ジーンズ裾上げのカット2ケース、重ねてカットのみで三つ折り可能な場合と元の三つ折り解体が必要な場合の作業の違い【248】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ライフも20年来、2015年辺りに60本にも及ぶリーバイス501・W28・USA製の3項目に特化した古着ジーンズを集めていたのが私のデニムコレクション全盛期だったと思います。

古着ライフではサイズが合致しないことは当然で、反対にぴったりであれば奇跡的だと感じるくらいのもの、すべてが1点物なのです。

十分な材料の調達が難しい今後、良き作りの過去のお洋服の価値がますます見直されると思います。

その結果、古着着用文化の高まりに伴いリフォームしてサイズを整える機会も増えるとことが見込まれるかと。

このたびは、自主的なジーンズの裾上げの例をご紹介したいと思います。

リーバイス501・W28・USA製でそろえても唯一揃わなかった股下の長さの解決を、2つのケースでご紹介したいと思います。

その2つのケースの違いというのは、元の三つ折りの解体をする必要があるのか無いのかの違いです。

確かに三つ折りを解体しなければ作業は楽ですが、求める股下の長さに忠実に長さを合わせたい場合は、三つ折りの3cm程度の中にその微妙な長さの調整があるのです。

ジーンズの裾上げ2通りの作業の違い、5cm短くしたい場合は3cmカット、3cm短くしたい場合は元の三つ折りを解体した内部をカット

このたび裾上げをする2点の古着ジーンズ:いずれもリーバイス501・W28・USA製に特化した収集の一部。
かかとから数センチはみ出した余分:パンプスをはいても気になる引きずりはエレガントから遠のいてしまいます。
股下の正しい測り方:股の折り伏せ縫いの重なり同士の十文字のボックス枠のど真ん中から折った先端まで。
5cm短くするケースと3cm短くするケース:カットした後は1.5cmの縫い代を二度曲げる三つ折りは共通。

ここで、具体的な見込みを立てます。

左の5cm短くする場合は、カットした後の三つ折りに1.5cmx2=3cmが縫い代として必要なので、3cmを除外、5-3=2cmが実際にカットする分と算出。

右の3cm短くする場合は、3-3=0cmで、カットしないとなります。

カットせずにそのまま先端を三つ折りしてしまうとごわつき不可能。。

よって、三つ折りを解体して、元の三つ折りの先端部分に当たるラインをカットするということになります。

5cm短くする方のカット作業:上述の計算の値通り2cmをカットするので、先端から2cmに印、重ねてカット。
3cm短くする方のカット作業:元の三つ折りステッチを全解体し三つ折りの時に先端だった赤点線を1周カット。

ジーンズの両裾2本分をカットした後は、共通に1.5cmずつをアイロンで三つ折りします。

続いて、ミシンステッチの場面に移りますが、その前に図解で縫い始めの位置の望ましい場所をこれまでの実体験からお勧めしたいと思います。

三つ折りステッチ開始位置:内股側からがステッチの重なりが隠れ綺麗。星印のハギ目2cm手前からスタート。

ちょうどハギ目に当たる位置からスタートしない理由は、実はこの裏側は「折り伏せ縫い」で最も難関のデニム生地が重なった厚い部分だからです。

ステッチが厚みある部分に乗り上げていく時の対策の1つ目として、そもそも助走をつけるかのように手前から進めていくという意味の2cmのずれです。

三つ折りの折り伏せ縫いの潰し作業:金づち(木づちや樹脂づちも〇)で軽くたたき平らに潰しておくのです。

こうして、2つの対策によって、早くも最初に訪れる難関に対応できるというわけです。

裾上げ完成:ややゆったりとした長さ。股下75cmに仕上げたい者が、元は80cmあった丈を2cmカット。

80-(5-(1.5x2))=78cmという股下の状態で三つ折りするのだという見方もできます。

5cm短くするという5という数字そのままではカットし過ぎ、カット後の1.5cmずつの三つ折り分3cmが新たに必要になる分を前もって補填しておくという意味なのです。

あとがき

カットする時が緊張感が高まる時です。

計算を間違わないようにデニム専用の1.5cmの2回分の折りが3cmであることを、「3cm補填の法則」とでも覚えておかれると良いです。

「出来上がりの股下ぴったりになるカット分から3cm残してカットする」。。是非古着ライフに引用下さればと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

1990年代のツイードジャケットを素敵に着崩したい、裏地に覆われた肩パッドを取り外し綺麗に閉じ抜け感を得た【144】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1990年代初頭の古着のジャケット(正確には札付きの未使用品でした)。

ちょうど1986年-1991年あたりのおよそ5年間はかの伝説の「バブル期」に当たります。

肩パットが入った勇ましさが多くのジャケットのポイントになっていたことは周知の記憶です。

当ブログ記事は最初の投稿の2019.03.19からおよそ6年後の2025.05.26にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

現在2025年からはバブル時代のお洋服も35-40年前という大昔になってしまいました。

それでもお洋服は捨てなければ末永く残っていくものであり、「布」「生地」という素材の永続性を感じずにはいられません。

かえって、このような古いお洋服にこそ価値を見出し、新品のお洋服を廃止、古着ライフを続けて20年にもなります。

そのような古着好きがお伝えしたいのは、今の時代とのずれが反対に新鮮であることとその貴重さを大切にしていくスタイルです。

仕事も遊びも同じ比率でパワフルだったと言えるバブル時代の戦闘服の象徴「存在感ある肩パッド」を取り外し、新しい着方をご提案してまいります。

きちんとしたシーン用に作られた古着のツイードジャケット、肩パッドを外し抜け感を出して日常着として素敵に着崩したい

肩パッドを外すツイードショートジャケット:おそらく1990年代初頭のもの。古着ですが札が健在で未使用品。

そもそも、古着なのに未使用品が今だに存在する点にロマンがあり、同時にアパレルの闇を感じます。

そのような闇を明るい方向へ活かすのも、こうした新古品を手に取った者ができることです。

①裏地で覆われたハギ目の解体:肩パッドの十文字の線の取り出しやすい位置を最低限リッパーで解いていきます。
②肩パットの取り付けを外す:ほとんどが緩く1本取りで縫い付けてあるだけなのでほどきやすいです。
③肩パット取り出し:完全に肩パットを取り出し、残った余分な縫い糸なども同時に処分。
④「はしごまつり」直前:ほどいた部分を再び縫い閉じの準備。唇のように重ね合わせます。

「はしごまつり」のやり方は(実体験としては初めてでした)、下に貼りますYouTube動画内でじっくりご覧になれます。

2つに重なった片方をそのまま進行方向に少し進んだら反対側に刺して同じように少し進んで。。を交互に繰り返すと「はしごまつり」(コの字まつりとも言います)が出来ていきます。

最初と最後は、前の糸との継ぎ目ですので、工夫して玉止めを作ったり、返し縫いも取り入れて頑丈にすると良いと思います。

⑤「はしごまつり」の完成:決して上手とは言えませんが、初めての「はしごまつり」に感動です。
以前との比較:黒い方は、「はしごまつり」の技術を存じ上げず、適当に糸が見えるまま縫い閉じをしていました。

明らかに「はしごまつり」の方が美しく奥ゆかしいやり方で上品なのです。

裏地とは言え、視界に入れることができる部分だと考えるとやはり綺麗に始末したいものです。

肩パッド取り外し後:あれ?それほど変わっていないのでは。。というのもライン自体は同じだからです。
肩パッド入りと肩パッド無しの比較:余分な厚みは解消され、やや抜け感が出たと感じますことは一定の効果。
更なる抜け感の表現:パステルカラーのジャケットに馴染むライトブルーデニムパンツが相性が良いです。
YouTube動画の7:00(7分ちょうどあたり)から数分がちょうどこの「はしごまつり」をしている部分に該当。

あとがき

こうして何度か肩パッドの取り外しのリフォームを体験したのですが、このたびも含め、元のアームホールの形や角度など、デザイン自体を変えていないので劇的変化というわけにはいきません。

とはいえ、ジャケットの堅苦しさと言いますか、肩パッドを取り外すだけのリフォームで着用シーンの可能性が広がるということが見込めます。

こうして考えますと、古着を着こなすことのベースには、しっかりと自らの方向性や意志表示を持っていなければなりません。

ファッションの勉強になるのは、むしろ古着です。

かつての流行の変遷や歴史、作りの良さは古き良き時代を見ることで学べることが多いと考えます。

現在の新品のお洋服には全く魅力を感じなくなり、お洋服自体を主体にする生活とは無縁になってきた近年。

こうしたお洋服に対する変化は人生の変化と並行していたように思えまして、やはりお洋服との接し方というのはある一人の人生の物語なのではないかと思えてやみません(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

バブリーな全14個もの金ボタンを総取替えし、黒ボタンでコーデの巾が広がった黒白ギンガムジャケット【304】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今までもブログ内で幾度かお話させていただきましたが、洋服はすべて古着を着ています。

現在の一律的な類似だらけのデザインより、80年代辺りのようなデザイナーズブランドのテイストが色濃く出ているような少ない数しか出回らなかった魅力的な洋服が古着の中にはたくさん見つかるからです。

このたび「ESCADA(エスカーダ)」様(ドイツブランド)の、ウールジャケットを入手しましたところ、少し気になるところがありました。

肩パットがやや強調されすぎている、ボタンがゴールドでややバブル感が感じられボタンも少し浮き気味、余計な背のチェーンがゴールドで付いている、この3点。

今回この3点同時リフォームを自ら行いました中で、ボタンの交換の部分のみにスポットを当てた記事になります。

ボタンを交換するだけで劇的な変化、年代が色濃く出たゴールドボタンよりも普遍的な時代性を感じない同色ボタンの選択

たかがボタンとはいえ、このジャケット、実はボタンが全部で14個も付いているデザイン。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ゴールドのボタンがゴージャスなジャケット:「ESCADAエスカーダ」製。黒白ギンガムチェック、毛/100%。

やや80年代-90年代前半のような感じがしますね。

このままでも、回帰的に着るというのも悪くはないのですが、「流行」というものは「新しい装いを入れ込んだらせん状の繰り返し」がベースにあり、古着も新しいテイストを入れていくことでかっこよくなると思っております。

そこで、このままゴールドボタンのジャケットをそのまま着るのではなく、今あるボタンを外し、ボタンの総入れ替えです。

ボタンは、黒色のプレーンなもの、元のゴールドとは真逆の雰囲気です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
交換する黒いプレーンなボタン:ツヤがあるタイプの四つ穴。ボタンストックから探しました。

新しくボタンを購入するのではなく、過去に着なくなったコートやジャケットのボタンを外しておいて、何かに後々使えるようにボタンをストックしていたものからの使用です。

14個は相当な数、なかなかこの数はそろわないものなのですが、だからこそ、今までのマメなストックが活きることになりました。

ボタンのストックケースなどを持っていると、使える時がありますのでお勧めしたいです↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンケース:ある程度サイズ別にケースを分けています。

その後、またボタンが増えたら、同じ種類をチャック袋に入れる保管法も後に取り入れるようになりました↓。

収納の仕方:チャック袋のミニを利用します。同じボタンをまとめて使いやすく保管します。
全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リッパーを使って根本の糸だけを切ってボタンを取り外します。

まずボタンをすべて取り外します。

生地に穴をあけてしまわないように気を付けます。

はさみは、こういうところで使うと刃がだめになった経験から、「リッパー」を使うことをクセにすると良いとお勧めしたいです。

無理矢理引っ張るのではなく、リッパーの刃を滑らせて負担の無い小さな力で取り外すことができます。

そして、今度は14個をすべて新しくボタンを取り付け直します。

前立て部分がベルベット生地に切り替えられている部分で、良いのか悪いのか、まるっとボタンの形アタリが付いていまして、そこへ同じように当てればよかい点が分かりやすかったです(^_^;)。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンを取り付けます。

実はこの14個のボタンは元はすべて同じサイズというデザインではなかったのです。

袖の部分左右合計8個はひと回り小さめでした。

そんなうまい具合に手持ちのボタンが対応しきれず、袖の部分の8個にボタンホールが存在しなかったことで、同じサイズで飾れば問題ないとなり、同じサイズのボタンを1種だけ共通でで対応できたというわけです。

バランスも同じサイズによることで崩れるということも感じませんでした。

ということで、ボタンを交換しただけで劇的に変化したジャケット雰囲気の新しい姿です↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リフォーム完成。ボタンをすべて付け替え終わりました。

以前よりしっとりと落ち着きました。

ゴールドのボタンの時より、ギンガムチェックの柄がより主役になります。

もう一度並べて比べてみましょう。

左:ボタン交換前 右ボタン交換後。

違いが顕著ですね。1色がなくなってシンプルになったとも言えます。

「粋:いき」という言葉がありますが、「すっきりとした整然さ」ということからは、より右側が「粋になった」と見ることができます。

決して華やであることが粋なのではありません。

誤解を招きやすいのですが、「粋:いき」のテイストはもっと違った意味であり、きちんと整っているようなさっぱりしたイメージを指すのです。

お魚などの活発な「活き」と音が同じなので、意外と勘違いしやすいテイストです。

黒ボタンへ変わったことで実現しやすくなったデニムコーデ

では、このリフォーム後のジャケットでしたかったコーデを実現していきます。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
インディゴブルーデニムパンツとのコーデ。

まず、このような色のデニム。

もともと、このジャケットはタイトスカート付きのセットアップスーツです。

いかにもお出かけ風なジャケットに、デニムでカジュアルなボトムを同時に装うという上下のギャップが面白いのです。

そして、このままデニムパンツの色を変えます↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブラックデニムパンツとのコーデ。

黒のデニムパンツもすっきりとして良いでしょう。

使われている色がとても絞られていることこそが粋です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブルーデニムパンツとのコーデ。

そして、最後はこのブルーデニムパンツ。

この3本のデニムの中では、このブルーが一番カジュアルでくだけていますので、ジャケットとの組み合わせの意外性があります。

この場合、さらに、小物、例えばショルダーバッグをデニムと同じカジュアルな感じのテイストものにするのか、エレガントなハンドバッグにするのかでさらにコーデのテイストがいかようにも分かれていくのです。

あとがき

ボタン交換するだけで随分とお洋服が「自由」を手に入れました。

ゴールドボタンは、今度は交換後の出番の機会を待ちながらストックしておきます。

この度のジャケットには合わせなかったけど、別のアイテムには合わせていくかもしれないからです。

そして、アウターの金ボタンが必要な時の出番を待つのです。

全てのお洋服アイテムに関して、ゴールドボタン=バブリーということではありませんので、ワンピースなどの別アイテムには見合うこともあるのです。

このように「シャッフル」ともいうべきボタンの交換をしていくことで新しくボタンを購入する必要がなくなるのです。

せっかくお得に得た古着ですので、その後のメンテナンスや維持に余計な費用がかからない方が長い目で見たお得感が実現できることになるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

磁気がカードに影響しその機能を狂わせた、デジタル時代のバッグ製造にマグネットボタンを使用するべきではない【161】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ナイロンという優れた機能の布をバッグに落とし込んだハイブランド「プラダ」様。

独自開発の高級感ある特別なナイロン素材は、本革レザーに匹敵するほどの市民権を得た言ってよいでしょう。

その後のナイロン素材がバッグに定番化した大きな流れへの貢献度があったのではないかと考えます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.17からおよそ6年後の2025.06.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

かれこれ20年に及ぶ古着スタイルの中、過去のニッチモデルのブランドバッグも同時に収集してまいりましたことで、ある問題が起きるようになりました。

それは、デジタル時代にバッグ内に携帯するクレジットカード・交通系ICカードなどの「磁気」を持つアイテムの存在。

ある時期に、通帳・キャッシュカード・クレジットカードが連続で機能不全になったこの事実の原因が、強力な磁力のバッグのマグネットボタンにあると解いたのです。

これ以降、マグネットボタン付きの古物バッグを選ばないという選択をするようになります。

ただ、元々持っていたマグネット開閉のバッグもあったわけで、このたびはマグネットボタンをマジックテープへ自主交換するというアイデアをご提示したいと思います。

マジックテープならば、安心して今後も問題なくデジタルな時代に持つ良き古物として更に末永くバッグを持ち続けていけるでしょう。

古いブランドバッグを購入する際の注意、デジタル時代にバッグ内部にあるカードの磁気を狂わすマグネットボタンからの回避

もうすでに一度マジックテープへの交換を同じブランドの別モデルで行ったことがありました↓。

過去に完了した留め具交換:元はチェーンショルダーバッグ。比較的困難無く仕上げることができたケース。
このたびのマグネットボタン交換のモデル:1997年頃に購入のトートバッグ。中綴じ仕様があり上よりも困難。
既存のマグネットボタンの設置の様子
元の留め具(マグネットボタン):これを一度すべて外していかねばなりません。少し範囲広がる解体あり。
マグネットボタンの取り外しのきっかけ部分:ステッチで一番近い箇所を起点にほどいて裏側に迫ります。
マグネットボタンの取り外し過程(左上から右下へ):ある程度でほどくのは終了しマグネットボタン外しへ。

実は、この部分がかなり大変で、簡単には取り外せないような構造でした。

そもそもマグネットボタンの足が放射線状であり、特注のようなもの。

鋼の板をマイナスドライバーで起こして、更にペンチでつぶして外す下準備。

引き続いて、根っこを生地から引っこ抜いたのですが、どうしても生地を破らざるを得なかったのです。

専用マグネットボタンの構造:左側はデザイン性はありますが一般的なダブル爪と同じ作り。右が特に特殊。
亀裂が入った生地部分の補修:この後マジックテープで覆われますが、馴染む黒糸で刺繍のようにカバー。
マジックテープ付け:オス・メスの位置はトートバッグなのでどちらでも良いと重視せず。
ファスナーが付いた方のマジックテープの設置完了:ファスナー付け部分もほどいていたので、縫い閉じして完了。
ファスナーが付いていない方の縫い閉じ-元は中表に始末の仕様だったことでその再現が出来ず部分的に「外表ステッチ」で解決
ファスナーが無い方のマジックテープの設置完了:赤枠のように元は「中表」だった通りの再現ができず「外表」。
両サイドのマジックテープの設置による縫い閉じ方の違い:上述のように元の構造が違うので別の縫い閉じ方。

マジックテープがいずれも歪んで付いてしまい、技術不足でした(^_^;)。

マジックテープ開閉のイメージ:その後付け位置をまっすぐにやり直しました。非常に心地良さを感じるように。
変更前と変更後の比較:どちらも内部のことなので表からは分かりませんが、持ち主本人の心地の違いは大きい。

あとがき

ますますデジタル時代が加速の今後です。

古着好きでバッグも中古品を探す際には、こうした細かな留め具の箇所をチェックしていただきたいと思います。

それでもそのバッグがどうしても欲しい場合には、このたび自主リフォームをしたよりもリフォーム業者様の方が腕が格段に上です。

リフォーム料金の事を思えば、その前にマグネットボタンではない留め具の類似品と比較検討したバッグ購入という点こそ大切。

とにかく、悪い影響をもたらすバッグが存在していること自体が解決せねばならないこと。

このことは、バッグ作りを今後していく方にもまずはお伝えしたいことだったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

空きっ放しの枕カバー入り口にファスナーを後付け、毎日利用する寝具だからこそすっきりと映り乱れること無く使いたい【243】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ファッションアイテムやインテリア小物を時々自己アレンジすることがあります。

まるごと姿を変えてしまうものは「リメイク」となりますので、「著作権の侵害」に配慮してこうした発信を控えさせていただいております。

その代わり、ここ近年そのノウハウや記録を「リメイク図解」という形で自作のクリップで正当な形でご紹介することがあります。

このたびは部分的なアレンジ、判断としてはリフォームの領域であると、実物写真も掲載しました(慎重な判断のもとです)。

インテリア好きが、寝具のインテリア空間全体における存在感として眺めた時に感じた調整です。

このノウハウ、同じように気になっていた方がありましたら是非やってみてくださいませ。

枕カバーも立派なインテリア、ルーズな空きっ放しの入り口を後付けファスナーで閉じたことで整然と配置された寝具の新しい姿

既製の枕カバー:一般的なサイズの長さが46cmくらいのもの。入れた後に整える作業が必要で乱れやすいです。
ファスナーを設置した枕カバー:早速ながら完成を先に掲載。入り口の布にファスナー丸ごと縫い付け。

間に別生地を仲介するようなステップは入れませんでした。

ファスナータブ:ファスナー先端を綺麗にまとめる観音開きの作り。ひっくり返しよりもスタイリッシュです。
ファスナータブの観音開きの折り方:1-3の手順で縫い代を内部に隠し込みます。バッグ製作で使うやり方と同じ。
既存のステッチの利用:縫い付け位置がいかようにもなる点が悩みどころ、印を兼ねて元のステッチをなぞります。

この時に、縁からは物理的に難しく、無理やり続行すると位置が歪むのです。

よって、両縁8cm位を空けて確実な部分のみ部分縫いをしたということ、最初と最後の「玉止め」は、上手く隠します。

既存ステッチとの重なり:類似の糸で(むしろ元の糸よりも生地になじみました)元の状態を壊し過ぎぬよう。
玉縁式のアイデア:ファスナーを使用せず、布だけでポストのような枠をくり抜いて作ります。

これならば、余計な附属品が不要ですが難易度は高め、別布の元生地との相性に悩むと思います。

ファスナー以外では、「布ひもを用意して結ぶ」というアイデアもあります。

いずれにしても目指すところは同じ「すっきりさ」です。

あとがき

枕というアイテムは、頭を高くして寝ている時のバランスをより良く整えるものだと認識しています。

大切な役割をする枕、そのカバーも乱れやすい開きっ放しに手を加え、常に整えておきたいと考えたことから、このたびのリフォームをしたのです。

インテリアを常に俯瞰する眺め方、身近過ぎて見失いがちな「映り方」を客観的な目線で見る意識にも繋がるところがあると思いました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

そもそも流行の無いデザインの選択をした古物の本革レザーバッグ、角や縁の「擦れ」はピカピカに蘇ると想定できる【241】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ライフも20年来、同時にバッグや靴やベルトの小物も古物という徹底ぶり。

「古」という字のイメージとは裏腹に、これまで随分な美品を手にしてまいりました。

このことは日本という国のこれまでの豊かさを象徴するような部分なのではと思う程。

外国の古物に比べて新品同様に良い状態の古物が溢れているという特色が日本の古着市場に見られるらしいのです(外国人目線)。

このたび、古物で入手できたことが本当に幸運と言える、定番の黒の本革レザーバッグをご紹介。

入手時の「擦れ」がキラキラと美しく輝くまでの過程を、自主リフォームの形でお届けしたいと思います。

高級ハイブランドバッグもゆくゆくはお手入れが必要、古物の中から見つけたリザード型押しの黒のハンドバッグの擦れの劇的な蘇り

本革レザーバッグ(黒):リザード型押し。ブランド名不明、サイズは縦20cmx横31cm。

ロゴが無かったことからオーダーメイド品かもしれません、それならなおのこと逸品を見つけたことになります。

もともと型崩れも少なく、ハンドバッグの割にはサイズ感がゆったりとしていました。

そして無駄が削ぎ落されたミニマムなデザインは、古物によく見られる1クセの「流行の足跡」が感じられず、いつの時代にも使えるものだと感じた直観が購入に繋がりました。

「ヤフオク」様で¥2,700程度だったと記憶しています。

元は、おそらく昔でも¥20,000-¥30,000くらいの価格が付いていたと予想します。

部分的な擦れ:古物の本革レザーでは、必ず角周辺の「擦れ」が見られることが多いです。

ただ、この「擦れ」は、定番の黒の本革レザーという価値には及びません。

過去に、擦れた本革レザーの茶色の角を見事にピカピカにした自主リフォームの経験があったからです。

同じように、ピカピカに蘇ることに期待を寄せ、¥2,700以上の価値感をイメージしたのでした。

本革レザー小物に共通利用できる補色クリーム:「サフィール:レノベーティングカラークリーム」。

このクリームは業界では有名なアイテムのよう、色同士を混ぜても利用でき、元のカラー展開は最低限です。

柔らかい布で補色の作業:手袋は「ダイソー」様のもの。薔薇柄がかわいいです。布は保存袋をカットしたもの。
擦れの角部分の補色前後比較:塗布後の方の白い部分はテカリ、完全に黒で覆われたことを実物で確認しています。

ただ、ここでツヤの不足が気になります。

更に仕上げとしてツヤを加えるという作業をしたいと思いまして、邪道ながら、使ってはいけないという靴クリームの補色兼ツヤ出しの両方が1本になったこちらを利用↓。

靴用の艶出しリキッド(保革や白の補色目的のもの):「コロンブス」様の有名なアイテム。「ムショク」という色。

断り書きにも、「靴専用であり他の物品には利用不可」とありますので、本当は邪道の行為。

だからこそ、存在している黒バージョンをあえて使いませんでした。

あくまでツヤのみを目的とし、黒ではなく無色透明を選択したのです。

もし、黒を塗布していたら幕が張ったかのように違和感が出てしまっていたかもしれません。

これは自己責任においての私の判断。

ただ、こうした思い切った邪道も含む判断は、古物だからこそできたこと。

高級ハイブランドバッグでは躊躇することであり、古物である気さくさから手を付けることができたということ、結果購入当初のコスパを維持できました。

<バッグが擦れる場面>

・外出・帰宅時の玄関のドアや壁。

・満員電車やバスなどの人や物との接触。

・床にバッグを置いた時。

・自転車のかごの出し入れの接触。

そもそも、バッグを日々大切に丁寧に取り扱うことも心掛けると、傷み防止になると思います。

あとがき

このたびのリフォームは、本革レザーだからこそのノウハウであり、古物で本革レザー小物をご検討される際にちょっとしたその後のイメージになれば幸いです。

共通のバッグを製作する者として非常に参考になる点がありました。

それは、「直してでも使い続けたい、もったいない」と思ってもらえるほどの価値があったという点。

その後、ハンドメイド製作する布製バッグは、20年間持ち続けられるイメージで作ることを常に考えています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク