まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
現在は大きく見た製作デザインというのが、ナップサック型です。
何といっても、巾着ひもがそのままショルダーになること、口が完全にきゅっと閉まることのセキュリティー性を備えた、昔懐かしながらの伝統的な素敵なモデルだと思います。
ナップサックと言えば。。という昭和時代のイメージの良い部分を継承しながら、新しい形で未来型のような方向へ持っていければと思っております。
決して私が両端から紐を引っ張ることで口が閉まるなどという物理的構造など閃かなかったと考えますと、昔の誰かがそれを考えてくれた。。そのことに敬意を払いながら良い形で利用させていただきたいと思うのです。
そのポイントである共布巾着ひもなのですが。。
これまでは150cmの型紙で1枚仕立てで作る一続きのものとして考案したのです。
ただ、ここには限界があり、150cmもの幅がある生地に限定されてしまうのです。
縦に裁断するという方法であれば無限なのですが、コスパが悪く、バッグ製作で縦に1.5mもの長さは必要ありません。
表地も裏地も同じ生地を利用するならあり得ますが、かえってそれも変なつまらない縛りや条件になってしまうのです。
よって、このたび、2枚ハギで作るということに考え直しイメージ図を作ってみたのです。
では、新しい2枚ハギの型紙で作った出来上がりの巾着ひもをご紹介したいと思います。
150cm幅の生地はレア過ぎる、狭い幅の生地にも対応した2枚ハギで作る共布巾着ひもの型紙への変更、選ぶ生地のポテンシャルが上がる
150cm巾の生地というと、カーテン地とかインテリア生地に多いのですが、大きな生地というくくりで見るとレアな幅なのです。
多くが、人気の綿/100%のプリント生地であったり、服地の多くも日本製であると巾は108-112cm辺りが多いのです。
確かに1枚一繋ぎは途切れ目がないので、「高級の証」という考え方があります。
しかし、現実的なことを考えると、150cm幅限定でこれを作る気持ちにならず、敬遠されることになるのです。
気に入った一番の生地があるのに、生地幅が不足しているために妥協したりあきらめなければなりません。
それを思うといたたまれません。
そこで、ある決断をしました。
意味のある2枚ハギであれば、それは、高級云々を上回る立派な哲学が入るのではないかと。
そして、もとは150cmであった1枚の型紙を80cmを2枚ハギ合わせで1本にする仕様へ変更しました↓。
早速この実験をしておりまして、結果はグッドでした。
巾着ひもがフルに開かれた時に、本体の一番長いてっぺんも十分に広がることができました。
ここで、2枚ハギの仕様が始動です。
真ん中でハギ目を作ったことの効果もありまして、両サイドの部分に来ますので、正面ではないというところが視界から遠ざかったということになるのです。
基本的には、可能であれば1枚一繋ぎが丈夫であるという理論です。
やむを得ずハギにしましたが、ハギは「強度が弱い」「不安」というイメージがあります。
それを、「大丈夫ですよ」と納得していただける工夫をしております。
まずは全面に接着芯を貼ること。
全面接着芯はpicturesque(ピクチャレスク)では当たり前になっているのですが、これが意外と生地そのままで作られているお品も多いのです。
ぱっと見は中身まで分かりませんので、手間が省かれる部分のようですが、触ってみたりしたそのハリコシ、その後の経年でその違いは明らかです。
そして、更なる工夫がこちら↓。
ただ、後の見直しで、このハギ目の両サイドステッチは無い方がハギ目が目立たないという判断へ。
その代わり、最初の地縫いを二重縫いにして見えない部分を丈夫くしたのです。
強度の強さをしっかり徹底しておけば、巾着の「わ」の構造によってもう1方のひもが外側を覆うので、ハギ目が隠れるという有難い構造もあります。
これで、1枚繋ぎにこだわる必要がないことをご理解いただけると思います。
このハギの方法で、本来一番大切な作業である、生地の選択というものを制限のない自由な選び方ができることになりました。
80cm以下の巾の生地というのはほとんどありませんので、この80cmの型紙は、ほぼすべての生地に対応できます。
自由を手に入れる喜びというものを感じます、是非心底お好みの生地を見つけて下さいませ。
あとがき
この型紙で作るナップサックの本体の容量は限られたものです。
非常に大きな旅行バッグに重さが10kgもある荷物を入れてのハギ目というのは、これまた強度の不安があります。
しかし、このたびご紹介のハギ目で作るバッグが、コンパクトなナップサックでありますので、その容量とのバランスも考えるとハギ目はあっても大丈夫という判断もありました。
もし、このハギ目の案を様々なケースに応用する場合には、支える重さがどのくらいが最大限であるかなどを考えるということも同時に補足したいと思います(^-^)。