レース=エレガントなどの公式は無用、シートベルトのカジュアル素材をエレガントに寄せた「どこんじょパッチワークバッグ」【127】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

picturesqueが始動した2018年、メンズライクのバッグから始めていきました。

その時に、2WAYを意識して、丈夫なショルダーを取り付けようと、1ロール(50m巻)で黒と茶のナイロンベルトを購入。

巾は40mm。結構ごついタイプで、素材としては車のシートベルトに該当するものです。

丈夫さとか品質の良さというのは日本製であることからも安心できるものですが、これをそのまま、「ベルト」として利用するとよくある普遍的なごついものになってしまいます。

ここ最近は「エレガント」がテーマですから、こんなごつめの素材でも工夫できないかと考案。

そうして、たどり着いたのが、ベルトをカットしてパッチワーク仕立てにすることでした。

ここからは、端を折り曲げることが出来そうもないこの硬いベルトをいかにして、縫い繋げていくかという方向に工夫を凝らしていくことになります。

シートベルト材の特徴を利用した使い方

パッチワークボーダーシートを作る前の車のシートベルト材。
:廃材ではないので新品です。ナイロン/100%で日本製。
シートベルト材の柄の違い:左の黒はプレーンな感じで硬め。右の茶は柄が入っていてやわらかめ。

今まで使った分量がが黒の方が多かったので残りに差があります。バッグで言うと、黒1点分、茶は2点分です。

これらをパッチワークボーダーにしたらどんな感じになるのか、楽しみになってきました。

そうして作っていく中で、バッグになった時に実際使っていく上でのメリット、デメリットをどんどん感じずにはいられませんでした。

まず、メリットです。

・とにかくスタイリッシュで高級感がある。・・・ナイロン/100%なのでごわっとした頑丈なイメージ。しかし、ベルトだけの使用よりも重なって集まることでツヤが増し上品になりました。

黒のパッチワークボーダーシート。ここからやっと裁断がスタートできます。
40mm巾のベルトを1cmの縫い代でシングルのパッチワークにしました。
重なりが1cm分だけ隠れて、巾30mmのボーダー柄となります。
こうしたパッチワークタイプのバッグの中では、この巾の狭さは、かなり緻密であると言えます。

ひたすらボーダー状にミシンで縫っていって出来上がったシート。

これには、「どこんじょパッチワーク」という名前を付けました。

黒の場合14段のボーダーです。

シートを見るだけでも美しいと感じます。

そして、メリット2点目。

・思ったよりミシンの針が刺さるので作業は完結できるものである。

これはとても大事です。

縫えない部分があるのは、致命的ですものね。

このように接着芯を貼った裏地と重ねて縫ってもサクッと針が刺さります。

押さえについては、厚物用のこういった白いタイプを使用しました。

今のところ得に金属とこの白いシリコンのような素材との違いは実感していませんが、変なアタリ防止に良いのかも??的なことは思います。

そのように推奨されている情報を見つけたので変えているだけなので、もっとちゃんとしたことが実感できて分かったことがあった時には、改めて押さえについての内容をブログ記事にしたいと思います。

そして、メリット3点目。これがメリットの最後です。

・縫い代が綺麗に始末されていることをうまく利用できる

バッグは基本的に縫い代を隠すものです。

ただ、このベルトの場合特殊です。縁がほつれないようにきれいな始末が施してある工業製品。

これをうまく利用して、てっぺんの入り口付近は、わざわざ折り曲げません。

中側に縫い付ける裏地の丈を縫い代分長めに採寸して、裏地だけを縫い代を隠すというやり方をしました。

そうするとてっぺんのラインが既存のまっすぐな工業製作のラインです。

てっぺんは、ベルトの素材の始末そのままの綺麗さとまっすぐさを活かします。
裏地のみ折り曲げて縫い代を隠すやり方です。

では、続いて、デメリット行きますね。

・裁断方向によってはサクサクに裂けてしまってばらばらになってしまうので、カットの仕方やデザインが限定される

このように、ベルトの途中の部分で横向きにハサミを入れると、ものの見事にサクサクと裂けます。
マチもこのボーダーのラインを避けてカットするという必然性が生まれます。

ここは、パンクに注意する箇所です。

もっと言うなら、このラインに接着芯をラッピングする用に貼って、ほつれを覆った上に縫い付けるというのも対策です。

そして、デメリット2点目。

・とにかく、重い。

軽いバッグを持ちたい人にはやや難しいものです。

ナイロン生地は軽いイメージがあるかもしれませんが、このように糸が幾重にも束ねられ固まったベルトの状態というのは重さがあるものです。

ロール状になったものを運ぶ時もよいしょといった石を持ち上げるような感じだったので、これがいくつも重なったパッチワークのまとまりは重いのが当然です。

そこは本革が重いからデメリットであるということと全く同じです。

本革にもよりますが、結構な厚みの本革と匹敵するくらいだといった重みの具合です。

これぐらいですね。あと細かい、取っ手が凝ったものにならないとか、その辺りは、すべて1点目に入れたいと思います。

ということでメリット、デメリットが当然両方存在しています。

そこで、私が工夫できることは、デメリットをメリットになるような方向に工夫することです。

重いというデメリットは、持ち方が楽な持ち方ができるよう肩から掛けられる、ショルダーが付いている、リュックで背負えるデザインである、などです。

いろいろなデザインが見込めない点は、裏地を華やかな色でラメ使いなものでかっこよくチョイスしたところでそのおしゃれ感を高める工夫をしました。

完成した3点を見てみる

トートバッグ2点とリュック1点出来上がりました。正面から時計回りにまいります。
<トートバッグ:黒xピンク>縦29cm横33cmxマチ18cm。
<リュック:茶xオレンジ>縦34cmx横33cmxマチ18cm。
<トートバッグ:茶x茶キルト>縦33cmx横41cmxマチ7cm。

デザインとしてはそれほど凝ったものにはできないのがこの素材。

それでも存在感ある素敵なものになりました。

口があまり塞がらないことのデメリットも裏地のコントラストがチラリと見える素敵さでデザインの1つということに寄せます。

革がライバルとなると同じように重いのですから、+α的なメリットがないといけません。

通常普段によく取っ手に使われている日常品のようなシートベルトだからこそ、意外な高級感を出したいものです。

安っぽくならない秘訣として、大変な「どこんじょパッチワーク」をひたすらまめに延々と縫った緻密さも実ったようです。

その結果は、数枚を粗めにつなげたパッチワークよりも、何かずっと眺めていたいような無地ボーダーの美しさがあります。

あとがき

もともと今回のナイロンベルトを使ったバッグ製作のきっかけは、冒頭での記述の通り、カジュアルテイストからの変化で余ってしまった材料があり「困った状態」であったことでした。

1ロール(50m巻)という結構な量を先に調達してしまうと、後で意向が変わった時にこうして考案せねばなりません。

それがこういった工夫が生まれて良かったと今は思っていますが、ここから得られるもう1つの教訓は、「在庫を持ちすぎない」ことというのもあります。

ついつい原価を考えるあまり、大量に購入した方がお得感があると思ってしまいますが、それは全部使い切って言えることなのです。

今後の「棚卸資産」の管理の考え方にも大きく影響を与えてくれました。

さて、エレガントといっても奥は深く、「カジュアル素材のエレガント寄り」などすべては、感じるテイストなので、公式に当てはめたような、レース=エレガントというような考え方でもないところが一番最後にお伝えしたいこと。

そういったテイストの出し方というのは、私ならではのことであったのですが、しかし、誰でもこの考え方を取り入れることは可能です。

言葉だけの一人歩きは禁物、言葉としては少し曖昧ですが、「〇〇寄り」「〇〇テイスト」というものが素敵な「バランス」や「スタイル」を作って行くのだと考えます(^-^)。

ポケットが付いていないならポーチを作ってお部屋を1つ追加する案【104】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、<黒白ボーダーシリーズ>いうタイトルで、3点黒白ボーダーのバッグだけを作っていくという、細かな部分にスポットを当てたシリーズです。

とはいえ、黒白ボーダーは洋服でも、王道の柄。

今や当たり前というか、どこにでも散在するようなイメージかもしれません。

それほど、珍しい柄でもなく、広く行き渡って知られた柄で、黒白ボーダーのお洋服は日常着のイメージなのかな。

だからこそ、ひょっとすると逆に素敵な物を選びだすことが難しく、その点がセンスの見せどころである思う時があります。

黒白ボーダーでもいろいろなテイストに分かれていて、粗いピッチなのか、細かいピッチなのかなど、黒白ボーダーと的を絞ったようでも、さらにそこから細かく分かれています。

昔懐かしい1980年代に着た黒白ボーダーの洋服の記憶のイメージ

私も、その昔子供の頃に黒白ボーダーの洋服を着ていたことを覚えています。

2点ほど記憶にあるのですが、1つは、小学校の6年生あたりに、卒業の写真撮影用もあって、洋服を新調した時だったと思います。

なので、探せば、きっと写真は出てくると思うのですが、ノースリーブに胸にリボンが共布で付いていたドレスライクのもの。

小学生にしては大人っぽいノースリーブ。

黒白というよりチャコールグレー×生成でした。

そのノースリは、ニットでやわらかくて薄手の春夏素材。

そして、ボトムのスカートは裏地付きのかぎ針ニットのひざ丈スカート。

こちらが濃グレー。

ボーダーの濃グレーとスカートの色がマッチしていたかと記憶しています。

なんか思い出しているとその写真が見たくてワクワクしてきました。

もう1点は、中学生の頃だったかと思います。

半袖の黒白ボーダーなのですけれど、ボーダーのピッチが2cm巾ほどあるやや太め。

得にどこかのブランドということでもなかったと思いますが、着やすくて、合わせやすくて何度も着た記憶です。

ネックのラインのラッピングが、白い生地で行ってあったということが爽やかに見える1つの特徴であったかもしれません。

ボトムには、デニムのミニスカートを合わせていたかと思います。

ブルー色の薄い色のデニムが、黒白ボーダーとロックっぽいテイストでてっぱんコンビです♪。

という、私なりの黒白ボーダーのお洋服の思い出の記憶のお話でした。

このことが何らかこの度のボーダーのポーチ製作に影響しているのではと思い呼び起こしてみたエピソードです。

ポーチに手間をかけたパッチワークボーダーに仕立てる

もともと黒白パッチワークボーダーのみのボディーバッグを作ってありました。

その様子は、【101】の投稿でお伝えしました。

もともと<はぎれシリーズ>の一環として作ったものですから、ポケットが付いてなかったのです。

しかし、出来上がりがなかなか立派なものになったので、ポケットが無いことのフォローを兼ねて、セット物にしていこうと試みたのが今回のボーダーのポーチの追加です。

バッグの中で使用するポーチですが、サイズもたっぷりとあります。

左-黒白パッチワークボーダーボディーバッグ:<サイズ>縦21cmx横21/26cmx✖マチ10cm。
右-黒白パッチワークボーダーポーチ:<サイズ>縦19cmx横16cmxマチ無し。
<表地-黒と白>スポーツメッシュ、ナイロン/94%、ポリウレタン/6%、日本製。
<裏地-黒:バッグ用>ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。
<裏地-グレー:ポーチ用>素材名不明、綿/100%、日本製。

バッグの中にポーチは一応入ります。

結構ここまで細かいパッチワークボーダーは手が込んであることになります。

先端の色に合わせたラッピングの色を選ぶことで柄の流れがスムーズに映ります。

端同士をオフと黒とで、ラッピング布を使い分けていますね。

あとがき

1980年代のお洋服のエピソードをたくさん書かせていただきましたのは、実はあそこに今回のヒントが入っているのではないかと感じているからです。

ボーダーの巾の違いを複数の黒白ボーダーでお洋服で着用体験済みであったということ。

粗い方をボディーバッグに、細かい方をポーチにという発想が出来たことが何かしら過去からヒントを得ていると思います。

また、小学生の時のノースリーブのセットアップのお洋服は、おそらく卒業のアルバムの撮影用に買ってもらったお洋服でドレスライクです。

そして、下に合わせたチャコールグレーのスカートがニット編みだったので、今回のニットの素材の凹凸感あるスポーツメッシュという生地を使ったボーダーという選択も何かしらそこにリンクしているかのようです。

小さいころの感覚というのは結構あなどれません。

何気なく見たもの、聞いたものこそかえって何十年も経過した今思い出すこともあるものです。

人の、「ひらめき」とか「発想」というのは、ここ最近の学びとか見地からだけではない、生まれてからここまで歩んできた道の途中にあったすべてのことに結びついたものであると思います。

そう考えると、これまでの長い時間は決して無駄ではないということです(^-^)。

モノクロだけでも美しいマルチカラーになることの発見【58】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、長財布と携帯電話+α程度が入るようなコンパクトなミニリュックを製作し始めました。

完成は、少し先の【60】の記事になりますが、当【58】の記事においては、材料である生地がパッチワーク仕様になるための生地チョイスをポイントに、事前準備段階の様子をお伝えしたいと思います。

無彩色なのに素敵なパッチワークになる予感

表地は、透かしのメッシュが大変ユニークで、色使いがオフ、グレー、黒の3色展開です。

パッチワークの柄は、ボーダー柄で行きます。

このシュミレーションよりももっと細かいボーダーにしていくので、同じ色が2度繰り返されます。

左:表地(オフ、グレー、黒):スポーツメッシュ、ポリエステル/94%、ポリウレタン/6%、日本製。
左(黒A):裏地に使用。フクレジャカード、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。

配置は、上からオフ、グレー、黒とこの上のシュミレーションで置いた通りにしました。

底には汚れやすい薄い色を持ってこないとか、底辺に重い色(暗めの色)を持ってくるとバランスが良いのでは。。。いうような考え方をして、3段階に分かりやすく、ライト、ミドル、ダークというカラーで配置しました。

今回はボーダーで行きますが、ストライプも可能だと思いますし、ブロックのような市松柄も可能だと思います。

こういったパッチワークのバッグは、過去の【4】や【7】【8】でも製作してまいりましたし、今後も得意分野として末永く取り入れていきたいと思っています。

今回の生地はニットであることでなかなか面白いものになるでしょう。

マルチボーダーパッチワークシートの完成と裁断

YOUTUBEが長尺の30分ですので、ここでは大まかにご紹介したいと思います。

まず、こんな風に1cmの縫い代で長方形の1色パーツを他の色と縫い合わせます。

上述の3段階の順番に配置して縫い合わせをしていきます。

裏面にはあらかじめ接着芯が貼ってある状態でその後縫い合わせるという手順です。

そして、更に、つなぎ目の溝の両サイドを表側から、それぞれの生地の色に合った糸のカラーでステッチして固定します。

1)ボーダーシートの出来上がり
2)1)を型紙通りに裁断・・・この時に同じ位置に柄が来るように。
表地パーツの出来上がり

全くぴったりの位置にカラーのハギ目が来なくても、今回のデザインは間にマチ布が入りますので、作りやすいです。

黒白系のモノクロではありますが、定義に沿った3色以上のカラーが同時に使われているということで、立派なマルチカラーなのです。

あとがき

パッチワークを柄のデザインとしてどこまでいろいろ展開できるかを考案していくことがとても楽しいものです。

すべての辺がつながるのは、ボーダー、ストライプ、市松、多角形(難易度あり)が可能だと思います。

とにかくつなげるためには、まっすぐの線が繰り返されている必要があります。

カーブなどが混じるモチーフは無理なのでは。。。と思いきや、それも固定観念に惑わされています。

重ねることで不可能ではないと見込めます。

一部ヒラヒラとさせ、一部は縫い付けてあれば、そこそこ無限にいろんなデザインを実現できそうです(^-^)。