さすがにこれは量産品では見かけないし価格も付かないであろう、ハンドメイドで必要な数だけ作る布製のコスメ筆キャップは贈答品向き【1296】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去に、はぎれを使ってコスメケースのセットを考案してきました。

ファンデーションケース・シャドウケース・ペンシルケースと。

その中でペンシルケースに関しては、いったん一部屋ずつの差し込み式のタイプを作りましたが、実際に使ってみると不満も出てくるものです。

マジックテープが留め具。この留め具を外すと。。↓
ドドンッ♪、ペンシルのお部屋の仕切りのあるタイプでした。

きちんとは作ったのですが、いちいち差し込む作業や抜き出す作業すら手間だという考え方もあるのです。

このしっかりと場所が決まっている良さもありますので好みの違いになると思うのですが、同時にまとめて入れるタイプのペンシルポーチも作ってみることに致しました。

1部屋にランダムに複数を入れるタイプのコスメペンシルケース、裏地が粉で汚れないための筆キャップを2本分作ってみた

ラインが失敗のペンシルポーチ:<サイズ>縦7cmx横20cmxマチ無し。後にちゃんとしたものに作り直し。

横のサイズは既製品の「YKK」様のファスナーに合わせました。

どうでしょう、このいびつなライン、非常に残念です。

ニットが伸びて少し変形気味であることや逆に引っ込んでしまって飛び出していない角などの影響で美しいカーブが出ていませんでした。

とにかく変な形になってしまいましたのですが、元の型紙を見たら驚かれると思います↓。

この型紙が、まさかの上のようないびつな形に出来上がってしまったのです。

よって、ひっくり返しをやめ、外表製作によって、後日成功しています↓。

成功した方:細かいことを言えば改良点はありますが、まずまずです。半月型がなんとか現れました。

さて、次にペンシルの汚れ対策です。

「シャドウチップ」が2種類あるので、2個キャップを作っていき、汚れ対策をしました↓。

シャドウチップやブラシ用のキャップ:<サイズ>縦5.5cmx横3.5cmxマチ無し。

やや横幅がダブついているように見えますが、実際に狭過ぎるとブラシ先を傷めますので、これくらいが程良いみたいです。

さすがに、ここまでの細かい物は量産品では見つけることが難しいと思います。

ハンドメイドならではのニッチな分野だと見ています。

キャップの型紙:とても単純な型紙です。縦の長さはもう少し長くても良いかもしれません。
完成した2個のペンシルキャップ:チップが見えているのは両サイドタイプだからです。こちら側にも必要ですね。

あとがき

こうした細かいキャップのようなものは、ハンドメイド品の出番はあるものの、とは言え、お値段はなかなか付け難いものです。

しかし、せっかくのアイデアはアウトプットしたいではないですか。

そこで1つの案は、無料で何かに添えて配ることです。

その時に、キャップだけではダメ、シャドウチップならそれほど経費がかかりませんから、すぐ使える状態にセットして贈呈するのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

電話中のポーズを客観的に見た印象はピラピラカバー付きよりもスマホのみが断然素敵、収納はトレイにもなるふんわりキルティングポーチ【1229】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1人1台のスマホライフ。

今後はどう進化していくのか興味があるところですが、まだしばらくは、このサイズのポータブルな機械を誰もがバッグの中にしのばせたスタイルが継続する様子。

そうした中で、スマホ専用に作られたカバーがあまりかっこよくないという印象を切り口にこのたびの行動が起こりました。

街角で見かけた電話中のどこかの社長様だと思うのですが、せっかく本革レザーの高級なカバーなのに、電話の際のお顔の振動と共に折りたたみ式の片方がピラピラと揺れていました。

この社長様、果たしてカッコイイのでしょうか。

スマホを持った一番最初の2018年3月(随分遅いデビューでした)では、開くタイプの折りたたみ式のカバーではなく、プラスチックをはめ込む形でのカバーを選択。

しかし、スマホの機種の色とマッチせず変な感じのまま腑に落ちることがありませんでした。

そして、その後カバー無しでブランドサングラスケースの巾着袋へ入れる形で持ち歩くようになります。

ただ、その使い方も一時しのぎで、厚みで覆われた安心するケースではなかったのでした。

このたびは、はぎれで作ったキルティング付きでクッション性を高めたスマホ専用のキルティングポーチをご紹介したいと思います。

カバーが無い不安をふんわりとした厚みが守ってくれる、すっきりとしたスタイルのポーチになります。

型紙としてはたった2枚、一切の余分を排除し、ただスタイリッシュにスマホを収納できることだけを目標にした横長ポーチはトレイにもなった

型紙:左は本体20cm四方。表地・裏地・接着芯・ソフト厚芯各1枚ずつ。右はフラップ。10cmx12.5cm。
表地1枚・裏地1枚・接着芯2枚・ソフト厚芯2枚。

カーブは、半径5cmの円の一部の美しさを利用します。

本体は「わ」ですので、柄物の向きには気を付けていただきたいです。

ダイヤキルトは、3cm四方。角から直角二等辺三角形からのバイヤス方向へ3cm幅でひたすら縦線を引いていきます。

ソフト厚芯にボールペンでしっかり実践を引いてその上を正確にステッチすることが美しい均一なダイヤキルトの秘訣です。

ここ最近バッグにダイヤキルトを取り入れていますので、ますます手間がかかるようになりましたが、その分高級感と価値が高まっています。

フラップは、表地と裏地の間に1.5cm入れ込む形を選択しました。

フラップ取り付けの難しさ:間にフラップが入るので、ステッチの位置が内側と外側で対象の位置の確認が困難。
背の部分は一度ずれて、やり直しての完成でした。こういった部分も二度縫いして丈夫に作りました。

幾度かこういった小さい物へのフラップの取り付けを挟み込み式で作ってまいりましたが、表面と裏面が同時に見えない遮りが入ることで、難関となります。

マジックテープがやはり気軽に使えそうです。素朴なデザインに対して、フラップのカーブは象徴的なデザイン。
スマホ入れは、どう考えても入り口が広い横向きが良いと考えます。
こんなサイズ感です。余計な隙間は中身が動いてしまうので、ケース的なピッタリ感は重要です。
眼鏡ケースみたいですが、こういったスマホケースはほとんど見かけません。だからこそのハンドメイドの価値。

あとがき

忙しく電話をかけるということもあると、こうしたポーチはかえって取り出しやすいです。

また、かかってきた電話を受ける時も蓋を閉じた上に置いているということをして待機の時間帯にも有効です。

つまり、トレイになるということなのです(^-^)。

生地の原産国も分からない情報の無いはぎれに情熱を込めて作った麻のワンショルダーバッグ、高級生地だけに依存した製作を越えていきたい【1221】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの投稿は【1219】の続きになります。

【1219】では、生地屋様の「ワゴンの中のはぎれ」の中で同時に見つけた表地と裏地コンビで、生地代¥150(¥90+¥60)で完成したワンショルダーバッグが完成。

最後に原価表もご提示したいと思いますので、あっ!と驚かれることと思います、楽しみに読み進めていただければと思います。

見かけはスタイリッシュで素敵だが、ワンショルダーバッグがこの横幅で良いのかという見直しが必要、縦長の方が背負う時にずれにくい

「ワンショルダーバッグ」:<サイズ>縦29cmx横34/49cmxマチ15cm。表地麻/100%、裏地綿/100%。

中には、中綿がふんわり袋に入れてありますが、ピンタックがきちんとした感じを表現してくれてスタイリッシュに出来上がりました。

ところで、この巾は古物で拝見するワンショルダーなどに見られるほとんどのこういったタイプよりももっと広いものになっています。

現代では、長財布が多いので、横幅も必要ですが、実際にアシンメトリーに背負う場面でこのように幅広でも良いのかを完成後に反省。

古物市場で見つかる多くのワンショルダーバッグは、底が円になった筒形です。

というのも、背負う時に多少コロコロと動いても、肩に平均的に安定することが均一なカーブである円の周囲のラインであると説いたフォルムであるからだと言えます。

この製作は、主に裏面(ポケットと反対側の面)を右肩、もしくは、左肩に乗せる時に接する面である設定をイメージしています。

筒形のようにコロコロとは動かない定位置の固定のイメージ、トートバッグを肩にかけた時に似た感触になるかと思います。

ただ、今後は細長に見直す必要性を感じずにはいられません。

フラップポケット(表):横は、スマホも横向きに入る18cm。こちらが正面であるというトレードマークに。

↑このように外面には、アクセントのようにフラップポケットを付けましたが、内側にももう1つポケットを付けました。

デザインが違う「隠しポケット」です↓。

片玉縁風ポケット:裏地は生地名不明(ガーゼ)、綿/100%、原産国不明。ポケット自体は、表地の麻/100%。

裏地の原色カラーとのコントラストが素敵に出ています。

周りの幾何柄の四角いイメージの中には、この型玉縁風は相性が良いポケットの形です。

ポケットは、柄の流れを遮る存在、その際に同じ生地ではなく別生地で設置する効果があるのです。

隠しポケットの内側の様子。こちらも深さがたっぷりのポケットにすることができました。

ワゴンのはぎれであったのにかなり有効に使えたと思います。

巾着紐の入り口周辺はセキュリティー性が気になるところ。レンズストッパーの役割が安心感とデザイン性に。
レンズストッパー:結構硬めに作ることがポイントですので、接着芯に加えて、ハード薄芯を内蔵して作ります。

<型紙メモ>ひも:巾5cmの型紙を観音開き折りで1.2cm仕上がり。レンズストッパーの型紙:縦10cmx横11.5cm。

レンズストッパーの穴の横幅は、ゆる過ぎてもその機能を果たせませんし、きつ過ぎても生地に接触し過ぎて生地を傷めます。

適度なスムーズさや遊び空間が必要なので、サイズ感の調整を研究したのが上に表示の<型紙メモ>です。

お得な¥150の生地をフルに使った生地原価を含む全体の原価計算の値は¥321、安い原価だからこそ高級生地に依存した製作を越えた価値を付けていく

今回、生地代がものすごくお得なコスパの良い原価になりました。

はぎれならではの原価です。

しかし、はぎれだからと手を抜かずに真剣に熱を込めて良い機能を追加してこのバッグが出来上がりました。

生地は一番に原価に影響する材料です。はぎれはその点を大きくクリアしていくのです。

このように¥321とかなり安い原価で出来上がったバッグにはその値段だけの価値しかないのか。

違うのです。

もともとの材料の積み算でしかない原価から生まれた販売価格決め、原価x何%などと機械的にはじくものではないと考えます。

その後の製作で生み出した気の利いた機能などが高い付加価値になっていくことこそがハンドメイド製作の醍醐味です。

量産品では手を抜かれる部分こそ入念に丁寧に作って行くという「巷にたくさん出回っているお品と反対の事をしていく」と差別化が実現できると思います。

あとがき

はぎれはあまり面積が大きくはないですが、だからこそ余分がすでにそぎ落とされていると考えれば、ぎりぎりでも、はぎれに合わせたサイズを決めていくという製作ができます。

時には、はぎれ同士をハギ合わせて面積を広くしていくデザインを兼ねた手法なども駆使して容量が大きなお品物を作ると良いです。

小物はあまり受け入れられにくい、どちらかというと大きく使えるバッグが受け入れられやすいと感じます。

小物は多くの方が作るので競争率が激しく、目立たないということもあるのかもしれません。

大きなサイズのバッグはあまり作られませんから、レアなので存在感がかえって生まれるのです。

こうして限られた分量で作ることで、むやみにハギ合わせをすることのデザインの無意味さが分かります。

はぎれでの製作に学ぶことは多いです。

物がありふれてたくさんの分量の生地ではぼやけて見えなかったことも、限りあるはぎれだからこそ現れることも多いのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

生地屋様のワゴンの中で見つけた麻の¥90とマルチ幾何柄の¥60のはぎれ、これらのお得な価格の生地を最大限に素敵に活かすことに挑戦した【1219】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こんなお話をハンドメイド製作界隈ではよく耳にすることがあります。

「たくさんの生地を購入しておくと、保管だけで製作が追い付かず生地ストックがたまってしまう」などというエピソード。

大いに共感できることであり、かつて2019年頃から力を入れて集めた生地が、その時だけの貴重なものであったという事情もありどんどんたまっていきました。

そして、去年2022年と今年2023年で今までのストックをたくさん製作していき生地在庫をなくしていくということに力を入れました。

せっかく生地ストックをどんどん無くしていっているのに、素敵生地に出会ってしまったある1日がありました。

決して以前と同じことを繰り返さないためにも、購入の時点でイメージをしっかりと打ち立てるということを致しました。

その場で表地と裏地の組み合わせも決めてしまい、すぐにでも製作に取り掛かれるような準備というのも1つの案です。

このたびは、お得に購入することができたせっかくの生地をどんなバッグを製作するイメージで考えたのかというところを綴りたいと思います。

表地と裏地で合計¥150、お得に有難くいただいたからこそ良い物を作るという考え方、ワゴンのはぎれの発見はいつも自ら選ぶ種類と違うというところが新鮮

両方で¥150で購入の生地:内訳は、左の麻のベージュが0.55mで¥90、右のマルチな柄が0.4mで¥60です。

同じはぎれコーナーの中でこの2つの組み合わせのイメージがピンと来たこともあり、その瞬間心が躍りました♪。

左の麻を表地に、右の柄を裏地にバッグを作るイメージがその場で浮かんだのです。

冒頭のエピソードのいつまでも購入生地が何年も残ってしまうということは在庫を生む悪いループの例です。

イメージが曖昧だからこそいつまでも残ってしまったとも言えるからです。

購入時点でイメージがしっかり湧いて、「ピン」と来ているのですから、その時のホットな気持ちの内にすぐに製作に取り掛かるという流れが一番良いと思っております。

いつもは、原産国も入念に情報として入手しますが、はぎれの場合は、原産国は不明。

店員様もそこまで分かりません。

しかしながら、生地名も分からない、原産国も分からないということも変な固定観念が無く見た目でピンと来たことが何よりの確信。

この頃から、原産国に拘り過ぎることをやめていったと思うのです。

そして、その日の内に型紙をササッと作り、裁断、接着芯貼りまで進捗度を上げておきました。

裁断、接着芯貼り済みのパーツ:生地をほぼ使い切りました。

作るアイテムは「ワンショルダーバッグ」です。

巾着型なので、ナップサックにそっくりですが、この裏地の幾何柄のテイストに合うような、角張ったピンタックを入れた巾着型をイメージしています。

ショルダーの長いベルトは、150cm以上必要なので、生地幅が110cm程度では届きません。

よって、真ん中ではぎ目を作り、切替えた2パーツを合体します。

そうしますと、出来上がったショルダーの部分が2種の生地が並行に走るのです。

そして、はぎれなのに随分充実した2個のポケット装着となります。

あとがき

ワゴンの中のはぎれは、普段目の届かない範囲の生地があふれていること。

間違いなくこれまで売り場にはあったもののはずですが、どこか生地を自ら探す場合とルートが違う不思議な感覚があります。

それは、時々はぎれコーナーも覗いてみると新しい発見が必ずあるということです(^-^)。

<パッチワーク企画⑪:最終>小さな集まりが大きな価値を生むことがある、裁断という作業のデメリットのカバーはパッチワークの一番の強味【1209】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年末と2023年初頭をまたいだ<パッチワーク企画>がこのたびをもって終わりました。

4点のナップサックを多種の色や柄のパッチワークシートで作ってまいりました。

1点ずつは過去の投稿でご紹介済ですが、このたびは総まとめとしまして、全部を一望してみます。

そして、これまでやってきたこの活動から、最も重要な学びをお伝えしていく回にしたいと思います。

パッチワークバッグの新しい可能性、「メイン面」はどれも強いアクセント、残りの面は程良き中間的な調整役というバラエティー

では、ここからは、ひたすら同じ角度から見た4点の違いを見てみることにします。

まずは、「メイン面」と決めた、人に見に映りやすい背負った場合の正面の部分からです。

メイン面:それぞれの出来上がりのパッチワークシートの中ではアクセントある強い印象の面を配置しました。
表面で背中に接する部分:左下だけは、こちらをメインでも良かったかも。大半がメインに比べてぼやけます。
内側のポケット面:このポケット面は内側では、背中から遠い方の面にあたります。ポケット自体が差し色です。
サイド面やてっぺん:置いている際などにはこんな風に映りますので、人の目に映ると考えるとこの風景も重要。

ポケット面の写真の中で、1つ吊り下げ式のポケットである右下は、ポケット付け忘れにより考案した後付け可能な「ポーチポケット」になりました。

ミスや失敗からも新たなるデザインが生まれたというユニークエピソード付きです。

困って行きどまりの時に考えた案というのは、後から振り返れば思い出に残るものです。

こういったパッチワークの継ぎ接ぎだらけの状態というのは、強度は強いものではないので、ステッチで固定するなどの工夫が重要です。

その分手間が非常にかかるものになりますが、「必要手間」ということになります。

そんなことから、最初から生地をわざわざ細かく刻んだファッション的な意味でのパッチワークバッグを製作するというのはかえって意味が薄れ、表面的なお品物になってしまいます。

というのも、どうしても余ってしまったという経緯こそが「はぎれ」であり、こうしてたくさんの種類の柄が何年もかけたストックの寄せ集めであるところにこそ価値が出るということだからです。

はぎれの寄せ集めであることで、一度は過去に何かを製作した時の思い出や苦労などのストーリーが集まったものでもありますので製作には余計力が入りました。

最初から細かく刻んでしまった生地というのは、その時点では価値は1枚の面積の広い生地に対しては劣ると考えます。

特に柄の場合は、つながって広々とした面積である方が細かくカットされたぶつ切りよりも美しいに決まっているのです。

むしろ1枚の面積の広い生地にキルトをかけた仕様の方が、「強度を高めるためだ」という意味が入るのです。

ただ、柄がとぎれてしまうことのフォローも、パッチワークの配置を同類を並べることでトライしてみたのがこのたび引用の「連続配置」のやり方。

キルトの方も製作してきたこれまでとの比較で、パッチワークとキルトの違いを実感しました。

見かけは、キルトもパッチワークもステッチがほどこされた点では類似のように見えますが、もう少し奥深い点では別物でした。

あとがき

<パッチワーク企画>ご覧いただきましてありがとうございました。

はぎれという材料で作ったものは、イメージとしてはB級品の扱いを受けることがありました。

しかし、「なぜはぎれが生まれてしまったのか」というところをしっかりと説明できることが、反対にはぎれの価値を生み出すヒントではないでしょうか。

ここにアパレルの奥深さがありまして、「裁断」なくしては美しい立体感が表現できないことがあります。

ですから、はぎれが生まれてしまうことは仕方がないことなのです。

それでも、そのはぎれを有効に使う手段として「パッチワーク」を様々な切り口で美しく仕上げることがこの度のチャレンジでした。

今までパッチワークであまりされていなかったことは何だったのか。。を考えた時に、1つ出した答えは、「ぼやけの解消」でした。

複数の面の中の1面のみを同じ種類で並べたことは、これまであまりパッチワークでは行われていないことだったのです。

まだまだ掘り起こし切れていないパッチワークの価値、製作活動でどうしても余ってしまうはぎれを利用しながら、是非見つけていこうではありませんか(^-^)。

<パッチワーク企画⑩>整然と配列された面を持つベージュ系パッチワーク、軸を失いがちな多種の柄とカラーに特徴を強めた【1208】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、<パッチワーク企画>の最後の4点目の製作が終わりました。

<はぎれ>という分野としては、ここまでの道のりは随分長いものでした。

パッチワークシートを作ると言っても、1点のバッグなので4シートを作るところからのスタートだったから無理もありません。

1枚のシートは縦4列横4列で16パーツで成り立ち、4面必要ですので、全64面のパッチワークで1点のナップサックができているのです。

この次の記事番号【1209】では、4点が勢揃いしそれぞれの違いを見比べながらのの総まとめをアップ致します。

このたびは、最後の4点目の仕上がりをその特徴と共にご覧いただければと思います。

黒が入らない中間色の集まり、パッチワーク64面で出来上がったまるでレンガのおうちのようなベージュ系ナップサック

最初の方の1-2点目で黒ベースを多く使い、残りの3-4点目ではカラーが際立つ出来上がりになりました。

このたびのラストを締めくくりますのは、全体から感じるカラーが「ベージュ系」。

外面はベージュ系で、内側はオレンジやブロンズベース、マルチフラワーも柄がかわいく賑やかです。

一番整った配列の面:<サイズ>縦29cmx横34/47cmxマチ15cmです。この面が1つあることが特徴。

ナップサックは両面自由に背負えますのでこうした整った面も入れていくと、かえってバラエティーに富む使い方ができるのではないかという解釈です。

ややぼやける面ですが、この感じが例えば無地1色のワンピースなどには効果的な装いになることがあるのでは。
片方の側面:4種のパッチワークが混在しています。お花の種類が違うことをカラーの類似でカバーしています。
もう片方の側面:それぞれの角度で表情が違って面白いです。ショルダーの立ち上がりは強靭さの表れです。
底面:可愛らしい小花柄がすっぽりと底面へ隠れてしまいましたが階段やエスカレーターでは人から見られます。
内側:賑やかです。4点目となると残りの生地で組み合わせる難しさがあり、ここに反動が来ているのかも。。
ポケット:こんな風に無地ライクの面の中にポケットを付けることでやや物足りなさをカバーしました。

4点目は製作者も慣れまして、スムーズに進んでいきました。

シートにステッチをするところからのスタートで3日間の完成、1日の作業時間は、だいたい平均3-4時間ずつでした。

とにかく、パッチワークシートを作る前の段階の方が日数を要します。

考えてみれば、あのはぎれの山がこのように、4点目の最後の終了をもってすっきりしたことが感無量なのでした。

あとがき

生地の厚手、薄手が混在するパッチワークの寄せ集めの場合に、注意したいこと、あまりにも薄手の生地には、もう1枚接着芯を余分に貼り他のパーツと厚みを調整することです。

そのタイミングは、シートになって、表側からステッチで固定していく際に行うのが望ましいと思います。

そうすることで、ハギ目の両割れが綺麗に寝ますのでステッチ自体も綺麗に乗るのだと実感しています。

そういった対策をしないと、皺が薄手の生地に寄り集まり、ラインがゆがむことがあり綺麗ではありませんでした。

パッチワークにありがちな厚みの差はこうして埋めていくと良いのではないかという1つのメソッドです。

では、次回【1209】が<パッチワークシリーズ⑪:最終>で、4点同時に登場し見比べますので、是非ご訪問下されば光栄でございます(^-^)。

手持ちの残布だけで作る限られた長さの生地で長いベルトを作るヒントにどうぞ、2枚ハギの別生地2色で作った共布ひものつなぎ方【1207】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、<パッチワーク企画>という多数のパッチワークパネルで表地も裏地も製作するナップサックを製作中です。

その中で1つご紹介したいスポットがございまして、2枚ハギの共布巾着ひも作りの場面です。

今までは、生地幅一続きを裁断する手段しか考えておらず、150cm強の出来上がりに対して、選ぶ生地に「幅広生地の中から選ぶ」という条件がありました。

しかし、150cm以上もの広い巾の生地は正直レア、なかなか見つかりません。

かといって縦で裁断すると生地のロスが多く、コスパが悪くなるのです。

よって、横向き裁断のままで、1パーツを生地幅すべてに対応する長さ80cm程度にし、2枚ハギを繋げるやり方を考えました。

近いカラー2色コンビの2枚ハギで1本につないだ長いベルト、ナップサック全体には程好く馴染むバイカラーデザインパーツとして成り立った

左の生地は、麻/55%、ポリエステル/45%。右の生地は、ナイロン/100%。土色と砂色のコンビで接結完了。

この2色は比較的色が類似なので、バイカラーといえども馴染むようにバッグ全体に配置できます。

気になる真ん中のハギ目の位置につきましては、実際にホールに通すと内側に隠れますので、目に映らない位置に配置されるという偶然にも恵まれるのです。

ショルダー2本分:バイカラーながらなじむ映りです。3本ステッチが美しいのですが、その後4本ステッチへ発展。

もとは、5cm巾の80cm(縫い代込み)の型紙を1cmの縫い代で合体して、ハギ目で▲1cmx2箇所、端同士の縫い代▲1cmx2箇所の合計▲4cmが差し引かれて、160cm-4cm=156cm。

約155cm程の出来上がりの長さで、Dカンに設置時に「わ」になる部分が5cm持っていかれることで▲5cmという差引により、結果出来上がりが150cmのショルダーに出来上がるのです。

こうした安定的に常に150cmで徹底できるのも、2枚ハギにしているからこそ。

内側に接着芯をフルに貼り、観音開きで4枚が重なり丈夫になっていきます。

そして、更にステッチが内部に縫い付けられて、ハギ目の両端にもステッチを走らせてみました。

ここまで徹底した作りのショルダーが丈夫でないわけがありません。

出来上がり巾が、1.2cm程の華奢なタイプながら、十分な強靭さを追求したショルダーとなりました。

あとがき

今回のショルダー/巾着ひもは、<パッチワーク企画>最後の4点目(記事番号はすぐ次の【1208】に取り付けるものになります。

もう間もなく4点目のナップサックも完成し、パッチワーク企画が終了となります。

<パッチワークシリーズ>の最終で今まで全4点を同時に比べる投稿(記事番号はさらにその次の【1209】)を致します。

このたびのエコロジーな砂色や土色のショルダーがナップサックの完成品の中でどんな存在になっていくのかもお楽しみにどうぞ(^-^)。

<パッチワーク企画⑨>はぎれの中でもカラーの特徴を集めその他の同じモデルとの差別化、パープル系マルチカラーが集まったナップサック【1205】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年から年をまたいで2023年初頭も引き続き製作しています、<パッチワーク企画>のナップサック。

このたび、全4点中の3点目が完成しました。

1-2点目は、黒ベースのものでしたが、その後だんだんとカラーが入ってきました。

このたびも黒ベースの生地が裏地に一部ありますが、全体としては1つの特化したカラーのテイストに出来上がりました。

では、見る角度によるパッチワークの面の出方の違いをお楽しみいただければと思います。

角度によって少しずつ違う表情が退屈しない楽しさでもある、総合的にはパープル系のナップサックが明るいイメージで完成した

正面:<出来上がりサイズ>縦29cmx横34/47cmxマチ15cm。こちらがメインの正面(背中面)に決定。
背面:背中とくっつく面です。少し色がぼやけるので、メインは上の写真の方にしましたが、また別の表情です。
底面:複数の柄が密集部分。この面も階段やエスカレーターの上り下りの際には視線を集めることがあります。
右サイド:柄と無地がはっきりと分かれていてすっきりしています。
左サイド:「パープル系なのである」という主張がある側面。

全体としては、パープル系で出来上がったこちらのナップサックは、「青味の色」を意識して表地に集めたことで実現。

パッチワークにありがちな「基軸カラーの無さ」の解消です。

そして、巾着紐もご注目いただきたいのです。

2色使いになっているのは、グレーの方が生地が不足していて、やむなくモカグレーのような色も挟み込んだという理由からです。

その結果面白いバイカラーの巾着紐が出来上がっということです。

それぞれの生地の厚みが違ったので、両方に均等にするには1本の巾着紐の中で、バイカラーになるようにハギ目を作ったやり方を選択。

同じ色でそろえて作ると左右のショルダーがくっきり2色に分かれますが、そうはしなかったというところは、都度の判断の結果なのです。

では、裏面を見てみます。

まず、ひっくり返して、じっくりと両面をご覧いただきます。

裏面-背中に接しない方:上の方は黒ベース、下の方のピンク無地は、上の柄の中のお花の色にリンク。
裏面-背中と接する方:上の方は黒ベースの原色カラー柄。下の方は、葉っぱにリンクしたグリーン系が集結。

では、実際にバッグをオープンした時の風景をご紹介したいと思います。

上:背中から離れた方の面/下:背中に接する方の面。マルチカラーが均等にちりばめられた様子。
上:背中に接する方の面/下:背中から離れた方の面。上と別の方向から見てみました。

内側は、結構賑やかです。

1つのナップサックで各箇所に様々な表情があるのです。

あとがき

4点製作の後半の3点目でこのようにカラーの展開が豊富に出てきました。

次回の最終はまた違う種類のカラーの展開になります。

ここで登場生地の黒ベースの存在が終了になりますので、最後の4点目がいかに違った感じになるかもお楽しみにどうぞ。

いたって作りはシンプルなのに、パッチワークが集まったことでうまく全体を調和してくれる良さが生まれています。

このパーツの並べ方には賛否あるかもしれませんが、その時の精一杯のイメージを確かめながらこのように配置したものなのです(^-^)。

古着物市場の中で出会えた和と洋の狭間テイスト、わずかなはぎれでもイメージできるいにしえの文化の大陸の横断の証【1193】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

着物のリメイクの商業利用は可能なのか。。

ガチガチの著作権に沿った考え方をすると、着物だってノーブランドではあるものの、柄の考案の著作権は「自明のもの」とされていますので、厳密には著作者の存在が必ずあるはずです。

ただ、着物は古いものであることと著作権の所在がきちんと証明できかねることもあり古い着物で製作した洋服や小物の二次的な物品は所謂「グレーゾーン」のようだとお見受けします。

このたび個人使いながら素敵な生地だけをご紹介致します。

実際には小物を製作しましたが、元の生地のみ写しました。

生地だけでもかなり素敵ですので、夢膨らむ瞬間があるかと思います。

和と洋の中間的な花柄の魅力と親しみやすさ、コテコテの和柄よりも似合うシーンのイメージが湧きやすい所が優れた点

生地(正絹):白ベースが爽やか。ピンクと赤の中間的な花、グリーンとグレーの中間的な葉っぱも素敵。

着物の反物は、幅が狭くだいたい38cm辺りですので、通常の一般的な生地の巾の110cmなどに比べると1/3くらいしか幅がありません。

よって着物の反物のはぎれで作れるアイテムは必然的に小物になることが多いです。

大きなアイテムを作るとすれば、ハギ合わせが必要になり、パッチワークや切替えが主なアイデアとなるでしょう。

長さは1m程あるこのはぎれ生地。

まずは、一生物くらいのものを何か作ろうと考案します。

1点巾着袋を別生地と組み合わせて裏地付きで作り、それでも余ったのがこの写真です。

少し汚れている部分があったので裁断時によけたことではぎれの更なる残布となっています。

40cm余ったこちらからは、名刺入れを3つの折りたたみ式構造で製作しました。

裏地付きであり裏地もこの柄ではぎれを使い切りました。

正絹は、多くが和テイスト満載の柄です。

それもとことん日本風で素敵なのですが、こういった洋の要素のあるお花が描かれている柄は、インテリア使いの中ではより用途が広がります。

洋の要素は現代の洋風なお部屋の作りそのものにマッチするので親しみやすいと感じるのでしょう。

あとがき

材料の生地探しは、まるでどこかの世界に入り込んだかのように没頭する時間です。

まだ出来上がっていない材料である状態だからこそ夢が膨らみますし、この時こそ是非楽しんでいただきたいと思うのです。

洋服も同じようには考えられるのですが、「着物」であることの良さというのは、ほぼ日本製で見つかることです。

洋服は、もう新しい時代の産物で、海外調達の生地も多く、きちんとした生地の織られ方や緻密な構造は着物ならでは。

つまりレベルとしてはハイレベルなのが着物のはぎれです。

どこかにまだ眠っている古着物。

もしかして、過去に成人式に着たままの眠った素材、そして、もっと昔に昭和の時代に着た、子供用の着物や浴衣が実家などの箪笥の奥に眠っているのかもしれません(^-^)。

<パッチワーク企画⑧>黒系にカラーコントラストが入った楽しみ方ができる、前後2面の表情の違いで背負い方を使い分けられるナップサック【1187】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在<パッチワーク企画>と称しまして、パッチワーク生地で作ったナップサックを連続製作中。

全部で4点のナップサックが完成しますが、このたびは2点目の完成品をご覧いただけます。

表地も裏地も共にパッチワーク、どんな並べ方をするのかという前段階の部分こそ非常に大変でした。

【1178】では1点目の完成品がご覧になれますので、もしよろしければお立ち寄りどうぞ。

このたびの2点目の特徴は1点目と同じ黒系ながら、モノトーン色のみでまとまった1点目に対しては、カラーが差し色に入ってくる点が違います。

そして、もう1つの特徴は、初の試みである「後付けポケット」を取り付けたことであり、これはとんだ「ミス」から生まれた考案でした。

ナップサックに吊り下げ式ポケットを設置、邪魔にならないスタイリッシュな仕上がりは巾着ホールの位置

バッグの内側のポケット:取り付けは巾着紐ホールのステッチに重ね、返し縫いで留めました。更に縦にも固定。
できるだけ余計な縫い目は見えない方が良いと巾着ホールのステッチに沿ったのですが。。
しっかりハギ目を合わせてステッチしなかったために、縦が左にずれてしまいました。待ち針するべきでした。

細かい部分ですが、ピッタリ表地と裏地を合わせてステッチをかけるべきでした。

そこは反省と学びです。

2点目のナップサック完成:縦30cmx横35/49cmxマチ15cm。
こちらを背中に見せる使い方もOK。
横顔。この両面使いタイプこそ横顔が素敵に映ることも特徴。そこに置いているだけでも見応えが生まれます。

せっかく両面使いが違う雰囲気で楽しめるナップサックですので、使用していない時にポンと何気なく置いているだけの様子が素敵であるというシーンもあるということを意識すると良いです。

ナップサックは昔からあるアイテムで学生時代のサブバッグにもみんなが共通に使っていた記憶があります。

キューットひもをしぼることで、入り口を開閉する役割と同時に、そのままひもがショルダーになるという、なんという無駄のない機能であることかと先人のアイデアに感嘆。

このシンプルで無駄のない必要最低限さこそがクラシックであり瀟洒なモデルなのではないかと。

あとがき

この<パッチワーク企画>でナップサックを作って行くことの意義の1つとしては、材料の調達が新品の生地ではなく、はぎれであるところに非常に意味があるということです。

確かに新品の生地だと、スムーズに短い時間で仕上がっていく簡単なアイテムです。

このはぎれの場合、パッチワークであることで日数をかけていき、過去の使用済の生地の余りの部分を見ることで、一度取り扱った経験があるその思い出のようなものがふんわり浮かんでくるのです。

しかもその生地がバラバラでたくさんのストーリーが詰まって1点になっているという構造こそが深いのです。

ここまでして時間をかけてでも作るのかどうかの手間のかかる選択は他にもあるでしょう、そんな時に思い浮かべたいのは、他ならぬ「製作の背景」です(^-^)。