正面の10個のボタンが当時の流行をにおわせる、今後の新しい着方をしていくためのロングワンピースの飾りボタンの撤去【552】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ファッションというものが長い間、流行が基盤になって成り立つものであり続けてきました。

すべてではないですが、多くが余分な数の洋服を作り大量生産でした。

余分な数を作らねば成り立たない元々の事業モデルで活動し続けてきたのです。

実際そのたくさんの生産が、たくさんの購買とうまくマッチしていた時代は良かったのですが、ここ近年激しくそのバランスが崩れていきました。

たくさん作ってもたくさん購買してもらえなくなったということです。

たくさん生産する労働の裏の場面に過酷な状況下でリスクを背負う方達にスポットが当たり、サスティナビリティ(永久持続性)ということが重視されてきたことも相まって、製造の裏側の悪質さも浮き彫りになって批判され始めます。

そうして、近年、過剰在庫の洋服の対策に悩むようになり、今までのように過剰生産のままやってきた事業がいよいよ難しくなってきたわけです。

今後の新しい洋服は、本当の意味で、正当で優しい商品が求められます。

このたびは、一人一人の個人がお洋服の購入に対してきちんと責任を持ち、本当に自分が求める自分表現の1つである重要なお洋服の買い物が無駄のないよう、コスパの良い入手ができるための1つのご提案として「古着のリフォーム」をお伝えしたいと思います。

「昭和時代の流行を取り除く」という比較的簡単にできるワンピースの飾りボタンの取り外しリフォーム

新しく作られた商品よりも、古い素敵な商品に目を向けてみます。

こちらは、古き良き昔のワンピース。

かつてのオートクチュールブランド様らしい、きちんとしたお仕立ての「ハナエモリ」ブランドのワンピースです。

BOUTIQIE HANAE MORI」とネームに記載のあるワンピース:黒x白の水玉ロング。

生地がジョーゼットのようです。とても高級感があります。

このアイテムはもともとはそれほど流行を思いっきり出したようなデザインではないとは思いますが、少しはあります。

肩パットのボリューム感、メンズの軍服から受け継いだような胸のトラッドなボタンデザイン、センターにひだが入るスカート、ウエスト部分の三角の切り替えなど。

この中で今後活かすもの・取り除くものの別を判断。

もともとのデザインを活かすのも忘れずに、必要な部分のみということです。

私が凝ったリフォームができないこともあり、肩パットを取り外すことと、胸のボタンをすべて取り外すということをしました。

肩パットは、しっかり縫い付けるものではないので、すぐに外せます。リッパーという道具を使います。

はさみはよくないです。はさみの刃が早くダメになること、間違えてカットしてしまうリスクからです。

リッパーで優しく手縫いされた糸を外せばすぐに取れます。

一部の商品で、ミシンもかけてあるのもありますが、それも一部です。全体に縫い付けてあるものはないですので、簡単です。

ボタンを外す:お仕立てが非常によくて、ボタンの付け根部分もしっかりと糸を巻き付けてあります。
リッパーを動かすなどして無理のないように糸部分のみを削ぎ取ります。

前後にリッパーの刃を動かすとだんだん糸が切れてきます。

一気にやろうとするのは禁物、生地に負担ですし乱暴です。

こうして10個の正面ボタンをすべて外しました。
ボタンを取り外した時の糸くず。この糸くずのボリューム感でもお仕立ての良さがうかがえます。
after:こんな感じにすっきりとしました。ある意味クセがなくなったと言えます。

いろんな場面で使える言葉ですが、このafetrの状態をbeforeに対しては、「垢が抜けた」「粋になった」と言えるでしょう。

どうにでもアレンジしやすいお品になったとも考えられるのです。

残した効果があったボタン:外さなかった袖のボタンは結果アクセントになったようで〇。
左:before/右:after:着こなし幅が広がるのはやはり右側かと思っています。

最初から、流行のあまり入っていないものというのを選ぶのも今後長く着ていけることの1つとしてあるかと思います。

流行が多く入るとその分リフォーム箇所も増えて姿が大きく変わりますので、そのリフォーム技術が必要であることと手間がかかりすぎて時にコストが増大してしまうのです。

今回は、誰でもできそうなプチリフォーム例、お洋服を見る時に、ある部分を除外すれば着用しやすくなるなどをイメージされることをお勧めしたいと思います。

あとがき

おそらくこのワンピースはかなり古い物だと思います。

現在の30年前というのが1991年。

もっともっと前のものではないかと。。

見つけた古着の形がどの時代の物かを予測するのも楽しいです。

そのような図鑑があったらとてもありがたいですけど。。

リフォームする箇所については、そのデザインが残っている方がかえって今後の新しい着方ができそうなら残す方向へ。

新しい着方を妨げるようなクセがあり過ぎるのならリフォームへ。

このような判断が現実的であり、的を得た相応しいリフォームをすることにつながると思っております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

遊び心を持って段差重ね付け、コーデの成功を勝ち取る可能性たっぷりな茎と葉っぱ付きの細長フォルムのプチペンダントトップ【549】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジュエリーの中でフラワーモチーフは非常に豊富です。

豊富であるのにどれを見てもそれぞれ違うように見えるのが楽しくて仕方がありません。

ストーンが真ん中と周りに5-6個配置された小花のモチーフがクラシックです。

ストーンの違いだけでもそれぞれの可愛さがあるので、コレクションしたくなります。

1粒ずつの花びらが、それぞれ地金で台が設置される作りですので小さくても手間がかけられているのです。

こうしてたくさんのマルチカラーのお花モチーフを見てきたところで、1点斬新な小さなフラワーペンダントトップに出会いました。

ストーンはダイヤモンドのみが使われてシンプル、そして茎と葉っぱもちゃんとある細長い一輪のお花デザインなのです。

このたびは、こちらのペンダントトップをご紹介しながら、どんな風にこの後付けていくのが素敵なのかの可能性を考えていきたいと思います。

茎や葉っぱもデザインされていることで縦長になっていることを重ね付けで活かす

ユニークなペンダントトップです。

とても小さいのですが、茎と葉がちゃんと形作られ、台がしっかり設置された作りです。

K18WG台にダイヤモンドのフラワーと茎と葉です。なかなか技(わざ)が細かい作り。全長2cm程です。

プチサイズなわりに、バチカンがちゃんとしてはいるのですがやや狭いのでチェーンがやはり華奢なものに限定されていきます。

もし、ボリュームが欲しい場合はバチカンに丸カンを通してアレンジします、

一度そのまま通るようなダルマ板の小さめの華奢なチェーンを通してみましたが平凡に感じました。

よって、1点だけでペンダントで付ける目的とすれば、チェーンにボリュームやデザイン性をある程度入れていくと良いと思ったのが1個付の場合の想像です。

一方、重ね付けも楽しいもので、茎と葉っぱ付きのペンダントなのですから、段差の重ね付けの下側で長めのチェーンを通すということです。

相方のショートの方はこちらと対照的に1粒物のトップが合いやすいと思います。

イラストでイメージしてみます。

下段の長い方にはこの度のトップを、上段の短い方にはこのモチーフ寄りボリュームが無い丸型の1粒を。

バランスを考えたこのような感じに上下で重ね付けの案です。

その他は、1本のチェーンに左右に並べる手もあります。

その他、ロングネックレスのあずきチェーンやラウンドチェーンの隙間部分をフックに、チャームとして付けるというアレンジがあります。

にぎやかにするためには、その他のパーツももっとたくさん必要になりますので、上下の重ね付けが一番アレンジしやすいです。

あとがき

上述でもお話致しましたお花という1つのモチーフでも、様々なお花があることがジュエリーの楽しさです。

すべてのジュエリーをお花だけでコレクションすることも可能だと思います。

小粒アイテムや小さいサイズはこうして遊び心を持って自分の裁量で組み合わせを考えていく楽しさがある一方難易度があるということです。

とは言え、特に決まりはないのです。

自由なのだということに喜び、そのアイテムそれぞれがちゃんと引き立つような結果に出来上がれば正解なのではないでしょうか。

フラワーモチーフはどのみち一癖あるモチーフですので、ハートや星などと共に悩む形だということをあらかじめ分かっていれば良いのです。

組み合わせの相手は喧嘩しないようそれに馴染む普遍的なフォルムであると良いコンビになるのです(^-^)。

プチペンダントの価値の高め方、重ね付けやチャーム使いのアレンジで複数で立体感を出す方法【548】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

とっても小さなアクアマリンのプチペンダントトップをご紹介したいと思います。

小さいのに、台がしっかりしているところがとても良いです。

ジュエリーの装い方のコスパの高め方の1つとして、着回しならぬ「付け回し」があります。

プチペンダント1点だけでは普遍的である所から発展し、目線を重視して、コーデの完成の状態でどう映るのかを考えていくところがポイントです。

プチサイズなりに良き出番があり、役割があるということになります。

まずはプチペンダントそのものの作りの良さを重視、そこからプチペンダントを主役にしながら他のネックレスと重ねる

スクエアであること、台が分厚いこと、バチカンも立派なアクアマリンのプチペンダントトップです。

この良き作りがあってこそ、プチペンダントとしてこちらが選ばれました。

貧弱なプチペンダントでは意味が無いのです。

小さいながらも「凛とした姿」を持ち備えた1点をまずは選びすぐります。

縦は1cm未満のアクアマリンのプチペンダントトップ。小さいながらバチカンや台(K18WG)が立派。

取り入れやすいアイデアは、重ね付けです。

では、重ね付けの例を3つ図解と写真の例を交えながらご紹介してまいります。

①ペンダント+ペンダント:アクアマリンをショート丈、長い方には同じスクエアモチーフの別デザインを配置。

これは比較的思い浮かぶペンダント同士の重ね付けの段差の方法です。

線が2段になることで外を颯爽と歩くその姿にチェーンがはずみ、立体感が演出できます。

とりあえず、基本的には四角いモチーフという共通要素を持ったデザイン同士合わせるというのがすっきりと粋(いき)になるかと思います。

ただ発展的には、面白く遊び心を持って、星やハートのモチーフをあえて重ねるという手もあります。

この時に注意したいのは、いかにも「手持ちの中からこれらを出し尽くした感」として見る人に解釈されないことです。

そうすると、かえって四角モチーフ同士の方が「豊富」なイメージなのです。

モチーフの形が違っても「類似」という共通点によって「豊富さ」も実現できます↓。

形は違ってもサイズのバランスとチェーンがお揃いで調整されています。

サイズに優劣の差が無いことが功を奏しました。

②ペンダント+チェーンネックレス:チェーンがやや引き立て役になってペンダントが目立ちます。

地金は同じでも違っても良いでしょう。

③チェーンネックレス+ペンダント:2つ目と反対の位置付け。

チェーンネックレスとペンダントの間を思い切って差を付けるとより立体感がはっきりします。

「空間も装いの1つなのだ」ということを大いに学べます。

反対に、チェーンネックレスとペンダントの差がほとんどない場合2本のチェーンが重なって線が太く映ります。

チェーンネックレスとペンダントの段差がわずかの場合。これも素敵です。ボールチェーンモチーフが共通。

実際に鏡に当てて見たり、客観的に友人に意見を聞くなど、これだけにとどまらず、自分なりの結果をつかむ実験をいろいろ体験して新しい発見をしてみて下さいませ。

以前おしゃれさんの写真を拝見した時に、段差がかなりある場合に遠目の立体感を強く感じました。

遠目から見た装いは、光に隠れほとんんど誰なのかさえ分からない時でも、ジュエリーの線は影として結構鮮明に映ることがあります。

それくらいネックレスの存在というのは見た目に強く影響するということなのです。

あとがき

少し余談なのですが、過去にこのような組み合わせをしたことがあります。

実はこのネックレスどれも別々であり、ネックレスx3点とペンダント1点の合計4点。段差のバランスが均等。

ここまでに重ね付けの数が増えると正面が華やかにできます。

チェーンネックレスの長さは、60cm+70cm+80cm。

10cmの違いは、ネックレスでは半分ですので、5cmが間隔の大きさです。

お洋服がシンプル過ぎたり、ややカジュアルに寄った服装でお出かけする場合に、ジュエリーの重ね付けの効果で「お出かけ用」の装いになるポテンシャルを感じていただけたでしょうか(^-^)。

地球上にある5,000種類以上の「鉱物」はそれぞれの成分の違いで10種に分類されるというマクロな見方【547】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

天然石が、宝石のペンダント、ブレスレット、リングになってしまうと、もはやその後はファッション的な装いの世界が重視されがちです。

けれども、その1つ1つのお品になる前の鉱物の姿では、ある区別が成分によって大きくグループに分かれていたのです。

このたびは、そのグループに分類する成分中心の鉱物の分類ということを、本「鉱物の博物学-地球をつくる鉱物たち-:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」から学びました。

到底すべてを把握することなど困難な多種の鉱物が大きく括られるということは地球を理解するうえでも重要なヒントになるかもしれないのです。

宝石がお好きであれば、その源の原材料である鉱物の中のその宝石の存在を俯瞰して見ることで、「なぜそのストーンに惹かれたのか」の謎さえも解明できるきっかけになるかもしれません。

鉱物の成分から見た分類の10種類を学ぶ

まず、【543】の時にお作りしました表を今一度見ます。

この表の中で、<成分>のところにご注目。ジェダイトとネフライトは同じなのです。

その一種の細かい部分が少し違うようなのですが、到底私がわかるものではありません。

天然石の源である「鉱物」には成分の違いにより分類があります。

5,000種を上回る鉱物が少ない数の分類で分けられることは、多数を俯瞰して見る上で非常にありがたいことだと思いました。

ほとんど有名なストーンしか記載させていただいておりませんが、〇〇鉱物という名前になっているのです。

下から2段目に、ジェダイト、ネフライトが共に属する「ケイ酸塩鉱物」という名前で、リストアップがあります。

それ以上の細かな分類がないので、やはりいずれも同じような成分であると言えます。

ちなみに、ダイヤモンドは一番上。

ダイヤモンドの場合は、主成分が単一の元素である鉱物。

「鉱物の博物学-地球をつくる鉱物たち-:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」 によりますと、「翡翠が属する、「珪酸塩鉱物」は、結晶構造の基本的要素として、ケイ素(Si)を中心とした正四面多体の各頂点に酸素(O)を配したSiO4四面体を持つことが特徴。」とあります。

成分を学校の化学の授業のように、記号で示していくのですね。

ところで、この有名なお話は伝説としてジュエリー界隈ではよくピックアップがあります。

「ある国で、王冠の天然石がルビーと思っていたら実はスピネルだった」というお話です。

同じ鉱物の分類に属していることがまずは類似の原因です。

そう考えると、ジェダイトとネフライトも簡単に違いが分かるものではないということです。

あとがき

どちらとも天然の良質な翡翠であるにもかかわらずその違いが分かりにくい「ジェダイト」と「ネフライト」の違いの区別を調べる中でこうした鉱物全体の成分の別という見方をするきっかけをいただきました。

宝石は「人の叡智」によってお店で並ぶ美しい姿になっている部分が大きく、それ以前の「鉱物」の姿というものにスポットがなかなか当たりにくいです。

そうはいっても、その美しさの本当の源は地球から顔を出したその天然の姿のおかげであることからのスタートであることは間違いないです。

その後、人間のアイデアが盛り込まれ、より美しく手を加えられるわけであり、神秘的な姿である最初の川上の段階も大切にしたいと思います。

ジュエリーを新しく手にした際には是非そのストーンのルーツや起源の様子をイメージしながらネットでググったり、図鑑でカラー写真を目で見て現物と見比べるなど少し調べものをされることをお勧めしたいと思います。

きっとお手持ちのジュエリーに対する向き合い方も変わってくると思います(^-^)。

モース硬度は硬さの度合いでありストーン自体の強靭性とは別物、硬くても割れることがあることを心する【546】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こちらは【546】の記事ですが、少し前の【543】の記事で、翡翠(ジェイド)の硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)の見分けが簡単ではないということを書きました。

そのことにも関連する今回の話題は「モース硬度」。

このモース硬度の違いでジェダイト(硬玉翡翠:こうぎょくひすい)なのかネフライト(軟玉翡翠:なんぎょくひすい)なのかを見分ける判断材料とするようです。

ジェダイトとネフライトのモース硬度を見てみると、その違いもそれほど大きなものではないことから、判別の難しさがあるのだと改めて感じます。

ジェダイトとネフライトの区別はこの度の記事ではポイントではございませんので、鉱物全般においてのモース硬度という見方で見てまいりたいと思います。

「鉱物の博物学:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」からの学びとなります。

ありがとうございます。

モース硬度は10段階、数が大きいダイヤモンドは最高レベル

この、2種のジェダイトとネフライトの違いの中で、下から2段目にモース硬度というのがあります。

記事の【543】の時の表です。

あえて数字は載せていないのですが、ジェダイトはネフライトよりやや値が大きいということなのです。

そして、このたびの表は、こちらをご覧いただきます。

1-10までのモース硬度:ほとんど中間を省略致しました。キズの付き具合の事ばかりがずらりと並びます。

ジェダイトとネフライトは、モース硬度は6-7の間。

その間のわずかな違いを見るということになりますので、この図からいかに狭い範囲内でその差を調べることになるかがうかがえます。

硬度と強靭性は同じではないという見方、翡翠はダイヤモンドに勝る強靭性を持つのだ

前述のように、モース硬度のダントツ1位はダイヤモンド。

しかし、「強靭さ」でいうと、ダイヤモンドよりも翡翠が勝るのです。

「強さ」というざっくりとした見方であると、モース硬度も1つの材料であるということです。

モース硬度だけで全体の強さを測るというのもやや偏った見方なのです。

あとがき

モース硬度は、あくまで硬さであって、いろんな衝撃に耐えうる強靭性とは別物です。

そのものの硬さということになります。

強靭性でいうと、翡翠が1位になるようで、強い石は?などと聞かれると、翡翠が正解になるのかもしれません。

ダイヤモンドは硬さはあるけれど、ある割れやすい面に当たると、時折翡翠よりも簡単に砕かれるようですので、この硬度という言葉を慎重に使わねばなりません。

このたびの「モース硬度」、是非宝石ご購入の際の店員様との会話の中に盛り込んでみて下さいませ(^-^)。

古き良き年代物の珊瑚のジュエリーを選ぶにあたって、まずは珊瑚とは何者なのかを知る【545】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年珊瑚は希少。

今後の新しいジュエリーに珊瑚が使われることすらなくなっていくと思っております。

もしかして伝説になるかもしれない珊瑚については、年代物ジュエリーの中では時々見つけることがあります。

そこで、珊瑚について、どんな「天然物」なのかということを今回はご紹介したいと思います。

あえて「天然物」と記し、「天然石」という呼び方をしなかった理由も併せて分かっていただけることになります。

珊瑚はストーンではないのです。

「動物」という意外、「植物」のようでもあり「鉱物」のようでもある特殊な珊瑚の存在

珊瑚は「刺胞動物(しほうどうぶつ)」の一種となっていまして、クラゲ、イソギンチャクなどが同じ部類の仲間です。

突起状のパーツが特徴です。

あの突起は人間でいう目や耳や味などの感触を得る大事なパーツなのです。

炭酸カルシウムを含む「霰石(あられいし)」というものでできた骨格を形成し、木の枝のようになって珊瑚になっていく。

この「霰石(あられいし)」というのは、「アラゴナイト」と呼ばれる「炭酸塩鉱物」というものの一種。

そうすると、珊瑚は鉱物のような性質も一部基盤に持っているということで、その上木の幹のように枝を広げた植物のようでもあるようなミックスされた特殊な「生き物」だと思えます。

天然石は通常鉱物にイコールなのですが、珊瑚はその点特殊なのです。

海の生物なので、鉱物とはもとは違う部類のはずなのですが、鉱物の性質も感じられるという不思議。

以前記事でご紹介したことがあったのですが、地球上には3つの物があるということ。

「動物」「植物」「鉱物」の3つです。

いかに「鉱物」の存在がたいそうなものであるのかということをお伝えしました。

このたびの珊瑚は、どれともとれるような、ミックスされたような感じがするものの、一応は、「刺胞動物」ということなので「動物」に分類さるのです。

けれども、宝石になっている事実があるわけでして、天然シェル(貝)、天然樹脂の琥珀や鼈甲などと同じように別格な存在であると言えます。

宝石になっていく珊瑚というのは、海の中ではこちらもさらに別格のようで、「貴重サンゴ」という呼ばれ方をしているようです。

深海に存在し、「造形珊瑚」と呼ばれる白い珊瑚とも違う種類とのこと。

珊瑚のどれもが宝石になれるわけではないところに、宝石の定義としての「希少さ」を思い浮かべることができるのです。

あとがき

あまり身近で見るものではないイメージが湧きにくい素材です。

海に潜るダイバー様達はおそらく海でゆらりとゆれる珊瑚を目にされたことがあるのでしょう。

とにかく、赤色もピンク色もどちらにしても希少価値はあるみたいです。

珊瑚を自然界の中での位置付けのような視点でこのたびは見てみました。

もうこの先珊瑚のジュエリーが簡単に手に届くものではないことが予想できます。

古物物の中からより良質な珊瑚を見つけていくその見方などをもっと研究して良き差し色の赤い色の珊瑚などを取り入れてみたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

手作りの淡水真珠のスクエア編み込みトップが素敵、同じ淡水真珠チェーンに通したペンダントから展開するあこやへの挑戦状【583】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の淡水真珠は古物の淡水真珠と違い形が整ってきています。

技術の改良の成果だと見られます。

淡水真珠の連物をつなげてネックレスやブレスを作って収集していた2010年代前半のこと。

淡水真珠の親しみやすさにとても好感を持つようになっていきました。

確かにあこや真珠は真ん丸で形が整っていますが、あちらも人工的な手を加えた結果のラウンドフォルムなのです。

その技術の中身の労力やレベルに対する評価に依るところがあこやの価値を高めていることも大きいのではないかと思えます。

ということで、このたびは、かつては「あこや」にこだわって多くのあこや真珠コーデを楽しんできたこともあるにもかかわらず、淡水真珠がここまで素敵になるのだというすごさをご紹介したいと思います。

きっかけは、ある天然石売り場でした。

店員さんが編み込んで作っておられたスクエアモチーフをペンダントトップへアレンジ

とてもうらやましいような技術の「編み込み」。

1連に繋げることしか技術を持っていませんが、立体的に造形できる技術がある方は製作の幅も広がります。

天然石売り場で店員さんがスクエアの編み込みの淡水真珠モチーフを作っておられました↓。

〇ネックれレス:淡水真珠のトップは20mmx20mm。50cm。シルバークラスプ。バチカンはステンレス製。

隙間へステンレス製の丸カン(正式には、二重リングをカットして一重にしたもの)を通します。

ステンレス製のメリットは、シルバー925よりもうんと線径が細くても丈夫な点。

よって、狭いすき間にも無理なく入り込めるのです。

せっかく店員さんが作ったトップをこうしてアレンジできました。

淡水真珠は淡水真珠同士組み合わせていきました。

そして、ペンダント、編み込みブレス、リング(これだけはあこや)と組み合わせたセットが出来上がりました。

3点セット:ブレスも淡水の編み込みです。リングはシルバー925のあこや。イギリス製のセミオーダーメイド品。

希少価値があこやよりはるかに劣ると見られている淡水真珠ならではの贅沢な密集具合。

編み込みしてたくさん集まる「白の世界」は大変エレガントです。

〇ブレスレット:淡水パール6mm程度のラウンド型。巾20mm程。デイジーのシルバークラスプ。

ブレスレットもただ一連でつなげたよりもはるかに豪華です。

こちらも編み込みの技術によって素敵に作られた幅広ブレスです。

クラスプの素材がメッキのちゃんとしたものではなかった当初、1点の品物の細部にわたるレベルアップをするために、リフォーム屋様へ正式なシルバークラスプへ付け替えを依頼。

とても良い品物になりました。

〇リング:シルバー925台の3粒の4mm程度のあこや真珠が深めに埋め込まれたイギリスの老舗メーカ製。16号。

私は、このデザインを見て非常に感動致しました。

まるで大切な巣の中で卵を包み込むように守るようなイメージで大切に3個のあこやが埋め込まれているデザインに対してです。

突出していない分、破損やキズも付きにくくなっているのです。

あとがき

真珠は、一番好きな天然石というほどのアイテムでした。

天然石という呼び方は正確ではなく、真珠はストーンではない海の生物の「貝」なので特別な存在です。

それでも数々の宝石と肩を並べてきた過去があったのですが、実際のレンタルジュエリー事業では全く手ごたえがありませんでした。

そうして、2023年をもって真珠を完全廃止と決めました。

あの希少で高価な「南洋真珠」も廃止です。

そうして、「宝石+地金」だけのレンタルジュエリーへと大きく変わりました。

これで良いと思っております。

すべてがユーザー様のフィードバックから感じ取ったことですので、間違いないと思います。

ただ、そうして多くの人が見放していく「真珠」に対して、反対に高まる希少価値がまた新たに生まれると思います。

高価だとか採取しにくいといった希少価値ではなく「ニッチ」な価値としてです。

ここから私がお伝えしていけることは、ただ1つの手持ちの真珠ジュエリーの装い方の新しい発見をこうして投稿でお伝えしていくことですね(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

ビッグハートに夢託す、ライスパールでもこんなにエレガントになる淡水真珠中心の3点セットコーデ【567】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の淡水真珠の目覚ましい技術力アップにより、かつてのライスパールでは考えられないような整然とした粒ぞろいが実現されています。

ライスパールは淡水真珠に属し、あこやよりもどちらかというと普遍的な種類だというイメージがあるかもしれません。

いやいや、ライスパールこそ親しみやすさと高級感の良きバランスを作る素晴らしい真珠であることをこの度お伝えしたいと思います。

これがライスパールでできているのかと目を疑うような美しいハート型ペンダントとその仲間たち

確かに宝石として考えると、あこやのレベルに淡水真珠が及ぶことがないという風潮ではあるのですが、もっとフラットに見てみると、お好みにより十分淡水真珠も美しく整っていると思えます。

3点セット:リングのみベビーあこや、それ以外はすべてライスパール。
〇ペンダント:ハートのサイズは、縦25mmx横30mm。チョーカータイプの36cm。

このチョーカータイプにしてある理由がありまして、軽いライスパールが中身のテグス(釣り糸)に負けて保存時にたたんだ際にウエーブのクセが付いてしまうことの解消策です。

これが36cmという首にフィットのチョーカーであることによって、ウエーブが付いてしまったとしても支障がないのが首にフィットするサイズ感なのです。

そうしてまで工夫をあれこれ考えて、ライスパールの多重チェーンを実現しました。

古物でよく見られる多重ライスパールネックレスはペンダントトップは付いていませんし、昭和のライスパールは年代的に技術発展前のいびつな形、そしてつなげてあるのは切れやすい糸です。

ただ糸であることで融通があり、テグスのような跡が付く問題は無いのですが、いつ何時切れてバラバラとパールが地面に落ちるかわからないリスクを背負います。

そういった心配がないような仕立てに作った新しい形がビッグハートペンダントでした。

〇ブレスレット:3連ブレス。チェーンとライスパールの珠が同類。薔薇の彫りのシルバークラスプ。
〇リング:K14WG台のベビーあこや真珠4mm珠が5つの一連リング。サイズは13号。

特にご年齢関係なく、かわいく装えるセットです。

何でもない無地ワンピースであってもこのセットをポンと当てはめれば、立派なお出かけの装いに生まれ変われます。

これが白い真珠のすごみです。

あとがき

その後の事ですが、当「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップからは、真珠が全面廃止になったのが2023年のこと。

真珠自体がお手入れが困難なことで消耗してしまうアイテムだという18金やプラチナとの優劣が起きる理由から思い切ってすべて廃止しました。

地金+あこやの組み合わせのジュエリータイプもとにかく真珠が使われているものは廃止です。

ただ、真珠自体は、個人的に好む素材でして、レンタルジュエリーとしてはほとんど受け入れられなかった真珠を自分使いでご利用させていただきながら、その着用例などを発信しようと使わせていただいております。

ジュエリーが、「宝石+地金」であるということを改めて実感したのも、こうした連物の1つである真珠ジュエリーに18金などの高級地金が使われていないところにあると思います。

この事業者好みと実際のお客様からの手ごたえのギャップも同時に実感しております。

事業者は自分の好みだけでラインナップを作るということの限界です。

当初集めていたコレクションそのままからのスタートですので、より現実的にこのことを感じています。

まず最初にドロップアウトしたのが、シルバー925だけのセットでした。

その次に連物だけのセットです。

たとえ留め具が18金であっても、金属の割合が少ない連物は受け入れられませんでした。

とは言え、こういったことが改良のきっかけであり発展するためのフィードバックだったと思っております。

そうして、2023年に「宝石+地金=ジュエリー」が完全に実現されました。

今後は、更に1点ずつのボリュームを見直しレベルアップをはかっていく、地金と宝石だけでできたものが勢揃いのラインナップになります。

「本物志向のレンタルジュエリー」どうぞよろしくお願いします(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

翡翠のあの特徴あるグリーン色は元は無色、どんな物質が入るとあの色になるのか【544】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて幼少の頃、おばあちゃんが指にはめていたグリーンの指輪。

楕円形のエレガントな形をしていた記憶、おそらく「翡翠」であったと思います。

昭和時代には年配の女性は翡翠を愛で、装飾品として実際に身に付けていたことがあったのです。

現在翡翠の存在は、どちらかというとお洋服に溶け込むような日常使いではなく、年代物として箪笥の奥で先祖の形見とか、遺留品として眠ったままであることも多いでしょう。

真ん丸の珠をつなげたネックレスや18金の枠に覆われたリングがイメージしやすい王道の翡翠。

このイメージのグリーンの実際のカラーの作られ方についてこのたびは深堀り致しました。

このグリーン色、葉っぱのような色をしていますが、全く無関係で、鉱物に色が付いていく自然界では、カラーの正体は「物質」「不純物」であることがほとんどなのです。

では、そのグリーン色の本当の正体をお伝えしたいと思います。

翡翠の色のマルチカラー展開は混じる「成分」の違いにあり

翡翠のグリーン色の正体は「鉄など」です。グレーではなくグリーンというのが興味深いです。

結論を先にお伝えしますと、あのグリーン色は「鉄など」が正体です。

もともと、翡翠は「ヒスイ輝石(きせき)」という鉱物で、無色透明。

どのような天然石も生粋のオリジナルというのは無色透明であることが多いです。

そこへ、結晶化していく途中の段階で、「鉄」などが含まれることによるグリーン色だとのことです。

他の色では、ラベンダー翡翠と呼ばれるあの藤色は、「チタン」が入ります。

青色の翡翠もあります。

黒い翡翠は、「石墨(せきぼく)」という物質を多く含み、褐色や赤は「酸化鉄」がしみこむことで色が決まっていくのです。

翡翠のマルチカラーも自然の中での鉱物と他の物質との出会いが決めた「偶然と必然の入り混じり」の出来事だと言えます。

あとがき

翡翠がグリーンのイメージがありますのも、「鉄など」がしみこむ機会が多いということでしょう。

ところで、人気のパープルカラーが特徴の「ラベンダー翡翠」。

藤色といってもグレーに近いため、ある品物の中には発色を高めエレガントに寄せるために赤紫に色を変化させる「処理」なるものを施していることが多々あるようです。

色が付けてあってより良い雰囲気の赤紫になっているお品があるみたいなので、決してその美しさだけに騙されるのはよく注意せねばなりません。

参考の為、そうではない「無処理」の藤色のリングをここでアップしておきますので、ラベンダー翡翠を見極めるご参考にどうぞ↓。

ラベンダー翡翠:藤色の域を超えることが無いのが無着色の特徴。ものすごく曖昧ですがこれが正解です。

赤みにギリギリのところで寄らずに藤色をキープしています。

角度によってはグレーにも見えるのです。

これがラベンダー翡翠の良い物を見分ける私からのコツになります。

他のストーンでもこの考え方は引用できまして、「曖昧過ぎる」というところに「本来のカラー」というところがつながってくることが多いです。

「処理」を施した色というのは、「はっきり」しているからです。

やはり、知識が得られると良質な品物の中に混じるごまかされた品物を見抜くための引き出しになります。

鉱物の歴史が大きく変わることは無いので、昔の本や図鑑でもカラーの写真でその色の様子をよく記憶に残しておくことをお勧めしたいです。

何か違和感を感じた時の「あれ?」という感覚、これが大事です(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ジェダイト(レア)とネフライト(普遍的)の違いなど見た目で分かるわけが無い、だからこそ理論だけ覗いてみたらほとんど同じだった【543】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

翡翠は英語でjade(ジェイド)。

この言葉だけでは実は曖昧。

翡翠には2種あり、ジェダイト(硬玉翡翠:こうぎょくひすい)とネフライト(軟玉翡翠:なんぎょくひすい)に分かれています。

今回は、この2種の違いをどう見分けるのかというのがテーマです。

見分け方などというのはかなり専門の世界であり、それでも難しいようなのでなんとか分かりやすい違いの部分を私が学んだことからお伝えしようと致しました。

ただ結果的には、ほぼ同じという結末に。。

これは今後の課題かもしれません。

翡翠の2種を見分ける方法があるのかということです。

とりあえず、学んだ理論の部分をお伝えしたいと思いました。

成分の違いではなかなか理解が難しいのはほぼ同一だから

当初は、成分が随分違うのかと想像したのですが、調べてみるとどうやらもとは大きなくくりでは同じような成分のです。

ただ、掘り下げると、細かくは違いのある成分のようですが、それが見た目に現れるかというとそんなことはないようです。

この表の中で、珪酸塩鉱物の一種というのが共通した成分です。

けれどもそこから更にどの一種なのかがどうも違うようですが、結局よく分かりませんでした。

よって、別の違いを見ていくのが良いかと違いをリストアップ致しました。

違うと言われている以上、鉱物名は違うものであることは確かなのです。

これがいわゆる上の成分の細かな違いとやや連動していると思います。

そして、硬さの尺度であるモース硬度というもの。

これが、ジェダイトの方がやや値が大きいようです。

ただ、この2種を比べるとということで、その差はそんなに大きなものではないと見ました。

とても似ているのですね。

最後に、劈開面についてです。

劈開面というのは、本来割れ物のような石では必ず存在するもので、劈開面ができる理由としては、原子の結合部分の弱い部分が劈開面になるようです。

その角度が違うということみたいです。

割れてもいない2つを劈開面で分かるのかというのも現実的ではないです。

あとがき

結局、成分などで大きな違いが分かりにくいので、他の点の調べが重要になってくる見分けが難しい2種なのではないかと考えます。

ただ明らかにジェダイトとネフライトでは希少性の違いがあり、ジェダイトの方が高級なので、本来はその違いが天と地の差程あるべきだと思うのですが。。

美しく感じればこだわる必要はないのではないかと思います。

話は別の翡翠と類似のものへ移ります。

ネフライトの中の和田玉(ほーたんぎょく)というものが希少だと言われています。

産地は、中国とロシアの間の地域の新疆ウィグルあたりとのこと。

とてもロマンある地域。昔の世界史で出てくる「匈奴:きょうど」のあたりかな。。

そう考えると翡翠の仲間を、優劣付けるものなのかということさえ疑問なのですが。。