アメリカ文学から紐解く、「差別」「否定」が一家代々に渡る悪い連鎖を生み出す程の心の奥底に潜む「劣等感」を持ったきっかけは何なのか【1397】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前の【366】のブログ記事では、「アメリカ文学入門:諏訪部浩一 責任編集」を一読、その中からすぐに読みたい1冊が決まっていました。

そして、その後読み始めた、たまたま長編であり難解であると知った「アブサロム、アブサロム!:ウィリアム・フォークナー 著」をこの度拝読。

以前も綴りましたように、アメリカ文学はその結末が必ずしもハッピーエンドではない、むしろ悲劇的であるということの象徴的なストーリーでした。

そのキーワードの1つに、「ironic:アイロニック:皮肉」があるのだと。

このたびの長編は、(確かに噂通り)複雑で分かりにくかったのですが、覚悟を決めた上で読み進め、親切な最初の人物紹介の掲載も随分役立ちました。

時折、「えーとこの人はどんな立場の人だっけ?」などとページを戻りながら読んでいきました。

不思議なもので、数行は到底途切れることが無い文章の読みにくさがあるにもかかわらず、息つく暇も無いほど物語へ吸い込まれるように、そしてむさぼるように読んでいくことになりました。

気が付けばページが進んでいるというまるで魔法のような「しかけ」を感じます。

このたびは、読み終わって考える、人種間の「差別」「否定」の根源はどこにあるのか。。の深堀りの記録です。

一人の人間の「魂の傷付き」がこうも世代を超えて一家の終焉に至る程の根強い「悪」をもたらしたことの罪深さを暴き出したように思えました。

正確な答えは著者様以外分かるものではありません。

とはいえ、こうした文学作品も1つの問題提起ととらえると自分なりの感じ方を持っても良いと思うのです。

1つその答えを見つけたような気がします。

一家の悲劇の始まりのキーパーソン、「トマス・サトペン」の幼少時代のトラウマ

この記載の前に、「ウィキペディア」を拝読。

この物語についての一定の正しい要約が掲載されていました。

サクッと物語を一読だけでは到底分かることはないこの登場人物多数の難解な物語です。

とはいえ、最初から最後までで何度も出てきたエピソードが非常にキーポイントに値する部分だと誰もが分かると思います。

「サトペン100マイル領地」と呼ばれる豪邸を作った初代の持ち主、「トマス・サトペン」は、幼少の頃、後にトラウマとなるような差別を受けました。

お遣いで訪問したお宅の黒人に、表玄関から通してもらえなかったのです。

「裏口へまわれ」という黒人による指示。

これが後の根深い「差別」の連鎖を生んでいきます。

私達の浅いイメージを覆すのが、「サトペン」が白人であったということ。

白人が黒人によってこうした差別的屈辱行為を受けたエピソードです。

私たちがイメージにあるのは、黒人が白人によって差別を受けるというものでしょう。

実はそうではなく、どんな民族も民族同士の間でこういったことがあったということなのです。

アメリカ社会の奥ではかなり複雑な人間模様が入り組み、一筋縄というものでは決してない点がとても重要です。

幼少時代に粘着してしまったトラウマが「サトペン」のその後の一生に付きまといます。

「差別」をされた者が行ったことは、同じく人を「差別」するという連鎖の悲劇でした。

そして、最初の妻に黒人の血が入っていることを後で知ったことで、「黒人への否定」が民事訴訟や離縁という形で表れます。

そうして、「考え方」が一家代々に渡り遺伝のように引き継がれ、心の奥底に浸み込んで悲劇を生む結果になってゆきます。

思えば、幼少の頃に受けたトラウマの時の近所の黒人も「差別」や「偏見」を持った考え方が完全に心に根付いていた人物だったかと。

「サトペン」に「裏口へまわれ」とまるで呼吸するように自然に発してしまった言葉だったと思われます。

たった一度「差別」に出くわしただけのわずかな瞬間でさえも、その後の根深い悲劇を生み出す恐ろしさを見た気がします。

そして、血縁関係や結婚などの縁により、長年に渡り悪いしきたりが一家のすべてに伝播していく様子を決して単純ではなく入り組んだ複雑さを孕む象徴のように、長く難解な文章でまざまざと綴っているのです。

あとがき

「差別」と「自負」は対極のような位置にあり、常に敵対しているものだと思います。

なぜ、「差別」があるのかというところは、「劣等感」の表れではないかと見ています。

本当は平等を求めているからこそ、「劣等感」という感情が湧いてきて、「そんなのおかしいよ」と伝えているのです。

それなのに、その後の方向を見間違い、されたことと同じことを別の人間に対してやってしまうのが人間。。

これが負の連鎖ともいうべき、「差別」の広がりの正にその分岐点だと思います。

では差別する側の人間に存在してしまった「劣等感」はなぜ生まれてしまったのか。。

それが、冒頭でつづりました、「魂レベルでの過去の傷付き」だと思います。

物理的な傷はやがて癒えていくのですが、「魂」が傷付くことを治すことがいかに容易な事ではないかということです。

『人間は、決して「魂」に傷を負ってはいけない、また人の「魂」に決して傷を負わせてはいけないということをすべての人種を越えた人間一人一人が考えるべきなのだ』という強い助言と戒めをある一家の崩壊の顛末とともにその根深さと恐ろしさを伝えたメッセージなのではないかと思います。

クッションカバーと同じ構造、遠出にも持参できるミニ寝布団をおしゃれに包み込むダマスク柄カバーの作り方【1395】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ダマスク柄」は、日本製の伝統生地でいうところの「小紋柄」と同じタイプの柄です。

柄のモチーフがエタニティーに繰り返されます。

生地幅や反の終わりに柄がやっと区切られるという配置です。

良質な生地では、「ダマスク柄」の縦横共に正確な配置を利用し、ものさし要らずの裁断が可能。

実際に製作するにあたって、大きな布団カバーなどにはとても有難い柄なのです。

実は、このたび利用させていただきました「STOF:ストフ」社様の生地はメインには、「こたつカバー」を作りました。

購入生地屋様は、「大塚屋」様です。

その残りを有効活用するためにその他のカバーに利用を考案。

本来順番が「こたつカバー」が先ですが、季節もずれてしまっておりますので、先にお昼寝用にも利用できそうな「ミニ寝布団カバー」のご紹介をさせていただきます。

「こたつカバー」は非常に大きくファスナーの設置もありハギ目もありますので、やや仕様が複雑。

それに比べて、生地だけで作れるこの度の「ミニ寝布団カバー」は、大人・子供・動物に及ぶまでユーザーのポテンシャルも幅広いので是非ご一読どうぞ(^-^)。

2枚の段差を中表に縫い合わせる入れ口が比翼タイプの「ミニ寝布団カバー」のとても簡単な製作手順

まず、大まかにシミュレーションです。

生地に差が付いた2枚を用意:ダマスク柄の同じヶ所を底部分で合わせ美しい柄の重なりに仕立てます。

最初にやることは、2枚共上辺を9mmの伸び止めテープ(平)を貼り、その巾で三つ折りステッチです。

中表に長い方を20cm折り下側に。短い方は上です。ひっくり返し後の重なりは逆転し正しくなります。

待ち針でまずは、長い方の20cm折った箇所だけ固定しておいて、次に短い方を重ねて更に待ち針りするのが正確です。

トップの「わ」以外をコの字型に縫い代から5-7mmを一周ステッチ。
中表の時の5-7mmのステッチのイメージ:上側が底に当たります。角はちゃんと5-7mmをキープしながら。
コの字に縫い終わった次にすることは、角を3/4程度の切込みを斜めに入れること。

この切込みの意味は、この後のひっくり返しの時の角の出方が出来るだけ尖るように邪魔な縫い代の融通を利かせるためです。

先程の5-7mmのコの字ステッチ線に沿ってアイロンで折り目を付け、ひっくり返します。

ここでさらにアイロンで整え、端から2本のステッチをそれぞれコの字型に入れていきます。

この2本のステッチでもって内側の先ほどの5-7mmの縫い代が完全にカバーされます。

いわゆる「袋縫い」です。

2列のステッチを入れた状態:端っこがペタンとなった様子が遠目ながらうかがえます。
二本ステッチの出来上がり:1本ずつかけますが、最初に端から2mm程度、次に間3-4mm程度空けた箇所へ。

いかに幅を統一するかは技術であり、美しさのために追求する箇所だと思います。

角の部分もステッチが並行になっていることを追求することが良質さへの歩み寄りとなります。
最初に20cmの重なりを見た大小の差がここに表れます。長い方を先に折って下にしたことで表では上に。

実は、一度失敗していまして、先に短い方を下にしていた中表のまま途中までやっていました(^_^;)。

結構間違えがちなので、この点はご注意を。

完成(裏面):縦130cmx横65cm。
表面:適度なゆとりのあるカバーです。ものさしをほとんど使わずこのダマスク柄だけを頼りに作れます。

あとがき

このたびのような、20cmの重なりは、正方形でも同じ20cmで製作しますので、定番の数字として引用いただけます。

この構造を利用しますと、いろんなことに応用ができると思います。

例えば、ポケットもそうです。

比翼付きはこぼれにくくセキュリティー性が高まります。

ファスナーやマジックテープの留め具が無い場合にはこうした利用の仕方を小物製作でも可能ということです。

ティッシュケースが良い例でこの構造と同じだということに気づかれると思います。

ティッシュケースは重なりはさすがに20cmとはいきませんのが、ティッシュケースのようなわずかな重なり部分も寸法を変えることでポテンシャルが高まります(^-^)。

エレガントなデニムパンツとして装う、ハイブランド古着ジーンズを引用した夏のさわやかデニムコーデ3セット【1394】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

大きなデニムの流行としましては、長い間カジュアルコーデの象徴的な存在であったデニムのはき方が、オーバーサイズの流行も相まって、ワイドになったり、スラックス風なモデルになったりしてエレガントなテイストを提案してきているようです。

いったいどなたがもともと提案してきているのでしょうか。

それは、ファッションの先端を行く少数のおしゃれアイコン様達であったり、ハイブランド様の数々の「確かな勘」が束になった1つのものだったりするのではないでしょうか。

そんな情報を見てか、その波にぷかぷか浮かんでいるのか、確かにカジュアル色のある「リーバイス501」を現在では1本も持ち合わせておりません。

その代わり、古着ライフの中で特にお世話になっている「アルマーニ」様のデニムなど、「ハイブランドデニム」に注目するようになりました。

このたびは、3セットのいずれにもイタリアのハイブランドデニムが入るコーデをご紹介、これからの暖かい/暑い季節に向けたご提案としてこの記事を綴りたいと思います。

ベルトやパンプスやバッグも登場する全体的なコーデとなりますので、「ストリートファッション」として目に映る装いとして眺めてくださいませ。

どちらかというと落ちたブルージーンズがおしゃれ度が高いと感じる、イタリアブランドデニムを交えた3セットの全体コーデのご紹介

登場するジーンズはどれもミドル以下:アップに寄った写真のデニムはどうしても薄く映ります。

実際は②はもっと濃いですし、①③はもう少し色があります。

①③の違いはなかなか感じられにくいですが、①がブルー寄りで③はグレーイッシュという微妙な違いが実際はあります。

①ブルー(水色):時々グレーも入れ込みながら水玉の爽やかさをバッグの白で強調。「アルマーニジーンズ」。
②インディゴ(ミドル):難しめのミドル落ちをビビッドカラーでまとめます。「フェンデイ」。
③ブルー(グレーイッシュ):バッグは黒、パンプスはグレーに黒の柄。「エンポリオアルマーニ」。

このたびは、出会っているジーンズの一部を引用しましたが、ブラックジーンズやノンウォッシュのネイビーもカラーの差別化となります。

あとがき

この度の3選では、靴がどれもパンプスでした。

エレガントにデニムをはく分かりやすいポイントとして、「パンプス」はキーワードです。

その他のバッグなども影響していろんな小物による表現の結果として「瀟洒:しょうしゃ」であると感じるのだと思います。

「粋:いき」「瀟洒:しょうしゃ」「エレガント」が互いに交わり合うはっきりとしない定義の部分はあるにしても、こうしたテイストは、これまでの「カジュアル」にイコールのようなデニムのイメージを大きく変えるテイストであることは間違いないと思います。

もし、今までの自分に変化をもたらしたいと思う際には、一度、自分の人生をも写す鏡のような存在のお洋服の見直しと共に、デニムのテイストもこのたびご紹介のように変えてみてはいかがでしょうか。

もしかして、お洋服から人生が変わっていくこともあるかもしれません。

ちなみに、これまでで一番変化を大きく感じているこの2024年3月末にワードローブのラインナップを随分大きく見直しました。

それほどまでに、お洋服と人生との関係があると実感。

かつては、1点ずつのお洋服に思い入れなど感じなかったのですが、現在は1点ずつのアイテムを真剣に選び、今後も大切にしていきたいような「愛着」のようなものを持つように。。

古着集めの集大成のようなものになった気がしております。

今後できることは、コーデのいろんな姿を存分にお伝えしていくことであると思っています。

また今後もブログ記事にも綴ってまいりたいと思います(^-^)。

ワンピースの共布ストールが要らない、同じ細長パーツが共通で利用しやすいバッグの取っ手にものさし無しで利用できるアイデア【368】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ワンピースによく附随の「共布ストール」。

お揃いで素敵ではあるのですが、ネック部分にはジュエリーを付けたたいし、ウエスト部分に使うには本革ベルトを使いたいしということで出番がありません。

そこで、このたびは、必要が無かったり、一部にキズがある古着の共布ストールの細長さをうまく利用してバッグの取っ手に利用するというアイデアをご紹介したいと思います。

ストールに柄が入っていたりすることで、無地の本体に対してのおしゃれなアクセントにもなったりすることができます。

丁寧に解体した後、半分ずつに使用すると型紙や定規は必要ない

共布ストールのイメージ:出来上がり品ですので「著作権」を考慮しましてイメージ写真のみです。

このたびは、アイデアのみのご提案ですので、実際にはこのストールは現在はそのままです。

イメージとして想像しやすいように元のストールの状態を写させていただきました<m(__)m>。

すごく美しい柄です。

そのままストールとして使うのが望ましいと思うのですが、共布ストールはやや「昭和的な装い」を彷彿とさせます。

新しい装い方を見つける本体のワンピースの活かし方を考えました時に、「ストールは使わない」を選択。

そして、ハンドメイドバッグ取っ手としてコントラストを利かせた使い方を考案。

こんな黒無地バッグの取っ手に活かすことが出来たらとても素敵です。

作業としましては、ストールを一度解体。

ちょうど「わ」になっていることも多いのでまずそこでカット。

その後取っ手の幅に見合う更なる折った真ん中をカットしながら2パーツ細長い長さを取っていくのです。

取っ手に作る際の折り込み作業で、穴が開いたりキズのある個所を隠したり、避けたりします。

第二章:バッグの取っ手以外の共布ストールの活用法

上述でバッグの取っ手にとご紹介しておきながら、実は、実際の利用の仕方は別のものです。

では、後で貼りますYouTube動画の中にも出てこない、「第二章」としまして、当ブログ記事のみで、実際に行ったリメイクをご紹介したいと思います。

当ブログ記事を綴っております現時点では、まだ作業の途中ではありますが、ストールの「著作権」の考慮のため、こちらもアイデアと映しても良いキルト用の材料部分のみでご紹介致します<m(__)m>。

実は、フルにこの美しいストールの面積を使いまして、「本ケース」を作ることにしました。

読書の最中の本をきちんと保管して持ち歩くためのケースです。

ダイヤキルトをかけてふんわりとした大きなポーチのような物を作ります。

ストールを解体したフル利用の半分ずつを表地と裏地に共通に使用。こちらはキルト芯代わりのハード薄芯。

3cm四方の細かめのダイヤキルトを作図。

これとおなじシートをもう1枚作図して、表地も裏地もダイヤキルト地とするのです。

随分手間をかけた製作になります。

では、続きまして、ブックケースの蓋のカーブのフラップ部の作図場面に映ります。

カーブを美しく描くためにコンパスを利用、円の一部を利用した自然なカーブです。

まず短い方の辺を二つに折ります。ものさしは使いません。
さらにもう1つ真ん中で折ります。
折った線を印代わりに使います。
先端が直角二等辺三角形になるように折り目の直線に片方が重なるように折ります。
もう片方のサイドも同じように折ります。
折った三角形の2辺と同じ半径にコンパスを広げます。
三角形の頂点に針を置き、広げた半径で円の一部を作図。
円の一部が美しく緩やかに描かれました。
カーブをハサミでカット。
切り落とした余分のハード薄芯の破片。
カーブが両端に出来上がり。実はこのハード薄芯自体が型紙になった瞬間です。

この後は、実際の生地にこの型紙代わりのハード薄芯を当てて、生地の方も片方カーブに裁断。

この時点ではすでに生地には接着芯が貼ってあります。

それをもう1つの方のパーツも行います。

この後は、生地に実際にダイヤキルトを掛けまして、その後、縫い代1-1.5cmの中表で真っすぐの方の線を空き口として2枚を縫い合わせひっくり返すのです。

最後に空き口のストレートラインを縫い閉じ、1枚のプレートに仕上げます。

その後、三つ折り仕立てに縫い付けられた裏地付きのカーブの蓋のあるケースに出来上がります。

本を入れるのですから結構なサイズになるマチ無しポーチです。

入り口には、マジックテープを縫い付けることにします。

本が、表地も裏地もキルトで守られます。

読書ライフにはとても役立つポーチが素敵な柄で出来上がると思います。

あとがき

本来、古着をそのままの姿で「リユース」できれば一番良いことです。

しかし、そんな綺麗事にはなかなかいかないのが現状で、古い物の中には古さを匂わせる「テイスト」があるものなのです。

それは仕方がないことで、やはり新しい形にアレンジしたりリメイクしたくなるのはとても自然な心理なのではないでしょうか。

ただ、「著作権」があるので、商業的な利用の仕方の壁があり、個人としてのアレンジにとどまるのが現状です。

それでもリメイクのことをお伝えしようとここ数年やっているのがこうしたアイデアの伝達となります。

一人一人がある程度のリメイク技術を磨いていくことだと思っております。

プロフェッサーと言えるほどの腕は持っておらず、10年以上製作してきたハンドメイドバッグ製作を通じた技術にとどまっているのです。

どうぞ、このたびの記事の捉え方を「共有」としてとらえていただき、横に並びながらお互いに昔の素敵なアイテムをアレンジして活かすアイデアと共に、「ハンドメイド文化」なるものを育てていこうではありませんか(^-^)。

多重構造のバッグ、表地・裏地・内袋・が重なる内部に2個のポケットを取り付ける場所と5種の生地の配置【1392】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「共有型のハンドメイドバッグ」という事業においては、「有料コンテンツ」を制作中です。

時間がかかってしまっていますが、いずれ完成し、お届けできるようにしてまいります。

まるで「カメ」さんのような進捗度、簡単に進むことができないのもなかなかの難易度高めなことだと感じています。

とはいえ、完璧を求めなければ一度は完成した過去がありましたが、その後納得できず撤退。

そして、もっとご利用しやすいものへと試行錯誤しているところに時間がかかっています。

ところで、コンテンツには、「切餅」という名前を付けたデザインを最初に作っています↓。

「切餅」:その様相通り角ばったスタイリッシュなエコバッグ。これで一重仕立てです。

作りやすい1生地だけで始められるところから敷居低めにノウハウをお届けしながら実は多くの事が学べるようにと決めたもの。

メインバッグにもなればという可能性を感じていただけるかもしれません。

ここがいかにもエコバッグらしい作りとの差別化、様々な使い方ができるようにと考えました手の込んだ作りの一重仕立てなのです。

このたびは、特別企画のようなもので、この一重仕立てに裏地を加えたり、ポケットを加えたりしながら、内容を増幅していきます。

巷では様々な業界で、「デラックス」などと頭に付けられた商品のネーミングになることも多い拡張型のデザイン。

「切餅デラックス」とでもいうような完成になりました。

一重仕立てでは、上の写真のように1種の生地のみか配色生地を使った2種までですが、このたびの「切餅デラックス」は、5種類の生地を使います。

まだ完成には至っておりませんので、この度のポイントを「ポケットの望ましい位置」に置きながら、5種の生地をご紹介してまいりたいと思います。

内袋付きの入り口が開いたバッグ、ポケット2個をどこに配置すると良いかをセキュリティー性とおしゃれ度で考えた

本体とポケットパーツ:その他の細かいパーツがまだ別にあります。

手前に左右に並んでいるのがポケットパーツで、5パーツで1セットです。

お洋服のスーツの「片玉縁」というデザインを引用、蓋にカーブがかったフラップを縫い付けた2デザイン混合型のポケットです。

袋は内部に隠れてしまいますので、「パッチポケット」ではなく「隠しポケット」というようなタイプになります。

ファスナーは使いません。

さて、「黒:ナイロンオックスはっ水加工」という生地と右の「マルチカラー:ブリスタージャガードニット」という迷彩柄のニットのポケットをどの面に取り付けるかの考案です。

裁断したバックの本体パーツ4種は、

①迷彩柄:本体表側

②ベージュ:本来裏地

③黒ニット:内袋表地

④チャコールグレー:内袋の裏地

後で貼ります1日前に投稿していたYouTube動画の中では、「黒:ナイロンオックスはっ水加工」を②に、「マルチカラー:ブリスタージャガードニット」を④に取り付けるとお話致しましたが、その後1日経過後に早くも配置を変更。

「マルチカラー:ブリスタージャガードニット」を②に、「黒:ナイロンオックスはっ水加工」を④に取り付ける方が馴染み具合が良いと判断。

比較(ベージュに対して合うポケットはどちらか):迷彩柄の方がオシャレ度が高いです。黒は極端過ぎ。
比較(チャコールに合うポケットはどちらか):迷彩柄はグレーには浮き、目立ちすぎることで安全性が低下。

本体の裏地という位置は入り口からのぞけますので、このような浮く生地は目立ちます。

ふさわしいのは、なじむ同じダーク系の黒のナイロンというところに行き着きました。

ということで、ちゃんとした理由をもってポケット設置の位置が決まりました。

内袋の中に設置のポケットは一番セキュリティー性が高いとする場所、最も大切なものを入れる場所と決めることができます。

「馴染む=擬態化」のようなもので、おしゃれ度と同時に「機能」であることも大変興味深いのです。

ここから、おしゃれ度と機能は互いに溶け合っているものなのではないかという学びがありました。

あとがき

最後に5種の生地の詳細をご紹介したいと思います↓。

①迷彩柄:本体表側・・・ブリスタージャガードニット、綿/62%、ポリエステル/38%、日本製。

②ベージュ:内袋中側(迷彩柄のポケットを設置)・・・ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

③黒ニット:内袋外側・・・TR綾ニット、ポリエステル/65%、レーヨン/35%、日本製。

④チャコールグレー:本体中側(黒ナイロンのポケットを設置)・・・ウールコットンふくれジャガード、毛/64%、綿/36%、日本製。

⑤黒ナイロン:各パーツ・・・ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。

①②④は生地屋様は「大塚屋」様です、③④はネットの「ニット生地屋((株)江戸ッ子)」様です。

独自の技術として、「コーデ/組み合わせ」を重視、この得意分野を切り口としながら今後もバッグの製作ノウハウに盛り込みたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

これまで集めてきた30年前の年代物ブランドバッグコレクションが4点入るたっぷり容量、バッグの型崩れを徹底的に防ぐインテリア収納【1386】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近連続でご紹介しております大容量バッグ製作。

それぞれが全く同じではなく、生地が違い、サイズが違います。

ゴブラン織りではごわつかないようマチ無しデザイン、それでも使わない時にたためるような融通性も入れますので、「インテリア収納袋」に徹したものです。

旅行のビッグバッグになるかというとお車で比較的持ち運びの時間が短ければ可能かもしれませんがあまりお勧めできません。

旅行用には重い物を持ち上げるための機能を持ったデザインとして「支柱」を取り付けるからです。

インテリアならではの柄が遮られないめいっぱいの面積を見せていくのが、取っ手を挟み込んで縫い付ける手法。

このたび、とてつもなく大きな横75cmのバッグが出来上がりました。

シックな黒でまとめたことで、ビッグなバッグであっても引き締まった感じに映るのではないかと狙った案です。

2019年-1020年もののストック生地をフル利用した75cmもの横巾の超ビッグトートバッグに入れる物、それは年代物の4点の収集バッグ

このたびは、トップ部分の一部の不足面積を、別生地で「はぎデザイン」で作り上げました。

ビッグバッグ作りは、手持ちではなかなかそのままの生地で作ることなど難しく、大容量バッグというもののすごさを感じます。

生地は余らせずに端から端までのフル使い、スパーンと非常に気持ちが良い使い切り。

上段(薔薇柄黒):ビエラフロッキーという生地。下段(ボックス柄黒):シルク混ドビーという生地。

薔薇柄のビエラフロッキーは、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、日本製。

無地ライクなボックス柄は、キュプラ/56%、シルク/20%、アセテート/18%、ナイロン/6%、日本製です。

高級生地なのでひかえめに小さなバッグ用にと2019年に購入だった薔薇柄、今まで使う機会を失っていたのです。

まずは、どちらにも接着芯を貼りました。

そして、切替えを作り、片方の薔薇の生地の最大限の幅に合わせたのがこの状態では横105cmもありました。

ここまでビッグなサイズは過去にも経験がありませんでした。

裏面:しっかりとした表面にするための10cmのダイヤキルトがけ。内陸部の待ち針が固定・しわ防止です。

キルトシートは、いつもの不織布芯の代わりに撥水生地を使ってみました。

ただ、後から思うのは不織布芯がやはり馴染みます。

バッグを触るたびに、この撥水生地の「シャカシャカ」という音がするところに違和感みたいなものが残るのでした。

ここに当てた「キルト芯」代わりの生地は「ナイロンタフタ」という生地。

ダイヤキルトは10cm、針目は通常の3mmで仕立てました。

キルト完成の表面の様子。最初にハギ目をつなげた後キルトをかけているのでダイヤ柄は途切れません。

その後、こんなことをしています↓。

右端のような外側を粗い針目の6mm固定ステッチをALL一周かけます。

この後の作業で生地が折れたりしにくいように固定していますので、仮止め程度のものです。

粗い針目の意味は、比較的早く作業ができることともう1つ、同じ3mmだと皺が寄ってしまう可能性があるからです。

粗い方が融通が利きます。

マチの部分も縫い代の内側の影響のない数ミリのところを同じように固定。
大容量バッグ:縦50cmx横75cmxマチ25cm。「著作権侵害」への配慮でリメイク部分の取っ手を隠して撮影。

取っ手もちゃんと付けましたが、取っ手だけは古着のワンピースに附随の「ロングタイ」の使わないのを利用しています。

よってお写真の枠からは除外させていただいたのです。

写真では、4点のブランドバッグが保存袋に入った状態で4点収納してあるのです。

横にはゆったりと2点が配列欲並んだ容量、収納しながらも重なりによる新たなる傷みが起こらないような効果があると思います。

「バッグというものはこういうサイズであるべきなのだ」という固定観念で縛られていたら製作することはできなかったと思います。

側面から見た様子:ピンタックをスタイリッシュに入れていますのでルーズな印象は解消。マチ25cmの姿です。

大容量バッグであっても野暮ったさが解消されたスタイリッシュな出来上がりになったと思います(^-^)。

あとがき

バッグの作り方1つとっても、生地を新品で購入して作っていくことだけではない可能性を探っています。

本当は、商業として自由に古着などから作ることができれば。。と無限の可能性を感じますが、「著作権の遵守」があるためにそれは難しいことなのです。

それでも、図解や、一部の撮影のみにとどめて、その「ノウハウ」はお伝えしていけるのではないかとぎりぎりで頑張ったのです。

これが、現在ピクチャレスクにできる精一杯のこと、どんどん気付いたことは発信してまいります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

古い自作クッションカバー・古着スカート・ちりめんはぎれと複数分野の材料で作ったバッグ収納のための大きなインテリア収納バッグ【1384】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【1343】【1348】【1375】で、実家の新築の合計7点の低反発クッションカバー作りを過程や完成品でご紹介しました。

中身の低反発ウレタンは、このたび使用のゴブラン織り薔薇柄カバーの中身から4点抜いて再利用させていただいていたものでした(初告白)。

何しろ10年以上前に製作したゴブラン生地を使った低反発クッションカバー、結局は持っているだけで使い道が無かったクッションだった4点でした。

中身のウレタンだけを抜いた4点のカバーのみが残ったこのたび、同じブロックパーツを裁断して集めたパッチワークに仕立て、大容量バッグを作っていきます。

大きなバッグを作るので不足の部分が出てきますので、あらかじめ別生地を用意。

その生地というのが、古着のタイトスカートからの引用になります。

部分的にリメイクが入りますので、「著作権の侵害」に考慮し、写せる最大限の範囲にとどめ、一部図解で示したいと思います。

①ゴブランクッションカバー解体②はぎれのちりめん生地③古着スカートという3つの方面から集めた材料で作った大容量のバッグ

パッチワークでどこまでエレガントに仕上がるのかは、毎回のテーマです。

薔薇柄はエレガントな雰囲気をくれる頼もしい柄です。

パッチワークで柄はぶつ切りですが、天地の向きを統一しながら丁寧に作っていきます。

1パーツは縦12.5cmx横17.5cmです。柄の向きを天地の向きに揃えました。
まずは大きなシートを2枚作りました。縦の長さが不足している状態です。
1.5cmの縫い代で横に細長く繋げたら、都度アイロンで両割りし、まずは縦に溝の両端にステッチ。
裏面はこのようになっています。横長に繋げた次に、縦に繋げていき、その溝もステッチしていくのです。

果てしない作業ですが、いつかは完了します。

こうした地道な作業の果ては美しいパッチワークシートが出来上がります。

あとは通常のひと繋ぎの生地のように考えて進めていくのです。

取っ手はもう生地が無いので、別生地。ちりめんのでこぼこ感がゴブランに合うような気がしました。

ベージュのちりめん生地がいよいよわずかになっていたところで、ここで最終の利用となります。

今思うことは、1生地を完全に使い切るのに随分年数がかかっていることです。

1m以上の生地は1点のバッグの製作にはかなり多めだということが分かります。

この取っ手には、接着芯も貼りましたし、同じく在庫がラストの「ソフト厚芯」も入れ込みました。

そして定番の4本ステッチで固定して立派な取っ手になり、ゴブランの生地にレベルが合っていきます。

出来上がりサイズは、縦50cmx横60cmxマチ無し。横60cmは大きなボストンバッグ級ですのでビッグです。
この空間の部分は、写すことをひかえました著作権のある元はスカートのベルベットラメドット生地を使用。
斜線の部分にベルベットの黒のラメドットを追加。3cmのダイヤキルトをかけました。イメージしてみて♪。

素敵に出来上がったのでお見せしたいのはやまやまなのですが、すみません<m(__)m>。

こうして、足りない部分をお洋服の古着でまかなうというアイデアは、初めて取り入れたことです。

裏地:カーキ色でいろんな表地に融通の利くカラーです。
サイドの様子:ゴブラン程の厚みのある生地の場合こうして自然にマチができます。
最低でも7cm程度は膨らんでいます。
柄を壊さないためには、せっかくの広々と出ている柄をマチで遮るべきではないとの判断です。
底は「わ」になっているので、こんなごわごわ生地でも比較的角は出やすいです。

底は柄の向きがそれぞれ整った2面をつなげて、パッチワークと同じように溝の両端をステッチして最終的に1面にして「わ」として作っていきました。

もともと1枚の生地だけで作る時には柄の向きは「わ」の場合片面が反対向きになるのに、パッチワークの場合は両面とも正位置に配置できるという新しい発見も。。

ブランドバッグを収納している時の様子:サイズ縦50cmx横60cmxマチ無し。ふんわり感が出ています。

こうして、中に目的のブランドバッグを収納したところで、インテリアとしての「容器」のような存在になったのでした。

あとがき

バッグ収納の為のバッグですから非常に大きなサイズになります。

元はクッションカバーだったゴブラン織りの生地でしたが、わざわざパッチワークにして不足部分を他の素材からも引用して残したかったのです。

それは、当時でしか入手できなかったと思われる希少な生地が、年数が経過するともっと価値が高まったと感じたからなのです。

生地屋様にはあんなにたくさんの勢揃いしているように見えますが、「一発屋」も多く、その時の出会いが重要なのです。

ダイナミックなまでの「多品種小ロット化」の現実なのです。

そのような構造や事情をうまくつかみ、自作の価値に当てさせていただいております(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

<仕立て直し>四つ角が余分であることを四角カバーの折れが実証、無駄のない八角形へ変更したバッグ用のリムーバブルな底板カバー【1383】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2018年頃ですが、底板にカバーを作って、「くるみ底板」と称した底板製作を「オーダー」の形でやらせていただいておりました。

その時にハイブランドバッグのサブバッグの沈むような底部分の解消に、メインバッグとしても十分持てるような丈夫な底板を追加するということを自前の持ち物でも検証。

それがこの2点の底板になります↓。

2点の底板。内蔵の「ベルポーレン」という折れないプラスチックが角丸にカットして入っています。

長方形の四角いバッグの底なのだからと長方形で作ったわけですが、よく見ていただきたいのです。

いずれも角が折れています、実際には底板カバーは余分な部分があるということなのです。

角の折り跡にご注目。折れているということは底に沿っていない余分ではないかと見ました。

その後、余計な縁の四つ角は最初から無しにする案が浮かびます。

そうして、現在5年後においては、四角い底用の底板カバーを作る際には決まって8角形モデルで作ることにしております。

内蔵するプラスチック底板も8角形にカットしたものを内蔵し、くるみ生地も8角形に裁断した型紙に変更したのです。

当時ちゃんと選んだ元の生地をそのまま活かすことができるメリット、解体に時間をかけ他の見直しも同時に行えたくるみ底板の仕立て直し

作り直しですのでいったんすべて解体しますが、一から作る時との違いは生地がそのまま再利用できることです。

特に、当時の希少な生地などであればなおさら、古いものにも価値は宿っているのです。

解体場面:一度解体。接着芯を貼ってきちんと作ろうとはしていたようです。

しかし、どことなく当時の作りの粗さが目立ちます。

5年も経過すると随分と作り方にも発展があることを改めて感じ己を労います。

そして、糸くずを取り払い、まずはまっすぐにアイロンをかけ直し。

そして、角をカットする作業をします。

ここでお伝えしたいのが、一から丸ごと8角形の型紙を作る必要がないということ。

角の部分だけの型紙を当ててカットする方法があるのです。

角部分だけの型紙の考案

このことはいろんなケースに応用・引用できますので是非。

5cm四方の型紙用紙の中心に向かって1か所だけ折ります。そして、三角部分をカットした小さなパーツを用意。
出来上がりの角:裁断の時に三角のパーツを角に当てカットして再び作り直したもの。

2枚仕立てのひっくり返しをせず、角を綺麗に出すために外表のまま1cmの縫い代で折り込み互いに縫い合わせる方法です。

待ち針をし、角をピッタリ重ね合わせながら、最後に端から2-3mm程度をステッチして完了です。

底板を入れるタイミングは、最後の長い直線を縫う際に入れれば十分です。

最初から入れても縫いにくくずれやすいので労力が無駄になってしまいます。

最後のラインのところの始め辺りのタイミングで少し折り曲げながら入れるとやりやすいです。

折り曲がって跡が付くことはございませんので大丈夫、そこがベルポーレンの良さです。

この削られた角が実際にバッグの底にフィットしやすいのです。

あとがき

サブバッグ的なものを気軽に日常使いのメインバッグに出来ることがあります。

その際に、足りない部分がどうしても底の強度です。

これさえカバーできれば、小物が1つ増えてワードローブが潤います。

実際には、素材の良さや素敵なデザインはサブバッグの領域をやすやすと越えていきます。

上手く活かせると古い品物の出番も多くなり、新しいものがそれほど必要なくなります。

新しいものを作る技術があるのならば、おのずと古い物を仕立て直す技術も生まれます。

こんな文化が是非とも広がれば良いと思っております(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

<仕立て直し>マルチカラーの糸の色を当時の焦げ茶からベージュへ変更、約6年ぶりに解体して丁寧な仕立て直しをした大容量バッグの立派な姿【1381】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび3回連続でお送りしてまいりました「仕立て直し」のシリーズ。

【1379】【1380】【1381】と連続の、このたびが最終の【1381】です。

①スツール用の低反発クッションカバーの仕立て直し(【1379】の投稿)↓。

②3点のトートバッグを裏地を追加したピンタックデザインへ仕立て直し(【1380】の投稿)↓

そしてこのたびの③は、ビッグトートバッグの一重仕立てのゆるゆるなルーズ感が気になる超大容量バッグを丁寧に仕立て直し、しっかりしたものに仕上げて締めくくります。

②の3点目もビッグトートバッグでしたのでサイズが非常に似ていますが、このたびのバッグが一番大きいサイズとなります。

この数年間のノウハウが高まったことで、様々な箇所において作り方が変わっていました。

当時のままの希少なその時だけの生地を大切に新しい形で活かす素晴らしをお伝えできればと思います。

コスパ良く生地を使用たラッセルニット横向き裁断の過去の製作、解体後の仕立て直しはバッグなのに縦が伸びるデメリットを解消した

解体した後、裁断し直しの本体:「わ」です。真ん中が底になります。縦20cmx横10cmをくり抜きました。

ということは、マチは20cmに出来上がるということになります。

柄の向きに融通があるため分かりにくいのですが、この向きは地の目に対して横向きなのです。

本体と取っ手でおそらく購入は1mだったと思います。生地を余らせず、フルに利用した記憶です。

当時の生地購入時の記憶が薄いですが、おそらく、広幅の生地を有効に使うために横取り裁断をしたと思います。

よって、横向きに裁断するという考え方で当時はコスパ良い生地の調達を工夫した個人使いの製作品です(2015年頃の製作)。

このビッグバッグには、その後布団も収納しましたし、ボリュームたっぷりの資材も収納して複数と用途で使わせていただきました。

エレガントな薔薇柄がかなりインテリア性を高めてくれていたのです。

「ダブルラッセル」という種類の生地が該当すると思うのですが、ネット検索でググっても薔薇柄などというのはかなりのレア生地、なかなか見つけることができないのです。

ただ、当時の表面的な考え方があり、今こうして解体後見てみると、横裁断したせいでバッグとして持ち上げた時に、引っ張られて生地が伸びてしまっている部分がありました。

もし、今この生地を調達するならば、おそらく、2枚仕立てにして、めいっぱいの生地幅の横並びに裁断ができるサイズへ小さくしてでも地の目に忠実に作っていたでしょう。

そうした過去の拙い考え方や作り方を今こうして現在の技術をもって仕立て直しできる機会が大変嬉しいです。

糸の色を当時の焦げ茶からサンドベージュへ変更したことでステッチが美しく映るようになった

このバッグ製作当時はそもそもミシン糸を50-60番で縫っていた時代。

現在はバッグに関しては30番を徹底しています。

過去は60番程度の細番手。解体しながら感じたのは、持ち上げる圧力がかかるバッグにはやはり30番が安心です。

そして、糸の色を変えたところも重要なポイントです。

焦げ茶は一見合いそうだと思われるでしょうが、マルチカラーにおいてはそういった判断は表面的です。

登場するカラーの濃い・薄いの中間の色を選択が正解なのです。

これはさんざんマルチカラー生地を扱ってきた者が糸の色に悩みながら導き出した答えなのです。

大部分は確かに焦げ茶。しかし柄の部分もそれなりの面積です。この薄い綺麗な色へ焦げ茶の糸は汚いのです。
サンドベージュの糸の色は平均的にどの色の部分にもなじみました。これが正解。

この生地はメッシュで穴が開いています。

裏に接着芯を貼ったその接着芯の色さえ白か黒かの選択が重要でした。

柄の部分に黒が透けることがないよう、白のニット芯を選択したことも糸の色選びに関係してくるのです。

裏地付きのピンタックは表地、裏地それぞれで行い、凹凸が反対になるところがポイント

表地は表へ突き出すように、裏地は凸面が内側へ隠れるようにピンタックをつまみます。

こうすることで、凹凸のコンビとして、表地と裏地がうまくぴったりと重なるという構造なのです。

ピンタックをする前に入り口の縫い代を折ってからやるというのも綺麗に出来上がるポイントです。

完成品を見ながらの「仕立て直し」の総まとめ

③仕立て直したビッグトートバッグ:<サイズ>縦50cmx横60cmxマチ20cm。

②の時は、縦横50cm四方だったので、こちらの方が横が10cm広いです。

10cmの違いはさすがに大きいので、大容量バッグと呼ぶにはふさわしいこの度のバッグです。

裏地も②と同じヘリンボンの厚手生地を設置。

裏地には接着芯は不要と判断し、表地だけの接着芯ですが、物を入れるとこんなにスタイリッシュです。

横顔です。きちんとしたフォルムは眺めていて大変気持ちが良いものです。今までの姿とは全く違ったものです。

あとがき

「苦労を買ってでもする」という言葉がとても好きです。

今その一瞬は長い長い歴史では、ほんの一筋の光の矢でしかありません。

「長い目で見る」というもう1つの好きな言葉と共に常に引き出しの中に入れている言葉です。

その後見るたびにうっとりとする心地を毎回感じることを考えたら、今の苦労などたいしたことではないのだということです。

当たり前に手間をかけていき、終わったら涼しい顔をする、そんなスタイルを大切にしてきたいのです(^-^)。

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<仕立て直し>ピンタックをあしらう仕立て直しの結果がすごい、整然たるインテリア容器への生まれ変わりを遂げた過去の製作品のトートバッグ【1380】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ3回にわたり、過去の製作品のハンドメイド品を仕立て直しています。

1回目の【1379】では、5年前に製作の2018年製のスツール用の低反発クッションカバーを角型から座面の楕円に上手く沿った楕円カバーへと変えました。

全部糸を解きほどいての仕立て直しなのでほぼ最初から作るのと同等です。

それでもその生地をそのまま活かして仕立て直すことの無駄の無さや気持ちの大きなリフレッシュをお伝えしたいと思っております。

当【1380】では主にトートバッグに主にピンタックを追加していきます。

3点中2点はすでに出来上がったところへ追加だけをするやり方、最後の1点は元々裏地無しであったことから、この機会を兼ね、全解体の裏地付けを含めたピンタックバッグへの変更となります。

なかなかのボリュームある作業ではありましたが、とても有意義でした。

では、是非変化をお楽しみくださいませ。

縁が曖昧なルーズなトートバッグがピンタックを施すことで劇的に生まれ変わる、180度反対なスタイリッシュなテイストになった

仕立て直し前の3点のトートバッグ:左2点は接着芯を貼った裏地付き、右は一重仕立ての無接着芯。

どれもだらんとしたルーズさがあります。

きちんと整ったラインがはっきりしたボックス型の方へとそのフォルムを変えていきます。

「あいまい」から「はっきり」への変化は、その見かけの物理的なことだけでにとどまらず、気持ちが引き締まるような「心地」の変化も生むのでした。

作業過程は映しておりませんので、次の写真からはピンタック後になります。

随分変わりました。

もともと縦長のサイズだったのですが、角がはっきりして前よりこちらの方が断然グッドです。
こちらは横長。前は縦が短くて物がこぼれそうだったのがピンタックだけでこうも変化しました。
縦横50cm四方のビッグバッグ:もう迫力満点。このようなサイズのビッグバッグはなかなかレアです。

ここへプチプチを入れている事業用の資材品入れとして使っておりますので、出番も多く毎日見かけるバッグでした。

毎日見るからこそ見た時の心地良さを重視した仕立て直しだったのでした。

これは最初一重で作ったのがかなり前なので、そこからこんなにも作り方が変わったことに驚いています。
裏地も持ち合わせの生地があり、これを利用。接着芯は表地だけに貼りました。

ピンタックは、最初の2点は表地と裏地が重なったままアイロンで線を付けてまとめてつまみましたので早く仕上がりました。

ただ、この3点目に関しては、本来最初から作る裏地付きのピンタックタイプは表地、裏地それぞれでピンタックをつまんだ方がラインが綺麗で寸法も正確です。

注意点は、裏地は内側へ隠れる方へ突き出すつまみ方で裏面で山を作りますので、出来上がりはピンタックが奥へ隠されることです。

表地は表側へ突き出す方が断然美しいですので、そのようにつまみます。

ピンタックをつまむ面が表地と裏地で違うということです。

そして、最後口の縫いとじの時にピンタックが凹凸で重なりうまく合体できるという仕組みです。

おまけ:ジャガードの裏面使いの良さを意外なカラーの裏面でアイロン台クロスとして仕立て直し

実は3点目の生地の裏面が結構素敵だったので、これを表面としてインテリアカバーで使います。

もともと、アイロン作業の箪笥(たんす)のてっぺんにクロスとして敷いていた本来の表面でしたが、3点目のバッグと同じ柄だということに差別化を付けたくて、裏面仕様で違った雰囲気にしてみたのです。

実際にこのようにインテリアクロスとして使用しています。

今思えば、何年か前に購入のこの生地、気に入って多めに調達していたようです。

バッグに余ったからインテリアクロスにしたというのがこのアイロン台クロスにしたきっかけ。

当時しっかりこの生地をしっかり見ておらず、裏面がこうなっていることをこの仕立て直しの機会に初めて知りました。

あとがき

ここで仕立て直しシリーズの第二弾が終了したのですが、最後の第三弾というのは、同じビッグバッグのもっと一回り大きな一重仕立てをこれも全解体の裏地付きで仕立て直します(【1381】記事にて投稿)。

こちらにも裏地を付けていきますが、この度のビッグバッグよりも生地が伸びるタイプでやや難易度があるかもしれません。

そちらの生地もこの度の生地と同様もう今は売っていない生地で、その当時限りの素材なのです。

そう考えると、生地の希少さ1つとっても、この仕立て直しの意味があるわけです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク