量産品のエコバッグのステッチの糸目は粗い、緻密なハンドメイドバッグが良質な商品になるための3mmステッチの価値【1289】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近楽器ケースなどをふんわりキルトステッチなどを盛り込み、大きなバッグというものを作る機会が多くありました。

その時に、ただでさえ時間がかかり過ぎるキルトのステッチを、楽器ケースであることもあり、通常3mmのところを5mmの糸目に変えて作ってみたのです。

その結果、2mmの差の作業の効率の大きさに驚きました。

ぐんぐんとミシンが進み、進捗度が劇的に高まりました。

なるほど、量産品に見られるあのステッチの糸目の粗さはこの「効率」を重視したものだと実感したのです。

この度お伝えしたいこと、それは3mmのステッチと5mmのステッチの違いを実際に体験した私が、それでも3mmの方に価値があるという結論に至ったというその理由です。

5mmはよくあるお品にしかならない、3mmはハンドメイドらしい緻密さと良質さがその糸目だけで伝わる

糸目の比較:3mmの方がしっかりと生地の中に埋まり、緻密。
5mmも場合によっては有効的ですがやはり粗いです。

5mmを使った場所というのが、大きなケースの場合のキルトともう1つは、見えない部分なのですが、タブなどの仮固定の仕付け糸のような役割の箇所でした。

キルトもしっかり待ち針を内側にも均等に打ち、長いステッチの中で途中しわやタックが寄ってしまわないように気を付ける必要があります。

その時に、3mmだと生地にぎゅっと圧力がかかりますので、よりそういったリスクが高まります。

5mmだと、ステッチの糸目の巾の空間でそれを解消してくれる役割があることも知りました。

よって、ケースバイケース。

大きなバッグの場合その糸目のパット見が粗く感じなく、反対に小さいバッグは、糸目が粗いとバッグがコンパクトなために目立ってしまうのです。

ということで、5mmのステッチはこれまで頻繁には採用せず、ほとんどすべては、3mmのステッチで緻密に縫っています。

3mmのお品と5mmのお品の長い目で見た比較

冒頭でもお話させていただきましたように、5mmというのは量産品ではよくある糸目ですので、何もまずいこともありません。

それでも、ここまで多くのお品があふれている中での差別化としては強いものではないです。

また、せっかくの素敵な生地に対して、5mmであることで、生地の良さも糸目によって影響があります。

やはり緻密な糸目は美しいバッグ全体を作っていく為の重要な「デザイン」の1つとまで言えるのではないかと思います。

長く持ち続けていけるバッグの継続のジャッジの時に、「作りの良さ」が判断基準になることも必ずあるかと思います。

手放すにしても、別の人が良いと思ってくれるかもしれない、そうして、ヴィンテージバッグみたいに、長い間入手されていくお品というのは陰にこういった隠れた「手間」があることもあります。

いかにも粗悪な作りのお品を逆に考えてみると、ステッチに必ずその様子が現れていると言えます。

粗くきちんと縫われていないというものに愛着や良質さはなかなか感じられません。

生地が素敵なのに、ステッチだけが粗いなあということであれば、縫い直しも検討することだって無駄ではないかもしれません。

ただ、お品というものはやはりバランスが考えられていて、良い生地には良い仕立てがされているものです。

一度、雑貨1つお店で見るにしても、ステッチの糸目に注目するという見方をしてみてくださると、なるほどと思えるかもしれません。

あとがき

「縫い」という工程は必ずミシン物ではその「跡」を残すものです。

ただ布と布をつなぐ役割だけではなく「装飾でありデザインである」ことを思えば、ステッチの1目1目が丁寧に最大のコンディションで施されたものでありたいと意識することになります。

YOUTUBE動画の中でもお話したのですが、じゃあ細かければ良いかというと、そうではないです。

2mm程の細かいステッチは、かえってバッグの迫力を失います。

やはり、緻密でありながらも迫力があるベストなバランスの糸目が3mmであると私は考えています。

テトロン糸などは特にツヤがあり、3mmの糸目の縫われたそのバッグはステッチのつややかさを感じうっとりとする瞬間もあるのです(^-^)。

職業用ミシンでも限界の難関箇所、四つ折り同士の重なりの更なる縫い付けを可能にするテク【1064】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグをこれまでたくさん製作してきました。

その中で、丈夫な良いお品を作ろうとすると必ず出てくるのが、「難関箇所」です。

長い時間をかけて作るものには、この難関の箇所は存在するのではないでしょうか。

今回は、私自身が経験した、生地の厚みからミシンが重くて糸が切れたり、糸目が飛んだりと苦労した場面を振り返りながら、それでも何とかして完成させていきたいという大切な場面でお役に立てるかもしれないテクニックを1つご紹介したいと思います。

きっかけは、2度目には縫えたことから。。。

このショルダーの引っ掛けられているナスカンとのつなぎ目に、四つ折りをさらに2倍に重ねて縫っていますね。こういったところがハンドメイドバッグ製作では難関箇所の1つになります。生地だけでなく、中には接着芯も貼っています。内部構造がミルフィーユのように重なっているのです。

まだ、上のスポーツメッシュという生地は、柔らかくしなやかなので、針が通りやすいです。メッシュなので穴も開いていますしね。

こうして、素材を工夫するというのが1つ手としてはあるのですが、どうしても硬めの厚い生地で作りたい場合には、当然ここが職業用ミシンの限界を感じるような厚みになります。

厚みと共に硬さも大いに影響しますので、厚くてもずっしりと沈むような粗い織り目の場合は大丈夫なこともあります。

それで、こういう箇所はやはり何度か行ったり来たりミシンを走らせながら返し縫いをしていかねば丈夫に固定されません。

返し縫いも向きそのものを帰りの時に正位置向きにあえてひっくり返す手もありますが、針がきちんと通るかということとはこのことはあまり関係が無いように思います。

それで、下のような案です。

①左:糸を通さずに、針だけで穴をあけることをミシンで行う 
②右:開けた針穴を意識しながら実際に糸を通して縫う

①のように、事前に針だけで空縫いのようなことをしておきます。

そうすると押さえによって地がならされることと、糸の通り道が作られて縫いやすくなります。

そして、②の通り糸を実際に通して縫うということです。

このやり方を気付いたのが、一度目に糸がプッツンと途中で切れて、ほどいてやり直した2度目にはうまくいくことがあったことからヒントを得ました。

ただ、これも不可能な場合もありますので、何度やってもだめなら、その生地が限界を超えているということであきらめねばなりません。

何度もやり直しは、生地をいためますので、生地がかわいそうです。

まだ完成していない状態なので、生地を優しく扱ってあげることは製造者の心得です。

せっかくここまで作ってきてここであきらめたくないという場合に考える1つの策としては今回の策はご紹介する価値はあるかと思いました、

絶対ということではないですけで、可能性がある対策ということで何かの時に思い出してみて下さいませ(^-^)。

あとがき

今回のように、教科書には書かれていない、実体験からの特殊なコツとかやってみないと生まれてこなかった策などを今後もご紹介していけたらと思います。

実際に喜んでいただけると、私の方も長い間ハンドメイドバッグをあれこれ作ってきたこれまでの意味もあると言えますので光栄です(^-^)。