ジャガード生地特有の表裏両面使いは効果的なのか何かデメリットはあったのか【26】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

薔薇の花柄がもともと私自身が好みであることの延長で薔薇柄ジャガード生地を多く採用してまいりました。

最近は、デイジーの花柄にも目を向け始めました。

薔薇の花柄のエレガントさ比べ、デイジーはかわいらしさや親しみやすさがあるみたい。

今回は、この新しく目を向けたデイジー柄でバニティーショルダーバッグを製作しました。

ジャガード生地の表面と裏面を1つのバッグで使い分ける材料のフル使い

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

ただ、面白いのが、全く同じではない点です。色違いで表面と裏面の2種が使えるという2倍の喜びを得ることがあります。

今回が、まさにこれ。表面と裏面が結構違う色で出ている点がユニークです。

じっくり見ても不思議なもので、表側の色のそのまま反対側がこの色?という意外性があります。

例えば、表面では一番濃いモカみたいな色の裏は、薄グレー色です。

この場合薄い、と濃いが表裏で真逆になっているようです。面白いですね。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色目の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じですね。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉でやわらかめです。

生地の選定においての注意点

私自身が気を付けていることとして、バニティー型は、素材を中肉以下にしなければならないという必須事項です。

なぜなら、重なる部分が分厚くなる部分がミシンが通らなければならないからです。

バニティー型で生地が一番重なる箇所:この指の右側の縦のラインが一上から下まで、かなり分厚くなります

ここは、さらにファスナーの縫い代隠しを兼ねて正方形のネックというパーツをここに縫い付けることになります。

ネックパーツを縫い付けている場面:このネックもいろいろなパーツが重なり厚みがさらに増します。
ずっと右に移動した裾の先端は、さらに各々のパーツの縫い代分も重なりますので、余計に分厚いです。

そうしますと、最初からの生地の選定をこのような場面になった時に、ミシンの針が通ることが可能かどうかということを想定できていなければならないのです。

ましてや、同じ生地を表地にも裏地にも使用していく今回はさらに特別で、中肉ながらぎりぎりの厚みです。

バニティ型は薄すぎると、へにゃっとして弱々しくなるとあまり高級な感じになりませんから、生地のある程度の厚みはポイントですので、薄すぎてもいけないのです。

ジャガード生地の裏面を裏地で使用という案のメリットとデメリット

さて、裏地に表生地を使ってしまうというジャガードの場合に有効な案だと思った今回の製作ですが、実はデメリットがあったことを知りました。

ポケットの付け場所は、バニティーは少ないです。

とにかく後側は重なる部分なので、ポケットを最初に付けておくことは物理的に不可能です。

そうするとおのずと、正面の外か中に取り付けることになるのですが、正面の外というのは、柄が一番素敵に見える場所なので、そのままさら地にしておきたいものです。

そうすると外にポケットは付けられない、ということになって、必然的に、中側の前だけになります。

サイドの部分はバッグの形が楕円型となるから、面積が狭い部分にあたります。ですから、物がたっぷり入るような機能的なポケットにはなりません。

ということで、二重ポケットを前面に取り付け、とりあえずポケットの充実ということに至った案だったのですが、この結果このように少し表にひびいています。

ファスナーの下の辺りに裏に付いているポケットの姿がぽっこりと浮いているのが分かります。

この原因は、重なった部分が厚みがありすぎるということです。

表生地と同生地の厚みで裏地も使用する場合、こういうことになる部分があるかもしれないので注意せねばなりません。

ポケットを複数付けたいということに注視し過ぎた結果でもありますね。

ポケットの袋も表生地で行いましたので、せめて袋だけでもを薄めの違う素材を使用するべきだったかもしれません。

一般的には、裏地は表地よりもかなり薄手になっている理由の1つがこういったことになって実感した次第です。

ということで、ジャガードの両面を使用することのデメリットとして、裏地ならではの薄さが効果的である部分が分厚くなってしまうというものでした。

完成品の閲覧会

では、10枚の写真をどうぞ。

<サイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。・・・一番短くて67cmなので、
ハンドバッグのようにご利用いただくこともできるかと思います。

あとがき

もう一度この写真をご覧いただきたいと思います。

このお品、そこそこ綺麗にはできたのですが、最終的にはボツになりました。

上述のポケットのアタリもそうですが、取っ手の部分を見ていただきたいのです。

取っ手の取り付けがしっかりしたものではないと感じますね。

ふんわりとてっぺんが浮いてしまいました。

ここを後に工夫していきます。いまのままでは、てっぺんが使っていくうちに変形しやすいものになってしまいます。

カーブは円の一部を使うのが一番美しいと気づき始めたバッグ製作【25】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1980年代から流行を問わず、ずっと好きなデザインのバッグがあります。

ず思わずじっくり見てしまう緩やかなカーブがとてもエレガント↓。

ウンガロ様のミニ型押し本革バッグ・・・オレンジ茶が素敵です。

口が大きく開くために、とても中が見やすい点もこのデザインならでは。

こうして長い間このデザインのファンであった自分が今度は実際に布を材料として、こんなタイプのバッグ作ってみようと挑んだこのたびです。

結構難易度は高いようです。ファスナーがカーブを描きながら縫い付けるという点が難関でしょう。

伸び止めテープ(平)を隠しポケットのファスナーに貼る

ここ最近、ファスナーのうねりの解消目的で伸び止めテープを貼っています。

この時のファスナーというのは、隠しポケットのファスナーのことです。

メインファスナーのことではありません。

伸び止めテープ:ストレートタイプ(隠しポケットのファスナー用)・・・うねりのないようにまっすぐなラインに固定する目的で使います。
隠しポケットの袋の部分をファスナーにミシンで縫い付ける直前:ややこしいのですが、生地の裏面を表として特別に使いました。理由は、ポケットの袋布パーツを裏地ではなく表地でふんわりと作ろうということで、手を入れた時に指に引っ掛かりやすそうな表面をあえて避け、つるりとした裏面が手に触れるようにしたというのが理由。
上側:伸び止めテープをアイロンで貼った状態 下側:この後同じようにここにはみ出ないように気を付けて貼ります
伸び止めテープを使った場合の隠しポケットの見栄え:貼らないよりもはるかにスッキリとまっすぐな線です。
左:伸び止めテープを貼っていない状態 右:伸び止めテープを貼った状態
カーブの形が綺麗ではありませんし、カーブしたのラインがうねっています。
ここは一番の難関。
伸び止めテープは見えてしまうので貼れていませんが、ハイブランドバッグを以前に見る機会があり、
ここに当て芯のような厚紙が縫い付けてありました。
美しい大花柄ですね。
ファスナーのつまみは本革。
ファスナーを2本使用しましたが、ダブルファスナー1本のみが断然綺麗だと気づきました。
<裏地:グレー>:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
そこが狭いです。もっとマチを広くとるべきでした。

あとがき

今一度最初のウンガロ様のバッグのカーブのラインを見てみます。

入り口のカーブが円に近いです。この緩やかさが、作りやすさ、美しさにつながるようです。
私の今回のデザインだとカーブが細かくて、きつすぎて綺麗に縫えないのです。
縫いやすいデザインということも、一見製造者の都合のように感じますが、
立派な美しく仕上げる対策であるということで良いと思いました。

もうこのデザインはとりあえず、一度ここでこれっきりということになりました。

せっかくの可愛い生地にデザインが追い付かないレベル。

ここで勉強をして、いつかこのタイプのデザインをうまく作りたいと思っています。

とにかく2次元的なミシンでは難しいですが、不可能ではないです。

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