ブランドバッグに憧れても「企業秘密」の肝心なラインを作る型紙は世には決して出ない、自らすべてを生み出し創造する強味はここ【334】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、研究製作品が1点完成、1つ前の【333】投稿の続きです。

ドーム型バッグの型紙の裾の角度、2019年の初製作の出来上がりの「反り」を生んでしまっことの解決を1年間考えてまいりました。

地面に平行であるべきだからと緩やかなカーブを付けるも「尖り」が出たり、急カーブにし過ぎてとんでもない不一致で組み立てても「はみ出し」があったこと。。どれも解決には至りませんでした。

このたびは、研究を最後にしたいと思いまして、今一度最初の型紙に回帰し、山裾ラインの角度だけをストレートに近づけてみます↓。

新型紙:真ん中から下まではほぼストレートライン。底ラインにカーブを付けるこれまでを一度白紙にしました。

研究製作ですので、最低限の仕様として、取っ手やポケットは無し、大きめマチ付きポーチとして楕円底で作りました。

この回をもちまして長年の憧れだったドーム型バッグ製作から撤退です。

もし1点のデザインのラインを追求したい場合には、1stサンプルにこそヒントがあるかもしれない。。これがこのたび立ち戻ってみての感想です。

過去の本革レザー製ブランドバッグに憧れたドーム型の最後の研究、憧れだけでは追求し切れない薄っぺらさが身に染みた

使用生地(表地・裏地共通):ジャカード、綿/100%、日本製。マスタード色の迷彩柄の幾何柄アレンジが美しい。
裁断:本体パーツx4枚と底パーツx2枚です。その他サイドタブパーツも加わります。
入り口ファスナー付けのイメージ:予めファスナータブを眺めに付けてあります。
「中表」で作ったプレート:縫い代を予め隠し、その後「外表」で組み立てる作り方です。
実際のファスナー縫い:片面はそこそこスムーズです。
もう片方の面の縫いの違和感:まるでトンネルをくぐっているかのような体勢になりながら縫い終えていきます。
底面付け:きちんと重なるように寸法計算はしてありますので、ぴったりと重ねて縁から3mm程度を縫います。
底部分に開いた隙間を覆うタブパーツ:下まで縫っても綺麗ではないのであえてこのように切り替えています。
大きめドーム型ポーチの完成:寸法の記録が無くてすみません。かなり大きいポーチです。
ある程度の斜めから:これまでの「外反り」とは真逆の「内反り」。ある程度の裾広がりラインの正解を意味します。

もし、ここからまだ研究を続けるのだとしたら、斜め右下がりラインの角度の違いでの試作品作りです。

しかし、このたびで終了の意志は変わりません。

サイドからの見た目:決して見れないほどの不格好さでもないような。。

一番最後のサイドのショットは重要です。

このドーム型は、面の一部分がサイドにまわるという特徴があり、より物理的な予測がしにくかったのです。

かつて憧れたハイブランド様のドーム型も必ず底辺付近にこうしたタブのようなカバーのような役割のパーツが切り替えて設置してありました。

この中の構造が分かると、答えは見えてくるのかもしれません。

ピクチャレスクとしては、2019年初製作で「反り」が出来てしまって以来、十分に修正と解決を試みたつもりです。

元々自分から生み出したものではない「憧れ」は所謂「模倣」でした。

いかに「模倣」が芯の無い製作なのかということを、今後自信を持ってお伝えしていけるという点ではこの研究の意味があったと振り返ります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.13からおよそ5年後の2025.12.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

製作と同時に、こうした発信のレベルも過去のものは稚拙なのです。

綺麗な出来上りだけを残すというのは、光の当たる部分だけを誇るようで非常にモヤモヤするのがピクチャレスクの性格。

発展・成長・開花は、その真逆の暗い部分があってこその状態なのだということを大切にしていきたいのです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

技術が未熟な時期に足を踏み入れた美しい高級生地、フクレジャガードのデイジー柄バッグは生地頼み【12】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年からスタートのハンドメイドバッグ本格事業活動。

思わしくなかった1年目のその後、2019年からは材料の生地のテイストをガラリと一変。

これまでの黒やグレー色の生地から、マルチカラーの凹凸感ある柄に挑んでいきます。

凹凸感ある柄は、「フクレ」「風通」といった加工が付いていて、より高額であり、日本製よりもイタリア製に多くの生地を発見。

当ブログ記事は、最初の2019.04.02からおよそ5年後の2025.01.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

当時、「高級品の生地はもっと技術が高まってから。。」と思っていたのですが、「思いついたなら、今すぐやる」こんな気持ちが勝りました。

今から思えば、結局は技術の未熟さと経験の少なさでほとんどがボツになった結果でしたが、2019年は高級生地のバッグの製作に入っていったのでした。

しかも最初の1点は、複数同時に集めた生地の中でも一番ピンと来ていた生地から先に取りかかったのでした。

このたびは、素材も初めて・デザインも初めてのショルダーバッグを完成した記録、「その生地の良さが最大限に活かされたのか」という視点で綴っていきたいと思います。

うっとりするほどの美しさに対しては技術が追いついていない悔しさが溢れる、素材の良さに依存したバッグ製作

本当にうっとりとしてしまうような「フクレジャガード」というイタリア製の生地を使用したコンパクトなサイズのマチ無しショルダーバッグです↓。

ドーム型バッグ:<サイズ>縦23cmx横26cmxマチ無し。ファスナーの両サイドに口布有りの方が簡単。

ファスナーがマチ無しに対して付くことの二次元ミシンの限界を大きく感じました、作りにくさは歪みの原因になってしまうのです。

イメージ:可愛らしいサーモンピンクとダークカラーのコントラストが元々おしゃれなので良い雰囲気を演出。
表地:フクレジャカード、ビスコース/60%、ポリエステル30%、綿/10%、イタリア製。/裏地:アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

イタリア製の「フクレジャガード」や「風通ジャガード」の混率の特徴としては、「ビスコース」入りが多いということ。

ツヤがありしなやかな特徴と共に、一層高級感が増しています。

この生地は、@¥5,980/mの高級品でした。

難しめのカーブラインもそれほど未熟さを感じないのも、この記事のハリコシの素晴らしさのおかげ。

まるでバネのような弾力性と強靭さをミシンで縫っていて感じました。

生地の時には膨らんだ加工なので安定感が無いように感じますが、ミシンで固定するとなれば生地の時には無かった性質が生まれているような。。

この生地はその後はもう見つけることはできませんでした。

その時に出会っていたからこそ、早めに知れた「フクレ加工」の性質と、ピクチャレスクの技術の足りなさといったところです。

あとがき

一度きりの生地であることも、その後もたくさん経験しまして、むしろ何年もの間同じ生地が入手できることがかえって珍しいことなのです。

それほどに生地は多品種小ロットで作られ、どんどん移り変わっていくもの。

だからこそその時の出会いが貴重であり、技術の未熟さに先立って一歩足を踏み出してしまったことは、決して無駄ではなかったのかもしれません。

ただ、出来上がったバッグは到底販売できるものとは思えず、解体し前面のポケットのみをポーチにして「はぎれ製作品」として販売し2020年初頭にご購入いただきました<m(__)m>。

2025年の今、もしこの生地をもう一度バッグに仕立てるという機会があれば、どうしたいのか。。

同じく表地に使うと思いますが、もっと面積を思い切って広く使ったものにします。

せっかくの有難い素敵な柄をまず敬意をもって存分に見せるということをすると思うからです。

当時は、高額なので最低限の35cmのみ(幅は145cmくらいありました)の調達であったこも、「思いっきりの無さ」であり自信の無さであったと2019年の製作を振り返ったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク