している、これが誰も追いつくことができない「すごさ」だと思います。

次の【328】の記事が完成です。

お楽しみにどうぞ(^-^)。

複数のデザインに共通する深みのあるテイストこそ「ブランド」を作るのではないか、地道に改良を重ねたハンドメイドバッグの名前付け【323】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ2021年に入りました。

昨年2020年から立てていた目標として、ハンドメイドバッグのデザインの精鋭がありました。

そのためには、いろいろなデザインにも挑戦しないと可否が分からないものなので、いろいろトライしてみた2020年でした。

最終的にひっかかりが残る部分というのは、使い勝手やセキュリティー性の不十分さです。

これがないといくら素敵に見えても、ユーザー様をがっかりさせてしまうからです。

使い勝手というのも少々奥が深く、ストレスのない開閉や機能でなければと思い、頑丈に施錠しすぎて、かえって開閉がスムーズに行えないこともありました。

その辺りのバランスを見て、入り口が完全に閉まっているなら中側のポケットにはファスナーは必要がない方がかえって良いのです。

物の取り出しにストレスを生むことなくスムーズに使えるメリットがあるなど細かいバランスを検討してきました。

そうして、最終的に全7点のハンドメイドバッグを、2021年に製作していくものと決めました。

思えば、20デザインほどもともとあり、7点になったということはおよそ3分の1に絞ったことになります。

価格帯別でいえば、1つの価格帯で1点-3点といった割り振りです。

そして、とても重要になると考えているキーポイントがあります。

それは、1デザインごとにネーミングをしたことです。

このたびは精鋭の7点のそれぞれの「名前」をご紹介したいと思います。

7点のハンドメイドバッグの名前付け、親しみやすく日本製らしさが伝わるようにと「衣食住」の「食」から引用

ハンドメイドバッグ7点の名前・・・身近な食べ物が集まりました。
切餅(エコバッグ):形が切餅のような配分の直方体であることからのイメージ。実際に切餅も入ります(^-^)。
昆布巻き(フラップバッグ):包み込むようなデザインが昆布巻きに繋がりました。ごつい名前とのギャップw。
卵焼き(バニティバッグ):卵焼きを立てた時のイメージから。お弁当バッグにも良いかと思います。
テリーヌ(ブリーフケース):メンズが発祥のデザイン。内側の綺麗なお花柄が特徴。

外側と内側のギャップも楽しめるものになります。

「テリーヌ」はゼラチンを使ったおしゃれな洋食。

作ったことがあるので、よりイメージが浮かびやすかった名前です。

おにぎり(アーチ型バッグ):フリルは最終的に付かないものになります。こんな形なのにリュックになります。
かまぼこ(ボストン型):底がぴったり安定した感じがかまぼこをイメージ。こちらもリュックになります。
餅巾着(巾着型バッグ):ファスナーを一切使っていないのに、セキュリティー性が高い巾着型を実現。

どれも、最初からのサイズやデザインだったわけではなく、改良に改良を重ねて前向きに取り組んだ先の行き着いた姿です。

あとがき

以上の7点に名前を付けました。こうしてこの7点をじっくりと生地の違いを楽しんでいただくようできるだけたくさん作っていきたいです。

今回の写真のようなカラー物はいったん2021年の3月くらいで終了。

その後は、黒ベースのマルチカラーだったりだとか黒を絡めて、黒コーデに合うバッグということにもう少し特化していく計画を組んでいます。

では、2021年もどうぞよろしくお願いします(^-^)。

仕事場はある程度混沌としているもの。。という言い訳を捨てた、引っ越しによってすっきりと整頓された姿は発展への第一歩【322】

アイキャッチ画像322

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.01からおよそ5年後の2025.11.21にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しています。

一方で、下に貼りますYouTube動画は当時のままです。

やや切り口に違いがあるのも、この期間の考え方の変遷として受け取っていただければと思います。

このたびは、2020年末に整理整頓したいろいろな場所の中で、「仕事場」のみにスポットを当てます。

せっかくの2025年の「手直し」のタイミングですので、2021年1月1日のスタート時点の模様替え後の姿と、更に2025年現在との違いを見たいと思います。

その違いには、随分考え方がまとまり方向性のクリアな感じを見ていただけると思いまして、それがこの期間の中での発展です。

「整い」はあらゆる事象に引用できる概念、この先の決意新たに年末に行う重要な意味を持っていた仕事場の整理整頓の姿

2021年スタート時点の仕事場:ハンドメイドバッグ製作の材料の保管やミシンの姿が見られます。

2025年の目線では、これですら随分混沌としている印象に映ります。

しかし、これが2020年末当時の背一杯の姿だったのでした。

なぜ、整理整頓後でもこのように今一つまとまっていないという印象になるのか。。それは材料の余分がどんどん増えていた時期だったからということが1つ思い出されます。

チェスト横の反物はすべて芯地、ここまでの種類は2025年現在ではもっと最低限に見直しすっきりとまとまっているのです。

その他は物品の量の多さで、使用していないのに保管のみということが多かったと振り返ります。

そして、もう1つ大きな理由があると思います。

それは、引っ越し前のお部屋だったことです。

もともと仕事場として考えていなかった2002年に初入居当時の、「おしゃれなお部屋」というコンセプト。

初入居当時は会社員でした。

その後自営業ライフへの転換後は、同じお部屋では見合わなくなってきたことを非常に強く感じた2021年末に引っ越しを決めました。

2025年現在の仕事場:現在11月でまだ年末の整理整頓をしていないのにこのすっきりさ。常にこの状態です。

お部屋がいかにも事務所用の四角い間取りである新居は新しいライフスタイルに見合っていました。

じんわりと感じてきた自営業スタート後の心境の変化は、充実のためのものだったと後から振り返ることができました。

どう散らかしたとしても、片付ければこのようにすっきりとまとまるところに行き着くという配置の基盤ができました。

あとがき

3年はよく一区切りの年月として区切られますが、実際の手応えとしては5年の方が明らかな変化を感じ取ることができました。

3年だと「相変わらず」の部分が削ぎ落し切れておらず、思い切った変化の感触は随分年月を要するものだということでしょう。

非常に不思議な事なのですが、2025年の仕事場の配置になってから、バッグ作りの技術面での向上も劇的にアップしたと実感するようになったのでした。

その証拠に、これまで気づかなかったノウハウが格段に増え、これまで作れなかった構造を作れるようになりバッグ作りのノウハウがバラエティー豊かになりました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ファスナーという附属品のバッグ製作への落とし込み方、カバータブ作りや周辺つまみタブを共布で設置することの相乗効果【319】

アイキャッチ画像319

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地違いの同デザイン・同じ生地の別デザインの両方を含む5点のバッグ同時製作を行っています。

2つの背景の違いで、同時進行による効率やどこまで同時進行の効果があり、単独進行の部分的効果はどうなのかなどの検証を兼ねています。

ここまでの体感としては、同じ生地であっても違う生地であっても同じパーツの同時進行は一定のスムーズさを感じたことが1つあります。

そしてもう1つ、共通のパーツ設置が完了した後のそれぞれのデザインらしい作業となると、今度は1点ずつ進めていくことの方がスムーズだと感じました。

このたびは、同じファスナーの入り口が共通の前者の「生地違いの同デザイン」の3点、「ミニボストンリュック」のファスナー付けの場面を記録に残しました。

このたび初の試みとしましては、入り口のファスナーの開閉の時の「つまみタブ」を四角からラウンド型へのモデルチェンジ。

ちょっとした部分ではあるのですが、ボストン型の本体のフォルムのカーブラインにリンクするようなタブのデザインの方がよく馴染み相性が良いのではないかと考えたのです。

装飾含む立派な機能のファスナータブ、ファスナーそのものの先端のカバーの一面とファスナー開閉時の周辺のつまみの一面

ボックス枠くり抜き:「片玉縁」手法を引用。表面に「中表」でラッピング布を当てY字カットし裏面へ返します。
四角のファスナーつまみタブ:ファスナーの開閉の時に持つ場所。変な場所に跡を付けないという良き存在。

ファスナー開閉にここをつまめば、バッグ本体に歪みや傷みを生じさせないというのが「つまみ」の存在意義です。

新型の「カーブつまみ」の製作:左上から右下へ、2枚を「中表」でひっくり返し縁枠ステッチで完成。

その他2点の四角いつまみは一重仕立てを折って作りましたが、こちらは2枚を合わせて縫うという点が比較的労力が少ないです。

ただ、随分大きなパーツになってしまう点、細かいとひっくり返せないからです。

口布パーツへのカーブ型つまみタブの縫い付け:ファスナー周辺に、ファスナーの留め具のカネを避けて縫い付け。
ラウンド型ファスナーつまみタブ縫い付けの裏面:裏地側に貫通しますので、こうして二重線が出ます。
「ファスナーカバータブ」:もう1つのファスナータブです。ファスナーが丸見え、両端の先端をまとめる意味。
ファスナー両端の固定:力のかかるファスナー部分ですので、このタブを利用し、タブの上から固定ステッチ。

見えるステッチですので、スタイリッシュにすっきりと返し縫いで固定します。

あとがき

このたび、同じファスナーに対して2つの「ファスナータブ」が登場しました。

①「ファスナーつまみタブ」と②「ファスナーカバータブ」です。

「つまみ」と「カバー」のワードで、表面に付く方なのか裏面に付く方なのかを言い分けています。

ハンドメイドバッグは、元の材料である「生地・附属」が無ければ決して作ることはできません。

バッグ製造側から見ると、「既製品」になるわけですが、元の製造業者様にとっては、これらが「ものづくり」なのです。

芸術的で独創的なことのみが「作る」ということではないということ、そうした有難い既製品にお世話になっていることを忘れてはならないのです。

そして、今度はバッグ製造者が生み出す「提案・考え方・メッセージ」があるということがハンドメイドの製造の意義ではないでしょうか(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

多くのバッグ製作者が悩む巾着バッグの入り口の隙間、緩さをそのまま受け入れ内側の内蔵巾着袋でしっかり補填した【315】

アイキャッチ画像315

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在同時に5点のリュックを製作中、同型3点で生地違いと別型3点で生地が同じという部分的な共通点を持つことの同時進行の効率性を確かめています。

途中までは、生地が違っても同じパーツを同時進行することが効率が良いと感じました↓。

生地違いで同じパーツの同時進行:糸の色は交換しますが、作業としては連続するのでスムーズだと感じました。
生地が同じでデザイン違いの3種同時進行:糸の色を交換する手間がなく共通パーツもありスムーズな感触でした。

その後の作業は、1点ずつを一気に完成まで進めていくやり方が何となくスムーズな気がしています。

このたび全5点の最初の1点が完成、一気に最後まで行く過程を経て「巾着リュック」の完成に行き着きます。

「餅巾着」という名前を付け、ふんわりとした優しいリュックになったと思います。

蓋を開けると、そこには立派なもう1点のバッグ(巾着袋)が内蔵されている点、多層構造の面白い点です。

外側の蓋による隙間を覆うことの限界、内側の内蔵巾着袋の口が完全密閉される強味を持った美しい抽象柄の巾着リュック

当て芯:取っ手の付け根カバーの8角形パーツや入り口の留め具の6角形パーツの裏の当て芯は「ハード厚芯」。
底板の内蔵場面:表地(上)の「中表」と裏地(下)の「中表」の底同士がくっつくその間に挟みます。

写真に写せていませんが、挟む前に底の縫い代同士を部分的なステッチで囲い込みずれ防止をしています。

巾着リュックの完成(マルチペール抽象柄):<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。
使用生地:表地(マルチペール抽象柄)-ジャガード、ポリエステル/100%、イタリア製。裏地(くすみピンク)-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。
ショルダーの取り付け部分:底面のDカンタブにフックを引っかけて取り外し可能。
内蔵巾着袋の出来上がりの姿:完全設置なので取り出しできない点が安全。巾着ひもが複数のカオス状態(^_^;)。
新しい発見:内蔵巾着袋設置によって、新たなお部屋が生まれました。巾着底と裏地底の間も、立派な隠し部屋。
背負い面:何となく取っ手の付け位置がごつくなっているのは上の方過ぎるということかもしれません。
2way使い:巾着ひもを解いてトートバッグとしても使えます。内部の内蔵巾着袋は絞って閉じたままです。
お洋服とのコーデ例:中間色には中間色でまとめ上げ。シルバーグレーのカットソーとグレーのデニムです。

あとがき

どうしても隙間が解消されにくい巾着型のリュック。

多くがファスナーへシフトしてしまいがちな中、それでも巾着型の魅力というものがあるのです。

クシュっと縮む可愛さがあり、このフォルムは江戸時代から。。いやその前からあったであろう物理的な動きの誰かの発見が素晴らしく、是非継承したいのです。

ただ、こうも巾着を手で結ぶ作業が多いこのタイプは煩わしさを生み、その後は廃版と致しました。

当ブログ記事の「手直し」の2025.11.14現在ですが、この当時名付けた「餅巾着」という名前は、そのまま同じ名前でモデルチェンジしたナップサックになりました↓。

新型(2025年型)の「餅巾着」:どんな生地でも作れる厚みの悩みを解決した巾着ひもホールタブ型のデザイン。

ただ、こういったナップサックは「サブバッグ」的存在ですので、底板は内蔵せず畳める柔軟性も考えました。

要するに「メインバッグを作る」という立ち位置からは降りたということ、この決断には非常に納得しています。

とはいえ、時々の研究製作もあり、今回の「内蔵巾着袋」は時々利用する機能です。

背負うことで視界から遠ざかるリュックではなかなか躊躇するものですが、視界内のトートバッグなどでは有効。

抜け感たっぷりの開きっ放しのデザインでも内部にしっかりした安全性を実現することができるのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

大ぶりな宝石を装飾的に浮いた付け方の過去の日本人マダム達の風習、「らしさ」溢れる馴染み溶け込む装い方への発展【313】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「成熟へのジュエリー:光野桃 著/ジュエリースタイリスト:伊藤岬」を拝読。

かつては「成金」「マダム」よろしく、キラキラのお洋服にギラギラと大ぶりなジュエリーを付けていた人々が見られた時代があり、それが日本のジュエリーの装い方の特徴でもあったらしいのです。

確かにお品1点ずつは豪華で素晴らしいのですが、どこか「浮いた」ものに感じるのはなぜでしょうか。

そこには、「誇示」という意識が根本にあったと分析します。

「◯◯のふりをする」というような本来の自分に蓋をして大きく背伸びをした風習です。

「誇示」は、己とかけ離れたところにイメージを置く姿そのもの。

そんな点が身に着けている人物に対してジュエリーが浮いてしまう根本なのではないかと見ています。

一方、「ジュエリー大国」と呼ばれるイタリアでは、多くの人々が洋服になじむジュエリーの付けこなし方が伝統として受け継がれています。

このような姿は、おしゃれ度の高さだけでは語れない一面があると思います。

「成熟」という観点からは、冒頭の成金的な姿は「未熟」であるとも言えるのではないでしょうか。

ジュエリーが一人の人間にうまく馴染み溶け込んで映る姿が美しい、まずは己をよく知り全面的に受け入れる姿勢がそもそもの始点

「自分らしさ」はどう表現することができるのかを考えてまいります。

自分らしい表現はアウトプットの姿ですが、それ以前に自分についての理解・把握をすることが重要です。

冒頭の大ぶりジュエリーを違和感たっぷりに浮いた感じで付けてしまうのは、そもそも自分らしさに蓋をしている行為、自分を分析していないと言えます。

自分らしいジュエリーは決してそのような大ぶりではなく小さく1粒が煌めくようなアイテムだったかもしれないのです。

ということで、まずは自分分析が第一ということになると思います。

難しいことではありません、日々その時々の瞬間ごとに、自分の行動と共に己の性格を把握するだけで良いのです。

その代わり、良いも悪いも平等に受け入れなければ成り立ちません、悪い部分にも目を背けず素直に受け入れ理解する「正直さ」も必要です。

これが出来なければ、背伸びをしたような不似合いな付け方をこの先もしていくことになってしまうのです。

あとがき

意外にも、技術的なことではなくて、そもそも自分をちゃんと認めてあげるということがカギを握ると思えてなりません。

ここをしっかりと築いていった時に、素敵なコーデが出来上がってゆき、「おしゃれ」に映る結果を得ることに繋がると思うのです。

どうしてもジュエリーを付けることが「良く見せる」ということ1点にとらわれがちなのが現状。

本当はそうではなくて、本当の自分探しの結果自分を見つけた「証」のバッジみたいな姿であるとよいです。

拝読の本のタイトルの「成熟」は、そうした人間としての望ましい姿を説いたものだと解釈します。

ジュエリーがより本当の自分に近い存在になりますように。。と今後を願いながら、ここで筆をおきたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト

変8角形の取っ手付け根カバーは部品、裏にハード薄芯を貼り予め縫い固めることでシャープな多角形の角を美しく出した【312】

アイキャッチ画像312

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

5点同時進行のコンパクトなリュックを製作中です。

デザインが全く同じで生地違いとデザイン違いの同じ生地の両方を含み、同時進行の効率性を細かく確認する目的もあります。

各パーツを同じタイミングで作っていく進行の様子はこのようです↓。

バッグ5点分の取っ手作り:糸の色を交換する小休止も含みながら、全体としては同時に進行していくスタイル。

このような進行の中で、5点すべてに共通の「取っ手付け根カバー」の製作場面を写しました。

オクタゴン型の8角がシャープに美しく出るためにはどうすればよいかをしっかりと考えた回となります。

取っ手の付け根カバーはオクタゴン、硬めてしっかり折り込み事前の単独ステッチで部品のように整えた出来上がりのシャープさ

変8角形パーツの事前準備:接着芯貼り後型紙に当て正確に裁断。更にハード薄芯もボンド貼りしてあります。
過去の失敗例:出来上がりラインの不揃いの原因を解明。チャコペン使用を改め事前ステッチも取り入れます。
細い手芸用のペンを利用:消えるタイプですがボールペンでも全くかまいません。縫い代1cmを実線で印付け。
事前の縫い固め:本体に縫い付けと同時ではなく、事前に外枠を端から3mm程度でステッチして縫い硬めます。
完成した合格の変8角形パーツ:上下・左右がちゃんと平行なライン同士に出来上がりました。

このクリアなラインが、見た目の取っ手の美しさの一部となることが間違いないと思いました。

複数を引き続き製作した取っ手付け根カバーパーツ:この生地のみ3点分なので1点で4個x3点分=合計12個です。

このたびは8角形タイプですが、偶数の角の多角形はその他「四角」「六角」なども時々取り入れています。

奇数の「三角」「五角」は縫い代が隠せないので優れたパーツにはならないのです。

こうした必然が「なぜ8角形である必要があるのか」などの完成品に見る理由の部分になっていくのです。

あとがき

このたび改めて理解したことは「ハード薄芯」の役割。

ただ風合いをしっかり出すということのみならず、細かいパーツのはっきりしたラインも出してくれる「縁(ふち)の役割」のようなことです。

随分と重要なポジション、「不織布」の素晴らしさを見た回でした。

そして、縫い代1つの正確さは、先の細いペンを使用した実線という細かな部分においても出来上りに効果を上げるということです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

際立つポケットフラップのカーブもフラップトップの真っすぐ線の徹底あってこそ、縫い代を先に折っておく順番を決意【309】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

定番のシンプルデザイン、「らしさ」を入れ込むことでポケット1つ見ても製造者の特徴が感じられるようなこと。。まるでメロディーの1フレーズで作曲者を想像できることに似ています。

当バッグ製作においてもポケットは分かり易い作りながらも特徴あるもにと改良してまいりました。

1つにカーブがはっきりとしたフラップの存在があります。

このたびは、このフラップに関するトップの横線を美しくするための追求場面をお届けしたいと思います。

先に返し口のてっぺんの縫い代を折っておくフラップ作りの「先折り」、「後折り」では曖昧だったラインを遥かに超えた磨きを得た

トップ縫い代「後折り」:トップのラインが左右共に下り坂ラインに出来上がってしまう点が課題でした。

このような真っすぐではないラインになる理由は、「中表」の2枚をひっくり返し後に、「わ」になった状態で縫い代を折るからなのでした。

アイロン折りは、「わ」では正確さに欠けるというどうしようもない事情があったのです。

そこで、このたびこの点を見直しまして、「わ」になっていない段階でしっかりと折る「先折り」のやり方で新しいフラップを作ってみました↓。

「先折り」をした作り方:フラップの返し口のトップ線の縫い代を折ったままUの字。縫い始めは入り口の先端。
1周の固定ステッチ:てっぺん含むUの字も一続きで端から3mmを1周固定ステッチ。

後の見直しでは、Uの字のみステッチ→バッグ本体への縫い付け時に二重縫いで初めてステッチが入るというやり方へ変更しています。

トップ縫い代「先折り」:こちらの方がはるかに横線がシャープでまっすぐです。

歪んだラインになどなりようがありません。。というのも、先にはっきりと分かる状態でまっすぐにアイロンで折っていることがそのまま出来上がりに直結するからです。

本体への縫い付け完了:横線のシャープな真っすぐさは、かえってカーブラインの美しさも高めます。
貼り付けポケットの入り口も同様:形は違いますが「わ」で作る時の返し口がフラップと同様です。

これ以降、貼り付けポケットの入り口の真っすぐ線も「先折り」によって徹底することを決意しました。

「先折り」のデメリット:ただ1つデメリットとしては、後折りの時よりも両サイドの縫い代内部が混み合うこと。

しかし、このデメリットよりも、トップ線の真っすぐさのメリットを優先する選択をしたということです。

あとがき

「後折り」と「先折り」の比較において、「先折り」が真っすぐラインであるということがなかなか出来上り写真では劇的には感じません。

しかし、実際に製作した手応えとしては、「先折り」の方が「作り易さ」をしっかりと感じました。

さて、このようなわずかな部分を写したこのたびでしたが、完成の巾着リュックは【315】でご覧いただけます。

シンプルなデザインこそ、細部まで徹底追求することになるものです。

複雑であれば優れているということとは違う世界、分かり易さと共に「正直」であらねば成り立たないのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

口が開きっ放しのゆるーいトートバッグでさえも安全性は必要、裏地付きの作りの良いバッグみたいなおしゃれな内蔵巾着袋【307】

アイキャッチ画像307

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでバッグ作りにおいては、セキュリティー性を高める工夫に力を入れてまいりました。

バッグを開けた内部がすぐに見えないようなルーフ作り・入り口のDカンとナスカンコンビの留め具設置・共布サイドひもの設置などです。

このたびは、これまでの口を絞めるという動きとは切り口を変え、入り口の緩さの「抜け感」はいったん受け入れます。

その代わりに、内部を対極なクロージングな構造にしてみようというアイデアです。

当バッグ作りでは初めての考案、作りの良い巾着袋をそのまま内部に設置するというものです。

様々な抜け感あるトートバッグに引用できるアイデア、裏地付きで立派に作った巾着袋を左右のマチ底で挟み込み縫いの固定内蔵型

裏地付き巾着袋製作:巾着袋の表地・裏地は同じ「エステルポプリン」のくすみピンク。ひもホール製作場面。
巾着ひもホールの固定:上部をステッチで固定、内部の縫い代のヒラヒラが縫い閉じられます。

コの字ステッチは1枚仕立ての時にすでにかけてあります。

ホール底ステッチ:コの字ステッチの横線に等しい位置のトップから3.5cmの位置を1周ステッチ。
裏地付き巾着袋完成:これがバッグに内蔵されます。共布ひも先にはすずらんループエンドで素敵に♪。
単独の巾着袋との大きな違い:マチ底の縫い代をあえて外側に出している点が内蔵巾着袋の特徴です。

この後の作業では、裏地のマチにぴったりと合体して縫い代1.5cmで縫い付けます。

そして、挟み込む時に混み合う中で縫いこぼしが無いよう、この時点で端から5-7mm程度で2枚仕立てを重ねて縫っておくのです。

あとがき

出来上がった内蔵裏地付き巾着袋は単独でもそびえ立つ建物のようにしっかりとしたものです。

「ポプリン」は「ブロード」の織り糸よりも太い糸、出来上がりも立派になりました。

ほとんどのバッグ作りではこのような内蔵は計画されません。

しかし、こうして考案した以上、作って感触を得たいとコマを進めてまいりたいと思いました。

この続きは、リュックの内部に内蔵・Dカンとナスカンコンビのメイン留め具の設置・入り口すぐに左右の巾着ひも設置の3重のセキュリティーとなります。

完成の巾着リュックは、投稿の【315】でご覧いただけます。

ポケットの時でもあったような、セキュリティー性と使い勝手のスムーズさのバランスの見方からは、開閉がやや煩わしい3段階もの扉。

ただ、背中で目の行き届かないリュックにおいては、この口が完全に絞られる「内蔵巾着袋」は1つの大きな安心を得たことは間違いがないでしょう(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク