ありがとう生地屋さん、レアな素敵な小花柄の撥水生地を黒のナイロンオックスの裏地に使わせていただきました【355】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「テリーヌ」という名前のお仕事で使うようなビジネスバッグを製作しております。

コンビは、ナイロンオックスの撥水加工の生地の黒色を表地に、そして、ポリエステル/100%の小花柄がかわいいつるつるした裏地とで内側に広がる世界の素敵さを秘めたバッグです。

このたびは、接着芯貼りまでの進捗度の中で、薄手の生地の場合に望ましい「粗裁ち:あらだち」という方法をご紹介したいと思います。

接着芯貼りの際にはこのやり方が非常に有効で、どの状態での粗裁ちなのかの様子などもはっきりとお伝えしてまいります。

黒のナイロンオックスに合わせる生地の新しい形

まずは、定番のナイロンオックス。

そして、小花柄の生地でも今まで見たことが無かった初めての出会いの生地のコンビ。

ミントグリーンを黒の表地に合わせていくというのもありかな、とトライしてみようと思いました。

左:<表地:黒>撥水加工ナイロンオックス、ナイロン/100%、日本製。<裏地:ミントグリーン>小花撥水、ポリエステル/100%、日本製。この小花柄の生地屋様は日暮里商店街の「要藤商店:ようとうしょうてん」様。

青味の色に、優しい赤色の花柄のおかげで、とてもバランスがよくとれているカラーの裏地。

とても楽しみです。

美しく仕上げるための「粗裁ち」は何の矛盾もない

これまでの製作では2つの粗裁ち引用のケースがありまして、1つは生地自体も粗裁ち、接着芯も粗裁ちというケースです。

もう1つは、生地だけは型紙通りに裁断、接着芯を貼る時だけ粗裁ちの方法です。

この使い分けは、薄手の裁断しにくい生地の時に前者が有効で、このたびは生地でも粗裁ち、接着芯でも粗裁ちの方法で行きます。

前者の「生地も接着芯も粗裁ち」の場合は生地の粗裁ちに最初に接着芯をはみ出したまま貼ってしまいます。
裏地の裁断も同じように裏地も粗く、接着芯もはみ出して貼ってから初めて型紙を当て本格的に裁断します。

粗裁ちとは言え、生地を無駄なく有効に使うために、周りはせいぜい1.5cm-2cmまでのゆとりです。

粗裁ちのパーツを見ただけでどのパーツの粗裁ちかが分かる程度ということですね。

これら以上の細かいパーツは、粗裁ちの時点で複数を1枚のシートにしてまとめて接着芯を貼ります。効率的です。
接着芯を貼り終わった状態。すべてのパーツに接着芯が貼られました。

取っ手にボンドを使わずに入れ込むソフト厚芯のご紹介

ソフト厚芯:これを取っ手に入れ込んでステッチをかけます。ボンドは使わないところがポイント。
ぷっくりと膨らんだ持ち手が実現。持ち心地が非常にふんわりと感じられ快適です。

ようやくたくさんの取っ手を作ってきて、この巾が統一になるように出来てきました。

ここは印などを付けることが困難な部分なので、いかに綺麗に仕上げるかは、目で見た幅の感覚のとらえ方というものが右と左とで違ったりして難しい点です。

両サイドのステッチは、まず1周ボックス型にステッチを入れた時のものなので、残り2本を目で見て均等に配分していくわけです。

端のステッチ間は役20mm強、21mmととらえて÷3の7mmずつの幅ということになります。

あとがき

このたび、粗裁ちをするケースとしてご紹介しましたが、粗裁ちをしない方がよいことがあるパーツは大きな面積のパーツです。

かえって粗裁ちをしようとして接着芯貼りの際にしわが入ったりしてしまうことがあるからです。

要するに使い分けということになりますが、細かいラインを綺麗に出すという点では、この度の細かいパーツに粗裁ちを採用したことが良い効果を出すことにつながります。

あとは、別の記事でも綴ってまいりましたが、接着芯を貼る時には、たとえアイロン台カバーが付いていてもアイロン台の上に「クッキングシート」を広い面積で敷いて行うことを推奨致します。

こうして長くアイロン台のカバーを覆うようにクッキングシートを敷いて接着芯貼りをしています。

糊がはがしやすいので、生地の地の目が崩れず美しいパーツをキープできます。

ということは、最終的には美しいフォルムを作るということにつながるのです。

「粗裁ち:あらだち」と何度も綴ってまいりましたが、決して「粗い作業」ではございませんでして、むしろ「緻密な作業」に当たるのではないかと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

「おにぎり」という親しみある日本食に類似の台形型ミニボストンリュック、同じく愛嬌ある角度違いの「巻き寿司」とデザインを区別した【350】

アイキャッチ画像350

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2017年頃だったかと。。ユニークなバッグを作ってみたいとおにぎりの白生地と海苔の黒生地とで三角型のバッグを作ってみたことがありました。

細かい質感にも拘り、ごはんの白生地はお米みたいな粒々なジャガード生地を選択。

ただ、ここまで実物を模したものは、ファッション性としては薄れます。

形だけがおにぎりになっていた方がかえってファッション性があることを実感したのでした。。

このたびの紅色の台形型ミニボストンリュックの完成は「おにぎり」と名付けたバッグです。

緩やかカーブの台形型が「おにぎり」で四角型が「巻き寿司」という僅かな違いの2種、共に大きな括りのボストン型の一部という俯瞰

使用生地(全3種):表地(赤)-ドレープカーテン地(シェイプス)、ポリエステル/100%、日本製。裏地(赤系花柄)-キャンバスフラワー、ポリエステル/100%、日本製。別布(ベージュ)-ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
マチ布作り:ファスナーはボックス枠くり抜きに当てはめる取り付け方。ファスナーの赤に2列の線が乗ります。
てっぺんと底:両開きファスナーが使い易いです。底の重なりは両割りで平らにした方が綺麗です。
「おにぎり」完成(赤ヘリンボン):<サイズ>縦22cmx横22/32cmxマチ10cm。
背面:取り外し式ショルダー付き。おにぎりフォルムが優し気です。カーブ周辺の皺はもっと見直す必要あり。
お洋服とのコーデ例:紅色のバッグにリンクした赤いビジュー装飾の黒のカットソーとデニム。
わずかな違いで随分違いを感じる2つのデザイン:パーツはほぼ共通です。大きな括りではボストンバッグ構造。

おそらく王道なのは右の「巻き寿司」の方だと思いますが、わずかな違いでここまで別物のように感じる不思議は非常に興味深いものがあります。

別のケースにも現れる現象かもしれません。

少しの違いならば絞り込むのか、それとも両方を活かし別のラインナップにするのかなどの考案のヒントになるかもしれません。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.27からおよそ5年後の2025.12.20にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

実は、ボストン型の「外表」の作りで仕上げたバッグは、この「おにぎり」の誕生をもって廃番にしたのです。

「外表」で組み立てる作り方は生地の厚みに弱いという弱点があり、生地に条件を付けるような狭い製作であることが廃番の一番の理由です。

とは言え、こうして「外表」で作ったからこそ多くの立体的なデザインに足を踏み入れることができたのも事実。

2025年であれば、こうしたボストンタイプもすべて「中表」ひっくり返しを最後まで貫く作り方で新しく挑戦しています。

2025年末に迫る今、次の2026年でやっていきたいことの1つに、「中表」で作ったボストンリュックを外ポケット付きで「鏡餅:かがみもち」という名前で作ることです。

デザインは廃番になっても引き継いだもの。。それは、「製作品に名前を付ける」というスタイルです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

台形型の角丸ミニボストンリュック製作の初期段階、取っ手を付けポケットを付けた完成を垣間見れる「中表」縫い合わせ前の姿【348】

アイキャッチ画像348

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ活動において、ボストンバッグを「外表」で作り上げることをしてきたこれまで。

底角の急カーブの作りにくさが完成の至らなさになっていることを解決するべく、角丸デザインをもっとたっぷりとした5cmの半径の円の一部を使った型紙へ改良。

2021年からは、作り易くもあり確実にカーブラインを出せる製作へとシフトしたのです。

このたびは、2種の少しのデザイン違いで、「巻き寿司」「おにぎり」の内の「おにぎり」の方を製作する初期段階の様子をお伝えします。

初期段階とはいえ、ポケットや取っ手も付くので、完成品のイメージが浮かび上がっている点が見どころです。

進捗度としては3分の1程度の前半、「中表」でひっくり返す片面の状態の表地・裏地それぞれの部品付けのような場面をお届けしたいと思います。

カーテン地に素敵なジャガードが見つかる、おにぎり型のミニボストンリュックの出来上がりを想像できる片面それぞれの部品付けの姿

使用生地(全3種):表地(赤)-ドレープカーテン地(シェイプス)、ポリエステル/100%、日本製。裏地(赤系花柄)-キャンバスフラワー、ポリエステル/100%、日本製。別布(ベージュ)-ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

ある程度同種の生地を固めて同じ場所に集結させている配し方にもご注目下さればと思います。

取っ手付け根カバータブ:このような呼び名を付けましたが、8角形の取っ手の根元をカバーするパーツ。

取っ手をそのまま縫い付けると、どう頑張っても綺麗に仕上がる限界があることを嘆き、その巻き返しとして生み出したパーツです。

取っ手付け根タブが表情を作る:取っ手の根元を隠す役割と共に、まるでお顔のような表情を生み出しました。

取っ手付きのバッグならば、どんなデザインにも引用できます。

取っ手付け根カバータブの縫い付けの裏面:「ハード厚芯」で当て芯をして強度を高めます。生地の傷み防止にも。
片玉縁風ポケット:内部には2種のポケット付き。片方はこのデザインで、裏面に袋が隠れます。
貼り付けフラップポケット:厚みがあったりほつれやすい生地では、切り込みが入らないこちらは向いています。

あとがき

このバッグの完成は、【350】の投稿でご覧いただけます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.26からおよそ5年後の2025.12.18にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

せっかくの「おにぎり」という名前も付けたこのバッグですが、実はその後は廃番にしました。

理由は、「外表」構造は生地の厚みの限界がある点・裏地によっては隙間からのはみ出しが不統一でありやや邪道に感じる引っ掛かりが拭い切れなかったからでした。

2025年でもこうして過去の記録を残している理由は、この「外表」構造があってこそ、このようなバッグにもトライできたことの大切な意味を残しておきたいからです。

ただ、廃番であっても部分的な8角形の取っ手付け根カバータブは2025年でも「研究製作」にてそのまま引用しているスタイルなのですパーツ。

通ってきた道にはその後の成果の種が蒔かれていた。。そんな風にどんどん感じている2025年現在です。

1つのハンドメイドバッグ道を歩むにも何年もかかっての途中で、変化や考え直しなどの急な舵切りも伴うものだとこうしてようやく長年やってきて感じているところです。

もし、同じようにバッグを作る活動をされている方、このような気持ちや変遷を是非分かち合いたいと思います。

当製作活動のノウハウすべては、「著作権フリー」、ぱっと見の真似もまるごと真似て製作の商業利用販売も許可無しでOKというあまり巷ではされないスタイルです。

目指すところは、「売れっ子ハンドメイド作家」の地位や名誉ではなく、こうしたハンドメイド文化を広め、世界に誇れる日本人らしさ。。この1点だけなのです(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

数ある黒ナイロンバッグの中では特に内側を重視したもの。。商業活動を大いに盛り上げ発展を願うロックテイストの赤タータン【347】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでのハンドメイドバッグ販売の中で、確かな手応えがあった製作分すべて完売のモデルが1点ございます。

それは、ナイロンオックスはっ水加工生地に特化したビジネスバッグの「テリーヌ」という名前のバッグです。

まだ、A4書類文化真っ盛りの時代に、経理部の外回りのお仕事から見出したモデル。

実際に自作しながらお店では決して見つけられなかったクラシックなブリーフケースをナイロン生地に落とし込んだものでした。

そこから年月は経過し、会社員生活を終え個人事業主としてハンドメイドバッグ活動を改めて継続したのが2018年。

そして、かつての外回りの製作品を再現し、改良しながら商業活動として製作+販売をしたという歴史があるのです。

その後、デジタル化が一層進む2020年代、紙ベースがあっという間に削減し、ブリーフケースの存在感が無くなっていったのは2022年に大きく感じました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.25からおよそ5年後の2025.12.17にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しています。

この後口の【359】の製作をもって、このモデルは廃番。

時代の流れを読み、売れ行きの良かったこのモデルの活動を誇りに思いながらの廃止です。

こうした時代の流れに沿った廃番モデルも、「かつての書類入れの機能を持ったバッグ」としては懐かしく思う時が来ると思います。

ビジネスシーンにおけるA4書類文化がこの先消滅したとしても、かつて専用の入れ物として機能するバッグがあったという歴史を刻む

使用生地:表地(黒)-ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。裏地(赤タータンチェック)-ナイロンタフタはっ水加工アクリルコーティング、ナイロン/100%、日本製。
作り方:予め「中表」で表地と裏地を縫い合わせ、写真右下の15cm程度のサイドの返し口で「外表」へ。
「外表」パーツの完成:この後は、「外表」のまま組み立てるように縫い合わせ手仕上げます。
本体とマチ布の縫い合わせ:右下は片方の面が取り付けられた状態。

「外表」の良さは複雑さを感じない点、デメリットは角の重なりの難しさです。

リムーバブル底板の設置:ボストン型の構造では底に内蔵できない底板は、共布で覆い最後に設置します。
様々なモデルで引用可能な構造:上は4本ステッチ。強度があり美しいです。下はいずれもシーム型ポケット。

写真の型玉縁風ポケット(左側の黒無地の方)は、お仕事で使いやすいスマホサイズに対応の縦長。

大切な物を奥深く確実にしまい込むファスナーポケット(赤タータンの方)に対して、取り出しやすさのバランスも見込んだ構造というポケット同士の違いがあります。

「テリーヌ」完成(裏地は赤タータン):<サイズ>縦29cmx横36cmxマチ10cm。
2way可能:クラシックなデザインながらも、リュック仕様にできる可能性を付けたDカンは時代が進んでいます。
その他の場所:上から時計回りに底面→正面→てっぺん。
お洋服とのコーデ例:比較的自由なお仕事スタイルの服装に合わせてみました。

あとがき

2020年の「コロナ禍」が、様々な分野で大きな変化をもたらしたことは周知のこと。

このきっかけで、ショルダーバッグも大半がリュック型になった街の風景を感じたものでした。

あまりコンビにはされないブリーフケース型のリュック機能。

新しい時代と伝統的なモデルの狭間の姿が両方ある点も意味深なバッグなのだと思っていただければと思います。

様々なデザインを廃番にしてその後別の方向性を見出すモデルチェンジがありますが、活動の歴史としては残していまして、この「テリーヌ」も世に出した意味はあったと思います。

ここまでデジタルになっていても、相変わらず荷物の多い人も結構多いもの。

その現実的な側面は、むしろバッグの存在意義であり、不思議な点でもあります。

書類が必要無くなっても、別に入れる物が増えたという点は、「日傘」や「マスク」などがその例です。

今後も、この一端の分野である布製のバッグを作る活動を変化しながらアンテナを張り続けてまいりたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

作り易さを十分感じた角丸が緩やかなミニボストンリュック、温か味あるベージュのマトラッセは暖色系小花柄ワンピースにご縁【346】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

作り易さこそ良質さへの繋がり。。この実感を分かり易く現実化したバッグの角の緩やかカーブラインへの改良が1点の完成品を生みました。

名付けて「巻き寿司」は、4隅のカーブが緩やかな半径をたっぷりと使った円の一部を利用したフォルムです。

緩やかカーブラインのバッグのご提案は、取り組み易さがその後の優れた製作品を生み出す僅かながらもきっかけになるかもしれないと、このラインの完成の姿をお伝えしたいと思います。

ジャガードのクセが折り目を困難にする生地でもここまで出せた緩やかカーブライン、スクエアライクな角丸ミニボストンリュック

使用生地:表地(ベージュ)マトラッセジャカード、ポリエステル/100%、日本製。裏地(暖色系小花柄)-ブッチャープリント、ポリエステル/100%、日本製。
ミニボストンリュック(四角型):<サイズ>縦23cmx横32cmxマチ10cm。名前は「巻き寿司」。

この後に製作していく類似型の別モデルの名前が「おにぎり」、底は全くぴったり同じでトップの左右の差を縮めた台形型です。

日本食の主食同士を少し違う別デザインで作ってみる楽しい企画の初回製作なのでした。

背面:取り外し式のショルダーが付きます。ショルダー用パーツとして三角形の位置にDカンを3個配置。
遠目の別角度:左上の底面にご注目、このたび重ねを見直した中心両割で底の凸凹を平らに改良したのです。
「ファスナーつまみタブ」:追求してきたファスナータブの1つ。大ぶりの理由はステッチが隠れ作り易さと両方。
てっぺんと内部:両開きファスナーの先にはすずらんループエンド。裏地との共布で底板を設置。
お洋服とのコーデ例:暖色系のワンピースに相性を見出しました。マ格子柄でもジャガードなら柄同士問題無し。

あとがき

当ブログ記事は最初の投稿の2021.01.24からおよそ5年後の2025.12.16にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

せかっくの緩やかカーブラインの初製作ではあったのですが、実はこのモデルはこの製作をもって廃番に。。理由は、材料である生地に条件があるデザインだからです。

「そのようなことなど気にすることではないのでは。。」ということに対してはそうはいかないのです。

なぜならば、2025年では完成型のバッグモデルは「コンテンツ」にまとめ、ノウハウを広める別の活動にシフトしたからです。

広まるには必ず作り易さと共に、生地も自由にどれでも対応できるオールマイティーと呼べる柔軟性が必要なのです。

そうした見方からは、このたびはたまたまの完成であり、極厚生地では完成できないかもしれないデザインだということ。

ただ、そうは言ってもせっかくのこうした過去の製作を活かしたい。。そうも思い始めた2025年の途中で、「研究製作」という活動も始めています。

生地には条件があれど、研究としての「一発屋」的な製作。

ここからも新しい着想は得られます、定番のオールマイティーなデザインを広める活動と並行し、こうした新しいインプット活動もするのが良いと判断したのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

「中表」ひっくり返し後の口の閉じ方、綿棒ボンド付け固定で返し口の場所がどこだか分からないよう馴染ませることを目標とした【344】

アイキャッチ画像344

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

投稿の【336】で取り掛かり始めました「巻き寿司」と名付けた角丸のスクエアリュック製作の一場面を、このたびはお届けしたいと思います。

完成は、後日の投稿の【346】でご覧いただけます。

全体の大まかな流れは、前半で「中表」ひっくり返しで予め縫い代を内部に収納したプレート同士を後半で「外表」で合体していくという視覚的に分かり易い手法のもの。

カーブの重なりがいかに正確にできるかのこれまでの追求から、半径を増やした円の一部をゆるやかに配した優しい4つの角も特徴になります。

では、「中表」ひっくり返し後の「返し口」の始末を実際に行ったやり方でお伝えしたいと思います。

前もって縫い代を解決の中表ひっくり返し作業で作るバッグの2つの面、返し口は直線部分で綿棒使いのボンドで繊細に口閉じた

返し口のボンド付け:15cmをとり、「中表」をひっくり返した状態。この返し口は綿棒で繊細にボンド付け。

ボンド+アイロンの良き固定効果から、アイロンでしっかり熱を加えたらOKです。

ここでステッチをすることはしません、最後の組み立ての時に初めて縁にステッチが入るよう準備するのみです。

2面分の本体パーツ:同じパーツx2面分です。場所は底のストレート部分を利用。サイドを利用する案もあり。
内側から貫通する表面に見えたステッチの隠し方:「ファスナーつまみタブ」の下に隠されるような位置に調整。
表側から貫通する裏面に見えたステッチ:裏面なので隠すことはせずステッチがボックス状にそのまま見えます。

こうしてステッチ糸がどうしても貫通せずには仕上がらないデメリットが伴う作り方なのです。

ステッチが出てしまう理由は、ファスナーを設置した後で、ファスナー位置を見ながらの調整位置だから仕方がないのです。

ステッチが出てしまうことを受け入れ、「美しくステッチを出す」という解決の仕方をして「外表」を貫きました。

あとがき

非常にわずかな部分にスポットを当てたこのたびですが、こうした少しずつの工夫が集まって出来の良さへの発展になると実感しています。

どこかを際立たせてそこに依存する例の1つが生地の素敵さへの依存。

生地が素敵でブランド生地であれば縫製は二の次というスタンスがありますが、製造者としての軸や付加価値の部分が抜け落ちると、後からの悪い「つけ」のようなものが起こります。

生地の素敵さは別で考え、製作の技術面を高めそれが付加価値となるような道の歩み方がお勧めしたいスタイルです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

「外表」製作のバッグでは隠しきれないファスナー周り、どこまでも外側である意識ですっきりと整えるファスナータブの役目【343】

アイキャッチ画像343

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【319】の投稿では、ファスナータブの2つのタイプを同時に1点のバッグに引用する姿をご紹介致しました。

このたびは、表面にある「ファスナーつまみタブ」の方を「わ」にする改良をし、よりしっかりとした安定感ある設置になりました。

そして、もう1つの内部にある「ファスナーカバータブ」の方も引き続き安定的にすっきりと取り付ける設置をしました。

では、ビジネスバッグ製作の途中のファスナータブ2種を設置する場面を写しながら、「外表」で作ることの「丸見えになる部分ができてしまう」というデメリットをフォローしている様子をお伝えしたいと思います。

「中表」の製作では起こらないファスナー周り丸見え事情、丁寧に作られたタブの設置は「見せる」意識で装飾的に整えた

ファスナーの口布件マチ布:バッグの枠のような長いパーツです。真ん中をファスナーが飛び出すようにくり抜き。

すでに、表地と裏地を「中表」でひっくり返して作ったパーツであり、その後は「外表」で組み立てるという流れ。

表面の「ファスナーつまみタブ」:冒頭でお伝えしましたように、このたびから「わ」にします。
「ファスナーつまみタブ」の縫い付け完了:三つ折り観音開きで作った2つのタブを左右の両端に2列で縫い付け。
2列の縫い付けの裏面:裏面で玉止め。こうした貫通のステッチが見えてしまうのも「外表」のデメリット。
表面に美しく貫通する裏面の「ファスナーカバータブ」の固定:右側にある返し縫いは裏からの貫通。
裏面の「ファスナーカバータブ」上の固定ステッチ:返し縫の二重でファスナーの両端の不安定さを解消。

縫う時は、この裏面のタブを上糸側にして縫いまして、ここを固定することでファスナーがしっかりと隅っこまで面に馴染み安定する感触を得ています。

ただこの作業、最初から最後まで「中表」で仕上げればこのような過程はありません。

そして、「中表」の場合は、ファスナー周りが内部に隠れてくれます。

既製品ファスナーの黒は定番品で必ず見つかること、馴染む黒の布と黒糸で縫い付けることでより一層すっきりとしたという結果。

ファスナーに縫い付けた黒糸とのステッチも、馴染み切って目立ちません。

これは条件付きの成功であり、生地やカラーが変わるとそうもいかないということになります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.22からおよそ5年後の2025.12.13にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

もともと、難しそうなこうしたファスナー付きのバッグを敷居を低く挑戦できるようにと、技術が低い頃にイメージしやすい「外表」構造で作ったのがきっかけ。

技術も高まった2025年では、「中表」でこうしたバッグを完全に縫い代を隠し込んだ伝統的な作り方の方が腑に落ちています。

「伝統」というのは、そういった深みがあり確かなものだと改めて納得したのです。

「外表」では生地によっては上手くできないことが、ミルフィーユ的な重なりに悩み、このたびのようなナイロンだったから何とか形になったという条件付きの部分もあったのです。

それでも、この「外表」構造も受け入れられ、ピクチャレスクの製作の中では一番の売れ筋デザインとなった「テリーヌ」と言う名のブリーフケース。

このロックテイストの黒x赤タータンチェックのバッグの完成は、【347】でご覧いただけます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ロックテイストの黒と赤タータンチェックコーデ、ビジネスバッグの表地と裏地にも落とし込み自由な働き方を表現したい【342】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年頃からです、製作したバッグに名前を付けるということをし始めました。

より愛着がわくように、デザインが広まるようにという願いを込めて。。

決まって和風な食べ物に片寄せて名付けた中で、1点だけ和風では決めることが出来なかったデザインがありました。

それは、マチ付きの支柱が配されるクラシックなビジネスバッグで、「テリーヌ」と言う名のバッグです。

あのおしゃれなゼラチンを使った色彩豊かな「テリーヌ」というフレンチのコースで引用される「前菜」。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.1.21からおよそ5年後の2025.12.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直しています。

2025年では「テリーヌ」は廃番、一番の理由は外回り用の実体験からのアイデアだったこのA4横の形は、働き方の変化やデジタル化への加速と共に自然な形で過去のものに思えてきたからでした。

とは言え、このデザインはこれまで製作したものはすべて完売、製作の手応えとしては十分なバッグであったことが、当ハンドメイドバッグ活動の中の歴史としては誇れるものとなったのでした。

では、このたびはまだ完成に至らない途中の段階までの進捗度ながら、ロックテイストを感じる黒無地と赤のタータンチェックを組み合わせてパーツを作った姿をお伝えしてまいります。

パンクロックのイメージの黒x赤タータン、ビジネスバッグの表地と裏地への引用は自由かつ心躍るお仕事シーンを展開してくれる

使用生地:表地(黒)-ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。裏地(赤タータンチェック)-ナイロンタフタはっ水加工アクリルコーティング、ナイロン/100%、日本製。
生地のズーム:ナイロンオックスはいかにも丈夫で緻密な織り目、ナイロンタフタの方は同じ撥水生地でも薄手。
裁断:表地と裏地の分量は、ほぼ均等に分配。黒と赤色タータンチェックのコントラスト効果が素敵。

お洋服でも、黒セーターや黒ジャケットに赤タータンチェックのパンツを合わせるロックの衣装を思い浮かべます。

その他イギリスのイメージもあり、古典的な「ド」が付くほどのクラシックさがあります。

この赤のタータンに黒以上に相性の良い色はまずないでしょう、たった1つの組み合わせを決めるとどうしてもこう組み合わせたくなるものです。

支柱ベルト:前後をしっかりと持ち上げる支柱ベルトには、接着芯・ソフト厚芯が内蔵されているのです。
前後面の完成:表側に実際の外回り仕事でありがちな場面を想定し、スマホ入れを縦長ポケットとして設置。
内ポケット:取り出し易さのバランスも重視の外ポケットに対して、ファスナーで確実に収納する大切な物入れ。

前半の進捗度はここまででおよそ3分の1程度、この後「中表」で表地パーツと裏地パーツを合体、その後「外表」で組み立てて完成していくのです。

バッグ自体の完成は、後の投稿の【347】でご覧いただけます。

あとがき

黒無地の内部に広がる華やかな柄、こんな風に表地が無地を軸にするこという考え方は2025年では徹底するようになっています。

懐かしい経理部としての外回り仕事の2-3時間。。あの時間にはたくさんのコミュニケーションがありました。

大切な書類入れという機能のバッグを持ちながら、一人の人間が関わる出来事のドラマチックなワンシーンになることを願います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

畳み跡が付きやすく取れにくい王道の生地がデニム、大きなバッグの面積の広い裁断パーツをふんわり三つ折りで重ねた収納【339】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

新しい製作に取りかかることになりまして、今度はビッグサイズのヘルメットバッグをセルヴィッチデニムで3点製作します。

裏地をそれぞれ替えながら、共通の表地のセルヴィッチデニムが揃った時のバッグの選び方が裏地が決め手になるという、裏地の存在感にも着目したい回となります。

ヘルメットバッグというのは、思いの他大きなバッグでなければヘルメットが入らないという現実があります。

実は、過去にもヘルメットバッグを作っていまして、投稿では【2】という古い番号が該当します。

その当時は、持ち上げる時の重みを助けるような機能までじっくりと見据えておらず、取っ手を途中に縫い付けていました。

その後バッグ製作活動の中で得たノウハウが高まり、大きなバッグには決まって「支柱ベルト」を付けるようになっています。

「支柱」による支えは、人間が入れ物を底から手で抱えるかのような状態に類似、部分的縫い付けの過去の製作と比較すると、生地自体に優しく力を加えるものなのです。

この先バイカー様も大きく増えていくことは無いのではないかと、ヘルメットバッグはますますニッチな存在になると予想しています。

だからこそ、ニーズがあった際にはかつてのバイカーであった私を含め、様々なバッグ製作者様が素早くお応えできるならば、当投稿の意味も深まります。

3点のデニム製ビッグヘルメットバッグの製作に関しては、製造側の方々にも是非ご覧いただければと思います。

さしあたってこのたびは、裁断後の収納にスポット当て。。畳み跡が付かないような工夫、完成品に至るまでの「仕掛品」の間にも丁寧に接する心得のようなものをお伝えできればと思います。

二つ折りよりも三つ折りの方が折り跡を避けふんわり畳んだ収納ができる、広い面積のデニムパーツの裁断後の優しい保管

折り跡・畳み跡が付きやすい生地:デニムはその代表格、背景に白い糸が織り込んであるからなおさらです。

その他、天然素材である綿/100%全般・麻/100%や、硬めの生地であるナイロン/100%も同じ考え方をします。

包み込み三つ折りの勧め:二つ折りのアシンメトリーは跡が付きやすいので角を2つに分散、三つ折りでふんわり。

バッグの正面のど真ん中を避ける点もポイントです。

跡が付きにくい他の生地の力を借りる:これらはポリエステル系で問題は無いですが、これらと重ねるのも一手。
風呂敷収納:重ねてまとめて三つ折りの方がそれぞれ単独よりも良いですが、写真に残せませんでした<m(__)m>。

こうして、超大判のスカーフ(縦と横が1m近くあるもの)が風呂敷としては望ましいサイズです。

あとがき

出来上がりが丁寧なお品物は、その途中の仕掛品の状態でも丁寧に保管されているものです。

こうした「姿勢」が良き製作品への発展の根底に眠るものだと思います。

個人活動の領域を越えぬハンドメイド、こうした丁寧さは比較的実現しやすいのが小規模の強味。

「小回り」「急な方向転換のしやすさ」なども小規模の強味ではあるのですが、地道なこうした「姿勢」も非常に大切なこと、不思議ながら完成品からそれを感じ取るのが人間というものです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

裏付きバッグの2種生地から表地・裏地・別布の3種構成へ、第3の生地選びが腑に落ちた時複雑なコーデは易しく紐解ける【338】

アイキャッチ画像338

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

黒コーデ好きで黒がずらりと並ぶワードローブ、しかし、カラーが入り混じるお洋服のコーデが得意でそのような部分をハンドメイドバッグ作りの生地の組み合わせにも活かしています。

このたびは、2点のバッグ作りを計画する段階で生地決めがありまして、表地・裏地に加え第3の別布が入り込んだケースをお伝えします。

裁断までの進捗度の製作のほんの入り口ではありますが、やや複雑な複数生地を利用した製作のヒントになればと綴らせていただきたいと思います。

面積不足のストック生地を寄せ集めた裏付きバッグ製作、表地・裏地に加わる第3の生地は「別布」として相性良くコーデされた

これまでは、表地と裏地のみで構成してきたバッグ作りですが、型通りに行かない現実もあります。

ストック生地の中に組み合わせの相性が見つかった場合は、少なめの面積でも使うことを選択したいのです。

その場合に、表地・裏地に加え第3の生地「別布」を求めることになるのです。

ボストンリュック用の3種:生地詳細は製作時の投稿で改めて記載しますので、今回は省略させていただきました。
3種の内訳:表地には赤いカーテン地、裏地も1度目は表地に使用した過去がある厚手。別布はレースカーテン地。

別布の使い道はポケットのパーツを予定、細かいパーツが集まったポケットは裏地とも別の存在になりコントラストが効いたバッグになれそうです。

では、もう1点のバッグ用の生地に移ります↓。

巾着リュック用の3種:表地を柄の風景画、裏地のピンクは可愛らしいカラー、別布は優し気なエメグリーンです。

別布のグリーンもそこそこなパーツ数である理由は、裏地と同じパーツを使った「内蔵巾着袋」を予定しているからです。

3生地のズーム:カーテン地はマルチカラーの素敵さが魅力、ピンクはブロード、グリーンはジョーゼット。

ピンクもグリーンもカラーがパステルに寄っていて、表地のマルチカラーの中に存在する色です。

このような3種の生地の組み合わせが実現できたことがまるで奇跡のように感じた次第です。

前半の生地のボストンリュックの完成は、後の投稿の【350】でご覧いただけます。

そして、後半の生地なのですが、大変申し訳ないことに、ここまで準備しておきながら製作しなかったのです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2021.01.17からおよそ5年後の2025.12.08にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し全文を綴り直してまいりました。

後半の巾着リュックを作らなかった理由は他の製作に着手してしまいタイミングを失ったまま製作スタイルがその後変化してしまったからでした、ごめんなさい<m(__)m>。

2025年では、表地を柄にすることは滅多にありませんので、後半の巾着リュックも作ってしまえば良かったなどと思うこともあります。

結局、この素敵なシティーポップみたいな風景画の生地は幻、今思えば口惜しい過去になってしまいました。

あとがき

時々お伝えしていることですが、主に2つの事業活動の「ハンドメイドバッグ」にしても「レンタルジュエリー」にしても根底にある「やりがい」の部分は、「コーデ」にあります。

自分で製造するバッグ、一方は購入して仕入れるだけのジュエリーという違いがありますが、そのような区別関係なく共通にあるもの。。それはたった1つ自ら高める付加価値の「コーデ」なのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク