まるごと作り直しをしてもなお残る課題、表面的には綺麗に見えても未解決なドーム型ショルダーバッグの裏面【39】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、前半である【37】から番号が1つ飛びました【39】の投稿で後半と完成をお届けします。

大変美しい高級生地のイタリア製の風通ジャカードの大花柄で1点ドーム型ショルダーバッグが完成。

前編では、表地にポケットや取っ手を付けるところまで行いましが、その後いろいろ波乱が起きまして、まるごと作り直しもしています。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.29からおよそ5年半後の、2025.02.08にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

その後完全に解決することができなかった複数の課題は、どれも「美しく作ることができない」という点が共通しています。

なかなかこうして投稿でアップしたくないような場面ですが、これこそが大切であり今後もしかして同類のバッグの形を成功することができる方への良きヒントになればと記録に残します。

後に貼りますYouTube動画は当時2019年のままであり、随分当時では納得したようなことをお話していますが、2025年から振り返るととんでもなく課題だらけの未熟な製作だと見ます。

確かに生地は優れていますが、存分に活かせなかったことが一番もどかしく申し訳なさが残りました。

では、苦い記録とはなりますが、2019年当時では精一杯のやり直しをしての完成品となります。

①横の反り②ステッチの歪み③余分なステッチ、複数の課題があっても美しく映る風通ジャガード生地の素晴らしさ

ミニドーム型ショルダーバッグ完成:<サイズ>23cmx横27cmxマチ12cmくらい。
内部は、ゴールドラメ生地です。このガサガサを作るのは、【37】の前半で素材をご紹介した時のメタル/40%。
課題x3点:左から順に、①余計なステッチ②ファスナーステッチのゆがみ③側面の反りの未解消です。

①は底面なのですが、組み立てる前に周囲にステッチをしてしまうことを後で見直しています。

こちらの解決は可能であり、ここでは「中表」をひっくり返し後の返し口にボンドのみで仮止めしておくだけという解決方法。

その後の組み立てで新規のステッチのみが出ますので綺麗です。

あらかじめステッチをしてしまうと必ず重なるとは限らず、かえって汚くなるのです。

②については、これはなかな解決が難しく、カーブを平面ミシンで縫うことの限界ではないかと。

③は結局最後まで解決できず、正しいラインに導くことができませんでした。

とはいえ、それなりに良く映ってしまう瞬間があるのも、この生地の素晴らしさのおかげなのです↓。

生地にステッチをすることでハリコシが高まり、ベルトのようなパーツでもそびえ立つということになりました。
持ったイメージ:ファスナーは下まで行き過ぎで、せめて横ラインの1/3にとどめねば物がこぼれます。

とにかく、突っ込みどころはとどまることを知らないほどの量、後にこのデザインは諦めました。

もともと、自らの1からの考案ではなく、老舗ハイブランド様の類似のデザインにあこがれてのスタート。

自分が閃いたアイデアではないのです。

あとがき

2019年の高級生地を使用させていただいたバッグ作りは、「生地頼み」がキーワードであったかと。。

生地の素晴らしさに頼りながら、未熟な技術のフォローをしていただいたかと思うのです。

未熟な技術では安価な材料でリスクを落とすべきだと普通は考えるのですが、なぜかこの時期に無性に高級生地にも同時に踏み出したく、フライングであったことをしっかり覚えております。

この度のお品を含め、高級生地のほとんどがボツになった試作品だらけという結果で、非常にもったいないことでした。

ただ、こうも言えます↓。

そういったタイミングであったからこそ、「生地頼みは良くない、自らが生み出す価値も持っていなければいけない」という考え方へたどり着くとができたのでした。

もう二度と会うことが無かったこのイタリア製の風通ジャガード生地のこの柄でしたが、だからこそ、こうして未熟な技術と並んで記録に残すことが望ましいのではないかと考えました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

崩れ易く頼りない生地の状態の「風通ジャガード」、ミシンステッチによりどんどん逞しく固められていく性質の発見【37】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年は、「バニティ」「ボストン」「リュック」「巾着」「ドーム」という主に5種の立体的なデザインのバッグを研究しながら高級生地で製作していくことに挑戦した時期でした。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.22からおよそ5年半後の2025.02.06にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

よって、YouTubeでは2019年当時のままの内容でも、当ブログ記事はリフレッシュされ内容が高められていますことをブログ記事をご一読いただけるメリットとしてお伝えしたいと思います。

このたびは、「ドーム型」のミニショルダーバッグをイタリア製の美しい「風通ジャガード」生地で製作する前半の部分をお送りします。

完成は後日の記事の【39】でご覧いただけます。

裁断後の崩れ易さから一変、製作を進めていく中でどんどん強固になっていったイタリア製風通ジャガードの真の性質

そもそも、このドーム型は、某ハイブランドバッグにあこがれて好んできたデザイン。

特に流行が色濃くないという点に最も魅力を感じていました、1990年代からのこのデザインのファンなのです。

ただ、見様見真似ではどうしても同じフォルムにならず、型紙の底周辺のラインが一番の「秘密」の部分なのだとお見受けしました。

この時に製作を進めてはいましたが、そもそも本体のラインを作る型紙自体が間違っていると思うのです↓。

ドーム型バッグに初トライする時に誰もが一度は左のようなラインで考案してしまうのでは。これだと反ります。

そして、数年後に考案したのが、右のような型紙。

先端のとがりをそぎ落としカーブ上になると、バッグを下に置いた時に地面にぴったりと着するフォルムになるような型紙ラインは。。というシミュレーションもしてみましたが。。

結局は最後まで最もベストなフォルムに一致した型紙は作ることができませんでした。

右の型紙はそのシミュレーション研究時のものですが、尖りがあってそれがラインにもろに出て出来上がってしまったのです。

あのとがりの部分をまっすぐにすれば良いのか?というのもそうではありません、結局答えは出ずじまいで、このデザインをその後諦めていきました。

あこがれは憧れに過ぎず、自ら生み出した「願望」からスタートするラインであるべきなのです。

たやすくぱっと見で既存のデザインを型紙で表現などととんでもない図々しい考えでした。

表地(柄):風通ジャガード、ポリエステル/75%、絹/22%、ナイロン/11%(全体で100にならないため、生地屋様の記載間違いだと思われます)、イタリア製。右側は裏面で、表面として使えるレベル。
裏地-右(ゴールドラメ):クリスティーヌ、ポリエステル/60%、メタル/40%、日本製。
柄以外の背景の部分は糸が今にもほつれそう、早めに接着芯を貼り、作業を進めるのが良いと思います。
接着芯貼り後の表地と裏地:この時点であまりにも不安定な風通ジャガードに対して頼りなさを感じていました。
ところがです、ファスナーを縫い付けステッチをしていくにつれてどんどん強固になっていくのを感じたのです。
取っ手取り付け後:観音開き折りで4本のステッチが走ることでどんどん素材が固まって逞しくなっていきました。

これらのことに非常に驚き、これこそが正に「風通ジャガード」の真の性質なのではないかと思ったのです。

なぜに空気(風)が通るような空洞を作るのか、立体感の表現だけでは決してないのだとこうしてミシンステッチを走らせ、作ることで分かったのでした。

空気は「頑丈さ」をも作る無料の資材なのではないかとさえ思えたのです。

あとがき

番号が少し飛びますが、【39】の番号で一応形だけの完成となります。

途中でもお伝えしましたように、そもそも型紙が間違っており、このまま完成しましたがサイドの底周辺が反ってしまいました。

とりあえず記録には残しておりまして、同じように作ってしまわないための予防線としてはお役に立つのではないでしょうか。

失敗が立て続けでありますが、この研究期間は貴重であり、「風通ジャガード」の深みに触れることができたと思っております(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

2泊旅行の容量、外表組み立て式で裏地が白地に対するパープルアクセントラインとして顔を出すボストンバッグ【38】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

駅のコンコースを歩くと、ローラーがゴロゴロと雑踏の中を行き交います。

出張のビジネスマンや旅行者など、駅には旅する人々がいっぱい。

このたび、旅のお供に一役買えそうな畳めるような柔らかさも併せ持つビッグボストンバッグが完成。

ボストンバッグなどに足を踏み入れることができたのも、あらかじめ「中表」で縫い代を始末し、「外表」で組み立てて完成するという作り方をしているからです。

終始中表で作られていくボストンバッグとどう見かけが違うのか、邪道なのではないかなどを常に考えながらの製作でした。

ただ頑丈なだけではない畳めるような柔軟性も併せ持つ、薄手で強いナイロン/100%製の「外表式」ボストンバッグ

このたび使用の素材は、薄手でありながら強い生地と言われるナイロン/100%。

ナイロン/100%は、よくはっ水コーティング加工を伴う生地が多いです。

ナイロンという水をはじくことにはもともと長けているタイプの素材と撥水加工との強力タッグにより、相乗効果が生まれるのです。

ただ撥水(はっすい)という言葉は防水とは非なるもの。

撥水だから、水を完全にシャットアウトということは定義としてはありませんのでご注意を。

表生地(パープル系マルチカラー小花柄):ナイロンオックスプリント(撥水加工)、日本製。
裏地(パープル):ジャガード、ポリエステル/100%、日本製。
上2コマは「中表」に縫い代を隠しプレートを作り上げる場面。下2コマは各プレートを「外表」で組み立て場面。
各方面から:上から時計回りに、入り口開閉ファスナーx2本、サイド、表の背の大きなポケット。

ここまでまともにビッグボストンを作り上げたことがありませんでした。

手始めとして、細長いファスナー周りのマチ布の先端は角のまま、丸いカーブ部分でも角を貫き通しました。

寸法がまだ不徹底なので、尖らせておいて縫い易くしたつもりなのです。

薄手でありハリコシあるナイロン100%生地のおかげで何とかすっきりと縫い合わせることができました。

決して技術ではなく、まだまだ未熟な多くの点をこの良き素材に助けていただいたに過ぎません。

ところで、この後半の「外表」については、引っ掛かるところがあります。

「邪道なのではないか」という点は、「中表」で最後まで作られていることもあり、あれには意味があるからです。

そして、生地の間からどうしてものぞく裏地のパープルカラー、これを「始末がされていないのだ」と見ることもできるのです。

それならばと、目立たない同色で裏地を選ぶことで分かりにくくする条件が生まれてしまい、材料の選択の可能性をかえって狭めてしまうのではと。。

ただ、この作り方でなければボストンバッグにトライすることにさえ至らなかったと思いますと、非常に製作の一歩が踏み出しやすい作り方だと思いました。

同じ「外表」で「バニティー」も製作しましたので。。

持ったイメージ:大容量バッグは人間が持ったイメージをこうして複数お伝えするとイメージが伝わりやすい。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.29からおよそ5年半後の2025.02.07にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2019年から少しして、本格的にリュック一辺倒の時代がやってきます。

2025年では、ボストンバッグの通常サイズやミニサイズはあまりニーズは無いと受け止めています。

ただ、このような大容量は今でも「レアな存在」だと思っておりまして、かわいい柄や素敵な柄ならば貴重な存在になれると思うのです。

確かに旅行もキャリーケースがメインとして使われる現在ですが、サブ的な存在としてはこうして野暮った過ぎない「サブボストンバッグ」のような存在に可能性を感じます。

最後に、お伝えしたいのは、2019年当時ではあまり気が付かなかった取っ手の付け位置を大きく改良、底から縫い付けられ本体を持ち上げるようにロングに渡った「支柱」へと徹底していきました。

大容量バッグだからこそ「支柱」によって持ち上げる機能が必須であるとこの時には気付くことができていなかったのでした。

支柱があれば、このたび取り付けたショルダーは特に必要ないのではないかと。

支柱の取っ手部分の高さを十分にとれば肩に担ぐことの方がバランスが良いと見ています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

こんな失敗記録など本来は残さない、されどこのアイデアを成功に導く技術者の存在を願うみかんウエストポーチ【36】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、みかんウエストポーチ製作の後半の記事となり、完成していきます。

前半は1つ前の番号の【35】で投稿済みです。

主に2段階の製作でありまして、前半は縫い代を隠した「中表」のパーツ作り、後半はそのパーツを「外表」に組み立て縫い合わせて完成していきました。

このやり方のきっかけは、立体的なデザインのイメージのしやすさ。

「バニティ」「ボストン」「ドーム型」「リュック」「巾着」の中では、必ずファスナーを使う前3つのデザインに足を踏み入れることができたのもこの作り方だったからです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.22からおよそ5年半後の2025.02.05にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年から振り返ると、非常に課題の多い失敗作であったと言えます。

では、良かった点などあったのか。。これにつきましては、当記事の最後に綴らせていただこうと思うのです。

どうしようもない失敗作の中のたった1つの誇れる点とは。。そんな点も興味深くご一読いただければと思います。

課題だらけの製作の中のたった1つの良い点は「アイデア」、美しい暖色系の大花柄で作ったみかんウエストポーチ

もし、これが成功していれば。。大変喜ばしいことでしたが、そう甘くはありませんでした。

課題だらけの出来でしかなかったウエストポーチですが、どんな点が課題であったのかというところを特に見ていただきたいと思います。

ラインのいびつさ:楕円が変形してしまいました。十文字にしっかり位置を徹底して縫い合わせないと歪みます。

出来上がりサイズは、縦17cmx横27cmくらいです。

ファスナー設置の課題:縫い代を隠した直後にステッチ。後にこの時点の外枠ステッチは無しという見直しへ。。

ここで外枠ステッチをしてしまっては、最終の縫い合わせで出るステッチと重ならないに決まっています。

早く解決したいあまり、2019年当時ではボンド+ステッチをこの時点でやってしまっていたのです。

余計なステッチは汚く、すっきりとするためには最低限のステッチのみであることも重要、最後の組み立て縫いの時に初めてステッチが出るという方法へ後に改良しました。

最終的な組み立て縫い:そもそも論ですが、中表の裏地が隙間から見えてしまいます。これが良いのか悪いのか。

「中表」の意味として、こうしたことが起こらないための手法であると考えると、かなり邪道。

正しい考え方なのかどうかは、2025年現在でも引っ掛かりがあります。

ただ、その後ブリーフケースに引用した製作品は完売でしたので、受け入れていただいたと考えても良いと思うのです。

ファスナーは「ダブル」が望ましい:寸法も何もよく考えておらず、ファスナーの占有が下まで行き過ぎ。
ベルト:共布よりも別生地か既製品がこの場合は良かったかも。ただベルトらしい丈夫さはこの生地ならでは。
使用のイメージ:みかんのヘタの位置はファスナー真ん中両開きの徹底で上に行きます。

ファスナーのシングルを使用したことでで起こったミス、ダブルであればちゃんとヘタが上部に行ったと思います。

あとがき

課題だらけの完成となってしまいました。

ハイブランド様の研究し尽くされたとお見受けするバッグのフォルムに1つのヒントが。。

こうしたウエストポーチのベルト周辺はフォルムが細くなっているのです。

そのポイントこそが、装着時の快適さを追求するものなのかもしれないです。

そうするとこのような楕円型で作られることは無いのでしょう。

ひし形やしずく型のような形に行き着くようなのです。

とはいえ、「みかん」を表現したい製作であるこのたびは、楕円型が必須でした。

では、何1つ良かった点はなかったのか。。

1つだけありました。

みかんを暖色系花柄で表現しようとした「アイデア」でした。

この投稿をご覧いただいた方でみかんバッグの製作をご検討の場合、この失敗を事前に避け、是非素敵に成功させていってくださいませ(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

黄色とグリーンのコントラストが美しいジャガード生地、同じ暖色系のみかんに見立てたウエストポーチ作りの準備【35】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この記事アップの時期は、夏の終盤。

スーパーでは、ちらほら見かけるみかん。

みかんは、どっしりと座ったような安定感のあるフォルムをしています。

この安定感に魅力を感じみかん型をしたウエストポ―チをイメージ、無地ではなく花柄で作ってみたいとワクワクした瞬間がありました。

完成は次の番号の【36】の投稿になりますが、当記事ではその下準備のような段階、全体では前半部分に当たります。

完成では決して見ることができない裏側の構造を同時にお伝えする貴重な回と致します。

あらかじめ「中表」に縫い代始末を解決、その後の「外表」による組み立てのみかんウエストポーチの準備段階

みかんウエストポーチ型紙:本体縦20cmx横30cm。パーツ同士に極端なサイズの違いが無く、込み入ります。
表地(左):ジャガード、綿/55%、ナイロン/45%、イタリア製。裏地(右)、ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

「ジャガード」「ジャカード」はただの表記の違い、英語の「jacquard」から忠実には、「ジャカード」の方も頷けます。

どちらも同じ生地名でありがながら、ここまで見た感じに違いがあるのも、ジャガードの豊富さであり無限性。

まともに無地のオレンジとグリーンで作らないところが、子供っぽくなりがちな果物バッグに大人らしさを入れ込めるのではないかと。

裏地部分の製作:フラップポケットを面いっぱいのサイズで設置。フラップにはマジックテープを設置しました。
ファスナー部分の口布(マチ布)の仕立て:四角くくり抜きファスナーを当てはめる作り方です(型破り)。
ベルト通しの裏側の構造:当て芯をして補強しています。表地のみに接着芯に加えてハード厚芯を貼りました。
あらかじめ「中表」で楕円形パーツを縫い代始末済みとして製作。この後は「外表」で縫いながら組み立て。

はい、この度の進捗度はここまで。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.22からおよそ5年半後の2025.02.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年から振り返る2019年当時の製作は、イメージした通りに良い形で実現ができない技術や考え方の未熟さがあったと振り返ります。

強度を高めたいあまり、ハード厚芯などを貼ってしまってかえってごわついてごつくなるということがあり、「程好い加減」が分かっていませんでした。

ハード厚芯は重さも増しますし、畳めないので、かえって野暮ったいバッグになってしまうということでその後使用を廃止。

2019年当時はどんどん立体的なデザインのバッグ作りに初挑戦していった時期。

あらかじめ「中表」プレートを作って、その後「外表」で組み立てていくという作り方は、イメージしやすいことでチャレンジしやすかったのです。

ただ、組み立てた時の隙間から裏地が見えることはいかがなものなのか。。

これは、「外表構造」で出来上がることに対して製作者本人がずっと引っ掛かっていたことでした。

とはいえ、最初から最後まで「中表」を貫くやり方は、ひっくり返しの連続であり生地の厚みに条件ができてしまいます。

バニティ・ボストン・ドーム型・リュックと次々に立体的なモデルに足を踏み入れることができたのは、「外表」を取り入れたからなのでした。

【36】では一応ウエストポーチが完成していまして、その後【50】では別デザインで同じ生地を使用したドーム型ショルダーバッグも製作しました。

そもそも論、表地にこのような偏ったカラーの大花柄を利用していくことに対して、2025年ではそれさえもジャッジするような広い目線を持つようになりました。

「ミックスされたマルチカラーの方がどんな色のお洋服にも合うのではないか」など、その先のイメージも持つことの大切さを学んだのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ジャガード柄のクシュクシュ感と巾着バッグの開閉フォルムがリンク、外部から拝受した素材と仕立てとの交わり【31】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にも巾着バッグは別の素材で2度【15】【20】の投稿で製作致しました。

このたびは、【15】【20】から本体の縦の長さを5cmアップ、入り口付近の安全性の追求で考案の「マジックテープルーフ」をもっとシンプルなデザインへ改良しました。

縦の長さ5cmアップの理由は、巾着ひもが通る「片面ハトメ/アイレットカン」の存在により容量が不足することのカバーです。

非常に素敵な生地、その表地に合わせた裏地やパーツなどの附属品にもご注目いただければと思います。

ゴージャスなジャガード花柄生地の利用、巾着バッグがエレガントな方向へ向かうための附属品の選択の大切さ

巾着ショルダーバッグ:<サイズ>縦28cmx横30cmxマチ7cm。マチは2倍に増幅の必要があると思います。

表生地はイタリアらしさ満載の華やかな花柄ジャガード、裏地はミラーレースカーテン地を利用させていただきました。

ともに花柄ジャガード同士、あえて柄同士を近づけた理由は、お花の形が互いにマッチする感動を製作の中に「気持ち」として入れ込みたかったからです。

表地(ブロンズ):ジャカード、ポリエステル/49%、綿/34%、ナイロン/17%、イタリア製。

フクレのうねりが非常に美しく花柄が立体的に浮かび上がっています。

このうねりとバッグ自体のフォルムの「巾着型」の相性も感じた次第です。

裏地(ベージュ):ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
ここでしか見られない場面のポケットの裏側の構造:「裏側」という言葉が奥深く、コトの裏側でもあるのです。
パーツカラーはゴールド:生地に合わせてゴールドかシルバーかを選んでいます。右下は打ち込み工具類。
マジックテール―フの改良:シングルタイプでマジックテープをくっつけることで屋根になるのです。

開けっ放しで持ち歩くシーンが多い街中の風景をイメージした対策です。

安心してオープンのまま持ち歩く心理の根底には、ショルダーであり目線の範囲内であることが一番にあるかと。

更に考えたのがこの「マジックテープルーフ」という機能です。

セキュリティー性の強いファスナーポケット:後に開け閉めのストレスから廃止にしたのですが、確かに安全。

左上は、マジックテープルーフを使っていない時の状態、使用を義務付けるものではなく「自由」も考慮。

それでも、ファスナーポケットで安心感が残るのです。

すずらんループエンド:「アイリス」社様のお品物、金銀のみ。これまで見た希少なすずらん型の中では一番。

「アイリス」社製のシェイプされた美しいラインは非常にエレガント、てっぺんの穴が他製品よりも大きいので多くのひもに対して対応してくれるのです。

「大は小を兼ねる」のです。

その他の角度から:上から時計回りに、後ろ面(ファスナーポケット付き)、底面、サイド面。
持ったイメージ:お洋服との相性が悪くごめんなさい<m(__)m>。随分ゆったりとした容量になったと思います。
お洋服とのコーデ:いかに自らの趣味から選んだ生地なのだと恐縮します。柄同士ですが合わせてしまえます。

あとがき

イタリア生地のジャガード、大変素晴らしいのですが、もうこれ以上美しくは作れないという極限まで素敵さを高めらなかったことが残念です。

マチも不足していますし、美しい柄が存分に広がっていないような感じです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.08.03からおよそ5年半後の2025.01.31にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この5年半後に思うこととしては、この柄の選択は非常に突拍子もないチャレンジであったということ。

それぞれのユーザー様の趣味があるのに、製造者のみの趣味ですのでよほど共感していただき同じこの柄を気に入ってくれた方でなければヒットしないのです。

とはいえ、色違いのこの生地の製作者様のお写真を拝見したこともあり、まずは製作者自らがこの美しい生地に感動して選択していることも事実なのでしょう。

その後、こんな風に穴を開けてホールを作ること自体に「乱暴さ」を感じるようになり、このデザインを廃止。

表地とは別の生地を使用して巾着ホールタブを製作するタイプへ変更したのです↓。

巾着ホールタブ:左上は8個、右下は10個。感触としては、断然10個が良いと感じています。

この写真は比較的カジュアルな素材を使ったものですが、何らゴージャスな生地にも引用してしまえます。

かえってそこが面白いと思うのです。

このたびの素材は、どうもマダムのイメージ、あえてサブバッグ的存在の「ナップサック型」に製作するというスタイルが2025年現在の考え方です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

広くゆったりと見渡せるA4横型の良さ、素敵な柄も同時にゆったりと眺めてもらえるボックス型のサブバッグ【29】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サブバッグはあくまでもカテゴリーの分類としてそう呼んでいます。

しかし、実際の使用はもしかしてメインバッグで使われることもあるのかもしれません。

その辺りはユーザー様に委ねる部分でございますが、製造者本人がサブバッグのようなシンプルな形状こそメインバッグに使いたい実状を感じているのです。

いつの時代も流行を気にせずに自然なスタイルで使えること。

ただのシンプルな入れ物のような様相が、かえって使いやすいのです。

トート型の自由で開放的な作りは、セキュリティー性には欠ける部分もあります。

しかし、完璧なバッグというものはどこまでも未解決なものであり、どこに一番重きを置くかという点を先に重視していくことの大切さを考えております。

そのような価値観も組み込みながら、せっかくの広い面積に美しくお花が咲く風景のように映るフローラルな素材をめいっぱい活かしたサブバッグをお作りしたいと思いました。

もとは服地のワンピース用と想像するような生地であり、バッグに仕立てること自体がレアケースとなります。

装飾を入れず面積を広くとった定番デザイン、広々とした画面に花柄が生き生きと躍動するA4横マチ付きバッグ

このたびは、表地も裏地も同じ花柄の生地で作り上げました。

裁断風景:全手のパーツに接着芯を貼り、更に本体にはハード薄芯を内蔵、底板も「ベルポーレン」を内蔵。
<表地/裏地共通:サーモンピンク花柄>:PAPER PRINTEDという名前の生地、ポリエステル/100%、日本製。

日本製なのですが、英語で加工名が記載してあるようです、捺染の事なのか転写プリントのことなのか。。

なぜ、表地も裏地も同じ生地を使用したのかの理由に、裏地にどんなカラーを持ってこれば良いかが全く思い浮かばなかったからです。

そこで、思い切って1種の素材のみと決断したのですが、内部が違った方が深みはあると思うのです。

もしジャガードの場合でこのように困った時には、裏面を使い反転の出方をあえてユーザー様にお知らせすることを兼ねた1種のみの生地の使い方も解決策の1つではないかと。

ハード薄芯の内蔵:こんな場面は出来上がったら見ることはできません、白い部分が不織布のハードな芯地です。
ポケット:これ以降、両玉縁風から型玉縁風へ完全シフト。セキュリティー性があるのは屋根のような片玉の方。
ポケットが設置された内部。奥にポケットが見えます。
完成:<サイズ>:縦27cmx横34cmxマチ14cm。
4つの角度から:左上から時計回りに、正面、入り口オープン、底面、サイド面。なかなかスタイリッシュです。

製作した感想は、確かにアイロンで折り曲げにくいとろみ生地の分野です。

もともとバッグになど考えられもしない生地をあえてバッグで試したことは、後のハンドメイドキルト加工のアイデアに役立ちました。

もっと強度や長持ちを高める価値アップには、柄を壊さない馴染む糸でキルトをかけて固定すれば、とろみ生地であろうが関係なくしっかりと仕上がるのです。

持ったイメージ:左が正面、右が斜め45度くらい。サイズ感はグッドです。マチは15cm程度は使いやすいです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.25からおよそ5年半後の2025.01.29にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

あまりにも出回り過ぎているデザインですので、その後は廃止。

別の縦長のB4サイズ程度のものに代わりました。

ただ、新型は一重仕立てでポケットも無いので、この時の「裏地も付いてポケットも付いたデザイン」というのはこの時ならではの価値を持っていたと思います。

2019年では、同じ仲間の素材違いで複数製作しました↓。

同じデザインで同じ物が1つとしてない1点ずつの製作。2019年に主にこのデザインを利用していました。

その後、生地を丈夫なものに限定し、取っ手を長い支柱として底面に頑丈に縫い付け、底ベルトパーツも追加する形の一重仕立てへと変更していきました。

重い荷物には、2019年当時の取っ手の付け方では生地を部分的に傷めてしまうのです。

その後だんだんと製作に深みを増していったのですが、それでもこの時の過程は必要だったと思うのです。

ここを通らなかったら、何が必要で何が削ぎ落した方がよいのかなどの判断さえはっきりしない現在のままだったと振り返ります。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

フクレジャガードはニットよりも伸びる、ファスナー設置後の波打ち・うねり解消の伸び止めテープ3重の成果【28】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのファスナーは、玄関のようなもの、整ってスッキリしている状態であるべきです。

このたびは、フクレ加工という横に伸びる織物の生地を使用したバッグのファスナー周りに注目。

ものすごく波打って出来上がってしまったファスナー部分について、お直しをし、その波打ちを解消して一定の成果を得た記録です。

ニットだけではない、織物でも横に伸びる生地には起こるファスナー周りの波打ち・うねりを伸び止めテープ三重で解消

どんな場合でも大きく波打つというわけではなく、このたび使用させていただいたフクレジャガード生地の性質に原因が大きくありました。

主に、「生地の方が伸びている」ということが原因、ファスナーの布の部分に重なるこのたびの生地がぴったり馴染まないという見方です。

ファスナーの布の部分は金具のおかげで固定されていますので、大きくはそれほど伸び縮みするものでは本来ないと思います。

ニットやこのたびの横に融通性がたっぷりのフクレ加工の生地の方が伸びている動きにファスナー側がついてゆけず、うねって「合ってないよ」と表現してくれているのです。

ニットだから伸び、織物はそれほど伸びないというのが一般的な考え方ではありますが、フクレ加工であれば織物であっても起こるということなのです。

波打ち・うねりが顕著のバッグ:ファスナー周辺がものすごい波打ちです。ちなみにポリエステル/100%。
一部解体:まずは、完成品を遡ってファスナーの縫い付けの段階までリッパーでほどいていきます。
伸び止めテープ(平)9mm幅:はみ出して見えないように9mmを半分にカットした細幅でトライ。
ファスナーの口布に一重で効果が出ると思っていたのですが、甘かったようです。
伸び止めテープ一重貼りの結果:わずかにうねりが控え目になったような感じですが、まだまだ未解消だと判断。
伸び止めテープ三重貼りの結果:かなり解消されまして、目に見えて効果を感じることに。ここまでが限界です。
これ以上重ねて貼ることは無意味。別の支障が出ると思います。フクレ生地とファスナーは相性が無いのです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.18からおよそ5年半後の2025.01.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

確かに三重で一定の効果が出た記録は残りましたが、もっとバッグ製作を俯瞰して見てみますと、「そもそもフクレジャガード生地にファスナーを使うデザインを引用するべきではない」とまとめました。

解消し切れないという結果が、このお直しを兼ねた実験で証明されていたのです。

2019年というのは、技術もおぼつかないこともさることながら、考え方も狭く根本的にこれを製作するのかどうかさえ表面的な判断だったと振り返ることができます。

もともと、大変美しいフクレジャガード生地、ファスナーを使うのではなく、そのふっくらとした丸みを活かした巾着型などではこうした問題さえ起こらないのです。

製作者としての心得としては、そもそもその素敵な生地が最大限に活かされるバッグなのかどうかという見方を作る前の「企画」の時点で判断するべきなのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ニット生地でも角張ったフォルムは可能、青い海の波のような幾何学マルチカラーが美しい四角バッグ【27】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でバッグを作ることに挑戦、素敵な生地を探す範囲を広めた結果見つかった生地があります。

ニットであっても得に何も変わらず進行、いつもの布帛(織物)と同じように糸もいつものテトロンやスパンで製作していきました。

このたびは、ニット生地でバッグが製作可能であることで、今後の素材の選択のポテンシャルの高まりを感じていただければと、実体験を綴ってまいりたいと思います。

美しいマルチ変形ボーダー柄のニットでピンタック入りバッグを製作、寸法を狂わせないハード薄芯の効果

イメージとは裏腹に、ニットであっても案外作りやすいのがこの度の生地。

織物だけに留まらないことで、また1つ製作品の材料の可能性が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

裏地も同じようなテイストを保ったニット生地を選びました↓。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。
四つ角のピンタックの入れ方:サイドの柄を重ねる→マチ幅に忠実にアイロン→折り線から2mm程度をステッチ。

表地の方は、表へ「凸」が出るよう表からピンタックを作ります。

内部をしっかり写しておらず申し訳ないのですが、表地にはハード薄芯を内蔵しています。

このおかげで、ニットがどこまでも伸びでしまわず、基準の正しい寸法の型紙のような存在になってくれています。

ピンタックがハリコシ良く出ているのもハード薄芯のおかげが大きいです。

裏地の方は、その表地のへこみに上手く裏地の凸部分が入る構造になるように、裏地は中表の状態でピンタックを作るのです↓。

裏地のピンタック作り:見えている方が内部で、内部に向かって突き出すイメージです。
四角バッグ完成:<本体>:縦19cmx横30cmxマチ6cm。<ショルダー>:幅1.2cmx長さ63/123cm。
ファスナーとポケット:左上から反時計回りに、ファスナーを閉める→ファスナーを開ける→内部のポケット。
複数の角度:上から時計回りに、後ろ面(ファスナーポケット付き)、底面、サイド面。
サイズ感のイメージ:コンパクトなバッグにしてはゆったりとした容量。横向き長方形は特にそう感じるのです。
正面:ニットの優しい感じを受けます。幾何柄はクセがあるようで意外と感じが良いという見方をしました。
コーデ例:アウターはおおまかなボーダー柄、バッグにそれとなくリンク。カジュアルテイストに合わせた例。

その他、バッグの中のマルチカラーの中のわずかな「ライトグレー」の部分に着目し、こうした色のお洋服とも相性が良いと見ています。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.18からおよそ5年半後の2025.01.27にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この2019年の製作は大きく見ると、生地頼みの製作の一連だったと思うのです。

技術が未熟なので無理もないのですが、課題の多い完成が相次ぎました。

内容は、入り口のファスナー周辺の隙間のセキュリティーの甘さ・取っ手のカジュアルな縫い付け方・貼り付けポケットのラインの歪みなどです。

その後どんどん改良していきまして、思い切って「廃止」という選択もしました。

唯一この製作の「ピンタック」は2025年においても別のデザインで活用していますので、この道のりは決して無駄ではない必要なルートだったかと。

この美しいマルチ変形ボーダー柄はもう二度と出会うことはありませんでした。

よって、なおのことこの時の生地との出会いはまたとない機会だったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ジャガード生地特有の表裏両面使いで注意したいこと、厚みを抑えたい裏地には調整できないバランス【26】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまで個人的な好みでは、薔薇柄一辺倒でした。

2019年で複数の高級生地で美しいフクレジャガードなどをバッグ製作に使わせていただく中で、デイジーの花柄にたくさん出会い、その可愛らしさを知ることに。。

このたびは、デイジー柄がかわいい赤味ベースのジャガード生地でバニティーバッグを製作。

ジャガードの特徴としては、裏面の反転の出方も美しければこちらも使えること。

1種のみの生地で表地と裏地の配分を、表面使いと裏面使いという分け方で製作したのがこのたびです。

同じ生地を表地にも裏地にも使ったその製作の注意点を、その出来上がりの「感触」と共にお伝えしたいと思います。

バニティの二重ポケットの「アタリ」がくれた1つの答え、違った顔を持つジャガードの表面と裏面の同時使いは不可

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

面白いのが、全くの反転でもないこと、もう少し糸の折り込み具合が複雑なようなのです。

じっくり見ても不思議なもので、「表側の色のそのままの反対側が本当にこの色?」という意外性があります。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じ。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉で柔らかめですが、表地と裏地の厚みに差が無かったことで起こった致命的な問題がありました↓。

裏地にも同じ厚みの生地を使用したことで二重ポケットの生地の重なりによる「アタリ」が表の正面に出ました。

こうして作ってみて初めて、この生地の本当の性質に気付きます。

このことは、今後の裏面の選択への貴重な失敗であり、同じ製作に両面を同時に使うのは避けた方が良いとも言える例でした。

何のために裏地を別生地で選ぶのかの1つの答えをいただいたのだと思います。

<本体のサイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。
後ろ面:ネックパーツ(正方形)の位置が悪いです。重なりの真ん中よりも右に寄っています。難関の場所です。
ファスナーの色が思うように選べませんでした。長さも選べず真ん中で2本がぶつかり止まるという構造。
ネックパーツの縫い付け場面:この場所は後にたくさんの練習と研究を重ねていくことになりました。
複数の角度から:左上から時計回りに、「てっぺん」「内部の二重ポケット」「側面」「底面」。
使用イメージ:てっぺんが膨らんでしまっている課題は後に中に「ハード厚芯」を入れることで解決。
お洋服とのコーデ:わずかに表れるモカ茶に注目してみました。茶色コーデに新たなオレンジ系が加わる効果。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.07.17からおよそ5年半後の2025.01.26にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしてまいりました。

このモデルは、カーブが半径2.5cmの円の一部を利用というスクエアライクであることで縫いにくさを伴っていました。

その後、半径7.5cmの円の一部を利用したデザインへ大きくシフト。

縫いやすい型紙へのチェンジも良質なバッグを作るにあたり非常に大切なことなのです。

そして、正方形のネックパーツの正位置の徹底と縫い付けステッチの内部での完全カバー(覆い隠してしまう)ことを研究していきました。

最終的には、歪みがどうしても解消できない二次元ミシンでの製作の限界を感じ、このデザインを終わらせたのでした。

とはいえ、非常に貴重な体験ですし、なんやかんや20点以上はこのモデルを製作したのでした。

もし、2025年現在にこの形を作るとしたら、縦に長いリュックに引用できないかを考えると思います。

しかし、歪みの問題はどうしても付いてくると思いますので、成功率の低いデザインだという情報はしっかりと持っておきます。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク