まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
「ハンドメイドバッグ」活動を始めて15年が経過。
まだ今でも活動のスタート当時の一重仕立てのポーチをインテリア使いしているものがあります。
その中の1つに耳かきを入れている細長ポーチがあります。
お店ではなかなか売られない特徴あるサイズ感で、縦が3cmくらいの細身です。
ポーチの中では、ペンケースなどはおおよそ縦が6cmありますので、こういったサイズ感は規格外。
これがハンドメイドの良さなのです。
特徴あるサイズ感は、量産品ではなかなか実現できないニッチなお品になりうるということです。
耳かきを取り出そうと、入り口がファスナー式のこの細長ポーチを開けた時の事。
「あっ!」、何かがぽろりと落ちたことに気づきます。
製作時の2007年からは、15年後が経過した2023年8月のことでした。
透明樹脂でできた20cmファスナーの留め具部分の劣化の瞬間
この透明樹脂はミシンに対してやや融通があり、金具との差別化で良いなあと思ったものでしたが、結果15年後の2023年現在このように劣化したのです。
この事実は大変重要で、最初に材料を選ぶ際に15年先を見越して選べるのかということへの「問題提起」です。
もっと言えば、遠い未来を見越して物を購入できるのかということも同じことではないでしょうか。
劣化してしまった留め具の補修アイデア
この留め具のカバーが外れた樹脂だけで固まっているファスナーの端はいずれファスナーが開いてくると予想できます。
そうしますと、今この時点で何とかせねばなりません。
そこで、こんなことをして補修しました↓。
ということは。。
最初からこれでも良かったのでは。。
実は、ハンドメイドバッグ活動をスタートした2007年頃は、カードサイズ程度の「ミニミニポーチ」というネーミングの小さなポーチも作っていた時期がありました。
ファスナーも20cm以下だと特注となりなかなかピッタリの色が見つかりませんので、とにかく色をすっきりとなじんで合わせていくことに重点を置く決断をしました。
その代わり、20cmのファスナーをカットしてその端を上の補修の写真と同じように留め具としてハンドによる糸刺繍を利用していたのです。
既製品で留め具に合わせた20cmでポーチを作ったのにもかかわらず、15年後にはこれを補修して規格外と同じ糸刺繍をするという皮肉。。
結局ファスナーに型紙のサイズを合わせた意味がなくなってしまいますね。
留め具は「金属」の勧め
このような事実から、留め具は金属製が良いと思います。
務歯(むし)の部分は樹脂ですが、留め具の透明樹脂と成分が違うと見ました。
務歯が劣化したことはこれまで経験していません。
よって、現在はこのようなファスナーを選んでいます↓。
留め具だけが金属です。
これは、永久的だと言えます。
ただ、その代わりに、デザインする時に型紙をファスナーに合わせる必要があります。
けれど、何を優先するかでこういった型紙の起こし方もちゃんと理由があるので私は縛られた自由の無い窮屈な製作だとも思いません。
むしろちゃんと「なぜそのサイズなのか」の理由ができるわけですので、何となく作った型紙とは意味が変わってきます。
ちゃんと考えられたお品になるのです。
あとがき
よく、記事にも書いています、「なぜその形でなければならなかったのか」ということはとても重要です。
意味のない飾りなどは、その時の一瞬の良さにしかならないことも。。
それよりも、飾り1つでさえ、付けなければならなかった意味、時には機能さえある飾りであればなおさらそうなるべくしてなったデザインになっていきます。
シンプルで飾り気がないデザインほど余計な部分はそぎ落とし、最低限の良さがあるものです。
今回のように、15年経過しないと分からなかったことなどの例は貴重だと思います。
予想が付きにくい未来の状態を今現在で見抜くための一助になればと思います(^-^)。