高級生地はむしろ共布ひもで、既製品の江戸打ち紐よりも原価が下がるミニ巾着袋【66】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

はぎれシリーズという企画を現在しています。

高級生地のはぎれを有効活用しようと、小さなサイズの袋物やポーチを連続製作中です。

このたび、フランス製の形状記憶のぼかしプリント素材が結構多めに余っていましたので、これを材料にミニ巾着袋を作って行きます。

はぎれの余り具合としては、なかなかの分量でしたこともあり、エコノミーに共布巾着ひもで行きたいと思います。

一重仕立てで、1面パーツは、サイズが縦30cmx横25cm程です。

決して大きいわけではないですが、はぎれにしては余った方です。それを使い切りたいと思います。

最初に地縫い後2枚をまとめて三つ折りする始末の仕方

詳しくは後で貼りますYOUTUBE動画でご視聴いただこうかと思いますが、今回の作り方の特徴は、最初に地縫いをしてからその後で三つ折りして縫い代を隠す作業をする点です。

まず、上から10cmの地点からのスタートで、両サイドを縫い代2.25cmで一番下までストレートに縫います。
この2.25cmというのは、この後の、三つ折り7.5mmx2回分です。
次に、アイロンで7.5mmずつおり一番上から一番下までまとめて三つ折りし、
今度は上から10cm分のみを端から1-2mmあたりを縫います。
そして10cm地点に来たらミシンをLの字にサイド側へ向きを変え返し縫いで終わります。
右はL字、左は逆L字です。これを前後とも全部で合計4箇所同じことをします。
そして、次に、先程一番最初に地縫いを2.25cmのところにした両サイドの三つ折りを前後とも
1-2mmあたりをずっと一番下の底の先端までストレートにミシンをかけます。
その後、底部分をまとめて三つ折り7.5mmずつして縫い代を隠します。
そうすると先程の、上から10cmの分がサイドよりも余分に飛び出しますので、
再び内側へ7.5mm分折り込み、折ってひも通しのホールを作ります。
そうすることでサイド部分がこの写真のように、縫い目が1つも出ないという出来上がりになります。

少し、説明不足かもしれません。

内側からその作りが見れますのでどうぞ↓。

巾着紐ホールの作り:三つ折りを生地だけで全体にやって置いてから、
巾着ひもホールを上から10cmの分量をとって作りました。

今回は、一重仕立てなので、巾着紐ホールx2倍くらいの10cmをとりましたが、裏地付きの二重仕立ての場合は、ひっくり返し関係で、1cm縫い代をとっても、上から5cmだけ見れば良い点が変わってきます。

そういった意味で、意外なのですが、裏地付きの方が縦の長さを要しないということですね。

これは一見気づきにくいことです。

なので、残布が結構ある場合は、他の生地とのコンビで裏地付きを作った方が価値が出ると思います。

一重仕立てより裏つ付きの二重仕立ての方が綺麗で高級感があることは間違いないです。

完成:ころんとした巾着袋の完成です。
<サイズ>縦14cmx横14/25cmxマチ10cm。

あとがき

コロンとした様相の巾着袋が出来上がりました。マチが10cmもありますが、こんな巾着袋もあっても良いかと思います。

立体的なものや、小さいものにはなりますが箱そのものが入りそうです。

形状記憶生地であることも相まって巾着ひもが丈夫く出来上がりました。

共布紐もいろんな仕立て方があると思いますが、四つ折り観音開きにして、ボックス状に端っこすべてにステッチを入れました。

発展バージョンとしましては、更に真ん中に、もう1本ステッチを入れたりすることでもっと強固な紐になっていきます。

はぎれで作るミニサイズなので接着芯をこの度は貼っておらず、生地も一重仕立てですが、裏地付きで作る場合は、接着芯を貼って作業すると、さらに価値が高まるお品になると思います。

巾着袋は今後も作って行きたいですし、バッグの内側に機能パーツとして設置することもできます。

このたびの製作は、付加価値がどんな点で付いていくのかなどを確かめるなど、学びある製作でした(^-^)。

捨てずに使い方を変えてみる、過去の製作品のビッグバッグを解体した新たな花柄ランチバッグ製作【63】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回ははぎれシリーズの一環としてお作りしましたお弁当バッグです。

お弁当もスリムな感じのマチ7.5cm程度のものにはなりますが、花柄がエレガントでお昼時に心躍る気分になれば♪と作ってみました。

ビッグな洋服収納バッグとしての役割を終えた花柄バッグの別の活かし方

今回の生地はUSEDとなります。

一度大きな買い物バッグにして使ってきましたので、過去に作ったものをリメイクして作り直すようなスタイルです。

USEDといってもどこかが傷んでいる様子もなく、綺麗なものです。

5年以上前の作品を解体したので、当時に生地情報をひかえておらず予想となります<m(__)m>。

情報がなくて、予想になってしまうのですが、オックスフォード織かと思います。
キャンパス地ほどは分厚くないです。おそらく綿/100%、日本製だと思われます。
型紙は、レジ袋風な大きなパーツとタブのみです。2枚ずつ一重仕立てで仕上げます。
タブは2枚重ねして、ひっくり返して作ります。
カーブの部分のみにバイヤスの伸び止めテープを貼ります。
取っ手の一番上以外の縫い代すべてを7.5mm巾で三つ折りします。
印付けは、1.5cmの箇所に付けると、最初の折り目が分かりやすいです。
その次に折るのは1回目に折った分量と同じ分折るという目安ができるので、
7.5mmx3=2.25cmの箇所に印するよりも1.5cmの箇所に印した方が
折る分量が分かりやすいかと考えました。
タブの1枚のみにマジックテープのオスを縫い付けておきます。
一番難関と思われる箇所のあるUの字がある内側部分の三つ折りステッチからスタートしました。
カーブの三つ折りは難関といえますが、コツもあると思います。
このように右手でカーブを作った体勢でミシンをかけていくと割とスムーズです。
右手で布をひねるということです。
カーブはほんの少しの部分だけですので、あとはプレーンなまっすぐ縫いにすぐ戻ります。
サイドと底も2枚ともそれぞれ縫っていきます。
まだこの時点では縫い代のみの処理となりますので、パーツは分かれたままです。
ここで、いったんタブに戻ります。
先ほど取り付けたマジックテープのオスを片面に縫い付けてある状態のタブを2枚縫い合わせます。
縫い代1.5cmで、待ち針をしっかり細かく留めて、カーブを綺麗に出します。
後になってこの1.5cmという縫い代は1cmへ変えています(ひっくり返しのパーツは1cmの方が綺麗)。
そして、カーブをハサミで細かくカットすることもひっくり返し後のラインが綺麗に出る工夫です。
ひっくり返して、空き口を綴じるのも兼ねてぐるり1周端から2mmほどをステッチします。
タブに縫い付けたミシン目と本体を三つ折りしたミシン目がつながるような位置を縫います。
次に、反対側が7mm程度ぴらぴらしているので、内側面のに端2mm程度を縫います。
これでタブが2重に固定されて取り付けられました。
この後に反対側の本体のUの字の真ん中の上の方にマジックテープのメスも縫い付けました。
ここでネームを縫い付け。
ネームは色が違うのでネーム用の薄ブルーの糸に交換します。
少し見にくいですが、縫い代がまだ見えたままの取っ手のトップを2.5cmほどの縫い代で中表で縫います。
そして割って端を内側に半分折り込んで隠し、端2mm程度を両サイドともステッチします。
これで縫い代が隠れました。表からは、ステッチの線が平行して2本見えることになります。
そしていよいよ、本体を縫うのですが、縫う位置は、中表に重ね合わせた2枚の三つ折り線の溝。
そうすると、そのステッチ自体も表から見えませんし、三つ折りのステッチも隠れて表からは見えません。
サイドからそのまま引き続いて底に行って別のサイドに一気にいくコい字の流れで一気にステッチ。
このあと、アイロンでサイドと底を割ります。
アイロンでサイドと底を割ってある状態でマチを作ります。
7.5cm幅のマチがこのサイズにはバランスが良いようでした。
マチが両サイド縫えたら、マチの縫い線で底側に倒します。
そして、底部分のわずかな縫い代の先端の方と、マチの先端の方とを数度返し縫いをして固定。
これは綴じる作業をしていることになりまして、反対側も同じように行います。
縫い代は2サイドありますけれど、どちらか片方だけ綴じれば十分。
くれぐれも本体を縫ってしまわぬよう、あくまでも、縫い代同士の一部のみを縫い付けるという作業です。
このように両方ともとじることができたら完成です。
底板は無しなので、底側にマチを倒して分厚くしたのですが、
サイド側にマチを倒しても表側からの見かけは変わりません。

完成したバッグに見る一繋ぎの素敵さ

では、完成した状態をご覧くださいませ。

出来上がりです。取っ手は、二つ折りにせず、あいまいにしてあります。

今回は、小さいですが、この取っ手が本体に繋がったデザインの素敵さを感じます。

花柄が途切れないという点で、柄物にこの一繋ぎが相性が良いとも言えます。

もっと大きな容量のバッグに活かすことも出来そうですね。

今回、お弁当と言っても、あまりボリュームあるものは入らず、おにぎりとか小さめのボックスである必要があるなど限定的ですが、こういった様相のご参考にはなったかと(^_^;)。

あとがき

今回のような取っ手も一繋ぎのデザインは、力のかかり方が割と良いと思います。

取っ手を別で取り付ける場合、その取り付けの部分が重点的に引っ張られて傷んだり破れたりもあり得ます。

なので、取っ手取り付けにはそのデザインなりの工夫が必要であるわけです。

今回のような一繋ぎの場合は、取っ手が底部分をグーっと持ち上げていますので、レジ袋のようなサイズでもシンプルにかつ丈夫く出来上がるかなあと思うのです。

ただ、本格的な旅行バッグなどは、取っ手の中にも更に上部で強固にする芯地を入れ込みますので、一繋ぎタイプのデザインは適していないということでしょうね。

いろんなタイプのバッグを使い分けるという意味では、今回のようなデザインが複数の中の1つとして使い道があるという発見でした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

新たな付加価値生まれるか!?高級はぎれで作る美しいポーチ【59】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、最近集まってきましたはぎれの行方です。

はぎれも余り方によってはとてももったいなく、そのままにしておくのは惜しいはぎれも多々あります。

そこで、今後の企画が思いつきました。

年末あたりをきっかけに、ポーチ市をWEB上で開催したいです。

特殊な形のポーチばかりを集めて、ピンポイントな使い道をあえてタイトルに謳う...そんなことをやってみたいと思います。それには、少しずつ作り始めねばなりません。

その第一弾として、1つポーチができました。

もったいない面積で余ったはぎれの有効活用例

今回は、黒地にブロンズの薔薇柄のジャガード生地で、単行本が入るポーチを作ってみました。

生地自体が比較的厚手なので、とりあえず手短かに一重仕立てだけで作ってみました。

一重仕立てなので、とにかく三つ折りで隅っこの縫い代を隠します。
まずは縫い代をすべて隠したうえで組み立てて、端っこを重ねてステッチして出来上がりました。
マジックテープを付けて使いやすくしました。これも1つの立派な付加価値です。
フラップを外側に縫い付けました。
外側に取り付ける方が包み込むような構造に出来上がりますのでお勧めです。

後から思うのは、はぎれでも、裏地を用意してきちんとしたものを作ることです。

はぎれだから。。。という固定観念がお品のレベルをコントロールしてしまいます。

せっかくの高級生地。製作には変わりがありません。

こうした小物作りでは、小さいアイテムなのに、よくできた作りを目指していきます。

あとがき

今回の生地はイタリア製の高級な生地です。

高級と言うとどの価格の範囲内?と思われるかもしれません。

1m当たりの単価が¥3,000-¥7,000周辺で立派な高級生地だと思います。

今回の生地がこのレベルに当たります。

あまりにも高級過ぎる¥10,000/mなどのお品は、確かに素敵ですが、じゃあそれほど違いがあるかというと、レア度や産地品であるとかそんな要素もお値段に組み込まれていると感じています。

そうしますと、製作者としては、材料自体のレベルも見ていくことで、そこまでのコストをかけずしても十分であったりもします。

その後のデザインなどの工夫で材料以上の効果が価値になっていくのかを考えることが、それこそがハンドメイド製作だと思うのです。

今回の高級生地は、最高級品も交えた中では中級だと思われます。

では¥1,000/m以下の生地が悪いお品なのでしょうか。

いえいえ、そんなことはないです。たとえ¥100/mの格安生地でも、その良さが一定レベルあれば良いお品は作れると思っています。

また、この安い生地でいかに良いお品を作って行くかということのお話を別の機会にとことんさせていただきたいと思っています。

「生地頼みの製作」というクセはアイデアがあまり詰まっていなくて、よくないと思っています。

生地の良さを判断して、更に、製作者としての力量を加えて付加価値を出していくものでありたいと思っています。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

あらかじめ「中表」に完成のプレート2枚を「外表」で縫い合わせた分かりやすい構造の薔薇柄のペンケース【11】

アイキャッチ画像:完成したペンシルポーチの正面と実際のペンシル収納場面

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

高級なお洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。

そういった製作スタイルこそが、贅沢品・高級品の証であったこれまで。

贅沢品は極端な姿ですが、そもそも「裁断」という作業が入る縫製では、どれも材料の生地の多くがもったいない余り方をしている現実があると思うのです。

このたびは、もったいなく余った面積のはぎれの活かし方例としまして、表地も裏地も同じ生地を使用しながらペンケースの製作風景をご紹介したいと思います。

量産品で作られる「中表袋」を作るやり方とは全く違う、板状のパーツの合体の手法が斬新だと感じていただけるのではないかと思います。

はぎれからも立派な小物が製作できる可能性、「中表」のパーツを引き続き「外表」で組み立てるペンケースで証明

このたび利用させていただきました薔薇柄の場合は、ある一定のまとまり(「ピッチ」と呼びます)でひたすら繰り返されています。

「一番大きな薔薇の花が2個隣り合わせの部分」が1枚のはぎれの中で2回登場していますので、まずは半分ずつに分けられると考えました。

ダークなカーキグリーンベースの薔薇柄:縦37cmx横22cm。【10】の投稿のクッションカバー作りの残布。

この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が無いようにプリントされていますので、向きは気にしなくて良いということになります。

カットする前の1繋ぎの状態で接着芯を粗裁ちします。
粗裁ちした接着芯の余分をカット、アイロンで貼り、4等分にカット。ものさしを使わず折り線で気軽に続行。
縦37cmx横22cmを4パーツに切り分け。表地2枚と裏地2枚。真ん中2枚が華やかなので表地へ。

さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました↓。

ボンドでハード薄芯を貼り、端から1.5cmに印を付けます。後の反省としては縫い代は1cmで十分であること。

上側の口を開けておいて、コの字型に縫い、アイロンで割って、ひっくり返します。

ファスナーの先端には別布の切れ端(ぼやけた花柄)を見つけ、上下左右を折り込みカバーを縫い付けました。
ファスナーに本体の左右を取り付けていきました。この姿は、正に「外表」の仕立て方です。
「外表」組み立て式の作り方ではファスナーはむき出し。内側にファスナーが丸見えですので綺麗に始末します。

最後に表側から本体2パーツの縁2mm程度をピッタリ縫い合わせまして、2度縫いで強固に仕上げます。

完成したペンケース。<サイズ>縦6cmx横19cmxマチ無し。
お気に入りの「パーカー」社のボールペン。お好みで側面の色が多色展開のすべては黒インクのモデル。
ボールペン4本の他シャープペン4本も投入。合計8本入れることができたのは、マチ無しでもなかなかの容量です。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.16からおよそ6年後の2025.01.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

6年前の当時の作りを見て思うことは、まだまだ美しく作る技術が未熟であったと感じます。

すべてが粗野であり、革ひも先が結んだだけの粗さ・二重線の重なりの曖昧さ・重なりのずれ・ファスナーがむき出しにもかかわらず縫い付けが1本のみであるなど、課題の多い出来上がり。

これらは、その後の「外表組み立て式」を作る中で美しく見える工夫をしていく試行錯誤に繋がりました。

それでもそれなりにすっきりと出来上がったことは、こうした作り方も1つのアイデアなのではないかという点です。

その後に製作した様々な作りのペンシルポーチ:一番上から時計回りに「中表袋型」「外表半月型」「外表水平型」。

こうして、その後にも大いに活躍したのが、このたびの作り方と同じ「外表」のスタイルです。

新しい可能性として、一度引用してみてくださいませ、大きいバッグでは、より立体的な「バニティ」や「ボストン」にも挑戦しやすい作り方だと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク