パワーストーン流行時代に集めたくり抜きバングルやくり抜きリングに多く登場していた「瑪瑙(めのう):アゲート」の多色展開【527】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

あれは何年前のことでしょうか。

2010年-2015年くらいですかね、パワーストーンが流行した時代がありました。

そのブームに自身も巻き込まれ、一緒にグルグルと回転しながら自分でもパワーストーンネックレスなどを作っていたほどの熱狂ぶりでした。

流行というのはいずれ降下する時が来るようで、現在では、鉱物好き界隈ではマニア向けとして、もしくはコレクターの方が楽しんでいる様子です。

みんなが、ゴムに通した珠のバングルを腕に付けている時代はとうに昔のことなのです。

今回は、その時代に記録して残してあったお写真と共に、「瑪瑙(メノウ):アゲート」というストーンについて、いろんな切り口からメノウというストーンを見てまいりたいと思います。

メノウらしい縞模様が漢字の語源

英語では「agate:アゲート」と呼ばれ、「メノウ」というカタカナ語は、漢字の「瑪瑙(めのう)」を読んだ呼び方です。

この瑪瑙という漢字は、馬の脳みそのことだそうで。。

馬の脳の断面の模様と、天然石の模様が似ているからですかね、少々グロい発想です。

以前、ハンドメイドバッグの生地裁断の際に、文鎮として習字用の細長の瑪瑙を使用していた時に、やはり白いうねりの層が見られるのが特徴でした。

どうカットしても、必ずある部分に「うねり」が入るという特徴がメノウらしさです。

赤やグリーンのマルチカラーになったり、黒やグレーのコンビだったりでツルツルの手触りも心地よい物品でした。

ただ、道具として使うには割れやすく欠けてしまいました。

そのような「割れ物」であるのも天然石の特徴なのです。

パワーストーン流行時代に集めたカラフルなメノウのコレクションをどうぞ↓。

すべてメノウ:バングルのオレンジは別名カーネリアン。下の指輪のくり抜きは多面カットが美しいです。

バングルほどの面積があるとメノウらしい渦が入りますね。

下段のリングはもしかしてこの写真のものでも染色がしてあるかもしれませんが、均一感に欠けています。

この不統一なところが味わいだと思って楽しんでおりました。

現在のこのタイプはその時代からもう10年以上経過していて、同じようなモデルであっても、どれもが「処理」が施され、こんな曖昧なカラーはほとんどありません。

もっとはっきりしたおもちゃみたいなものになってしまっています。

そう考えると、パワーストーン流行時代の比較的初期の頃の曖昧なカラーの方が天然色に近い、もしくは天然そのものの色であるものもあったかもしれません。

翡翠と並び瑪瑙も日本で採掘されたストーンである

「糸魚川翡翠」が有名ですが、東北の方ではかつて「瑪瑙」も採掘されていた過去がありました。

なかなか日本で天然石が発掘されることがなくなってきているようですが、それだからこそ、ヴィンテージ品のような昔の品物の中でメノウが登場した際には注目したいと思います。

瑪瑙の強靭さは水晶などに勝る

瑪瑙は時々、お皿などにも作られることがあったよう。

くり抜きリングなどもたくさんあるのは、ああいった、くり抜いたり削るという圧力を加えてもそれに耐えうる強靭性(きょうじんせい)というものがあるからです。

割れ物とは言え、その中ではそこそこ強い石なのです。

一方、水晶は割れやすいので、強靭性は瑪瑙に劣っています。

あとがき

パワーストーンも結局は、後に、工業製品らしく均一的なものになっていってしまいました。

そうすると普遍性が高まり、ニッチ好きなコレクターは興味が薄れます。

自身も、スタート時の「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップにはシルバーのセットのラインとしてパワーストーンも多く取り入れていたのですが、ALL廃止を決めまして、現在は18金とプラチナだけの貴金属へと変わっていきました。

ただ、おもちゃさながらのコスチュームジュエリーに比べたらもったいないような天然の姿を残すメノウのくり抜きタイプ。

コスチュームジュエリーでは子供っぽいなと思われれば、こうしたアイテムに一度目を向けてみて下さいませ(^-^)。

メノウとオニキスの見分け、鉱物名は二酸化ケイ素が結晶化した石英(クォーツ)で共通、メノウのうねった縞模様の中で模様が並行なものがオニキス【303】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、とてもシンプルでかえって惹き付けられたタイトルの、「ジュエリーの基本ブック:宮坂敦子 著」を拝読。

この地球には想像を超える程の天然石の種類がありますが、有名なストーン同士の類似ストーンに着目したいと思います。

そして、自主製作ネックレスに取り入れた過去のエピソードなども交えながらそれぞれの天然の美しさを味わっていただきたいと思います。

鉱物名からさらに枝分かれしてストーンの名前が決まる

こんな風に一緒に組み合わされることの多いルビーとサファイアは同じ鉱物名「コランダム」である。

ルビーとサファイアが共に4大宝石の仲間入りをしていて、元は共通の「コランダム」という鉱物名であることは有名ですし、何度も過去のブログ記事でもこのことを綴ってまいりました。

このたびは、パワーストーンや半貴石などと呼ばれるストーンもそれぞれの美しさがあり、同じように鉱物から枝分かれしたものであるという1つの例としまして、メノウとオニキスについて書きたいと思います。

メノウは瑪瑙という漢字で表記されることや、アゲートとかアゲードと表記されることもあります。

この2つは、曲線の縞模様を持つのがアゲート、その中で直線の縞模様を持つのがオニキスというように別物として扱われるとのことです。

しかし、実物を見ることは、大きな置物のストーンを見なければ分かりにくいことで、ネックレスなどになってしまうと見分けは難しいです。

オニキスのネックレス:自作しました。大玉の12mmの64面カット。留め具をK18YGにて。
瑪瑙のリング:うっすらと縞模様が見えますが、曲線の一部分であることがなかなか分かりにくいものです。

それでは、ダイヤモンドの鉱物名は?

ダイヤモンドは、鉱物名も唯一「ダイヤモンド」であるということ。

ここからも特殊な感じがしますね。

地球のずっと奥の方(底)というのは、温度がとても高くて、圧力もすごいもの。

そのマントルというものの中で生まれて、マグマとなって地上へ割れ目から吹き出し、固まることで出来上がるものです。

地震や噴火ともかかわりがあると思います。

地表に鉱物として出ている宝石はほんの一部に過ぎず、地中の奥深くには、ダイヤモンドとか、ペリドットも無数に存在しているようでとても驚くシミュレーション映像をYouTubeで拝聴。

やはり天然石は地球の活動の証ということになります。

メノウかもしれない実家にあったストーン。

あとがき

確かにオニキスやメノウは入手もしやすく希少価値が重視される宝石界隈ではパワーストーンとか半貴石扱いです。

それでも、同じように地金の台に宝石になると何ら他の4大宝石とも平等ではないかと私は思うのですが。。

どうしても透明に研磨されたエレガントなものがジュエリーという扱いであることが現実の用です。

それでも、自身の目で見て美しいと思うものが必ず四大宝石であるわけでもないのです。

フラットな目で5,000種以上も存在していると言われる天然石を見たいものです。

どうしても商業用の「観念」として限られた有名ストーンだけが称えられることも多いですが、あまりとらわれないようにしています。

不均一で曖昧な姿は人工的な染色では決して表現し切れない、ダントツに美しいぼやけた翡翠やルチル【325】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本物志向のレンタルジュエリー」という事業をさせていただいております。

現在のこのレンタルのジュエリーの内容というのは、すべてが18金やプラチナの高級地金に加え、宝石と呼ばれる美しいストーンの組み合わせで成り立つお品物のラインナップになります。

とはいえ、「パワーストーン」とか「半貴石」などと呼ばれる天然の美しさ満載のジュエリーもあります。

実は、現在はラインナップからは廃止でもう今後も出ないものですが、レンタルジュエリー開始直後は随分取り入れていましたラインがあります。

その記録は、歩んだ軌跡として残しております。

当然価格も開始当初はお求めやすいものでしたが、その後のお客様からのフィードバックによって廃止に至っております。

では、その過去の廃止したものが悪かったかというと、「受け入れられなかった」というだけで大変美しいものなのです。

おそらくレンタルすることの価値を考えると身近なこの度ご紹介のようなものはご利用に至らなかったのだと思います。

とはいえ、これも組み合わせ例として、今後も引き続きお伝えして行けることではないかと思いました。

どうぞ、比較的お求め易かったり、自作できたりするようなものでもその組み合わせによって出来上がる美しい天然石の世界観をご覧くださいませ。

超高級ではない分、旅行とかアクティブなお出かけシーンには気軽に身に付けていける優れものになると思います。

これが天然色の良さ、はっきりしない曖昧なグラデーションと不統一な美しさの集まり

〇ネックレス: トップが直径5cmの円形のさらさらな手触りの本翡翠。抽象的な柄の彫り。80cm。

バチカンの丸カンは、二重リングをカットして一重にアレンジしたものでステンレス製。

シルバー925ではここまでの直径の広い丸カンは特注になってしまいますし、細くても頑強なステンレスがこの小さな穴には向いているのです。

チェーンもステンレス製で金属アレルギー対策。

〇ブレスレット:ルチルクォーツのマルチカラーの一連。長さは、シルバークラスプの留め具含む22cm。

ルチルが黄色いイメージだけだったのが、この展開を見て感動♪。

混じりっ気のある曖昧さこそ魅力なのだと思います。

〇リング:モスアゲートという内包物が藻のような石。実際は、藻ではなくクローライトという石他。17号。

眺めるだけでも立体感が感じられて魅力的なくり抜きリングです。

柄がいかにも水草の自然を表現しているかのようで素敵です。

3アイテムどれにもグリーンと黄色の中間色が入り共通です。

あとがき

直径5cm程の大ぶりな翡翠のプレートペンダントは、そもそもペンダントとして実際に使われるかというと、ただ持っているだけにとどまりがちな気がします。

ペンダントとして実際に装うには、穴にバチカンを通しチェーンを通さなければ成り立たないのです。

そうしたアレンジをして実用的なジュエリーとなるように工夫しながら開始当初のレンタルジュエリーのラインナップの中に多く盛り込んでいたわけです。

天然石がむき出しのペンダントを触った時のヒンヤリ感やサラサラの感触は「美しい」と感じることに繋がります。

目で見たごつさをスタイリッシュなチェーンを付けてジュエリーらしくアレンジしていったこの経験はその後の発展への道しるべとしては非常に貴重だったと思います。

こういったものは、コスチュームジュエリーの工業製品に比べたら雲泥の差、レベルは高いです。

どうしても高級過ぎるジュエリーは避けたい遠方へのお出かけなどの際には出番があるのではないでしょうか(^-^)。