縫い目が埋もれて見にくいボア生地にかける二重ステッチの望ましいやり方【863】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在完成間近となった黒いボア素材のハンドメイドリュックです。

ボア素材はこのたび初めて取り扱ったのですが、いやはや、他の生地との大きな違いをいろんな場面で実感しました。

そうして大変よい勉強にもなりましたので、今回のこの製作も貴重な体験となりました。

細かいパーツを本体に縫い付ける時に、二重ステッチをかける場面が多く登場します。

その時に、通常の生地とは違う特徴が現れました。

二度縫いをするときの二度目の位置が分かりにくい悩みの解決

二重ステッチの時は、一度目ぐるり1周して、そのまま引き続き二度目を一度目に重ねてなぞっていくやり方をしています。

ところが今回のボア生地ではその二度目の位置が、ボアの中に一度目のステッチの跡が埋もれてよく分からないのです。

よく分からないままやった結果、裏側を見るととてもずれていて気持ちが良いものではありませんでした。

要するに汚い縫い目になっているということです。

ここを解決しようとしました。

まず、1周目は通常のように表側から見ながらステッチして、いったんそこで終わらせます。

その次に、2周目を裏面のハード薄芯に出ている1周目のステッチの糸目を見ながら、それをなぞっていくというやり方です。

二重ステッチの手順:一周目は表側からステッチ。
二周目は、1周目の縫い目が分かりやすい裏側のハード厚芯に出るステッチ通りになぞります。

そうすれば、二重ステッチが綺麗に重なることが実現できますね。

あとがき

完成間近の様子:あとはリュックのショルダーを取り付けて完成です。

細かいパーツは意外と重要で、目線が行くところです。

バッグの中ではアクセントの部分だと思っていますので、やはり綺麗に縫い付けたいものです。

今回はボア生地なのでいつものやり方と変える場面もあり、素材によってやり方もそのように対応していくことが良き学びとなりました。

次回は、いよいよ完成になります。

製作日数というのが、全体で約5日。

生地の裁断、芯貼りで1日、巾着袋製作で1日、裏地製作で1日、ダイヤキルトがけで1日、表地製作で1日です。

そうすると、1か月で5-6個完成がMAXの可能個数ということになります。

とても少ないですね(^_^;)。

だいぶ作り方も徹底してきましたので、現在考えていることが、このリュックをコンテンツにまとめようと思っています。

動画が分かりやすいですよね。

これまではPDF中心だったようであるコンテンツを、今後の新しい形として、動画でナレーションと字幕解説付きの分かりやすいものに仕上げて、1つのパッケージに作り上げようかと考え始めました。

またこのお話は、<事業>カテゴリーでもじっくりアップしたいと思います。

現在はその案を考えたところなので、後は、コンテンツにする技術を持っていない私がどう挑むのかという点が挑戦になります。

ただ、YOUTUBEは自分で編集しているので、動画は作ることは、一応できます。

最後のまとめ上げの技術などが要るのか要らないのか。

現在の編集ソフトで作ったものを商業利用しても良いのか。

その辺りを調べ中です。

いずれ、この製作手法をもっと具体的な分かりやすい形でまとめて多くの方と共有していこうと思っています(^-^)。

ハンドメイドリュックに使うハード厚芯のボンドが外れがちなことを解消するアイデア【797】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

基本的に、ハンドメイドバッグ製作の本体には、接着芯+ハード薄芯を貼ります。

このハード薄芯、何か矛盾したような名前と思われるかもしれません。ハードなのに薄い?という混乱。

実は、これは名前の区別で、もう1つハード厚芯たるものがあるのでその区別の言い回しになります。

実際その通りで、ハードなんだけど薄い方とハードでしかも厚みのある方と2種あります。

かつては、すべてをハード厚芯を本体に貼っていこうと思っていたこともありましたが、実際ハード厚芯を本体に使うことで重みがぐんと増します。

レザーに匹敵するような重厚感が出るのと同時に重さもあるわけです。

そうすると、軽くてハリコシも出せるハード薄芯を主体にしていくようになりました。

ハード厚芯を使う時の条件(自分で決めました)

ということで、ハード厚芯を本体に貼るということは、めったに使わなくなり久しいのですが、部分的には常に使っているんです。

それは、当て芯使いとして利用していること。

取っ手の補強、タブなど裏側に補強的にハード厚芯を当てて縫い付けることによって素材自体にかかる負担を軽減。

この効果はかなり感じていまして、出来上がりの表側からは全く見えない部分ですが、実は裏の構造というのがこういうことになっているのです。

左上:ハード厚芯の方を当て芯に使用したバッグの裏側(取っ手とDカンタブ)
右上:ハード薄芯の方を当て芯に使用したバッグの裏側(貼り付けポケット)

こうして、部分的にハード薄芯、ハード厚芯共に使用する場面もありながら、基本的には本体には、ハード薄芯を全面にボンドで端っこを貼り付けて挟み込むという作業をしています。

と、これをハード厚芯でやるとものすごくごわつき感が出ます。

このごわつき感は、出すべき時と、出さない方が良い時とを判断をして使い分けていく必要があるようです。

今回の場合は、本来ごわつき感を出すべきだったのを、ミスでハード薄芯の方を選択してしまったことで出来上がりが柔らかすぎたため、厚芯をさらに貼るという追加的なリフォームをしました。

ハード厚芯をボンドで貼る粘着力の限界をしつけ的な5mm巾ミシンステッチで対策するアイデア

裁縫用のボンドも使い過ぎては、風合いが損なわれます。

やはり見えない縁の縫い代内だけにボンドを使いたいわけです。

そうしますと、ハード厚芯のごわごわしたものは、作業の途中の動きによってすぐにボンドがはがれやすくなります。

乾かして、ある程度接着はしますが、それでもところどころ折り曲げた時などにはがれたりする経験を幾度となくしてきました。

そこで、こんなアイデアを思いつきました。

縫い代の1.5cmのピンクの印がご覧になることができるかと思いますが、この内側に針目が5mmの粗いステッチを一周ずっとかけてしまうという対策です。

これをすることで、その後の作業の折り曲げなどでもボンドがはがれたりピラピラとハード厚芯が生地から分離したりすることが防げます。

いわゆる固定です。

これをするにも、しわが寄らぬよう気を付けたりはしなければならないですが、この効果は十分に感じています。

私の場合、ボンドの範囲内ということと、ピラピラを極力防ぐためになるべく先端周辺の縫い代の端から2-3mmの位置を縫います。

まるで仕付け糸のようですね。ミシンで行う仕付け糸と言ったところです。これは最後まで外しません。出来上がっても内部で永久に残っていくものです。

あとがき

邪道と呼ばれるのかもしれませんが、間違いなく効果を感じています。

これによって、生地がかえってゆがんだりすることは注意せねばなりませんので、メリットだらけではないことだということも同時にお伝えしておきたい。

けれども、どうしても困った時の究極の時には、こういったことも取り入れて、とにかく、縫い外れなどが起こらぬようにすることを優先にしています。

あと、ハード厚芯を本体に前面に貼るということで、ハード薄芯に比べてぐんと重さが増します。

せっかく背中に楽に背負えるリュックなので、重くなることは本当はあまり良くないのですが、それよりも優先する何かがある時だけ、このハード厚芯を本体に入れ、今回のしつけ5mmステッチのアイデアも併用して活用できる工夫を考えてみたわけです。

結局のところ、最終地点は良いお品を作ることです。

そこへ向かうために今回のような工夫も効果はあると実体験から感じたのでご紹介致しました(^-^)。