レースはただの飾りじゃなかった、アタリの線を隠す時にどうしても必要な「機能」を持った優れた装飾資材【1287】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ヴィンテージ物ばかりをワードローブに集めてきた私なのですが、どうしても時々1点物ならではの悩みがあります。

それは、サイズが合わない部分があること。

そういった場合は必須のウエストなどだけを合わせて残りの部分のサイズは妥協せねばならないことも。。

ウエストはさすがに小さすぎると着用が不可能ですが、逆に大きい場合はベルトで工夫することで何とかなることもあります。

そうして、いろんな工夫をしながら、そこにあるそのままの姿にこちらが合わせていくような着方をすることの多いヴィンテージもの。

考え方によっては多くの新しい発見もあり、リフォームの腕もしだいに磨かれます。

このたびは、ウエストはよかったものの丈が短すぎたヴィンテージデニムパンツのリフォームです。

ただ丈を延ばすだけでは終了しなかった理由がありました。

独自のはき方がしてあった二つ折りの線のアタリを見えなくする工夫

品質表示が消えてメーカーが分からないヴィンテージデニム。
こして、二つ折りに独自の裾上げの結果、このような線が出ています。

この線はカジュアルにはく場合は仕方がないかもしれませんが、パンプスと共にエレガント寄りにはきたい私の場合これを隠したいと思いました。

そして、ある策を思いつきます。

それは、レースです。

数ある豊富なレーステープからこれを選んだ理由
:トップスに合わせると決めているセーターにマッチするようだからです。

白と一口に言っても、アイボリー、オフ、クリーム、ベージュと色の展開も多いです。

その中では、真っ白ではない、黄色みのあるタイプ。

ベージュまではいきません、かろうじて白にほんのりクリームがかった色です。

そして、レースのデザインはあっさりとシンプルなタイプ。

それでも装飾性も適度にあり、幅が広すぎない、そして、セーターのがさっとした風合いにマッチする麻のような雰囲気のレースがこれでした。

もうその他は目に入らなくなりました。

よし、これで決まりだ!。

そして、白い線の上をなぞるように、ミシンでステッチしていきました。

裾からの距離が、今回のような具合であれば、何とかミシンがかけられまして、幸運でした(^-^)。

端っこは視界が一番隠れた内股のデニムのハギ目のある場所。

縫い代は隠しながら丁寧にステッチ。

同色の白の糸でなじませながら、レースの柄を引き立てます。

今回、3本ステッチをしました。

まず最初に、真ん中からスタート。

レースの真ん中は、アタリの白線に一致する場所です。

内側には綺麗に幅が均一の3本ステッチが出ています。
真ん中から最初にスタートしていくことがこの3本が均一に並ぶコツです。
完成です。もし、3本でなく、真ん中1本のみであると、洗濯などでレースがよじれます。
そうしますと、美しくデニムパンツがエレガント寄りにはけないかもしれません。
ここで手間をかけることは、この先の長持ちに繋がるのです。

あとがき

今回のまとめとしましては、レースを「機能を持った資材」として重視した点です。

「隠す」という機能がとても重要になっていたこのたび、見事にその役割を果たしてくれました。

レースは、「飾る」ことだけを考えがちですが、何か果たすべき役割があって取り付けた場合、なぜその場所である必要があったのか、なぜこのレースの種類である必要があったのかなどすべての「なぜ」にまっすぐに返答ができるのです。

それは、見かけのかっこよさや綺麗さ重視の浅いお品よりも、ぐんとその深みが出るのです(^-^)。

着回し術にはないセットアップ術のパワーをここに見る、4種のオフカラーニットにベストマッチなボトムの徹底コーデ【1262】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

暖かい季節の色と言えば、パステルカラーですが、白も取り入れたい色ですね。

今回は、思い切って、白をメインに考えたコーデのお話になります。

「着回し」という言葉がよく謳われていますが、古着コーデにおいては、せっかく貴重な1点物を選んだわけで、その後の組み合わせも渾身の1セットでコーデしたいというのが私の考え方です。

先日、若い男性の方で、YouTubeで私と同じ考え方の人がいらっしゃってとても心が和んだものです。

あれだけ、ネットや雑誌で「着回しコーデ」が謳われている中で、「セットアップコーデ1セットのみ」を掲げることは結構勇気が必要です。

しかし、それは、自然にそう思ってきたことで、着回しだと必ずコーデに優劣が生まれ、1位にならなかったコーデはもはや渾身のコーデではないからです。

何か屁理屈のように感じるかもしれませんが、この理屈はかなり体験として実感したものの中から生まれた確かな考え方なのです。

私だけだととっても風変わりな人になってしまうかもしれませんが、同じような方がいたことをとても喜ばしく思いました。

4種の色のトーンが少しずつ違うニットに合うボトムを考えたベストコーデx4選

今回は、オフカラーのニットを4点集めました。

実際の私のワードローブになっている4点です。

このざっくりと「白」というカラーもそれぞれ違いがあることをその合わせるボトムや小物コーデの完成で知ることになります。

4点のオフカラーニット(すべてアルマーニ:ネームタグは、エンポリオとジョルジオが混在)
:一番左から、ベージュ寄り、グレー寄り、サンドベージュ寄り、クリーム寄り。どれも古着です。

これら1点ずつをボトムとの組み合わせでコーデしていきます。

なぜその組み合わせが一番だと考えるのかという「理由」の部分にご注目下さいませ。

ボトムはヴィンテージ婦人服のデニム:リーバイスやハイブランドではない古着のニッチな日本製のブランド。
ドレスライクなデニムというところが合わせやすいポイントです。

セーター自体に柄が入っているので、あまり柄の入ったボトムは避けたいとプレーンなイメージを考えました。

このセーターの黄色みがかったベージュ寄りな色は結構難しめ。

そんな時は、黄色によくマッチするデニムのネイビーカラーを考えます。

ただ、カジュアルに寄り過ぎるとニットの上品さが薄れるので、ドレスライクになるのがこのデニム。

柔らかいので気軽にはけます。

デニムなのに、ウエストの脇にゴム入りというのが何とも昭和の古き婦人服といった感じです。

バッグは、これもヴィンテージの「KENZO:ケンゾー」。

薔薇の花のマルチカラーが、その後のアクセサリーとか靴やベルトの色を決めやすくしてくれます。

この巾着袋は、裏地が布で、赤のタータンチェックが貼られています。

表が花柄なのにチェックとは大変思い切った組み合わせですが、マルチカラーの原色カラーは同色で抽出しているところがにくいですね(^_^;)。

ボトムはエンポリオアルマーニのワイドデニム
:このニットがいかにグレーがかっているかということがここでよく分かります。

バッグは、「イランイラン」の本革レザー製。

こういったくり抜き型の取っ手のバッグは我がバッグコレクションの中に多くあります。

とても象徴的で素敵です。

それでも、ベストやデニムは、他のブルーカラーと比べるとはるかにグレーに寄った色なのです。

少し浮いた感じのグレー色寄りなニットをベストと重ねることで納得できるなじみ方をしていきます。

ここに移していませんが、ダメ押しの薄グレーの水玉スカーフもあります↓。

そうしますと、更にこのニットがおしゃれにブルーグレーカラーに溶け込んでいくでしょう。

ボトムは未使用の下げ札付きだったヴィンテージスラックス
:日本製のウール/ナイロンという昭和らしい混率。

ニットが、裏編みと呼ばれるリブニットの裏側の鱗みたいな様相の柄が特徴です。

パンツのでこぼこした織柄とベストマッチだとピンときました。

ブロックチェックとタータンチェックの混合みたいな先染めチェックも素敵で、ここでは、黒と白しか色が使われていないからこそ、バッグも黒にしていきます。

赤や別の色を入れないところが「粋:いき」であると言えます。

モノトーンコーデではよく使われるテクニックになります。

バッグはエンポリオアルマーニのキャンパス+レザーコンビのヴィンテージバッグです。

続きまして、最後4セット目で、スーツが来ました。

エンポリオアルマーニのパンツスーツ:上下そろった古着はなかなか見つけにくいもの。
昔のものながら着用できそうであるところが、デザインそのものの優れた点。

細かく柄を見ますと、ニットのチェック柄とスーツのチェック柄が相性ばっちりです。

スーツと組み合わせてしまえば、少し見えるだけですが、
とは言え、格子同士が実現したことはやはりベストマッチだと言えます。

ということで、全4種のコーデをご紹介しました。

どれもそれぞれの特徴があり、同じものがありません。

どうでしょう、着回し術とより良き勝負ができると思いませんか。

1つ1つが緻密で、渾身の組み合わせを考えたセットになるのです(^-^)。

https://youtu.be/y8Oqx6KRiTs

あとがき

時々、こうやって自身のワードローブに変化があった時に、切り口を工夫しながらご紹介しています。

雑誌も近年は、おしゃれバイブルと呼ばれるようなものではなくなってきたようです。

ネットの情報とかYOUTUBEの影響も大きく、よりキャッチーで音声付の解説は影響力は大きいかもしれません。

ただ、私も間違いなく、昭和を過ごしてきまして、ファッション雑誌全盛期には接触していました。

その雑誌の中の言い回しや解説にすごくかっこよさを感じていました。

コーデなどの写真だけでなく、隅っこにある小さい字で書かれた記事なるものも読んでいたのです。

その時の影響というのは、当ブログにおいても、コーデのご紹介の際にも影響を受けていることは間違いないです。

ファッション雑誌を読んできてよかったなあと思う瞬間です。

1980年代頃の雑誌全盛の頃に比べて、現在というのは、それほど雑誌の文言に強く影響されることも少ないのかもしれません。

よく見る「着回しコーデ」も定番用語になっていますが、それでも、私の場合、「着回し」がどうしても受け入れられませんでした。

効率の良いお洋服の着方ではあると思ったのですが、実際にはできなかった。

なぜできなかったのかということも、今回のセットアップに組み合わせる着方にその答えがあります。

自分で実際に集めて、着用しながら実体験に基づいたコーデがスタイリストでもないただのコーデが好きな者としてできること。

特に何者でもないジュエリーのレンタル業をして、ハンドメイドバッグの作り方をご紹介するだけの者ならではの、縛りのない自由なコーデのご紹介でした(^-^)。