目に映る色がぼやけるグレンチェック、色物と合わせずにしっとりと黒で仕上げることこそが柄が主役として活きる秘訣である【234】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

先染め、後染め、という言葉があります。

先染めは、織布する前の糸の段階で、色が付けられていく染め方、後染めは生地の土台が出来上がってから染色をほどこす手法です。

柄物では、ジャカードとプリントの違いも似ています。

このたびは、先染めがほとんどで、千鳥柄を中心とした織柄が格子状にデザインされた「グレンチェック」という種類の先染めチェックについて、その起源と素敵に決まるコーデを考えていきたいと思います。

「グレンチェック」という柄の起源

グレンチェックは今や、有名で人気の柄です。

しかし、その複雑な織り交じりから、柄をじっくり見たことなどあまりないのでは。。

ぱっと見て、あ、グレンチェックだというようなマークのような感じの見方ですよね。

ですから、ここで一度より奥深くグレンチェックの柄というものを見ていきましょう。

時々参考に見ることがある、2冊の貴重な本があります。

まずは「洋服地の事典-サンプル生地つき-関西衣生活研究会-:田中道一著」。

実際に生地サンプルが現物として貼ってある昭和時代の貴重な教材用のテキストのような事典です。

もう1冊は、「服地の基本がわかるテキスタイル事典:閏間正雄 監修」です。

厚みのある本で、アパレル業界の人の多くがこれを持っているのではないかと想像します。

グレンチェックは、格子やストライプの組合せで混合して作られた1つの大柄なのだということです。

発祥の地としては、スコットランドということなので、高緯度の寒い地方であることから、主に冬にウール素材でグレンチェックは使われることが多かったのかな。

さて、グレンチェックの生地をバッグの裏地用に持っていたので広げてみました。

グレンチェックの柄の構造をここでじっくりご覧くださいませ↓。

紺白グレンチェック:レーヨン混。原産国不明。・・・薄手素材です。

紺色が濃紺過ぎて、黒とほとんど違いが分かりませんが、黒の色の洋服と比べると間違いなく紺です。

かつてのスコットランドで生まれたグレンチェックはこんな感じの紺ベースだったとのこと。

黒ベースではなかったことかが意外です。

黒白グレンチェック:先染めリネン、麻/100%、日本製。・・やや肉厚な素材です。

パートごとにじっくり眺めますと、千鳥や細かいストライプが集まっています。

グレンチェックの構造は、「千鳥とストライプの混合」なのだということです。

これらのような典型的なグレンチェックの柄がオリジナルっぽい織柄です。

しかし、グレンチェックは主に何十種類以上もあるとのこと。

むしろ上のような典型的なタイプはレアで、飾りっ気が入ったタイプのグレンチェックの方がよく見かけると思います。

間にもう1本の線が入ったり、カラーべースの場合にコントラストの効いた色のついた線が入ったりしているタイプが多いです。

下の2つのグレンチェックを見比べてみてくださいませ。

典型的なグレンチェックとペンシル格子入りとの見かけの違い

生地だけ見ると右側の方が目にはクリアに映るかもしれません。

加えられたペンシル格子の色が地と同じ黒であっても、はっきりと目に映るのですね。

洋服になった状態でよく見かけるのは断然このペンシル格子入りの方です。

典型的な柄の方はメンズのスーツ地で見られることが多いのかなと。。

グレンチェックの柄を見る機会があったらこんな風に構造を見てみてください。

とても楽しく見ることができると思います。

グレンチェック柄が素敵に映えるお勧めの洋服コーデ

好みは、メンズライクな典型的なグレンチェック柄の前者の方。

余分な色や柄を加えていない最小限な色合いがとても粋。

ただ、とても粋だとはいえどもコーデにおいては欠点があるのです。

どうしても、先ほども少し触れていますように全体がぼやけるのです。

その理由がにぎやかなストライプと千鳥が入り混じった複雑な柄にあると思います。

ここがコーデのキーになります。

合わせる色を、強いシャープな色でしめることでグレンチェックを引き立たせることです。

黒x白の典型的なグレンチェック柄に一番合う色は黒。

そして、その黒のアイテムも出来るだけ平凡なシンプルなものがよく、それによってグレンチェックという柄が主人公のごとく引き立ち輝くのです。

さて、コーデする時に、グレンチェックをボトムにもって着た時に合わせるトップスについてです。

フリルなどの装飾はない方がよく、またブラウスやシャツやTシャツなどの素材よりも、やわらかなセーター類の方がグレンチェックの相手には向いているよう。

しかも色は黒以外にベストな色が無いです。

そして、これも大切なことだと思うのですが、グレンチェック自体も、洋服になる時にできるだけ当たり前の平凡な形が良いです。

当たり前の形のスラックス、タイトスカートなど丸みのあるラインの少ないボックス型のイメージが強い方が、グレンチェックの格子型にうまくなじみ粋になると考えます。

丸みのあるラインを作ろうと、フリルなどで生地をぺたんこから立体的にすると、どうしてもグレンチェックの美しい柄がとぎれます。

やはり、グレンチェックという柄をのびのびと存分に見栄えさせ生かしてあげなければなりません。

では、今一度グレンチェックをおしゃれにシックに着こなすお勧めのコツをまとめます。

①相手を黒のシンプルなセーターのようなやわらかな素材のアイテムに合わせる。

②グレンチェックのアイテムは平凡な形で、しかも四角を意識した形がカッコいい。

グレンチェックがトップスやアウターに来る場合

グレンチェックのジャケット:「ジョルジオアルマーニ」。毛/100%。色はモカグレー。

こちらも、一瞬黒x白に見えますが、モカグレーのような色目で印象がソフトです。

よって、このモカグレーのグレンチェックには、ボトムにグレーのジーンズがトーンの相性が良いです。

全体に黒白を落としたようなイメージです。

こちらも色はモカグレーにマイルドになっていますがペンシル格子無しの典型的な方です。

グレンチェックと言ったら、こちらのタイプがどうしても好みなのです(^_^;)。

あとがき

グレンチェックという柄の魅力は、何と言っても上品なところ。

同じチェックのタータンチェックだと覚悟してそのお洋服を着るような緊張感がありますが、ぼんやりしている柄であるグレンチェックは親しみやすい柄です。

ちゃんと良きパートナーの「黒」がありますし今後も、おしゃれな定番柄として好まれ続けていくのではないかと思います。

ジェントルマンであるイメージのグレンチェック。

きちんとトラディショナルに着る方のがやはり一番だと思います。

この柄を着崩そうと丸いラインを入れたり、カジュアルに寄せるのは何かがそれをとどまらせるような反対のパワーを感じてしまいます。

「チェック柄でしかありえなかった姿」というこのグレンチェックの「縛られた条件」がその装い方の一番を決めていくような気がします。

やはり王道はセンターライン入りのスラックスだと思います。

グレンチェックの生地に出会った時には是非その織柄の構造をじっくりと眺めてみて下さいませ(^-^)。

picturesque

イタリア製には付いていないことが多いワンピースの背の「スプリングホック」、髪の毛に引っかかるデメリットがあるのに本当に必要なのか【181】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着のワンピースがとても好きなのですが、ワンピースには決まって付いているものがあります。

それは、スプリングホック。首の後ろにちょこんと1セット付いています。

スカートにも付いています。フレアースカートなどの脇ですね。

しかしながら、私は、購入後手元に届いた瞬間、最初にすること、それはスプリングホックを外す作業なのです。

それには理由があります。

今回は、ワンピースやスカートに付いているスプリングホックの必要性について考えてみたいと思います。

ワンピースやスカートのスプリングホックを着用前に外してしまう理由

ワンピースから着用前に取り外したスプリングホック・・・これまで幾度もこのことを繰り返してきました。

さて、なぜ早々と着用もせずしてスプリングホックを外すのかをお伝えしたいと思います。

スプリングホックは、ワンピースでいうと、ちょうど首の付け根周辺に位置し、その位置が髪の毛に触れると髪の毛が引っ掛かるのです。

その不快感といったらこの上ないものです。

そういった不快な感触が忘れられずに嫌な記憶として残ります。

スカートのスプリングホックも同じようなことが起きました。

スプリングホックがインナーレースに絡む時があったのです。

そもそもスプリングホックの役割というものは、付けることによってメリットをもたらすから付けられているはずなのですが。。

このメリットが本当にあるのかをしっかり考えてみたいと思います。

スプリングホックは本来「留め具」としての役割であるはずです。

しかしながら、なかなかスプリングホック=留め具の名目上の役割ばかりが謳ってあるわけで、実際のところはどうなのでしょうか。

スプリングホックはコンシールファスナーとセットで取り付けられることが多いです。

体のさまざまな動きによりファスナーが開いたり、引っ張られたりした圧力がかからないように固定してくれているのがスプリングホック。

ただ、私の場合こういったことがあまり起こっていないためか、必要性を感じていないということが今まででした。

しかし、細かい洋服のラインを見てみますと、スプリングホックを取り付けてあると、安定してスカートやワンピースがファスナー部分でVの字に開かずにクローズされたラインになり、体に密着できるような美しい線を作ってくれる役割も果たしてくれているようだと気づきました。

ヨーロッパの商品には、スプリングホックはほとんど使われていない

私は、よく「エンポリオアルマーニ(イタリア製)」とか、最近では、「ESCADA:エスカーダ(ドイツ製)」の古着をよく見つけます。

2ブランドともヨーロッパ製ですが、スカートやワンピースにスプリングホックが使われていないです。

ワンピースやスカートのスプリングホックは本当に必要なのか
エスカーダのウール混マーメイドタイトスカート(黒)。

このエスカーダのスカートの場合は、代わりにボタンとタブでホックのような機能の附属が付けてありましたが、これは外すことはないにしても、やはり使っていません。

何かヨーロッパの文化なのでしょうか。。

読んだ本の中にファッション史的な部分があって、かなり昔にブローチみたいに衣服を留める役割の装飾性のあるアクセサリーが紹介されていたことを記憶しています。

古代は布を纏うだけの簡易な洋服ですので、余計な布の余り部分を留め具によって留める必要があったのですね。

よってファスナーが無い時代には間違いなくその留め具的な機能のニーズに対応する留め具が活躍したということです。

スプリングホックが必須アイテムであるブラジャーにたくさん付いていた!

スプリングホックが必要のないものであるとの断定はまだできかねる中、あることに気づきました。

スプリングホックが絶対に必要なアイテムを持っていたのです。ブラジャーです。

ワンピースやスカートのスプリングホックは本当に必要なのか
黒色のブラジャーのホック部分:「DHC」様。こんなに多くのスプリングホックが配置されていました。

あった、あったんです。ブラジャーには必ず必要ですよね。

ということは、スカートやワンピースのスプリングホックもこんな気持ちで必要とされることを想定したものであるのです。

本来の留め具というあっさりとした一言の名目ではなく、もっと裏事情を探ってみました。

ネットの悩みのコーナーのようなサイトの一部を拝見しました。

ウエストがきついけどどうしてもはきたいスカートがあったようです。

ホックの位置をずらして、ゆとりあるウエストにしてはけるウエストにするところに、縁の下の力持ちほホックに働いてもらうという裏ワザがあるようなお話でした。

なるほど。必要である人にとっては、この小さな針金みたいなパーツこそが大切な留め具なのです。

あとがき

今回は、スプリングホックの必要性について、不必要派の私が、一度フラットになって考えてみました。

スプリングホック自体は必要な場合があり、ブラジャーやコルセット(たまに医療用でしている人がいらっしゃるようです)などには複数の設置によって強度を高めるなどマストアイテムだと言えます。

あの小さなスプリングホックが体を支えたり、縁の下の力持ちともいうべき機能を果たしているアイテムであることは間違いないようです。

ですから、スカートやワンピースにも必要な人がいらっしゃることを認識していたいと思います。

では、最後に、スカートやワンピースのスプリングホックを使用しない私が得た、スプリングホックの必要性のまとめです。

<スプリングホックの必要性>・・・必要ない派であった者の新たな見つめ直し

・コンビで設置のコンシールファスナーがずり落ちないための心理面の安心を得るため。

・ファスナーの空き部分をVの字にならないようスプリングホックで固定して美しいラインを作ってくれる。

・医療用コルセットやブラジャーには欠かせないほどの機能である。

・サイズの合わないウエストのスカートをはく時などに工夫次第ではけるようになる裏技に使われる道具のとしての機能。

とこんな感じの新たな認識を持ちました。

スプリングホックは「必要である場合も大いにある」と締めくくりたいと思います。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

装いは「自己PR」と同じことを無言で伝えることである、オシャレ度のレベルを高めるための3つのアンテナ【269】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「おしゃれになる」ということを目標にかかげられることも多いですが、「おしゃれ」というのは「抽象的な概念」なので非常に理解しにくいものでもあるのです。

このたびは、「おしゃれになる」ことをただの結果と据え置き、別の角度からやってみると良いことというニュアンスでアンテナを立てるという「意識」をお伝えしたたいと思います。

3つのアンテナを立てる「意識」だけ考える、結果的におしゃれになっていたというだけのこと

では、おしゃれになろうとする難しいことをするのではなく、「意識」をするとよい3つのアンテナだけをご紹介したいと思います。

1)自分の体型の特徴を知ること

2)ファッション雑誌以外のコーデにも目を向けること

3)ギャップのあるコーデを取り入れてみること

この3点です。

1)自分の体型の特徴を知ること

洋服そのものではなく、着る側のボディーの方に関心を向ける、気に掛けるということは、ファッションコーデにおいても、根本の部分が実は「体型」であるということなのです。

人間は一人一人体型が違います。

まずは、自らの体型の特徴を把握するところからのスタートです。

ここで、3点ほど、体型の特徴を例に挙げます。大まかな分け方です。

・肩の形の違い:なで肩VSいかり肩

・お尻の付き方の違い:扁平VS出っ尻

・そもそもの体の厚み:細身VS厚身

体型を3点ピックアップしてみました。

肩にタブのついたかつての軍服が発祥である、トレンチコート。

このアイテムを肩の形に悩みを持ったなで肩さんといかり肩さんが着る効果というものが実は、2人共にちゃんとあるということです。

なで肩さんは、肩にボリュームがなくてしゅんと元気がないように見えがちなことをカバーしたいので、このトレンチコートの肩章タブによって立派な肩ラインが出来上がるわけです。

一方、いかり肩さんは、もともと肩にボリュームがあって、そこへさらに肩章タブで、肩を強調します。この強調はイメージを強くし、よりかっこいい肩を作ります。

両者ともに、メリットがあると思うのです。

お尻の付き方も、デニムによく現れますが、扁平な人はまずデニムがはきやすいです。

出っ尻の人ははけないこともあるわけですが、はくとなると501などはかなりかっこよくはけるのです。

リーバイス501はボリューミーな骨太な体形の人にはよく合う作りだと思います。

こんなふうに、体型を思い切って、出す、見せてしまうということが、美しいと他人の目に映ることで、体型のコンプレックスが解消されることにもつながるかと思います。


デザイナーの「ジョルジオアルマーニ」様の言葉だったかと思うのですが、「洋服を着る前に、鍛えるべきである」というような言葉を聞きました。

体型のコンプレックスの守りやカバーも大切だし、効果的ではあるかと思うのですが、この攻めの発想というのは、体型をよりよく作るという健康分野とも絡み、大変今後意味ある考え方ではないかと思っております。

2)ファッション雑誌以外のコーデにも目を向けること

今は、ネットがあるので、お店に行かずとも、お洒落なイタリア人のファッションはどんな感じだろうか、フランスのパリジェンヌさんのコーデは?など、ある程度スナップを一度にたくさん見ることが可能です。

ファッション雑誌も商業的な意図があるわけですので、その洋服を売るための表現になっているかもしれないことを考えると、「煽り」や「誘導」的なものが盛り込まれがち。

自分で積極的な探し方の方がピンとくるものが得られることが多いかもしれません。

意外なのがゴシップ記事の中のセレブ達は、流行の先を歩いている場合が多いですので、記事写真自体が街行く人の代表格のストリートファッションになっていたりするのです。

結局のところ、ファッションも、生活の一部、今やライフスタイルに溶け込んだもの。

ですから、おしゃれ好きはあらゆる生活の中からおしゃれのヒントを得ていくのです。

ここ最近は、「パリジェンヌ」様達のファッションがとても参考になります。

各々が自分のスタイルを持っていて、お洋服に対して語られる説明には「意志・主張」がはっきりと表れます。

「装い=考え方」とまでも言えるのです。

3)ギャップのあるコーデを取り入れてみること

ギャップという言葉があります。英語ではGAP。

このギャップ(GAP)という言葉の意味は、隙間(すきまや、ずれといった意味で、この言葉の意味だけ聞くと、あまり良くない意味のように思えますが。。

次は、ギャップの面白さをご紹介。

具体的に、どんな場面でギャップというものが存在するかです。

普段硬い感じの眼鏡の勉強家な高校生の女子が、パーティーにすごくシックな大人びた装いで現れた時のギャップ。

これらは、場面は違っても、洋服でその人のイメージが作られているところへ、ある日そのイメージを打ち破ったことがギャップを感じさせ、周囲を驚かせたというある映画の一場面です。

普段Tシャツとデニムの方が急にこんなワンピースを着てきたらものすごいギャップを感じ驚きます。

あとがき

表面的なものと語られがちな洋服ですが、実はもっと奥深い、性格、人生が溶け込んだ1つの人間性のスタイル表現だと言えそうです。

だからこそお洋服を甘く見ている場合ではないのです。

一目で自分の評価さえされてしまうほどの重要なアイテムなのです。

今回3つのおしゃれになるためのアンテナという見方から3つの「意識」をご紹介しました。

おしゃれになろうなどという高い目標はかえって難しすぎます。

それよりも、まず「自分を見つめ直し、良く知り、受け入れること」これがベースなのではないかと。

自分表現であるおしゃれは大切なもの、コーデを見つけていくことは自分探しの旅なのかもしれません。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

黒よりも優しく暖か味がある茶色、コーデが難しく敬遠しがちならば差し色カラーに使ったらよい【261】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

黒や紺と並び、ダークな色といえば、茶色。

ファッションコーデにおいては、人気がない色であると。

なぜ、人気がないのかというのが、古着の中でも、靴やバッグと共に茶色はかなり良い状態で手放されていることが多いと感じるからです。

裏を返せば、「コーデの機会があまりなかった、出番があまりなかった」からこその良い状態で残ったということなのではないかと予測しています。

確かに茶のコーデは難易度が高いです。

特に茶のお洋服を中心に茶1色でまとめるというのは、田舎っぽくなりがちでクールとかかっこよさとはかけ離れた装いになってしまうものなのです。

黒1色だと素敵なのに同じように茶が当てはまらないのも、黒の色の最強パワーに寄るところが大きいです。

ただ、マイルドな茶の良さも必ずあります。

このたびは、この茶の良さを探す研究を兼ねまして、茶の使い方の1つ、「差し色に使う」という方法をご紹介したいと思います。

差し色なら、茶が主役なわけではないですので、難易度がうんと下がるのではないかと考えます。

茶を脇役にすることでかっこよく完成される茶系コーデ

「茶をメインにせずに脇役に使うのみにする」という方法があります。

その前に、まずは、茶をメインにしてしまって「おばあさん」ぽくなっているコーデの写真をご覧ください。

茶色コーデをうまく完成させるコツはこれだ
トップス:「ベネトン」様の半袖Tシャツ(茶) ボトム:「ボルボネーゼ」様のうずら柄ゴムパンツ(茶系)。

「ボルボネーゼ」というブランドが好きで、たまたま見つけたゴムパンツのこのブランドをお部屋着にしていたことがあります。

質の良さが抜群、うずら柄も上品でこのまま外へも出られます。

それにしても、地味です(^_^;)。

もう1セット、これを上下逆にしたようなコーデ。

こちらも室内の部屋着として着用していた組み合わせです。

トップスにまた「ボルボネーゼ」が登場します↓。

茶色コーデをうまく完成させるコツはこれだ
トップス:「ボルボネーゼ」様のうずら柄のTシャツ。 ボトム:日本製のノーブランドのニットゴムパンツ(茶)。

やはり、ボルボネーゼのあのうずら柄には、色としては、茶がなじむので、地味と分かっていながらも茶を合わせました。

このいかにもカントリーな印象から、外出着として茶のセーターや茶のコーデュロイのパンツなどと置き換えれば、同じような印象になってしまうに決まっています。

よって、茶はメインに持ってこない方が良いということをここからまず読み取ります。

そして、小物でアクセントをつける役割にするだけにとどめるということが1つの案です。

ということは、茶が小物であるということで洋服は、それが引き立つ色がよいことになります。

そうすると、お勧めはオフベージュ系です。

茶色コーデをうまく完成させるコツはこれだ
「エンポリオアルマーニ」様のウール100%セーター(オフベージュ)。

こんな感じの色は無彩色っぽいため、このアイテムだけではぼーっとした面白味のないものであり、差し色を求めるようになります。

そこへ茶色の出番です。

小物でキュッと引き締め、遠目で見た時に所々の小物使いにアクセントのあるコーデにするという方法です。

茶色コーデをうまく完成させるコツはこれだ
「カネマツ」様のスエードパンプス(茶)。

1つに、靴を茶色にするということがあります。

茶色コーデをうまく完成させるコツはこれだ
「クリスチャンディオールスポーツ」様の本革型押しベルト(茶)。

ベルトもコーデの真ん中位置にあり、非常に視線がいく部分です。

茶色コーデをうまく完成させるコツはこれだ
左:スモーキークォーツ(天然石)のロングネックレス 右:スモーキークォーツ(天然石)のブレス。

トップスの近くに配置となる、ネックレスやブレスは、やはりこちらも視線が行く部分で、ここに茶色を使うことをしてみます。

このネックレス、ブレスの天然石であるスモーキークォーツは地味な石なので、こういう時に活躍できるアクセサリーになることで出番があるということになります。

このオフベージュのセーターの色ですが、あまり黄色寄りになりすぎるとあのボルボネーゼのような印象になってしまうので、ベージュのトーンは「オフカラーの範囲内」であることが大切です。

限りなく、白に近いベージュであること、これは田舎っぽくならない大切なポイントになります。

オフベージュにスパイスのように茶を加えたベタな差し色の使い方。

ここで、茶色は確かに複数使われていますが、あくまでも主役はベージュなのです。

次にもう1点茶系コーデをメインに茶を使わない方法で組んでみました↓。

カーキ茶のパンプスを差し色にしたセットアップコーデ:パンツスーツは「エンポリオアルマーニ」製。

セットアップの格子の中に使われる茶色や背景のツイルの素材自体がカーキ寄りで、グリーンを含むような茶色です。

チョコ茶よりもカーキ茶がよく合うみたいでした。

こうして見てみますと、2例とも茶色はベージュの差し色に使うことが一番やりやすいということが分かります。

あとがき

茶色は、本来とてもシックで上品なカラーだったのです。

是非、黒プラス1のカラーとして、茶色にも一度注目してみてくださいませ。

今回例としてはアップさせていただいていませんが、茶ベースの柄物に差し色の茶をなじませてしまうというのも立派な差し色だと思います。

ただ、茶系の柄物は、一歩間違うとカントリー調に寄ってしまうので分かりやすく取り入れやすい無地ライクをまずはご紹介したわけです。

カラーでいうと、差し色にしやすいのが、黒、茶、紺、赤なのです。

どれも「強い色=影響力のある色」ということができます。

カラーの意味や役割を考えながら素敵なかっこいいコーデになるよう是非ともの正解なアイテムを選択していかれますよう(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ドレスに寄り過ぎかしこまったラペルジャケットを抜けた装いに劇的に変えるのはノーカラージャケットである【221】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

 今回は、洋服の襟(えり)の形で随分雰囲気を変えられるという例をご紹介したいと思います。

ジャケット、コート、ブラウスなどのトップスには必ず襟というパーツが付いています。

典型的なデザインのジャケットでいうと「ラペル」部分です。

今日、多種多様の消費者ニーズにより洋服のデザインも多種多様です。

私も一消費者でありますが、消費者にも自然と趣味・嗜好があります。

そのような中で、襟の形1つにおいても「この形が好き」「この幅が云々」な要望が細部に渡るものです。

確かにテーラー型のラペルはクラシックで素敵です。

ジャケットを1点選ぶ時にこれを選ぶことも多いです。

ただ、コーデというのは、1つのアイテムだけでは成り立たないことも重要です。

実は、このテーラー型がコーデのすべてを決めてしまうこともあるのです。

肩ひじ張らないリラックスした抜け感ある襟無しジャケットの良さ

テーラー型と呼ばれるジャケットの形は落ち着いていてクラシックで、とても素敵です。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
テーラー襟のジャケット:「DKNY JEANS」様のお品。牛革の黒。

テーラー襟のラペルが、アクセントになっていて、文句なしに整っています。

この形はこの形で定番物としては、1つ持っていたいアイテムではあります。

ただ、一方でファッションは楽しむものだということを考えるときちんとし過ぎているという見方もできるのです。

そう考えると、時々定番型が少々「かしこまっている」と感じる時があるのです。

そんな、テーラー型のジャケットはすでに十分持ち備ている、これまで何着も着てきたということであれば、一度襟無しジャケットに目を向けてみることをお勧めしたいです。

ウールジャケット:イタリア製。ボタンをゴールドとバイカラーのタイプからカジュアルっぽく変えました。

衿無しジャケットコーデx3点のご紹介

まずは、このジャケットからのスタートです↓。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
襟無しジャケット:「エンポリオアルマーニ」様のお品。レーヨン/ウール混でロングの黒。

丈がやや長めで、素材はレーヨン/67%、毛/33%でさらりとした表面の風合い。

丈が70cmちょうどくらいでジャケットにしては長め。

襟無しに作られているところにご注目下さいませ。

襟口のVの字が共布で切り替えてありオシャレ。

丈が長めなことと、襟無しであることが「クセ」があると感じる方もいるかもしれません。

しかし、そのクセもいい具合にカジュアルに寄せることができる「抜け感」です。

黒ジャケットにTシャツやカットソーとジーンズを合わせて「きちんと感」を打ち砕いていきます。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
襟無しジャケットコーデ①:「DKNY JEANS」のカットソーと「リーバイス501」黒→グレーへ色落ち。

黒ジャケットに感じがちなフォーマル感が解消されたように感じます。

どうしても、黒ジャケットは硬いイメージが否めません。

そこで遊び心あるイラスト入り(全体柄)のカットソーと、ボトムの501ジーンズのトーンの薄い色目などの影響で、全体が堅苦しくないイメージになりました。

黒on黒だとセットアップ感が増しますので、色の差を付けて立体感を出すとカジュアルに寄せられるということもここで感じました。

スラックスをボトムに持ってこなかった「ギャップ」も良き効果です。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
水玉ベルベットジャケット:「エンポリオアルマーニ」様のお品。ベージュx黒。

こちらは、ジャケットだけの第一印象だとエレガントな印象です。

そこで、そのエレガントと反対のことをボトムでしてみます。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
襟無しジャケットコーデ②:「エンポリオアルマーニ」のレーヨンTシャツ、「リーバイス501」黒。

ユニークなネックラインのジャケットですが、これも襟無しです。

水玉柄と濃いめのブラックデニムがリンク。

2色の色しか登場しないシンプルさも拘りです。

最後3つ目です。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
牛革ショートジャケット:「SLED」ブランドは「(株)東京ニュースター」様のお品。黒。

珍しいレザーの襟無しです。

この牛革レザーの襟無しジャケットはラインが綺麗で、特にウエストの部分がしぼられていて、形が非常にかっこいいです。

レザーは、カジュアルなジーンズなどに着こなされることが多いので、ではその逆を行こうではありませんか。

これに、ワンピースを合わせてしまうのです。

襟無しジャケットは粋である:力まないファッションコーデ
襟無しジャケットコーデ③:ノーブランドの綿/100%柄ワンピース(古着)。

ワンピース自体も、きちんとかしこまった柄ではありませんので、さっくりとラフに羽織った印象になります。

まるでボレロのようなアイテムですね。

レザーなのでインパクトがあります。

ここへテーラー型のジャケットをかっちりとはめ込むよりも、とても自然な感じがします。

 襟無しの威力が色濃くく出ていると思います。

ただ襟無しアイテムを選ぶにあたっては、この場合に、ウエストが絞られたタイプのジャケットであった偶然も全体のバランスにかなり影響はしているようです。

衿無しジャケットもただ衿だけに注目するよりも、他の特徴ある部分などにも着目するともっと素敵な装いになることを「1クセあるアイテムのノーカラージャケット」というテーマで探すところにヒントがあります。

あとがき

「衿無し」というのは、こうして見てみると「クセ」なのです。

なぜ衿無しが道はずれた個性的なデザインだという印象なのか。。

それは、「制服」とか「フォーマル」の社会的な場面で決まってテーラー型を見てきた記憶と刷り込みだと思うのです。

あるものが無いということがむしろクセがあるというのは考えて見たら逆説的で斬新なことです。

そこに衿無しデザインの魅力も感じています。

衿無しジャケットをきちんと着る目的よりも、崩して着たいという目的に自然となるのもこの「クセ」を活かしたいからなのではないかと考えたこのたびでした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

 

日々仕事に励む黒を纏った「闘う戦士」が黒より優し気なグレーを纏う全体バランス【256】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ある時期からとても魅力的だと理解した無彩色カラーである、グレーという色についてのお話です。

グレーのイメージには、こんなものがあるのでは。。

・ネズミ

・工場の作業着

・灰色の曇り空

・鉄パイプ

・墓石

その他、「グレーゾーン」などと呼ばれるように、「あいまいさ」を秘めたカラーです。

グレーであるならば、いっそはっきりした黒で良いではないかと、この曖昧さが洋服でもなかなか理解されないことも。。

かつては、顔映りの事を気にするあまり、くすんだ色であるグレーを敬遠しておりました。

しかし、2017年頃ある人物の装いに触発されました。

「ケイト・モス」様のコーデです。

たくさんのグレーを自分らしい装いで粋に表現。

とても夢中になってそのコーデを参考にさせていただいているうちに、グレーというカラーのの素晴らしさに気づきます。

むしろその目立たない地味なイメージこそ素敵な「抜け感」や「マイルドさ」があることを知ります。

顔映りがくすみがちなグレーのカバー方法

グレーの洋服が顔写りが悪いからということで避けている方は多いのではないでしょうか。

それは、グレー1色だけに注目しているからであることが1要因としてあります。

そこで、他色とのコンビで近くに配置するようなコーデを考えていきます。

・ネックレス等の小物を顔写りのいい色にする

・そもそもグレーの中でも濃淡、色味(いろみ)の違いで細かく選ぶ

この2点が効果的であると今までのコーデの経験で実感しております。

実際に、グレーのワンピースに白い真珠のネックレスがとても映えたことで、グレーコーデ+αの効果を実感しています。

グレーのワンピースが粋にに感じた瞬間でもありました。

「おしゃれ」が、今まで描いていた、カラフルな綺麗な感じとは違うテイスト、「粋」であると同時に「クール」なのです。

そして、グレーの濃淡でベストを使ったコーデをした時に、立体的な雰囲気ができたことにも、グレーのすばらしさに感動したということもありました。

生地や洋服のグレーはバラエティーに富む複数展開である

最強におしゃれな色グレー:黒よりも甘い、粋でクールな無彩色カラーの真骨頂
単純なグレーの濃淡。

グレーという色は、白と黒と並んで、無彩色の部類。

濃淡の違いだけでかなりその立体感が際立ちます。

そしてどの濃さもそれぞれの味わいがあるのです。

一番左の薄いグレーは、青みがかっていますのでパープルと合ったりもします。

一番右の濃いグレーだと、カーキ寄りの焦げ茶とも合ってくると思います。

ここが、ファッションの楽しいところ。

一番よく合う相手の色が濃さによって変わってくる面白さです。

無彩色のグレーに、他の色が入り込める余地があるのですね。

上述のように、茶が合うというケースがありました。

色相環の詳細の中の中間的な色(ペール)なども同等のレベルで相性が良いことがあります。

ブラックジーンズのデニムの色落ち具合によってコーデを分ける時に、こう気づきました、この色は茶と合うグレー、この色はブルーがかっているなと。

こういうことから、グレーでも〇〇系のグレーというようなグレーの種類が複数あるということをジーンズの色落ちで見たのです。

分かりやすく、その違いを下記のように呼称をしてみます。

・ブルーグレー・・・青みがかったグレー

・グリーングレー・・・緑がかったグレー

・モカグレー・・・茶色味が入ったグレー

茶色との相性があるグレーにあたるのは、一番右のモカグレー。

3色ともグレー:左から、ブルーグレー、グリーングレー、モカグレー。

カットソーなどを並べてみると、グレーでも複数の種類のカラーがあることを一緒に横に並べることで、気づきます。

このことは、グレーという言葉だけの固定観念を打ち破ります。

明らかに、グレーが豊富にあるということです。

「アルマーニ」様のニットのセーターとかカットソーが好きで集めていましたが、ほとんどが「グレーイッシュ」でした。

上記のような3色のグレーのアイテムは豊富です。

「グレーにも彩度があるのだ」という言葉が聞こえてきそうなほど、グレーの豊富な展開には「アルマーニ」様の「哲学」が感じられるのです。

ここ近年で、「グレージュ」というグレーとベージュの間のような色目の呼称が定着しています。

バッグ製作に選ぶ生地に実際に使用したグレーの生地がこれらです↓。

最強におしゃれな色グレー:黒よりも甘い、粋でクールな無彩色カラーの真骨頂
グレーの生地:一番左がグレージュに近い色。

グレージュということでいえば、この3生地の中では、一番左が近そうです。

薄めの色ですが、モカの要素も多分にあるのです。

その証拠に、ファスナーを茶にするととてもマッチしました。

最強におしゃれな色グレー:黒よりも甘い、粋でクールな無彩色カラーの真骨頂
グレージュ色の生地で作ったバッグのファスナーが焦げ茶マッチ。

洋服のコーデのグレーの濃淡の配置いろいろはすべてOK

グレーを濃淡だけでコーデする立体感を図解して見ます。

上(トップス)、下(ボトムス)で、どちらが濃い、どちらが薄い、などの配置を色々変えてシュミレーション。

おしゃれな方のの画像などを意識して拝見しますと、必ずしも濃い方が上(トップス)というわけでもないです。

下のようにいろいろです。

最強におしゃれな色グレー:黒よりも甘い、粋でクールな無彩色カラーの真骨頂
グレー同士の組合せ:上=トップス、下=ボトムス。

お写真を拝見した中で見えた工夫をご紹介します。

1つ目の例の、上:濃、下:薄の場合、靴を黒や、濃グレーの濃いめを合わせたり、そもそも靴がバイカラーの濃淡デザインのグレーを合わせるなどというコーデ。

2つ目の例の、上:薄、下:濃の場合、サングラスに濃い色のフレームをして、ボトムの濃い部分との釣り合いをとるという工夫。

あるいは、サングラスでなければ、帽子でも、同じことです。

一番右の上:薄、下:薄の場合、真ん中にベルト、下に靴でポイントを置いていました。

黒だと極端すぎるので、甘く、茶系などでの調整がここで入っています。

グレー1色の洋服でも、その他のアイテムで随分立体的になっていきますね。

上の3例をシュミレーションに追加すると、こんな感じ↓。

最強におしゃれな色グレー:黒よりも甘い、粋でクールな無彩色カラーの真骨頂
他のアイテムの利用。

バッグも差しアイテムとして利用できます。

あとがき

こうして、グレーについてみてみると、最初にお話ししました、グレーの持つよくあるイメージ、

・ネズミ
・工場の作業着
・灰色の曇り空
・鉄パイプ
・墓石(お墓)

が不思議なくらい払拭されます。

グレーを1色だけで考えてしまうから固定したイメージがぬぐえずにいるのです。

ファッションコーデはその点小物の存在に助けられて融通が利くのです。

そうしますといかにお洋服以外のアイテムも重要であるこかが分かります。

ここに気づいた時が、本当の「装い」の入り口ゲートをくぐり抜けた瞬間だと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

バイカーの皆様への伝言、クラッチの切り替え、踏み込みすべてに対して、かかとの高さがぺたんこのレザーブーツが一番安全です【268】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前アメリカンバイクに14年程乗っていました。

アメリカンバイカー様はファッションもウエスタン調にあれこれ考えたいところだと思うのですが、1つブーツに関しては強くお伝えしたいことがあります。

それは「ウエスタンブーツ厳禁」ということ。

アメリカンバイクなのにウエスタンブーツがはけないなんて。。

と思われるかもしれませんが、このたびのお話で今一度靴に関してはヒールのあるものを見直していただきたいと思います。

ウエスタンブーツはヒールのあるブーツです。

このヒールとバイクのペダルの関係は「感触」ですので、乗った者だけが知るペダルの踏み心地なのでございます。

バイクとレザーブーツはマスト、スニーカーではかなり甲が痛いので長時間乗れない

バイク乗りは、やはりブーツをはくことが多いですが、ファッションとしてだけでなく、現実的な足を守る「機能」がレザーには感じられます。

街乗りだとスニーカーの人も見かけます。

ただ、スニーカーだと、ギアチェンジの時に甲が痛いです。

乗り始めの頃、よく分からず、今まで持っていたスニーカーの「コンバース」の布地のぺたんこのタイプをはいていました。

しかし、ギアチェンジの時に、バイクにもよるのでしょうが、アメリカンなのでそこそこ重く硬めで力が要ります。

そうすると、何度かのギアチェンジで甲が痛くなってしまうのです。

そこで、甲の部分が硬い本革ブーツを探すことにしました。

何度目かに見つけたサイドゴアブーツが最強だった

近場の移動が多い乗り方でしたので、「本格的なバイク用のブーツでなくてもいいや」ということで、おしゃれ系のファッションブランドのショートブーツ、普段着にもはけるぐらいのブーツを探していました。

バイク用だと、「トニーラマ」などのウエスタンスタイルがかっこよかったりするのですが、かかとにヒールが結構な高さであるのがウエスタンブーツです。

これが、バイクのギアチェンジに支障をきたすとつくづく感じました。

ファッション的には、アメリカンバイクにはベストマッチなブーツですが、実際に乗るには、安全ではないと感じています。

いろいろ、ファッション系のブーツもあれこれ試しながらなかなか安全に乗れる良い感触のものを探しました。

そして、結果、バイクを降りるまでその後長年定着したのがこのブーツでした。「サイドゴアブーツ」です↓。

サイドゴアブーツ(黒):ランド名:「GIGI:ジジ」、イタリア製。ヒールがすっきり水平です。

これはどちらかというとバイク用というわけではなくファッション系のショートブーツとして売られていました。

これぞベストマッチといったはき心地と着脱のしやすさである「サイドゴア」というモデル自体が便利なデザインなのでした。

古着の中で見つけたものなので、別のサイドゴアモデルもおそらく今でも見つかると思います。

<このショートブーツのメリット>

・ヒールがわずかでぺたんこに近いので、足を地面に付けやすい

・レザーの甲の部分がしっかりしていてギアチェンジがスムーズ

・サイドゴアのデザインでひもなどがないので、着脱がスムーズ

・革がごわごわしていないので、心地よいはき心地で、真夏も通気性がある程度ある

こんな点が、ずっとバイク乗車時にはいてきて感じた良さでした。

まったく、同じものは見つからないかもしれませんが、サイドゴアが便利であることは、間違いないでしょう。

また、ロングより、ハーフであること、そして、やはりポイントはギアチェンジで接触する甲部分の作りの硬さですね。

お洒落ブーツではあまり確かめることがない甲の部分の頑強さを手で触ってチェックされてはいかがでしょうか。

バイク用としては。とても重要な部分になります。

何もバイク屋さんで本格的なバイク用のブーツを探さなくてもファッション小物としての靴売り場から探せばよいのです。

もう1点根本的に注意したいのは、普通の洋服のブーツの中からチョイスする場合に、裏がすべるのは、バイカーとしては危険ですのでそこは注意です。

アメリカンの場合、足が地面に付くが故に足ブレーキも頻繁にありますから、そんな時に、すべり留めになっている仕様のブーツが絶対良いのです。

黒いブーツのお手入れ、これ1本で足りています、「コロンブス」社の「ナイトリキッド」

アメリカンタイプのバイクライダーさんのオールシーズンブーツはこれだ
「コロンブス」社の「ナイトリキッド」という靴クリーム(黒)。

有名なので、知っていらっしゃるかもしれません。

これ1本で、

・汚れ落とし

・補色

・仕上げのツヤ出し

この3ステップをみごとに行ってくれます。

パンプスにもこれを使用しておりまして、延長でこのサイドゴアブーツにも使用していました。

塗りがいがあるというか、とてもスムーズに手早くお手入れができます。

あとがき

サイドゴアはブームな年もありましたが、常に変わらない定番デザインとしてずっとあるものだと思います。

サイドゴアのショートブーツ、是非バイクライフに取り入れてみてくださいませ。

なんといってもオールシーズンはけるという点もすっきりしていて良いです。

甲のしわが、ギアの部分でない、右側でもかなり出ています。

そう考えると、それほど高価なものはもったいないと思うので、革の作りさえ、良質でしっかりしたものであれば、有名ブランドである必要もないと思います。

どの道ギアチェンジでしわができるのですから。

その甲の「しわ」こそが、「そのブーツの持ち主がバイカーであることを伝えるメッセージ」なのです。

バイカーのブーツはとてもロマンチックなアイテムなのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

柄の向きが横ばいのボーダーよりも上昇志向のストライプ柄、ストライプ柄の種類とハンドメイドバッグへの取り入れ方の足跡【282】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地の中でもストライプ柄は大半が「先染め」です。

先染めであることが色落ちの可能性があるプリントよりも永久的であり、価値ある柄の1つであると考えることもできます。

このたびは、ストライプ柄の種類を、実際に製作したり日用品の中に溶け込んでいるところを発見したりしたお写真と共にそのネーミングなどをご紹介してまいりたいと思います。

ストライプ柄の種類は非常に多種、実際に利用させていただいたその「製品」になった状態でストライプの存在を見てみます

ストライプ(stripe)は日本語では、縞(しま)にあたります。

何か昔懐かしい言葉の響き「shima:しま」ですが、もしかして、年少の方は初めて聞かれたことでしょう。

ちなみにあの黒白柄のシマウマは、漢字で「縞馬:しまうま」となります。

見る向きで、シマウマはボーダー柄のようにもとらえられますが、実はボーダーは定義上はストライプの部類に属しているのです。

しかし、今やボーダー柄はストライプ柄とは別物と考えられて区別されていると思いますので柄に対する観念にも歴史的変化があるわけです。

さらに「ゼブラ柄」というものも1つの柄の種類になって定着しています。

ではここで、ストライプ柄の種類の違いを見てまいりたいと思います。

実際にハンドメイドバッグの中で、裏地に使用した生地、「商品」となって購入した日用品などはそのストライプの存在感がよりリアルにご覧いただけると思います。

ピンストライプ:ピンのような細いストライプです。トントンとピンを打ったような見た目が特徴。

イメージとしては、スーツやスラックスに使われるような生地です。

それをバッグの裏地に意外性を出そうと使用したのがきっかけでした。

ペンシルストライプ:ペンで描いたような線。類似に「チョークストライプ」があります。
コードレーン:生地に凹凸感があり美しいですし、傷みにくい生地だと思います。
クラスターストライプ:「数本の線が集まり、1本の線を形成した作り」という定義に当てはまると判断しました。
ロンドンストライプ/ブロックストライプ:同じ幅で2色が並んだもの。シャツになると装いが落ち着き整然。

右下は、「無印」様のタオル地のターバンですが、ボーダーだけれども、定義上このロンドンストライプに入ります。

20年以上毎日色違いで洗顔に使用です。

複数であることがかえって1点ずつの損傷を解消し、長持ちに繋がっています。

1日1点ずつ使用の1週間分くらいの数を色違いで保持。

シャドーストライプ:陰のように目立たないストライプですが、こちらも先染めです。

ストライプは、糸の色違いによって、コンビの色を白を使用することが多く、先染めがほとんどなのですが、たまに次のように珍しいストライプのプリント物があります↓。

プリントのストライプ柄(マルチカラー)。

裏側を見ると分かりますが、今までの先染めは、裏返しても同じように柄が出ていますが、これは出ていません。

表にだけ描かれたストライプ、つまりプリントなのです。

しかし、プリントの精度がとても良くて、一見先染めだと思ってしまいます。

グリーン系の渋めの色ではありますが、マルチカラーでとても豪華に見えます。

ストライプ素材の洋服での使われ方

日々インスタグラムを拝見していますと、ピクチャレスクと同じ部類のファッション系のつながりでヨーロッパ風なパンツスーツスタイルをよく目にします。

今、この生地を書いている季節も関係してるかと思いますが、ストライプの使い方が大胆で、とても粋。

たとえば、上に出てきたペンシルストライプの柄でもっと幅が大きいものを大胆にも、上下のパンツスーツに仕立ててありました。

白x黒のペンシルストライプのパンツスーツ、とても粋でクールです。

柄のイメージのみですが、こんな感じの上下セットアップをイメージしてみて下さいませ↓。

このようなセットアップはむしろ「カジュアル」。本来エレガントなスーツの新しい着方ではないでしょうか。

あとがき

ストライプはお洋服の中でもとても豊富な柄ではありますが、1つ難易度があるとすれば、組み合わせる相手が無地ではない場合の迷いです。

柄がうるさくなってしまうので柄同士は敬遠してしまうと使用頻度が半減してしまいます。

そうしますと、出番の多いストライプということに目標を置くならば、柄とのマッチの仕方などを研究するとワードローブがうんと賑わいます。

賑わいといってもたくさん数をもつことではなくて、コーデの種類の豊富さの事です。

少ない数でもうまく組み合わせるところに行くためには、柄同士の組み合わせも引用すると1つでも組み合わせが増えるということです。

実身もストライプは1点もお洋服では持っていない現状です。

ストライプがいかにそれ1点で「クセ」と言いますか、主張の強いものであることを実感します。

同じように程度の強めの柄にむしろ溶け込むようにシャツに装うネクタイのように、メンズ服の上手なコーデに学ぶところも多いかもしれません。

雑貨品などの小物アイテムや、単独でそれ1点で事足りるケースに何気なくストライプを取り入れ、使っているのかもしれません(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

古着購入後にクリーニング代がかからないコートは本革レザーと毛皮、自主お手入れの「拭く」と「風通し」の確保のみでよい【280】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着購入ライフを続けて20年程になります。

随分長い間古着ばかりを着てきた中でますますそのコスパの良さをかみしめております。

ここ近年では、その古着ライフにも発展があり、1点ずつをより大切にするようになりました。

それは新品を着ていた時代とは明らかな違いであり、古着を着てきたことで得られた素晴らしい結果でした。

ところで、古着の購入自体がお得に良質なものを購入できても、その後の所持の中でのクリーニング代に関しては、まるで「車」を所持する保険代やメンテナンス代と性質がそっくりな維持コストが生まれます。

そこで、この度のご提案としまして「クリーニング不可」の製品をあえて購入し着ていくことで、その後の維持コストも¥0であるという長い目で見たコスパの良い古着ライフのご提案になります。

主に3シーズン春・秋・冬に着るアウターのジャケットやコート類選びにとても効果が出る節約術になるのではないかと思います。

高価なアウターのクリーニング代が¥0、本革レザーと毛皮のアウターの購入後の維持費の節約の実現

夏以外の3シーズンに、アウターとして着るアイテムは、主にジャケットやコートです。

ジャケットやコートは、自宅でホームクリーニングをすると、ジャブジャブと圧力をかけること、水や湯につけることだけでも型崩れを起こしてしまう可能性があるのでクリーニングに出すことが避けられません。

ですから、どうしてもクリーニング屋さんへお願いし料金がかさみます。

1着のクリーニング代は¥1,500-¥2,000程度が相場です。

ここで、逆の発想をしてみます。

クリーニング不可のアウターとはどんな素材なのか(この不可というのは、品質表示上においてです)。

・毛皮

・本革

などです。

もちろん、毛皮や、本革も高額の¥10,000-¥20,000あたりの代金で一般的な品質表示にもとづいたクリーニングの枠から外れた特殊クリーニングであれば取り扱ってみえるお店も結構あるようでした。

ただ、高額な特殊クリーニングの方法は節約にはなりませんし、もう1着商品が買えるぐらいのコストですので、古着ライフとしては非常にもったいないです。

結局のところお勧めしますのは、思い切って、クリーニング不可の素材だけをあえて持てばいいということなのです。

そこで、3種のクリーニング不可の素材をご紹介します↓。

本革レザージャケット(黒):「エンポリオアルマーニ」様。牛革。

1つ目はこの牛革ショートジャケット。

品質表示上で「ドライクリーニング不可」となっています。

本革レザーはその表面がカバーされているような役割があり汚れが元々付きにくいです。

汚れてもタオルハンカチとお湯で一拭きすれば大丈夫なほど。

季節外れの収納時には同じくタオルハンカチとお湯で全体を拭き、完全に風通し良く乾いてからそのまま収納でOKです。

2つ目は、ミンクの毛皮のオフカラーのコートです。

ミンクは毛皮なので、基本クリーニングも不可の品質表示です。

毛皮は、特に、ずっしりあったかいので、冬でもじっとりと目に見えない汗をかきがちです。

クリーニングが不可ではありますが、常に、帰宅後お部屋の中の風通しの良い空間で乾かすことが大切です。

ミンクコート(オフ):ブランド名不明。いろんなお洋服に合わせやすいカラーです。冬のオフカラーは新鮮。

3つ目は、スエードのロングコートです。

これも品質表示では「クリーニング不可」です。

スエードはもともとデリケートそうな素材です。

1つ目の本革レザーよりも汚れやキズは付きやすいですが、独特の質感がおしゃれで好みの素材です。

大切に扱いながら、上の2つと同じようにカビなど生えないよう湿気をこもらせないという工夫を隙間を空けた収納をしながら気を付けさえすれば、かえって薬品なるものを使ってしまうよりも良いと思うのです。

スエードロングコート(紺):ブランド名不明:古い物だと思いますが、スエードの紺色というところがレア。

そもそも、買う時も古着購入していますので、たとえ高級な素材であっても、高価な特殊クリーニングをする気にはとてもなりません。

それは、購入時の「価値」のキープです。

お得に購入できたお洋服は、その後の維持費にコストをかけないことで、長い年数から見た「コスパ」の実現へとつながるのです。

その他、コスパの良さにもつながるポイントとして、「多く持ちすぎない、ミニマムな数」ということ。

収納時にもぎゅうぎゅう詰めでは、カビの原因になります。

隙間をしっかり空けた、ゆとりある収納をするためには、多く持ちすぎないことも重要なのです。

どうぞ、渾身の1点ずつを慎重にお買い物下さいませ。

あとがき

服がたくさんあるだけ、クリーニング代も増える。。

この悩みは、この度の2つのポイントで解決です。

1)そもそも少ない数で渾身のアイテムだけを選ぶこと

2)クリーニング不可の本革レザーや毛皮をあえてアウターに選ぶこと

これを、どうぞコスパの良いお買い物にお役立て下さいませ(^-^)。

picturesque

色相環図の「類似色」「補色」の考え方はファッションコーデに混ざりながら溶け込み存在しています【229】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「類似色」と「補色」はカラーコーディネートの分野にはまず最初に基本的な知識として出てくることです。

もう最初にここで結論ですが、「類似色」や「補色」の考え方は、ある一定の部分ファッションコーデに活かせると考えています。

何も知らなかった過去よりも知っている現在の方が間違いなくコーデに対する拘りがはっきりしたように思います。

色とりどりの洋服を眺めるだけでもこの理論を持って見ると面白い。

色相環を意識されたものであるのか、打ち破った反逆的な考え方を込めたものなのかも伝わってくることもあります。

余計なことを知ると固定観念にまどわされる危険性もある一方、その後の装いには幅が広がると考え知っていることをお勧めしたいです。

最も単純で分かりやすい自作の色彩の相関図

本格的な色彩の相関図は、すべての理論を十分に盛り込もうと作られていてやや複雑。

この相関(そうかん)という言葉が、色相環(しきそうかん)と色の相関図(そうかんず)とで「そうかん」という部分が漢字が違うところに注意。

もともと「色相環:しきそうかん」という言葉が専門用語ですが、「色の相関図」という言い方も合っていると思います。

では、ものすごくシンプルに単純に、一度知ったらずっと覚えていられるようにお伝えしたいと思います。

まず、色というものは多種にわたっていますが、実は元は3色のみオリジナルの色、つまり、「原色」と呼ばれる色3色だけがあります。

3原色:赤、黄、青。

この3色を3原色と呼び、色のもっともベースのカラーとなります。

「何を混ぜても、この色を作ることができない元の色」という基本的なカラーの事です。

幼少の頃、絵の具でどの色とどの色を混ぜたらこの色になるということを教わったかと思うのですが、どの色かを混ぜてこれらの3色を作ることは決してできなかったということなのですね。

「ハイハイ」と習ってきたかと思うと、「あれ?」と思わなかったことがむしろ恥ずかしい程です。

そういえば、そうだったのです。

そして、このベースのカラー同士をもれなく1つずつ組み合わせながら混ぜて、

・赤 + 黄 = オレンジ

・赤 + 青 = 紫

・黄 + 青 = 緑

と、更なる新しい色が3色生まれます。

基本カラーの6色

小学校などでの図工の水彩画の授業で、絵の具の小さな箱のタイプにはこれらの色に加え、黒と白が入っていたラインナップではなかったかと思われます。

この新たな3色は、2次的に出来上がった色なので「二次色」という名前がつけられています。

これで全部で「6色の基本カラー」ができました。

色相環ではこれ以上にも色が出てきますが、あとは、グラデーションのように濃い薄いとなっていくだけなので、結局この6色だけを基本カラーとした概念が一番シンプルでわかりやすいかと思います。

中間色のブルーの場合は青を見ます。そして、ピンクの場合は赤を見ます。黄緑はグリーンを見ます。そうして濃淡の部分を省略した単純な6色が出来上がりました。

「類似職」と「補色」を自作の単純な色相環図で見てみます

色同士は、組み合わせたり一緒に並べたりして使うことが多いです。

そんな時とても参考になるのが、

「類似職」と「補色」というこの2つの概念です。

「類似色」・・・色相環において、隣り合っている位置の色。

「補色」・・・色相環において、向かい合っている位置の色。

というのが、色の配置からも分かりやすい定義。

例えば、黄色で考えると類似色は、オレンジやグリーンで補色は紫ということです。

類似色の組み合わせの効果としては、落ち着いている、なじんでいる、やさしい雰囲気、全体として「調和のとれた雰囲気」になるかと思います。

一方、補色の組み合わせの効果としては、目立つ、はっきりと映る、主張が強いなどの効果があるかと思います。

「奇抜:きばつ」と呼ばれる色使いのお洋服もこの補色を利用した使い方であると言えます。

ここで、「なぜ黒や白は入らないのか」という疑問があるかと思います。

黒や白は「無彩色」と呼ばれ色ではないという定義なので、ここには入らないのです。

ただ、黒や白はとても貴重な存在なので、実際のお品物にはこれらの6色のカラーに一緒に溶け込み、多くの活躍の場があることも間違いない事実だと思います。

類似色や補色の良さを利用したファッションコーデ

こういった「類似色」とか「補色」の知識がファッションコーデに活かせるのかということです。

活かせると思います。

左-ジャケット:「エンポリオアルマーニ」。右-パンツ:「リーバイス501」。

例えば、このようなマルチカラーのジャケットとデニムリーバイス501のグレーのコーデ。

ここへ何か色のついたジュエリーのネックレスとか、バッグをチョイスしたい場合です。

どのような色を選ぶかという時にとても迷います。

よく、簡単な方法として、マルチカラーの場合その中の1色をピックアップすればよいという考え方がありますが、じゃあここまでいろいろな色があるのにどの色をピックアップするのかと。

ここからがご提案なのですが、この場合、ボトムである501の色に注目。

これになじむようにしたければ、青という色の位置に近い隣の類似色が良い。

ネックレスやバッグを際立たせたいなら、遠く離れた補色を選べばよい、という考え方をしてみます。

そうすると、パープルなどがとてもなじむ感じだと思えて来ました。これは「類似色」。

黄色で差し色みたいに際立たせちゃおう、とこれは「補色」的な位置を採用。

本当は、オレンジが正式な反対位置ですけれど、ジャケットの色の中にオレンジはないです。

なのでその隣の黄色なのです。

こんな風にばっちり当てはめる使い方ではないのですが、この基本6色の図を見ながら考える案としては大いに利用できます。

ちなみに、実際この上下のコーデを着用した時は、赤のパンプスをはきました。

どちらかというと際立つ感じに「補色」的な選択をしたのです。

あとがき

この単純な6色の配置は今後も不動。

位置が移動するといったことはなく、「類似色」「補色」の関係は永遠のものだということです。

ファッションは流行などで移りゆくものです。

「流行」に流され過ぎると洋服に対して多く消費してしまいます。

流行に対してはどちらかというと「気にしない派」として古着を好んでいます。

ただ、昔のお洋服を着る文化自体も1つの「大きな流行」である現在。

元の色の構造に立ち戻った見方はある意味理にかない、色相環図は役に立つものだと思います。

これまでのように、雑誌が「今年はベージュ」などと大きく謳うことにあまり大きな反応をすることも無くなりました。

今後はますます個々の表現の実現としてお洋服の「装い方」が良き証となり、「特有のコーデ」が素敵であるという考え方がもっと広まると見ています。

その難易度高めのことに対して助けてくれる「カラーの定義」は知っている方が有利ではないかと思うのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク