まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
2025年に入って最初の大仕事、100点余りのナップサック製作用の表地と裏地の生地を集め、接着芯貼りと裁断の作業を4か月程続けてまいりました。
とにかく正直な心持ちに従い、何度も何度も見直しや考え直しをして、やっとここ4月内でひと通り腑に落ちた表地と裏地の組み合わせの生地配分がまとまりそうです。
この生地集めの大きな特徴は、これまでのフローラルな柄を多く引用したところから、幾何柄を多用することへの変化を含みます。
さて、この美しい幾何学模様をたくさん見たこの数か月間の中でタイミング良く1冊の本に出会います。
「シンメトリー:デーヴィッドウェード 著/駒田曜 訳」を拝読。
所謂「対称性」を深堀りされた本です。

正に「幾何柄/幾何学模様」を目の前にしている今のピクチャレスクには、この本を手に取ることが必然だったかのようでした。
この本を通して、著者様が伝えたかったことは何なのか。。そんなところをこのたび自分なりに探ってみたいと思いました。
むしろ「シンメトリー:対称であること」が自然の本来の姿、「乱れ」から「整い」への良ききっかけになる可能性

まず驚いたことがあります。
「シンメトリー:対称性」は、人間が人工的にこそ生み出せるものであると考えていたこれまで。
自然界の様々な事象は、ちぐはぐに起こっているのであろうと考えていたことです。
実際は全くの真逆、むしろ自然界の本来の秩序こそ調和のとれた「シンメトリー」そのものの姿だったということなのです。
植物の枝葉の分かれ方、昆虫の構造、ハチの巣のあの多角形の配列の意味するもの。。様々な自然界の出来事すべてが秩序よく整えられたミニマムなものだったのでした。
「シンメトリー」が左右対称、「アシンメトリー」が左右非対称という目で見える範囲の部分を大きく超えた深い部分まで「シンメトリー」がこの地球上に存在しているのだと。
それこそ、生き物すべては自然と繋がり、生き物同士もすべてが紐付いているのだということ。
結局は万物はたった1つの集合体なのだということを言わんとしているのかもしれない。。そのように思えてなりませんでした。

「美しい」ということは、最も単純には「整っていること」とも語ることができます。
その「整い」1つにしても見た目から、「腹:はら」の部分までも整っていることこそ本当の美しさであるということになりませんか。
あとがき
対極の「アシンメトリー」に関しては、お洋服の例で言うと、こちらも非常にスタイリッシュで美しいもの。
「シンメトリー」である左右対称に対して、ファッションデザインではテーマでもある「破壊」という反対の姿である「アシンメトリー」は人間の考案である証らしさ。
反対に、自然のそのままの秩序をそのまま受け入れたような「パターン化」の美しい模様などの配列も冒頭の生地にも表されている幾何学模様のように人間の考案なのです(^-^)。
