共布でレンズストッパーを設置した巾着バッグ、トロピカルな美しいマルチカラーの完成は無限の生地へ可能性【20】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「巾着袋」と「巾着バッグ」の違いは、バッグらしいアイテムの金具やパーツの存在に感じられます。

巾着袋にはないもの「片面ハトメ/アイレットカン」と「レンズストッパー」の2種の附属品が加わった巾着バッグをこのたび製作。

「レンズストッパー」の方は共布製作ですので、既製品には無いメリットのサイズが自由である点もポテンシャルに溢れます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.06.18からおよそ5年半後の2025.01.20にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしております。

一応完成には至ったものの、課題も複数ありまして、その後にどう見直して現在の2025年に至るのかも併せてお伝えできればと思います。

美しいマルチカラーに吸い込まれそうな巾着バッグ、絞るタイプに引用できる共布レンズストッパーの誕生

巾着バッグ:<サイズ>:縦23cmx横15/30cmxマチ7cm。ショルダーの幅は13mm。
表地(グリーン系マルチカラー):ガーゼプリント、ポリエステル/100%、日本製。ハワイアン風な柄です。
裏地(赤紫色):ジャガードクロス、ポリエステル/100%、日本製。ゼブラ風のジャガード柄がシャープ。
左上から時計回りに、「後ろ面」「ショルダーの線コキ」「ひも先のループエンド」「底面」。
マジックテープルーフ:巾着ホールは伝統的な12個からの改良で8個。口が閉まりきらないことのフォローです。

↑この写真でもご覧いただけますが、アイレットカンがステッチを遮ったりマジックテープをぶち抜いたりなど、狭い場所に無理やり複数のパーツが込み入りました。

非常に不安定な製作であり、後に大きく見直していく必要を感じました。

容量の小さなバッグには多機能が見込めないことがよく分かったのです。

着用イメージ:口が半開きのままでも、視線も行き届き、内部のマジックテープルーフがあることの安心感。
お洋服コーデ:無地に対してこのマルチカラーは効果的です。抽象的な柄であり、柄同士でも合うことも可能。

その後なのですが、そもそも生地に対して、本来は望ましくない「片面ハトメ/アイレットカン」を使用することを廃止していきました、2023年のことです。

生地に穴を開けることさえ気持ちが辛かったことを一番大切にしたのです。

その代わり、巾着ひもホールタブという生地で作るトンネルにひもを通す仕様を考案し、2025年では、巾着系はこの手法1本です。

金属パーツで現在使用しているのは、Dカンのみ。

いつ外れるとも分からない打ち込みカシめることのみで成り立つ「ハトメ」類に比べ、Dカンは「縫い」の力で成り立つことが永久だと解釈しています。

そして、「レンズストッパー」に関しましては、ひもと穴の一番望ましいサイズ感を設計の型紙と作り方をじっくりと解説しながら自由な引用を広めている最中です。

「ひもの左右が5mmくらいずつのゆとりを持った合計1cmの差」が程良きバランスです。

あとがき

ピクチャレスクとしましては、裏地も表地と同等くらいにフラットに「材料」として見ています。

表地が同じバッグで裏地まで同じということは確率としては大変低いものになります。

こういったところに、独自の解釈を入れ込むことが出来るのです。

その後、この生地は、裏地をグリーンに使う2点「クラッチ」「バニティ」を製作して使い切りました↓

実は、この時の1m程の調達で生地屋様の在庫の最終、レジでは巻き棒が飛び出しました。

1種の生地でいろいろなデザインを製作してしまいましたが、この時の最初の巾着バッグが柄と一番相性が良かったと振り返ります。

3種も同じ生地で製作するのではなく、1種のみを広々とした面積に柄がいっぱいに広がる使い方で価値を高めた方が良かったと2025年では考えております。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

まるで絵画のような暖色系マルチカラーの草木柄はシャンタン織、アシンメトリーなファスナー位置のミニボストン【19】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ミニボストンショルダーバッグの製作を致しました。

丸いカーブを取り入れたドームのような形はいかにラインを美しく出せるのかというポイントが1つ。

そして、ここ最近ややプチ流行のファスナー位置が片方に寄ったデザイン、真ん中よりもしっかりとオープンできる点がメリットになると思います。

ファスナーの始まりと終わりの綺麗な処理の仕方のイメージをまだ持っておらず、行き当たりばったりで研究を兼ねた製作となってしまいましたが、そのままを綴りたいと思います。

ファスナー位置がアシンメトリーのぱっかり開く仕様、心躍るボタニカルなビタミンマルチカラーのミニボストンバッグ

ボタニカルな大柄の暖色系マルチカラーが美しく楽しい雰囲気です。

柄の縁取りのブラウンカラーが特徴で、まるで、絵画の巨匠「ルオー」様の作品のよう、こんなところに惹かれてこの生地を使わせていただきました。

裁断風景:表地の前後にそれぞれポケットを取り付け済み。1m購入で表地も裏地も同じ生地を使用。

使用生地(表地・裏地共通):シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。

作り方は、あらかじめ「中表」にしたプレート状のパーツを「外表」で組み立てながら縫い合わせて作っていくという方法です。

<サイズ>縦20cmx横22/26cmxマチ8cm。幅2cmの取っ手付き。ショルダーは幅1.5cmx81/129cm。
コンパクトなサイズながら、めいっぱいのポケットの広さを確保。外側にはすぐに取り出したいパスなど。
底面:後付けでリムーバブルな底板を設置しています。同じ生地で包み込んで作ったものです。
柄のおかげでそれなりな見え方にはなってくれていますが、左下の写真のファスナーの端っこの取り付けが曖昧。

このアシンメトリーなファスナー仕様では、ファスナーの端っこを完全に隠すということができませんでした。

更に、切替の部分の繋ぎ目がしっかり合わなかったのです。

非常に曖昧なまま、それとなく出来上がってしまったのが現状です、決して成功ではありませんでした。

着用風景:この生地だったからそこそこ出来上がったという条件を感じます。下の角のラインが難関過ぎました。
コーデのイメージ:せっかくなのでお洋服との相性もご紹介。バッグ自体がアクセントになると効果的なケース。

あとがき

このたびのアシンメトリーなファスナーの取り付けの経験は、その後の比翼付きのリュックの入り口で活かされます↓。

その後の比翼付のリュック:部分的に見れば、アシンメトリーなファスナー付けはこのたびと類似です。

比翼が隠してくれることもあり、不完全な縫い付け部分をカバーしていったのですが、起源はこのたびだったと思うのです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.05.20からおよそ5年半後の2025.01.19にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では、ファスナーさえ全く使用しないバッグの製作に行き着いています。

カラーが限られた既製品の附属品の限界を感じたこともあり、メインの入り口にもなり得るファスナーを思い切ってやめたのです。

とは言え、ファスナーを真ん中に取り付ける仕様・アシンメトリーに取り付ける仕様を含む製作をしてきたその先に今がありますので、過去のこのような製作は辿るべき道であったと思っております。

実際に製作していない者はファスナーを使用しないバッグの良ささえ語れないのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

3色のみの無彩色カラー黒・茶・白が織りなす、ストライプ・ボーダー・市松それぞれが別物の四角いバッグ【18】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイド製作にパッチワークを取り入れることがあります。

むやみにぶつ切りのパッチワークを企画することはせっかくの繋がりをわざわざ切る行為、望ましくはないと考えます。

パッチワークは、あくまでも「苦肉の策」で行います。

そして、もう1つのケースもこのたび発見。

残布ではないけれどもそれ1色では何とも味気がない場合に独自の解釈をもってマルチカラー展開をしていくというもの。

同じ生地で色違いを無地1点ずつで3点製作する一般的な展開とは別の道なのです。

たった1点ずつを同時に使用のマルチカラーのパッチワークが織りなす世界観をもって「貴重なバッグ」を3点作っていくという考え方です。

無彩色の黒・茶・白それぞれ1色では成し遂げられない、3色同時使いx3種のパッチワークは3点別物のバッグへ

使用生地:アムンゼン(3カラー共通)、ポリエステル/100%、日本製。表地は3色、裏地は黒1色使いです。

もともとぶつぶつの織柄が高級感があり美しい生地ではあるのですが、1色のみで製作した地味さは物足りなかったこれまで。

このたびのマルチカラーの案はそのような味気無さを解決するための一歩進んだアイデアです。

3色の同じ「アムンゼン」を均等配分に使うところがポイント、ストライプ・ボーダー・市松の3種の柄をパッチワークで作り出していきます↓。

左上から、ストライプ・ボーダー・市松のパッチワーク。どれもそれぞれの唯一の柄になっていきました。

手順は、短冊状にカットし接着芯を貼りミシンで縫い繋げていきます。

そして、裏をアイロンで割り、表に出たハギ目の線の両サイド1mm程度をミシンステッチで固定。

丈夫でありながら、整った美しい柄が出ます。

この最後の表面からのステッチは大変美しく映え、柄が美しく出ることにも一役買うのです。

完成:<サイズ>ストライプが縦33cmx横29cm(マチ無し)。右の2つは縦35cmx横31cm(マチ無し)。
左上から時計回りにボトルホルダー・フラップポケット(外)・フラップポケット(内)。充実した内部です。
入り口開閉:生地の中表ひっくり返しにより反り、マチが自然に出来上がることでファスナーの両サイドに比翼。

裏地には、表地の中の1つ黒(実際はチャコール)のみを採用、黒無地1色ですが立派な内部構造です。

ボトルホルダーのボックスキルト・大きい方のポケットのストライプキルト・内部のランダムキルトと3種をそれぞれに引用。

ポケットの二重構造はセキュリティー性が高く、大切な物入れに向いていまして安心感で満たされるという「心地」を得ます。

このたびは、マジックテープ同士の二重構造でしたが、奥の方をファスナーにするなどすれば、もっとセキュリティ性を高めることも可能。

まるで複雑なパスワードのようです。

着用のサイズ感:上の写真の右2つの内の「市松」パッチワークです。縦35cmx横31cmというのは大きいです。

あとがき

マチが無いのに随分容量があるバッグです。

1泊旅行を気軽に計画する時に、たくさんの荷物を詰め込む手間やストレスを、このバッグが払拭できるような存在になればと。

おでかけの背中を後押しできるような存在になれば、それはそれは本望です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

切替えの多いデザインで製作したミス、壮大な薔薇柄の生地はシンプルで広いバッグの造形でこそ立派に映える【17】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年では、バニティバッグ・巾着バッグ・ボストンバッグに並び並びもう1つ立体的なバッグである「リュック」に初挑戦。

エレガント志向のバッグ作りからは、カジュアルなテイストを持っているリュック。

しかしそれもイメージによる固定観念であると解き、カジュアルなイメージが広がっている現在のアイテムをいかにエレガントに寄せられるかも今後のポテンシャルであるととらえました。

近年の健康志向の高まりからは「シンメトリー」がキーワードのバランスの良さこそ大きな重要ポイントであり「価値」になると思います。

このたび掲載してまいります2019年に初製作のリュックの完成度、自主判断としては失敗でした。

せっかくのリュックに踏み出した第一歩でしたが、美しく出来上がらなかった一番の理由を見つけました。

服地を使用したリュックは正解ながら、黒地に映える豪華な薔薇柄が存分広がらなかった切替えデザインの失敗

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.05.06からおよそ5年販後の2025.01.17にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

せっかくの柄をわざわざ分割してしまったデザインに対して、全体を俯瞰していないこと、せっかくの素敵な生地を最大限に活かすための意識の欠如と未熟さが原因でした。

2025年にこうして振り返ることができることも2019年からの発展、当時においては精一杯の結果でしかなかったのでした。

あまり既製品を参考にしない独自の試行錯誤のみで、かえって難易度が高まる頭と本体を分けるなどという構造で製作したのでした。

表面がスエードのよう(あくまで、スエード風の域で実際は布地)ということで、スエードという言葉が使われているようです。

見たところ、「ピーチ」という桃の皮のような毛羽立った様相の織り方に類似です。

同時期に購入していた色違いも後の製作で使用していきます↓。

<表地:黒地のマルチカラー薔薇柄>スエードプリント、ポリエステル/100%、日本製。美しい生地です。
失敗の一番の理由:壮大な柄はこのように分割したデザインはせっかくの柄の一続きを途切ってしまうのでした。
当時の精一杯の考えで、ヘッドは「外表」ボディは「中表」という分け方をしたことから別々に分割したのです。

確かに当時ならではの考えあってのこの構造、むやみに分割したわけではなかったのでした。

完成(前面):<サイズ>縦22cmx横27cmxマチ6cm。コンパクトなサイズのリュックです。
完成(後ろ面):ショルダーの幅は1.5cm幅。ヘッドとボディを合体するデザインはかえって難易度だらけです。
入口ファスナーはアシンメトリーに設置。使い勝手としては柔らかい布の場合入り口がたっぷり開きます。
<裏地:黒>スポーツメッシュ、ナイロン/94%、ポリウレタン6%、日本製。後日色違いで調達するほどの生地。
実際の着用イメージ:この柄ならもっと丸みのある袋型の方が柄が生き生きと映えると思いました。

そもそもの、企画案への反省です。

素敵な薔薇柄生地、切替えなどせずむしろ一繋ぎのシンプルな形で柄を主役にすることは、「敬意ある製作」でもあるのでは。。

あとがき

2025年から見て、2019年は随分立体的なバッグ製作に挑戦していたのだと振り返ります。

同時に高級生地にも背伸びをするような形で一歩踏み出していましたから、未熟な技術のせいでほとんどが「幻」に。。

とはいえ、「製作品アーカイブ」にその姿を保管していますので、未熟な製作であろうが現在の技術が高まった製作であろうがフラットな気持ちで展示しています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バニティーバッグ作りのボツ品からの学び、寸法の正確さ・生地の厚みの制限・歪みが目立つ難易度が課題【16】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、考え方によっては貴重な経験を致しました。

製作のバニティーバッグが大きく失敗。

「失敗作」というのも製作者それぞれのジャッジのポイントがあると思いますが、とにかく美しくなかったのです。

気分が良くない、晴れないような気持ちを製造者自らが感じてしまっては、決して成功とは言えないのです。

正確な寸法はもちろんのこと、おしゃれ度も良き心地を得るには大切。

本来、こんな風に写真などをご披露するようなものではないのかもしれませんが、ある意味貴重だと思います。

というのも、多くが美しく仕上がっている成功だけを記録として残してあることがほとんどだからです。

しかし、ピクチャレスクとしましては、ボツ品からの学び、その後の改良や成長の記録も含めた「本当のこと」をお伝えしたいと思い、この失敗をゴールではなく「過程」としてとらえました。

寸法を正確に設定することすらしていなかった未熟なバニティーバッグ、更にパッと見の美しい姿が必要な難易度

ボツ品のバニティーバッグは大変お恥ずかしいのですが、技術の未熟さを含めた複数の原因の集まりの結果です。

冷静に原因を解析していきます。

後で貼りますYouTube動画には登場しなかった別のボツ品も、ここで掲載していきたいと思います。

一応完成させてしまいましたが、ラインが美しくないことがぱっと見で分かります。特に濃紺の無地部分。

混率は、柄がビスコース/70%、ポリエステル/30%、イタリア製、無地はポリエステル/100%、日本製。

楕円底の部分がきちんと重ならなかったのも寸法の不徹底さと生地に厚みがあり過ぎたため。

本来ショルダー付きなのですが、ショルダーを作る手前で製作をストップ。

そもそも生地の調達でミスをしており、表地の美しいジャガードの生地不足により、裏地に使う濃紺のジャガード生地を表地にもやむなく使うなどということになったのでした。

せっかくの美しいジャガード生地にもかかわらずカーブのラインが悪いのは、不安定さに負けた歪みです。

生地が不安定なら、接着芯に加えて「ハード薄芯も貼る」ということでハリコシを出し、カーブも美しく出るようにできることをその後気付いていきます。

側面パーツと底パーツの寸法の不一致によるタック:致命的なミスですが、無理やり完成してしまいました。
1種の生地のみで作ったバニティーショルダーバッグのボツ品:そもそもファスナーが柄をつぶしています。
ネックパーツの歪み:確かに歪みやすい場所ですが、あまりにも左に寄ってしまっています。
マルチカラーの美しいカラーの集まりに汚い色の焦げ茶のファスナーというセンスの無さは一番の致命的ミス。
もっと根本的なこと、この生地をバニティバッグで作ったことさえ選択ミスなのかもしれないのです。

この生地は、トリアセ転写プリント、トリアセテート/67%、ポリエステル/33%、日本製。

あとがき

難易度が高いデザインは、せめて難易度を下げる工夫をするべきでしたが、そこまでの配慮が無かった2019年のこと。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.04.29からおよそ5年半後の2025.01.16に、ブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し、ここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年ではかなり技術が高まりましたが、バニティーバッグは成功確率が低く、製作廃止に至りました。

「100%ではないなら作らない」という考え方。

とはいえ、「未熟な技術しか持ち合わせていない2019年に、よくぞこのようなデザインに挑戦したものだ」と懐かしく振り返ります。

その後、急カーブ過ぎる半径2.5cmのカーブラインを、思い切って緩やかな半径7.5cmの円の一部を使うことで作りやすくモデルチェンジ。

その他、ネックパーツの真っすぐな設置の仕方の工夫などを徹底的に研究し、ある一定のレベルまではアップしたのがこちら↓。

これがバニティー型の最後の製作品だったかと。生地のハリコシの力も借りながら完成。おかげ様で売れました。

とはいえ、たまたま生地の良さのおかげで成功した時があったというところにとどまりますので、難易度は依然としてあったわけです。

ただこのデザインは魅力もあり、小さいからこそ難しさがあったとも言えます。

縦の寸法を長くリュックにした形などは広々と作業ができることで、もしかして成功する確率が高まるかもしれません。

そんな見込みを立てられるのも、苦い失敗の結果ながらも難易度高めのデザインに挑んだ2019年の成果と言えるかもしれません。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ひも通し穴は伝統の12個から8個へ、無理強いがない絞り切らない花柄が美しく広がる優しい巾着バッグ【15】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

遡ることバブル時代付近。

ハンドバッグの中で主役級的ポジションだったのではないかというほどの巾着型のバッグが流行の時代があったと思います。

最も伝統的な作りは「アイレットカン/片面ハトメ」というリングの穴パーツ全12セット。

そこに、細い共素材のひもが通されます。

そして、キューッとひもを引っ張ることでウェーブが出現、ストッパーなどで固定され、台形型のような全体フォルムが出来上がっていたのでした。

1980-1990年代初頭の古物の巾着バッグ:オーストリッチ製でオレンジ茶が素敵。ひも通しリングの数が12個。

絞るという動きにより変形し形ががらりと変わる点が巾着バッグの不思議な魅力、おそらく伝統的な12個タイプは、口をしっかり閉じるための12個であったのでしょう。

ただ、12個タイプは、生地が3層くらいに折りたたまれ、引っ張る負担が大きくひもの擦れに表れることで1点に圧力が集中し過ぎるような感じです。

そこで、かつての12個穴を8個へ減らしたことがまずはこのたびの製作の大きな特徴になります。

絞る時の生地への負担などを和らげることに重点を置き、絞り切らないことでそのフォルムはスクエアライクに。

そのせいでセキュリティー性が弱まることを、内部に設置した「蓋」でフォローすることになります。

波打つような絞る巾着デザインに相性の良い花柄バッグの長持ち策、締める圧力を軽減したひもホール8個型

巾着型の柔らかな雰囲気には、丸い形の花柄がマッチするのではないかと花柄生地を選択。

そもそも「中表」の袋型デザインの「反り」による丸み、そして紐で引っ張って形がシェイプされたウエーブラインには、丸みある花柄は相性が良いのです。

巾着ショルダーバッグ(パープル系マルチボタニカル柄):<サイズ>縦23cmx横22/30cmxマチ7cm。
表地(マルチカラー花柄):トリアセ転写プリント、トリアセテート67%、ポリエステル/33%。日本製
表地(マルチカラー花柄):トリアセ転写プリント、トリアセテート67%、ポリエステル/33%。日本製。
裏地(モカ茶):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。ぶつぶつ感ある織柄が高級感あり。
巾着ひもホール:定番の12個から4個減らした全部で8個。穴がステッチにかかってしまっている点は課題。

アイレットカン/片面ハトメは後から穴を開けるので、どうしてもミシンの縫い線とぶつかります。

小さめのバッグではなおさらで、このことはどうしても起こる悩みでした。

12個の巾着ホールでは傷みやすく負担が大きかった巾着ひもの擦れや圧力に対しては、8個は「優しい作り」となったのでした。

12個を8個へ減らした巾着ひもホールのフォルム:ゆったりとひもを結ぶと見た目が四角寄りに映ります。
コーデ例:渋いカーキ系にマルチカラーバッグというバランス。「反対/コントラスト」によって立体感アップ。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.04.17からおよそ5年半後の2025.01.15に、ブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

このアイレットカン付きの巾着バッグデザインにずっとあこがれていた長年。

ついにハンドメイドでも実現できた2019年の製作でしたが、その後は完全廃止。

理由は、元の生地に穴を開けることの「心地の悪さ」が払拭できなかったこと。

心地の良くない製作が良質な完成になるとは到底思えないのです。

ただ、「巾着」という引っ張ることで逆に絞られる物理的構造をファッションアイテムに引用した最初の発案者様には非常に敬意を持っています。

2025年現在の巾着バッグの入り口(右下):金属パーツを使って穴を開けたりせず優しく縫い付けのみで対応。

生地に穴を開けてまでかっこよさだけを追求することは、意味がないと考えます。

こうした考え方を持つようになったのも、2019年に主に製作したこのパーツを使ったポンチで穴をくり抜いてわざわざ生地を破って設置する数々の製作の過程があったからこそ。

やはり、記録としては貴重であり是非残したいと思ったのです。

「いやいや、結構スタイリッシュに仕上がっているじゃないですか?」という突っ込みに対しては、こう答えたいのです↓。

「製造者本人の気持ちがこれを良しとしませんでした、穴を開ける瞬間が非常につらいのです」と。

これも「サスティナブル」の1つ、製造する本人が気持ちよく製造できるということがそもそも大切なのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ボックス型バッグがスタイリッシュに完成、立役者はしとやかな日本製のフクレジャガードのひかえめな膨らみ【14】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年は、「フクレ加工」の効いた素材を集め、様々なデザインに落とし込む美しいバッグを製作する目標を定めました。

このたびは、ピンタックを四つ角に施した、ボックス型のショルダーを製作。

幾何柄のようなフクレジャガードは黒x濃ピンクのネオンカラー。

「フクレジャガード」を通して、たった1種の生地が立体感と奥行きを作ってくれる大きな可能性を存分にお伝えできればと思います。

幾何柄と相性が良い角が際立つ四角ショルダーバッグ、更にフォルムをクリアにしてくれた四つ角ピンタックの効果

幾何柄のフクレジャガードの裁断場面:黒xピンクのツートンカラーが美しいです。本来の裏面も十分に主役級。

生地屋様に問い合わせたところ、ピンク地に黒の柄の方が表であるというご回答でした。

確かにこちらの面の方が凹凸感がたくさん出ていますので、フクレ加工の効果は大きいです。

ただ、「生地の表裏の使い方は好きな面で決めればよい」というのも生地屋様からのメッセージ。

従来の表地とは反対に、黒地にピンクの柄の方を表地に使わせていただきました。

裏地は、ピンク地の方を表向きに使い、バッグの内部を面白味あるものに。。

ジャガード自体が両面主役に使える優れた生地。すべての「フクレジャガード」はこの特性を持っています。
使用生地:フクレジャカード、ポリエステル100%。日本製。本来裏面である左側を表地にしてバッグを製作。
ボックス型ショルダーバッグ:縦18cmx横30cmxマチ6cm。四つ角ピンタックでフォルムがはっきり。
外面も楽しい柄なのですが、内側に広がる濃ピンクベースも美しいのでたった1種のジャガードの深みを感じます。
着用イメージ:調節機能の「線コキ」が付いています。ハンドバッグのような持ち方もできます。
コーデ例:黒コーデに相性が良いと思います。お洋服がダークカラーでもバッグが差し色的存在でいてくれます。

コンパクトなサイズのバッグですが、四角フォルムは柄が大きく広がって壮大です。

継ぎ目だらけのデザインでは柄が途切れてしまい柄の素敵さの表現が「不発」に終わってしまうかもしれないのです。

また、ボックス型のような平凡で普遍的なプレーンなデザインはかえって柄全般との相性がグッド、柄を主役に出来るからです。

更には、柄の種類の別によるバッグのデザインとの相性も感じます。

幾何柄・抽象柄というような柄はボックス型のバッグには相性が良いと思います。

一方でフローラルな柄、もっと細かくは花びらが丸いフラワープリントやジャガードはカーブの入ったデザインとの相性が良いと思います。

あとがき

このたびの日本製の「フクレジャガード」生地は、@¥1,580/mというお値段でした。

ジャガードの場合どちらを表地にするのかを自由に決められることで、別物の2点の展開も可能、色違いとはまた違ったラインナップが見込めるかもしれません。

ジャガードが好きなのはその「美しさ」が一番ではあるのですが、もう1つの理由に「自由度」もあるのかもしれません(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

せっかくの美しいエキゾチックなレアな花柄生地を素敵に活かせなかったバニティバッグの問題点を「タラレバ」でとことん綴りました【377】

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年にメンズライクな製作で開始し、2019年ではバッグの素材をエレガントな花柄中心に変えています。

多くの方に人気のコットンのプリント物ではなく、お洋服に使われるような花柄ということろが多少の差別化です。

美しく、エレガントな柄や素材を厳選しての新たな再スタートを切っています。

このたびは、生地自体は縫いにくいものでもなかったのですが、非常に出来の悪い結果に感じたバニティバッグを失敗作とは言えあえてご紹介致します。

悪い例になるわけですが、失敗後の行く末を課題を持って前に進むための重要な姿としては記録に残そうと思ったからです。

なぜ失敗なのかということを「タラレバ」ではありますがとことん振り返りながら、今後に活かしてまいります。

失敗作だと思うことの1つに生地があまりにも美しかったということが大きな理由として挙げられます。

素敵な生地をそれに見合うように美しく作れなかったこの悔しく苦い体験を時間をかけながら巻き返していきたいと誓った貴重な失敗作だったのでした。

こんなに美しい生地なのになぜこのように出来上がってしまったのか

こちらが出来上がったバニティバッグです。

実は、失敗と言ってもどこかミスをしたわけではないのです。

それなのに信じられないほどの悪い出来上がりだということに驚いてしまいました。

そもそもこんな茶色いファスナーの選択は間違っていました。もっと俯瞰して全体を見る目を持たねばと。
ブランドネームも、後に友人(アパレル関係)からの指摘で、内側にひっそりと縫い付けるべきだとのこと。
マチがやや浅いです。10cm強くらいがこの写真ですが、15cmくらいの方がボリュームが良いです。
角が四角いフォルムだったのが共通にしているデザインですが、もっと楕円に丸い方がエレガントかな。
ショルダータブのバランスがごついです。もっとスタイリッシュに細いショルダーに変更した方が良さそう。
裏地にもこの生地を使いましたが、別生地の方が変化があり立体感が出ると思われます。
内側にも小さなポケットがあります。これも表地と同じでファスナーの色をライトに変えて馴染ませたいところ。
ネックパーツが左に歪んでいます。真ん中に取り付けるよう徹底、そしてパーツが長くて野暮ったいです。
遠目で見るとパープルがかっています。バッグの横幅の寸法のバランスがやや悪く狭くした方が良いです。

次に、使用生地についてご紹介したいと思います。

この美しい生地のぼやけた世界観は、「転写プリント」というここ最近の技術であり、ぼんやりとした雰囲気が特徴です。

<表地>:トリアセ転写プリント、トリアセテート/67%、ポリエステル/33%。日本製。

<サイズ>本体は、縦18cmx横26cmxマチ12cm。

取っ手は幅2.5cmx長さ26cm、高さ7cm。

ショルダーは、幅2.5cmx長さ80cm/150cmの調節可能。

外前ポケットは、縦11cmx21cmの隠しポケットでファスナーはチョコ茶色のYKK社製。

入口開閉は同じくチョコ茶色のYKK社製のファスナー2個で、真ん中で固定両開き。

中側前には、ポケットがあり、縦8cmx横13cm。

底の部分に「ベルポーレン」という割れない丈夫なプラスチック2mm厚の底板が入れ込んであります。

あとがき

いろいろ「タラレバ」を綴りました。

根本的なことを1つ挙げますと、そもそもこの生地をバニティデザインにしたのがどうだったのか。。ということ。

むしろ巾着袋の方が合うと思いました。

後に、巾着袋を作っていまして、ここでお写真だけご紹介致します↓。

同じ生地で製作の巾着バッグ:おそらくこちらの方が柄が壮大に広がって生地の美しさがうまく活かされました。

巾着のデザインの方が良さそうですね。

生地のデザインへの向き不向きもあるのだと思いますが、とにかく茶色いファスナーが柄の美しさを遮っていました。

この教訓からバニティバッグの正面にはファスナーは付けない仕様に徹底したということがあります。

失敗しなければわからないことがほとんどで、このことも今思えば必要な出来事だったのかもしれません。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

服地の薔薇とレオパードコンビがイタリア製らしさ、無彩色でも立体感が出る可能性が高まるフクレのバッグ【13】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

前回の【12】の記事に引き続き、ぷっくりと膨らんだ素敵な「フクレジャガード」生地を利用させていただいたコンパクトなショルダーバッグの製作になります。

2019年より新しい分野の「高級生地」に注目し、生地集めと並行しながらバッグ製作をしていきました。

この新しい分野の生地のテイストは、製造者ピクチャレスクの好みでもある凹凸感がある美しい生地、生地選びの時点ですでに心が躍るような感動を覚えました。

「フクレ」類の生地は、日本製とイタリア製ではイタリア製の方が見つけやすく、その多くが、「風通加工」というタイプの膨らませ方です。

日本製はあまり膨らみがダイナミックではない控え目なタイプが多く、織柄のジャガードの方が主流のようにお見受けします。

こうした分かりやすい膨らませ方というのは、イタリア製の特徴なのではないかと思います。

分かりやすい=ダイナミックなので、素材自体がすでに華やか、未熟な製作の段階では随分生地に依存していたと振り返ります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.04.02からおよそ5年半後の2025.01.13にブログの「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

このたびの薔薇とレオパードのコンビの生地もなかなかの高級素材で、生地単価が@¥5,980/mのもの。

【12】と同じことで、2019年当時の「生地頼み」の製作は、技術が未熟であったことでややもったいない使い方をしていたと見ています。

生地が高額であるから控え目に調達した35cm程のわずかな分量(幅は145cmくらいありました)という考え方は、一見分量のコスパが良いようですが、実はかえってもったいない調達の仕方なのです。

2025年の今振り返りますのは、その場の生地の価格のみで考えるのではなく、出来上がった製品のその先にも存在し続ける価値として見なければならないということ。

ここまでの美しい柄を大きく広げて使うことをしなかった当時の生地の調達の仕方こそ、その考え方や見方が未熟であったと言えるのです。

美しい生地こそ、大きく面積をとったバッグを作るべきだったのです。

薔薇とレオパードコンビのフクレジャガード生地、コンパクトなフラップバッグではまだ物足りなかった美しさの演出

ものすごくぷっくりと膨らんだ立体感のある素材で、柄だけでもうっとりと眺めてしまうほど。

【12】の時のデイジー柄とはまた違ったタイプのフローラルなフクレジャガード生地でした↓。

フラップバッグ(ショルダー付き):<サイズ>縦15cmx横30cmxマチ7cm。
表地(黒xグレー):フクレジャカード、ポリエステル/87%、ナイロン/13%。イタリア製。
裏地(チャコールグレー):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。【12】の時とこの度とで共通に使用。

表地がここまで美しいのですから、裏地もプレーンなタイプではバランスが悪い、そんな点ではぶつぶつ柄が美しい「アムンゼン」は良きレベルだったと思います。

フラップのみのセキュリティーの危うさを、第2の入り口のファスナーの口布でフォローしている構造です。
ショルダーのイメージ:「線コキ」で長さの調節機能が付いています。真っ黒コーデに一番映えるバッグです。

お出かけ用スタイルを考えてみました↓。

ロングタイトスカートの黒コーデに合わせてみました。バッグ自体がアクセントのような役割をしてくれます。

あとがき

生地の調達のその場は、0.35mのみでコストを抑えることに囚われていたのでした(0.35mx@¥5,980=¥2,093)。

しかし、長い目で見て、1m調達した一見高額な@¥5,980x1m=¥5,980という原価は、完成品では、その比率を大きく越えたもっと大きな価値に高まっていく可能性があったのです。

素材無しでは到底製作などできないのですから、優れた生地に大いに敬意を払い、最大限に美しさが出るような大きな物を作るべきだという考え方です。

【12】に引き続き、随分未熟な技術のまま背伸びをした高級生地で製作してしまいましたが、早く学びを得ることができた点は良かったと思います。

売り物にならなかったもったいなさを、その後の解釈によって挽回してゆけると良いのですが、残念ながらもう2025年ではこの同じ生地は見つけることができません。

たとえ技術が未熟であっても当時にしか出会えなかった貴重な生地だったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

技術が未熟な時期に足を踏み入れた美しい高級生地、フクレジャガードのデイジー柄バッグは生地頼み【12】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年からスタートのハンドメイドバッグ本格事業活動。

思わしくなかった1年目のその後、2019年からは材料の生地のテイストをガラリと一変。

これまでの黒やグレー色の生地から、マルチカラーの凹凸感ある柄に挑んでいきます。

凹凸感ある柄は、「フクレ」「風通」といった加工が付いていて、より高額であり、日本製よりもイタリア製に多くの生地を発見。

当ブログ記事は、最初の2019.04.02からおよそ5年後の2025.01.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

当時、「高級品の生地はもっと技術が高まってから。。」と思っていたのですが、「思いついたなら、今すぐやる」こんな気持ちが勝りました。

今から思えば、結局は技術の未熟さと経験の少なさでほとんどがボツになった結果でしたが、2019年は高級生地のバッグの製作に入っていったのでした。

しかも最初の1点は、複数同時に集めた生地の中でも一番ピンと来ていた生地から先に取りかかったのでした。

このたびは、素材も初めて・デザインも初めてのショルダーバッグを完成した記録、「その生地の良さが最大限に活かされたのか」という視点で綴っていきたいと思います。

うっとりするほどの美しさに対しては技術が追いついていない悔しさが溢れる、素材の良さに依存したバッグ製作

本当にうっとりとしてしまうような「フクレジャガード」というイタリア製の生地を使用したコンパクトなサイズのマチ無しショルダーバッグです↓。

ドーム型バッグ:<サイズ>縦23cmx横26cmxマチ無し。ファスナーの両サイドに口布有りの方が簡単。

ファスナーがマチ無しに対して付くことの二次元ミシンの限界を大きく感じました、作りにくさは歪みの原因になってしまうのです。

イメージ:可愛らしいサーモンピンクとダークカラーのコントラストが元々おしゃれなので良い雰囲気を演出。
表地:フクレジャカード、ビスコース/60%、ポリエステル30%、綿/10%、イタリア製。/裏地:アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

イタリア製の「フクレジャガード」や「風通ジャガード」の混率の特徴としては、「ビスコース」入りが多いということ。

ツヤがありしなやかな特徴と共に、一層高級感が増しています。

この生地は、@¥5,980/mの高級品でした。

難しめのカーブラインもそれほど未熟さを感じないのも、この記事のハリコシの素晴らしさのおかげ。

まるでバネのような弾力性と強靭さをミシンで縫っていて感じました。

生地の時には膨らんだ加工なので安定感が無いように感じますが、ミシンで固定するとなれば生地の時には無かった性質が生まれているような。。

この生地はその後はもう見つけることはできませんでした。

その時に出会っていたからこそ、早めに知れた「フクレ加工」の性質と、ピクチャレスクの技術の足りなさといったところです。

あとがき

一度きりの生地であることも、その後もたくさん経験しまして、むしろ何年もの間同じ生地が入手できることがかえって珍しいことなのです。

それほどに生地は多品種小ロットで作られ、どんどん移り変わっていくもの。

だからこそその時の出会いが貴重であり、技術の未熟さに先立って一歩足を踏み出してしまったことは、決して無駄ではなかったのかもしれません。

ただ、出来上がったバッグは到底販売できるものとは思えず、解体し前面のポケットのみをポーチにして「はぎれ製作品」として販売し2020年初頭にご購入いただきました<m(__)m>。

2025年の今、もしこの生地をもう一度バッグに仕立てるという機会があれば、どうしたいのか。。

同じく表地に使うと思いますが、もっと面積を思い切って広く使ったものにします。

せっかくの有難い素敵な柄をまず敬意をもって存分に見せるということをすると思うからです。

当時は、高額なので最低限の35cmのみ(幅は145cmくらいありました)の調達であったこも、「思いっきりの無さ」であり自信の無さであったと2019年の製作を振り返ったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク