製造する商品にサステイナブルな意識をこめる決意【645】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「サステイナブル」への意識がいよいよ本格的に高まってきている様子です。

好きなブランドが毛皮をやめた、本革に替わる代替素材を製造し始めているなどの情報から、もう実際に作り手が始動し始めているのを目にします。

結果本当にそれがサステイナブルなのかなどのこともありますが、その意識は第一歩と言えるかと思いました。

私もそんなことに触発されて、自分の作っているものを改めて見返しています。

ある1冊の本より

このたび、途中までで返却してしまいましたが、また続きを読む予定の本、「グリーンファッション入門―サステイナブル社会を形成していくために:田中めぐみ 著」を3/4くらいまで読んで、なるほどといった点などをご紹介したいと思います。

3点程私が印象に強く残った部分を話題としてピックアップしました。

まず1点目です。

1)完全には不可能、できることをする

ということです。サステイナブルに関しては、何か法律などがあるわけではない、あくまで、それぞれの意識で自らが進んで踏み込んでいかないとなかなか進んでいかないとのこと。

普通はなかなか強引な力にでも引っ張られないと人間は動かないもの。

よって、その点があまりり急速に進むものではないだろう点だとのことです。

そして、完璧なサステイナブル商品ということは不可能であり、一部に取り込んだりなどの可能な範囲内でということになるようです。

完全というのがとても難しいようです。

2)リサイクルするためのエネルギーや化学薬品が実際には必要

やはりリサイクルというのも企業活動ですので、そのためのエネルギーや化学薬品の使用は無しというわけには進みません。

けれども、そのまま環境を汚染したままであるのと比較した時に、このリサイクルするための目的でのエネルギーとか薬品ははるかに環境にやさしいとのこと。

そうなんですって。

ここはとても良いポイントだと思いました。リサイクルするためにまたさらなる費用やエネルギーを使ってしまうジレンマがあっても、その必要な部分というのは何もせず放置よりもはるかにエコであるとはっきり述べている点が興味深いです。

この点は反論として必ず言われてくるだろうことなので、結局何をしているのか分からないのでは。。というような否定的な意見にも強い説得力があります。

3点目です。

3)「ループを閉じる」というキーワードが目指す部分

ループを閉じるというのは、製造されたお品が再び使われて、ずーっと循環していくようなイメージで、外に余剰在庫とか廃棄処分などのようにもれることがない1つのつながった枠の中で一度製造された商品が生き続けるサイクルができるというもの。

これが理想のサステイナブルな商品のサイクルができている目指すべき構造であるとのことなんです。

自分の製造する商品への意識

ここ最近、たまたまですが、私も、将来いつか外れる可能性が幾分かある打ち込みの金具パーツを取りやめる決意をしたところでした。

実際、以前に自作したアイレットカンの取っ手の穴が、重いものを入れてバッグを持った時の負担で、先日ポンッと外れました、中から布をポンチでくり抜いた縫い代のゲジゲジが見え、使えないものになり、廃棄処分です。

このような危ういお品を作っていたのかと思うと背筋がひんやり(+_+)。

長い目で見て、長く使えるお品ではなかったのです。

パーツが重さに耐えかねて外れてしまえば、ほぼそこで終了。

アイレットカンをリフォームで今一度打ち込むことも、サイズがそのままではもう通用しなかったり、工夫が必要なコストのかかるリフォームが待っています。

そこにかかった余計なコストとの天秤で、結局廃棄して新しいものを購入の意向ということになり、もったいないお品だったということになるわけです。

こういうことを一切なくしたくて、シンプルでもいい、ミシンの縫いで確実に固定されたお品の方がかえって長持ちのお品だというところにたどりつきます。

そういったことをずっと考えてきて、今の見た目のかっこよさとか、使う前だけの装飾の素敵さなどが本当に長続きするものなのかをちゃんと考えて作っていこうということを考えていたところです。

私にできることなどほんの僅かですが、長持ちできる商品を作っていくということがまずその意識としてできることだし、自分がそうしたいと思ってきたことです。

すぐには捨てられないような価値のあるお品を作るということだけでもサステイナブルな意識が入ったものになるのではないかと考えます。

そうして、完璧な100%サステイナブル商品というところまでいかなくとも、ステイナブルな意識を込めた商品を作ろうとすることからのスタートをまず切ることでは。。

あとがき

おそらく環境の汚染に関しての問題は綺麗ごとではすまなくなっていくかと思います。

本当にそこまで飾ったものが必要なのか、その素材をどうしても使う必要があるのかなど素材1つにも関係があるんです。

新しいものを購入するのではない、古いすでにあるお品の中から良いものを選んでいく中古品も、とても良いサステイナブル商品であると思います。

前述の「ループを閉じる」というところに到達するには、例えば、古着であると、まず着たいと思うようなデザインに直すということも必要になってくるかと思います。

私自身の場合で考えると、自分ではそういったリフォームやリメイクをしていても、他の人への提供となると金銭がかかわり、商標権の侵害の問題が起きて壁にぶち当たります。

そんなあたりも解決できたらいいのに。。といつも思います。

環境に考慮したお品が上手くサイクルするためには、そのリサイクル自体がやりやすい環境なども必要になってくると思います。

だから一人ではできることって限られてしまうし、制約が出てくる部分にぶち当たるとなかなか進まないのですね。

サステイナブルなお品を作ることができる「環境」というのがむしろ今後の課題ですね。

型紙がバラバラになってしまっても、どのデザインのどのパーツなのかが必ず分かる型紙シールの存在感【353】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近デザインのを固定して、「ブランディング」を打ち出せないかと考えます。

一見敷居が高いような言葉ですが、1点もしくは複数のラインナップをパッと見て、「ここの品物だ」分かるようなハンドメイドバッグにしていこうというもので、競争の中では当たり前のことです。

そうした中で、デザインをしぼって少数にしました。

型紙のパーツ1つ1つを大切にする為に、型紙の整理整頓を兼ね、型紙1枚ずつにシールを貼って、その内容を示していきました。

そこに記載されていることは、①デザイン名、②パーツ名、③材料ごとの枚数です。

では、そのシール中心に型紙収納をひっくるめた整理整頓の様子をどうぞ。

どの型紙にも右下に「内容シール」が貼られる整然さが良い物を作ることに繋がるかもしれないと実感

型紙をパッと見てどこのパーツかは自身は分かります。

しかし、それでは不十分なのです。

先のことは分からないけれども、もし、人にこのことを伝えるとしたら。。を考えるべきだと常に思っています。

そうすると、まっさらのただのパーツでは事足りません。

そして、長い間使わないと記憶も薄れるものです。

よって、「内容シール」というものを考え、最低限を型紙に記します。

内容シールの印刷:「エーワン」ラベルシールの12マスの「#72312」というタイプの角丸のシール。

もともと宛名シールとして売られているものです。

内容シールの中身:一番上にバッグのデザインの名前、その下には一般的な名称、その下には該当パーツの名前。

一番下の田の字の4箇所は、表地、裏地、薄芯、ハード/ソフト芯などを記載する位置。

左上から時計回りに、表地、裏地、接着芯(薄芯と表現)、別芯(ハード薄芯など)と枠に記載する反物の材料の位置を決めています。

空欄ならば「その位置の材料は使わない」という意味で、数字はパーツの枚数。

基本的に、このラベルシール1枚をパーツの右下に貼りますが、小さなサイズの型紙のはラベルシールの端をカット。

ラベルシールをパーツに折り曲げたりして無理矢理貼ると、外枠の線の歪みの原因になりますので、必ず、型紙の枠内に収まる大きさに「シール自体をカットする」ということをします。

小さすぎる特殊なパーツに内容シールを貼る場合のカットの仕方

小さなパーツにシールを貼る場合:この2つは、左がショルダータブ、右が取っ手付け根タブです。
とても小さなパーツのシールは半分使い:シールがパーツ内に収まるよう、半分ずつ使います。

その他、特殊なシールの貼り方をする必要があるのが細長い巾着ひもパーツ。

縦の幅が足りない場合の細長いパーツの場合:こういう場合は、シールを縦に分割。仕方がないです。

さて、ここであることにお気づきでは?。なぜ右の端に貼っているのかです。

これにも理由があります。次はシール事態を貼る位置についてのお話です。

シールを「右下」に統一、パーツが見つけやすくなる

シールを貼る位置を右下と決めることで、その部分がたたんだ時も見えるようにたたむということになります。

パーツと言ってもいろいろなパーツがありますので、3つほどご紹介します。

角が削られたパーツの場合:削られた角はよけて、全体で右下の位置に貼ります。

型紙を2枚に折りたたんだ時に右下の方のこのシールが顔を見せているのがポイントです。

右下という位置が無い場合:シールの幅が型紙の幅に近いので、こういう場合は、右の真ん中です。

横長なので3つほどに折りたたみますが、この部分が顔を見せるようにたたみます。

右下がカーブになった場合:こういったカーブの場合も全体で右下の方になるような位置で良いです。

十文字に折りたたみますが、たたんだ状態で、この右下部分が顔を出すようにたたみます。

さて、ここで何かお気づきでしょうか。

方眼紙の矢印の向きがすべて下を向いていることにお気づきであればするどいです。

この矢印はいろんな意味で都合よく「必須条件」として使うことができます。

次にこの矢印の使い方、「どのような意味で使っているか」のご紹介です。

型紙用紙の矢印の向きの意味2つ、①地の目の向き②柄や毛並みの天地の向き

あくまで私が決めた矢印の使い方なので、用途によってはいろいろ考えられますので、その点は悪しからず。

矢印の向きが下向きが正位置:①「縦向き」を表す地の目の向き、②柄や毛並みの「天地の向き」。

例えば、誰が見ても向きが1つだけの柄があります。

このお花柄は、向きがあり、すべてが、お花が咲いているようなこの向きにジャカードが施されています。

そういった向きの決まった柄にもこの矢印は有効、必ず矢印の矢が地面側を向くということです。

また、こういった好みによって使い方の向きが分かれる柄も、使い手としては、ちぐはぐではなく統一したいですので、この矢印が活きるのです。

うろこのような柄。自身この向きが美しいと感じましたが、製作者様によっては、反対を好まれるかもしれない。

もともと生地に使用する向きは自由ですので、抽象的な柄とか幾何柄なども自分で決めた向きで製作できるという柔軟な柄とも言えます。

ファスナータブに話が戻りますが、もし、このファスナータブに貼るシールをを間違えて反対向きに貼ったらどうなるか。。です。

シールの貼り方が反対。まるでタブのカーブが下を向くような感じに思えてしまいます。

なぜこの写真があるかというと、実は自身が間違えて反対に貼っていたからです。

タブのカーブは天地でいうと、天の方になるのが正解。

タブの向きは、カーブが天地の「天」の向きであることで、矢印がこの状態で下向きになっている型紙が正解。

それが分かっていたとしても、この間違った向きにシールが貼ってある、もしくは、矢印の向きが反対の状態のタブでバッグを製作した場合問題があります。

お花柄の向きが反対に出来上がったり、うろこ柄が自分が決めた向きではない反対向きに出来上がってしまい、パーツごとの柄の向きが天地が不統一になってしまうのです。

そんなバッグが美しいと言えるでしょうか、いいえ美しくはないでしょう。

整然と同じ向きに整えられている方がはるかに美しいのです。

柄は一部だから運よく分からないという結果になれたとしても、毛並みのあるようなファーなどは、見た目の毛並みの向きの違いとか、目に映る色も濃淡ができてしまいます。

こういったことが完成した時に起こるととても悲劇。

そうならないために、まずは土台の型紙をしっかりしたものに、緻密に作っておくことの大切さが分かります。

たかが紙にシールを貼っただけということでは決してないのです。

あとがき

今回は、型紙の整理整頓の風景と細かな工夫の箇所をご紹介しました。

やはり細かく気を付けたりするのもすべては良質なバッグを作るためです。

最後にこの「パターン用紙」をご紹介して締めくくりたいと思います。

この型紙用紙に出会ってからというもの、作業が大変スムーズになりました。

あまり定規を使わなくてよいため、実験とかシミュレーション的なこともスピーディーになりました。

まだ幅の狭いタイプが入手できた頃のもので幅50cmタイプですが、現在は1mくらいのものが基本的なアパレル向けパターン用紙となっているようです。

ハンドメイドバッグでは、断然50cmの狭い方が使いやすいのですが。。

これより大きなものを作る時は、つなげてのりで貼って使います。

この短いバージョンは、現在ではレアとなってしまいました。

以上、いろいろなことを書いてしまいましたが、目指すところは、「良質な商品」です。

すべては、きちんと整理整頓するところが基盤になるのではないかと思えて仕方がありません。

「整然」が「成功」につながりますよう(^-^)。