スパン糸とテトロン糸を比べて決定的に違う互いの強味【1040】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、多くの人がハンドメイド製作にご利用のスパン糸と、ややニッチなテトロン糸を比較してそれぞれの糸の持ち味をお伝えしようと思います。

私の場合なのですが、圧倒的にテトロン糸が多いのですが、スパン糸でなければならないメリットもあり両方使用しています。

そんな両方を使い分ける私が見る視点でお伝えしたいと思います。

スパン糸の決定的なメリット

スパン糸30番:ブルーグレー色

メリットデメリットは挙げれば複数ありますが、ここでは分かりやすく、決定的なメリットを1つだけを取り上げたいと思います。

後に貼りますYOUTUBE内ではその他の部分にも触れていますので、当ブログではこれだという1つをアップ致しますね。

実際に私がテトロン糸で悩むのが、玉止めの時にほつれやすいことです。

軽く結んでいてはスルスルっとほぐれてしまいますので、結んだ意味がなくなることが悩みです。

その点、スパン糸は、がさっとしていて滑りにくい為、玉止めが頑丈です。

ここが決定的なスパン糸がテトロン糸に勝る点だと思っています。

なので、卸売りのお得意先に商品を卸す場合などは、ほつれが目立つようなご迷惑をかけてはならないこともあり、玉止めの強固なスパン糸を中心に使っています。

スパン糸が合うテイストの生地ばかりを使用する企画なのでそれも都合が良かったということです。

テトロン糸の圧倒的なメリット

テトロン糸30番:青紫色

実は、私は自分の好みはテトロン糸の方です。

その理由にもこのメリットがイコールになるかもしれません。

圧倒的な高級感とエレガントさです。

今までハンドメイドバッグはエレガントな生地を利用してきましたので、やはりテトロン糸が自然とマッチするようです。

よってこのエレガントな雰囲気で今後もエレガントなテイストのバッグを製作したいと思いながらテトロン糸の方を多く集めてきました。

スパン糸はどちらかというとカジュアルです。

糸製造業者様の工夫を感じた点-スパン糸にテトロンを混ぜたテトロンスパン糸というものがある

左:テトロンスパン糸30番/ 右:テトロン糸30番

生粋のスパン糸だと短繊維の集まりなので簡単に手で切れやすいというデメリットも実はあります。

そのことを補うためにサポート役としてテトロンを少し混ぜた「テトロンスパン糸」というものが多くあるのを、私の手持ちのスパン糸の中から発見。

結構な量のスパン糸が現在はテトロンスパン糸となっています。これ、実は今まで気づきませんでした(^_^;)。

実際に同じような色をあえてピックアップした「テトロンスパン糸」と「テトロン糸」を並べると、どうでしょう、やはり、左はスパン糸に変わりはないのです。

なので、私は、テトロンスパン糸=スパン糸と考えてテトロン糸とは別物であるという風に分けて収納しています。

生粋のスパン糸よりは切れやすさは解消されているのですが実際に使っていても分かりますが、根本的には短繊維が多く集まった糸であることには変わりないのです。

あとがき

糸もこうして比較して見たりすると楽しいものです。

糸はとても大切だと思っています。

バッグを作っていても糸の縫いのおかげで丈夫に仕上げることができています。

ここへ、附属品の打ち込み式のパーツなどを加えると不安でしょうがありません。

それはいつ外れてくるかが私の感覚では全く分からないからです。

例えば、飾りを兼ねたパーツで固定するくらいなら、同じ個所を糸で頑丈に返し縫いをしたいです(^_^;)。

糸はそれぐらい肌感覚で丈夫さが分かるものとしてとても身近で信用あるものだとつくづく思います(^-^)。

工業用ミシン糸60番と30番の下糸の用尺の違い【1039】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン縫い作業において、通常下糸のボビンは、上糸のコーンから巻き取る作業をしますね。

この時にストッパーがかかって自然に止まるところがボビンにフルに巻いた状態。

あの全体の長さってどれくらいなんだろう。。。

そんなことを考えるものです。

今回は、糸の太さの違いで当然巻きmも変わってくるであろう下糸のボビンの糸容量についての比較のお話です。

60番糸でだいたい50m周辺、となると30番の場合は。。。テトロン糸の場合は。。。

すでに、200m巻の小さめの手芸用の60番糸をボビンに全部移した人のデータを2つほど拝見しましたので、私があえて実験をすることはありません。

しかしながら糸の種類によっても同じ60番でも少しデータが違うのでそこからのだいたいの平均で、ボビンには60番糸で50m程ということへ導きました。

私は通常60番糸はほとんど持ち合わせておらず感覚が分かりませんが、30番に関しては毎回使用していますので、こちらが実体験からお話できることがあります。

まず、60番糸が50mくらいということですが、30番では、うんと糸が太くなります。

単純計算で、値が60と30で1/2であるから、50mが25m?ってまず考えます。実際の私の作業を振り返った時に、2mの長いステッチを6セット程縫っていく作業があり、2mx6s=12mです。

その作業の中で1度は下糸がなくなる感覚ですので、私の感覚では、30番のスパン糸で10m強かなあと言った感じです。

少ないですよね。先程の単純計算よりもぐんと少ないようです。1点製作するのに、その製作物にもよりますが結構大きいと1度は下糸がなくなっている感覚です。

3点同時に製作した時にも3回ほど交換したという記憶なので、やはり、1点では平均1回交換する感じです。

では、これが同じ30番のテトロン糸になるとどうでしょうか。

テトロン糸は同じ30番でも細いです。

その代わり丈夫で切れにくいわけなのですが、ボビンに下糸を巻く時の秒数がスパン糸に比べて5秒ほど差があることが毎回の作業で分かっています。

その5秒が果たして何Mくらいになるのかですが、何となくですが、2-3mかなあと思っています。

テトロン糸であっても60番のスパンに比べたらテトロン糸の方が断然太いと思いますので、やはり、違いはあるかと思います。

原価表に入れ込む糸の見積もり

ここで少し余談ですが、1点ハンドメイドバッグを製作する時に、1点分の原価表をそれぞれ作っています。

これは、販売価格を決める際の資料ということと、期末の棚卸の際に原価表の合計の値を引用するからです。

1つの原価表で複数の活用があるわけです。

フォームはいたってシンプル。

私みたいに、自分で製作している人は加工賃は経理上は入れません。

請求書などが発生した「仕入」科目を使ったものだけを棚卸資産にリストアップしますので、自作は¥0であるというのが経理上の見方です。

しかし、その分販売価格に見積もればよいので、自身の裁量とお客様のお求めになる価格を考慮して売値を決定することになります。

で、この原価表の中にも糸の項目を毎回設けています。

何かミシンで作るには必ずこの項目があるかと思うのですが、実際に出来上がったステッチの部分をすべて計って合計しても良いですが、金額の値がざっくり見ると誤差がそれほど大きく全体の金額に影響するほどではないので労力の無駄です。

よって、固定で、〇〇m使用する設定をしています。

今回の場合、原価表には、当然上糸の分も入れねばなりません。

上糸と下糸を単純に同じ分量と設定すると30番糸で使用のボビンの下糸のデータがだいたい12mと私の感覚で出ていますので、12mx2=24mの約25mを1点のある商品に糸全体で使用したというデータが原価表に入ります。

糸を1コーンで購入の場合は、購入時のm数からの割合で25m分の価格を導きます。

そうしますと、結局糸代はよほど高級な糸をわざわざ調達しない限り数十円なので、毎回けいさんせずとも、見積もりの固定価格を設定して、常にその分を糸代として入れればよいわけです。

あとがき

こう考えると、とっても太いデニム専用の値の少ない番手の糸がいかに貴重かということが分かります。

私の場合デニムでも職業用ミシンで縫いますので、30番を使います。

デニムの専用のミシンなどは糸番手が6番というのもあります。なぜか手持ちで1コーンだけ持っています。とても太くて、針穴に通らず、使い道を変えていて、ギャザーを作る時の仕付け糸などに使っています。

糸のお話も奥深いことがありますね。

何か脇役的な存在ではありますが、糸の色は商品の素敵さをぐんと上げてくれるものだと思っていまして、私は大切にしています(^-^)。

迷いますが。。。マルチカラーなどのカラフルな生地に使う縫い糸の色のチョイス例【778】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私事なのですが、黒のお洋服がほとんどです。

それなのに一方で、マルチカラーもとても好み。

そんな趣味嗜好から始まり、黒コーデ用のハンドメイドバッグだったり、レンタルジュエリーのチョイスだったりという現在に至ります。

現在進行中のハンドメイドリュックの裏地がマルチカラーのラメがかった生地です。

今回は、この時の縫い糸の色のチョイスについて、一例としてご紹介したいと思います。

基本的には好きな糸の色で良いのです。

けれども、商業利用ということで、浮かないなじむような自然な糸の色を選ぶという独自スタイルの設定をしていまして、それに沿った糸の色を選ぶということをポイントに「なじむカラー」を選んでいきます。

ラメにはスパン糸よりテトロン糸ということからのスタートで、マルチストライプのラメ生地に縫う糸のチョイス

では、まず、対象の生地をじっくり見てみます。

こんなマルチカラーの美しいボーダー(実際の使用はストライプ向きに使いますが)。ニットっぽく感じるかもしれませんが、割と肉厚な織物生地なんです。ラメが全体にかかっていて、ゴールドめいています。
<裏地>シャンブレージャガード、ポリエステル/87%、レーヨン/10%、ナイロン/3%、日本製。

マルチカラーの場合、洋服のコーデなどにも参考にしているのが、その中の色を1つチョイスという手法です。

けれども、今回の場合ラメのゴールドもかなりの存在感。

ということで、私の今回のやり方は、ゴールドベースというとらえ方をしてみました。

その理由の1つに、こんな風に角度を変えると一面ゴールドに映ることが多いんです。そうすると他のカラーよりもゴールドっぽい色の糸の方がなじみが良いと考えました。
そして選んだのがこの糸。ややグリーンがかっていて、本当に合うの?と思われそうなくらい抹茶みたいですね。

ラメがかっているので、ツヤのあるテトロン糸の方がスパン糸よりはマッチするかなあと思いましたが、あとは色です。

ゴールドの糸なんていいうものは、特殊なので存在はしますが持ち合わせていません。

一度使ってずっと保管ということになると無駄ですし、ゴールド=ベージュ系というとらえ方でテトロンの糸なら、ベージュの中から選べるのです。

実際に製作の巾着ひもにステッチをかけました。なかなかよくなじみました。チェックしていただきたいのが、上の突き出したステッチ糸の余り部分と下の生地とのなじみ具合です。

ゴールドというと、黄色いようなイメージですが、実際こうして生地に当ててみると、単独の糸だけではあんなに抹茶みたいなグリーン系にも映った糸が、上手くなじみます。

今回のチョイスは、この糸の色でしたが、候補がいくつかありました。

ゴールドに合うと一口に言っても、左から、黄色系、砂色、ブロンズ色といろいろな展開が。。。
ぱっと見、一番い左の黄色はゴールドらしいとイメージしますが、実際にこのように生地に当ててみると、少し浮きます。でも、このチョイスもありはありです。
上の黄色系を実際にチョイスしたグリーン系の隣で見比べます。だいぶ色が違いますね。
これは、真ん中の砂色。モカとも呼べますかね。

結局、実際に縫った時になじむことをゴールとしておりますので、この中で一番なじむのはチョイスしたグリーン系だったのでした。

あとは、その他の色は他にも出番があるかと思われ、この機会にこそこの色を使おうというのが今回のチョイスの糸の色だったのもあります。

出来上がりのステッチの様子はこんな感じ。

背景にあるアイロン台カバーの葉っぱのグリーンとリンクしてしまいました(^_^;)。
背景を白にしたものでもう1ショットご覧ください↓。
黄色でない暗めトーンがどこかダークな背景に合ったのかもしれませんね。黄色系だと明るいから浮いてしまうのかもしれません。けれどもどっちにしろ、趣味嗜好はあります。マルチカラーの場合の糸の色合わせは多種可能性があると言えますね。自分の目的に合ったチョイスで迷いを無くしていきます。

あとがき

この糸で裏地を縫っていきます。

また、完成のリュックになったその一部のこのマルチストライプの様子をお楽しみにどうぞ(^-^)。

2000m巻のテトロン30番ミシン糸、その最後の瞬間【685】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

白いミシン糸と言っても、真っ白なのか、少しグレーがかっているのか、生成なのか、ピンクがかっているのか、こんな感じで実はバラエティーに富んでいるものです。

逆に真っ白の純白の色の白を使うことの方が実際は少なく、何かしら、中間的な色寄りである白の方が使いやすいなじみやすいんです。

今回、最近よく使っていた生成色の白がいよいよ使い切りの時が来まして、その最後の瞬間を動画に映しました。

テトロン糸30番生成、最後の瞬間!

2000m巻というのは、大きな工業用のタイプの中ではそれほどボリュームあるものではないのかもしれません。

しかし、いろんなカラーの中からのチョイスで少しずつ使っているとなかなか最終の使い切りの場面には遭遇しないものです。

今回は、量産で、たくさんのステッチをほどこし、単色使いであったことから、1コーンを終える場面ができたのです。

あとがき

何かとても爽快でした。

この糸は非常に質が良かったです。主に、大きく3パーツ程に分かれて撚(よ)りがかけられていて、ぎゅっと引っ張っても丈夫です。

テトロン糸は、スパン糸に比べて細いですが、丈夫さは勝るようです。

切れにくいということで、強靭なのですね。

糸には、シールで情報が載っています。いろんなメーカーさんの30番糸を見てみましたら、右下の方の数字と同じで、150d/150Dとなっていました。

特に今回のこの、「ミビモ」という「クラレ」様というメーカーさんの商品、良質だと感じています。

たすき、取っ手、ショルダーなどいろいろ使える長い丈夫な4本ステッチテープの技【627】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、N style ENIGINEER様へお送りします分のエプロンをお作りしています。

ここに、別布でたすきの長~いのを作るということで進めています。

今回は、こういったたすき、バッグの取っ手、ショルダーなどに使える技術の1つ、美しい4本ステッチの作業場面のご紹介です。

どういった点が綺麗にできるコツなのかなどはたくさんお作りしてきてまとまってきていますが、その製作視点に立った内容は別の記事でご紹介させていただくことにして、今回はとにかくその作業場面という点のみご紹介とさせていただきます。

幅の広いベルトテープは4本ステッチが見栄えが良い件

細めのベルトテープというと、1cm代くらいまで、太目となると2cm辺りからかなと思います。

今回もスリムではあるものの、やはり太い部類に入ってくるかなと思うたすきのテープを丁寧に接着芯の織芯を貼り、丁寧に包みこんで美しくステッチをかけていきます。

その時に、ステッチの幅が適度に密であるのが美しい秘訣。

だいたいステッチ間が5mm以下が美しく仕上がるベースなのかなと考えました。

1つすでにできているのでここで。こんな感じで、幅が一定にそろい感覚が美しく統一感がある出来がやはり美しい4本ステッチの目指すところです。目の錯覚などで幅をそろえることが非常に難しいです。これも訓練で何本も何本もこういったものを多く作ることで、よく職人さんである、「経験と勘」が生まれます。線を引いたりするのは、ナンセンス。目で見て、線などひかずに作る部分です。ちなみにこの生地、チノクロスという名前の綿/100%、日本製。
少し、戻って、簡単に作業をご紹介。巾7.5cmの150cmロングの接着芯の布帛芯を貼っておきます。こだわりの織芯/ニット芯。風合いが美しなめらかに仕上がるのが不織布ではない布帛の芯地です。
生地をこのようにアイロンをかけます。

このアイロンこそが、綺麗にできるベースとなるものなので、特に真ん中の線は、一度だけでなく二度目のダメ押しアイロンもしています。

そして、縁の先端。ここが本体の中へ完全に隠れてしまう仕様でない場合は、きちんと縫い代始末するので、くるみ込みますので、このラインの美しさも出来上がりに対して物を言う点です。

まずは、ぐるり1周ボックス状にステッチ。これでサイドの2本がステッチされますのでは、あとの2本は、ちょうど等間隔が空く位置にステッチをしていきます。
そうして、完成。かなり綺麗にできました。おおっ!というような声が上がるほどの美しさを目指して縫う作業になります。

あとがき

私も職人的訓練の末、結構等間隔でできるようになってきましたが、目指すところはもっと完璧な美しいものなので、まだまだ発展途上にあります。

けれども、縫いだけでなく、今回ご紹介のようにその手前のアイロンもかなりいろんな工夫をこめて綺麗に仕上がるベースとなりますので、アイロンとミシン縫いのコンビと考えた方が良いかと思います。

一度、ハンドメイドバッグ教室、「HMB教室」で取っ手の綺麗な作り方としてご紹介してはいるのですが、その頃から、私も更なる学びがあり、もっと精度を上げていますので、その時の、「ちょっと綺麗」から、「極上」というほどの美しさになるためのコツだとかそんなものを今後はご紹介したいと思います。

既製品テープもたくさんあるのですが、「らしさ」はやはり布で一から仕立てたところにこそ表れるかと思います。

そして、何より、既製品は高価なので、生地が材料としてはエコノミーなんです。

あとは、その技術で付加価値を出していけば良いではないですか(^-^)。

1点物のハンドメイドバッグを作り続ける製作者の持ち合わせ糸の収納風景【32】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私が布製のバッグに使っている糸は30番です。

スパン糸とテトロン糸に分かれますが、テトロン糸の方が多く持ち合わせています。

というのも。。。

スパン糸のカジュアルな雰囲気が綿/100%にマッチするみたいな考え方からすると、テトロン糸の出番が多いのは、ツヤの多いポリエステル/100%の生地の採用が多いからです。

収納はある程度色別に分けていまして、前半では、糸の収納例として現在の収納の仕方をご紹介します。

そして、後半では、ある1つの生地に対して、なじむ糸は見かけのイメージと実際は違ったものになることがある不思議という内容になります。

縫い糸の色決めやコレクションのご参考になればと思います(^-^)。

糸の収納の仕方を箱詰めでしている例

収納はパンダンの大きな箱に、4部屋の紙袋で仕切り大きく色別にしています。

大きなパンダンボックスに中に紙袋を切って、外側に一度折り曲げて丈夫くし、小部屋を作って収納しています。一番右の外に飛び出しているのは、入りきらなくて上に置いています。

では、一番左の小部屋から順に見ていきます。

こちらには、ビビッドなはっきりした色を集めています。

それほど頻繁に出番はありませんが、必要な時に慌てないように一応持っているといった感じです。

常にカラーが豊富であると、すぐに使いたい時にゆったりとした心持ちでいられます。

パープルが似たような色が多いですが、調達する時に、1コーンずつではないのです。

とても大まかにまとめて使いたいカラーが豊富に入っているまとまりを調達してきているものなのです。

その時には使わない色も混じってくるということの積み重ねでいつの間にかこの量になっています。

微妙な違いですが、全く同じ色番号のものはあまりなく、少しずつ違っています。

一番左の小部屋:どれも1度は出番が出てくることをとりあえず調達の時点では想定しています。

次は、左から2番目の小部屋です。

左から2番目の小部屋:主に黒と紺ですが、行き場のないブルーを紺からのつながりで2色入れています。

左側の袋入りとそのすぐ隣りの縦向きまでが黒です。そして紺が3本。

一番下の横向きのものは、黒に一見見えますが、濃紺です。

糸のホールに紺と記載がありまして、黒に限りなく近い濃紺なんですね。

一番右の方は、ブルーで、ブルーグレーとも違い、ビビッドな1つ目の量が増えすぎることもあり、そこへ入れるのは断念して、紺からのつながりでここへ入れています。

次は、3番目の部屋です。

3番目の小部屋:全体に茶系ですが、この中ではパープルみたいなベリー色が入っているし、
グレーのような色も入っています。
ところが、パープルの中では浮くしグレーの中では茶色く見えるということで、
ここにこのように行き場のない中間色として集まりました。

茶色も最近はあまり出番はないですが、ファスナーの色が茶色の時に少し使います。

パープルの中だと浮いてしまう、真ん中周辺のベリー色、グレーの中では茶色く見えてしまう左右のサイドのあたりのモカグレー色は共に出番が多数あります。

こういったことから、中間色のなじみやすさ、使いやすさを感じています。

あいまいなどっちつかずのような色というのは、その色だけ見るとはっきりしておらず理解しがたいですが、生地に馴染んでいくことを想定し、実際に使った色というのは意外にもこのような色だったりするのです。

そして、4番目のの小部屋です。

4番目の小部屋:全体として白っぽいという色の集まりでこうなっています。ブルー系は、ミシンで縫うと
この見かけよりももっと色が薄く白っぽいので、オフ系という感じでここに入れています。  

ここは、ベージュが多いですが、白っぽい地のものが生地ではとても多いので、ここから選ぶことが多いです。

よって、薄いブルーのような色は紺のある2番目の部屋ではなく、こちらにあえて入れているのです。

ここのカラーの仲間に入れていることで、より良い選択を逃すことを避けています。

では、最後に飛び出している小部屋です。

外に飛び出している小部屋:こちらはグレー系です。グレーはよく使います。
あいまいな色なので、出番が多いです。

典型的なねずみ色のグレーもここで、チャコールグレーのような濃い目もここです。

グリーングレーなども出番が多く、グレーの色の展開の豊富さがとても役立ちます。

本当に生地になじむ色が意外な色であることの実験

ここで実験をしています。

一番なじむ糸の色を探す実験:こちらは淡いベージュ色のカーテン地の生地です。これに合う糸を探してみます

淡い色のベージュということで、小部屋の4の中から探すのがよいでしょう。

さて、この中では、どの色なんだろうという部分が少し奥深くなってきますね。

そこで、候補を2色ピックアップしました。

候補の2色:左側は、グリーンがかったのベージュ、右側は、黄色がかったベージュ。

イメージとしては、右側の黄色がかったベージュが合うような気がしていましたが、左側も意外に合うのではと予想してみました。

そしたら、どうでしょう。

上側が、前の写真でグリーンがかった方、下側が、前の写真での黄色がかった方です。
なんとなく、下の方が少し浮いていませんか。
ここで私は、上のグリーンがかったベージュの方がベストだと判断しました。

意外なことに、クールカラーがぴったりとなじんだようです。これは、見た目ではしっかりと分からなかったことです。

ただ、ウォームカラーが全然的外れだとは思いません。もし、このクールカラーの糸がなかった場合は、迷わずウォームカラーを選択したと思います。

たまたま、いろいろなベージュの糸があったからこそ、こうやって、選択し、最もなじむ色が得られたということです。

ミシンで縫って、生地の中に糸が埋まると、色の見え方が変わるのかもしれないですが、現実的なこととして、糸はバッグに作られた時そのまま永遠であることです。

ということは、糸が埋まっている時の見え方が一番大切だということなのです。

糸の色の選択は重要です。

では、昔私が糸の色の選択が甘かった経験があった証拠みたいなお品を見ていただきます。

昔、あまり深く考えずに、紺系の柄だから紺色の糸で縫った自分使いのバッグがとても糸の色が浮いているのを見つけました。

糸の色の選択1つで随分出来栄えが変わるものだと分かりますね。

あまりに糸の色が濃すぎると柄をつぶし、美しくありません。
この場合もっと薄い色の糸を選ぶべきでした。

あとがき

今回は、糸全50本ほどの使い分けや収納をご覧いただきました。

表地と裏地が存在するようなバッグの場合、表地と裏地が全く違う色の生地であったりすることもコントラストの効く美しい効果がある時があります。

そういった場合に、まめなようですが、それぞれの生地に対して糸のカラーを選び、上糸と下糸さえ違う色になる時も重ね縫いの場合は出てくるのです。

これを私は当たり前に行っています。そんなスタンスで製作したハンドメイドバッグの出来上がりというのは、シンプルですっきりとしたものになります。

糸1つでここまで美しさが違うのであれば、苦労を買ってでもしたいのです(^-^)。

ここからは、後に付け加えた記事の部分になります↓。

その後の考案で、今回ご紹介の収納の仕方を変えました。コンパクトにまとまって良いのですが、糸を抜き出す時に、テトロン糸は特に巻きが外れるのです。

その後の収納例は、後のブログの【132】の記事で一度糸を1コーンずつビニール袋に入れ始め、その後、【972】の記事では、ビニール袋収納を継続しながらヴィンテージ箪笥(たんす)の中に収納の現在に至ります。

箪笥の引き出しに入れている糸:無彩色系。
こちらはカラーもの。

それぞれの生地の色に馴染む糸の色で手間を惜しみなくかけたストライプパッチワークのクラッチバッグ【5】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、最近完成しました、パッチワークストライプのクラッチ型について、ご紹介を兼ねて、作りや、機能や、用途、そして、素材について、記事にさせていただこうかと思います。

バッグにもポーチにもどちらにもお使いいただけるということで、「クラッチポーチ」などという呼び名を付けてみました。

完成品4点のご紹介

ストライプパッチワークシリーズということで、4点同時完成ということに致しました。

同時といっても、1点1点順番にお作りしていく過程があったわけですが、この4点で1くくりというシリーズです。

私のような小さなショップが大いに発揮できる部分というのは、やはり、全く同じではなく、1点1点に違いがあって、1点物にできるという点です。

量産品にはありえないことができます。

今回のストライプパッチワークも3色の同じ素材を使って、すべて、色が違うという1点物に出来上がりました。

クラッチポーチ
ストライプパッチワーククラッチ・・・生地はアムンゼンというブツブツが特徴の素材。ポリエステル/100%、日本製。肉厚タイプでこういったバッグには向きな生地だと判断。無彩色の3種をいろんな組み合わせで4種類の展開です。

全部、少しずつ、色違いにより雰囲気が違っています。

同じ型紙で、おおよそサイズも同じですが、一番手前の黒x白のみ小さめのサイズになりました。

3点が、B5サイズ、一番手前がA5サイズとなります。形はマチ無し、柄を引き立たせたスクエアの定番型となります。

柄の美しさが特徴なものに関しては、クシュクシュとギャザーやタックを入れない方が、柄が綺麗に出ますので相反するかのように、形を平凡で当たり前なものにすると形、柄が共に引き立つようです。

今回の使用生地について

今回使った生地について、書きたいと思います。生地の名前は、アムンゼン。

ポリエステル/100%です。

アムンゼンというのは、比較的昔から存在する定番ともいえる生地。

ぶつぶつが表面にあり、生地に立体感があってとてもお洒落です。

ただ、一般的なアムンゼン生地は、こんな肉厚はあまり見かけません。

この肉厚感に惹かれたと言っても良い生地チョイスだったのです(^-^)。

厚みがあると、ポーチやバッグの出来栄えがまず立派にでき上がることが一目瞭然なのがとても良い点です。

厚みがあるわりには、ミシンでは縫いやすく、柔軟性もあるといったところです。

このアムンゼンのぶつぶつは、生地が作られていく過程において、変わり織の一種であることから現れるブツブツなので、後から加工してつけられたものではないところにナチュラルさもありますね。

今回使用のアムンゼン生地は、私自身がはまり、多くを調達してみたものになります。

主な製作過程

まずは、型紙でパッチワークシートを作るところからのスタートです。このような細い1枚1枚をつなぎ合わせて、ストライプシートを作り上げます。

ストライプパッチワークのクラッチポーチが完成
型紙:ストライプパーツ・・・幅は5cm。縦は、実際の裁断の時に歪みのロスを見込むために長めにとりました。

そして、つなぎ合わせたパッチワークシートは、ずれなどで、多少変な形になりまして、形を整えるのを兼ねて、本体型紙に当てて余分なところをカットする裁断の仕方です。

この時のずれの解消は、後のバッグ製作のパッチワークの引用の時に役に立ちました。

なぜかよく伸びるポリエステル/100%生地のこのアムンゼン。すごくずれていくのを感じましたので、パッチワーク作業時のこまめな待ち針の固定が望ましいです。

ストライプパッチワークのクラッチポーチが完成
本体:縦25cmx横30cmの型紙。

これだけでも、かなり手間がかかっています。

写真で見るよりも、実物は、もっと美しいものになります。

ストライプパッチワークのクラッチポーチが完成
パッチワークシート・・・それぞれの生地の色に糸をしっかり馴染ませています。これが美しさの秘訣の1つです。

そして、表地と裏地を合わせて1枚の板のようにパーツを作ります(この時点で、縫い代が完全に消滅するような状態)。

そして、その板状のパーツの縁を縫って組み立てていくという作りです。

本来、ポーチやバッグは、布製の場合は、縫い代を後で始末するのですが、このやり方は、縫い代を最初に始末しておいて、後は組み立てるだけという製作方法です。

それぞれの色の効果と役割

今回3色の、オフ、モカ、黒を組合せの違いで、全4色の展開をして4点のクラッチポーチをお作りしたわけですが、3色ともそれぞれの色の雰囲気の特徴が出たみたいです。

オフは、やはり、明るくて柔らかい印象をスパイスしてくれる、モカは、洒落た雰囲気にしてくれる、黒はこのアムンゼンの場合だと、濃いチャコールグレーなのですけれど、存在感があり、強さを出してくれています。

ですから、黒を使っていない一番奥のモカxオフは、優し気なマイルドな印象になっています。

3色しかないので、どうしてもコントラストが利き過ぎますが、場合によっては、同じ色でのパッチワークストライプも1枚仕立てと雰囲気が変わるかもしれません。

使いやすいのは、3色すべて均等に使った左のものかな。

中側の機能について

大きなものではないので、それほどいろいろな機能を付けたりはしていませんが、中側に1個だけポケットをいお付けしました。

マジックテープの開閉で、あまぶたフラップを付けて中身がこぼれにくいように致しております。

ストライプパッチワークのクラッチポーチが完成
ポケットの仕様

このポケットは、10cmx17cm程、一部のスマホも入ります。

その他、パス、キーなど小物を入れていただくと紛失しにくく、安心ですね。

入口開閉はファスナーです。老舗のYKK。

これで、完全に口がふさがり、これまた安心です。

通帳などを入れておく保管用のポーチとしてもお使いいただけるかと思います。

あとがき

今回は、【パッチワークシリーズ】ということで、ストライプパッチワークのクラッチを4点、色違いでお作りしました。

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