まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
私が、記事でよく、「接着芯を貼ります」、「ソフト厚芯を入れます」、「ハード薄芯をボンドで貼ります」などを製作過程の一部として書いています。
これらは、すべて芯地ですが、どれもそれぞれその性質が大きく違うのです。
今回の記事は、私がお作りしているハンドメイドバッグの芯地の種類3種とその使い分けをどんな風にどんな場所に使い分けているのかを書きたいと思います。
接着芯(せっちゃくしん)
この接着芯は、基本の芯地としています。
バッグの材料の生地を裁断すると、すべてのパーツに貼るものです。
糊が付いていて、アイロンでくっつきます。
効果としては、生地の風合いが非常に良くなり、シャキッとするというか、生地にハリとコシが出ます。
ハード薄芯(うすじん)/ハード厚芯(あつじん)
先ほどの接着芯は、全部のパーツに貼るものでした。
ハード薄芯は、名前の通り、ハード(硬め)です。
つまり、しっかりとさせたい部分に貼ります。
ハード薄芯は、織芯ではなく不織布です。
先程の接着芯では使わない不織布とは厚みが変わりますので、この辺りの不織布はちゃんとしたものになります。
アイロンにも大丈夫です。
不織布のハードはツンツンとした硬さがあり、これを内蔵することで、良い効果を出します。
ハード薄芯は、本体には決まって貼ってきました。
もちろんベースに薄芯が貼ってある状態に加えてということです。
本体の前面後面の両方と、ファスナーの口布とか、側面パーツなどの大きなパーツに貼ります。
隠しポケットの当て芯にもこれをカットして使用しています。
ハード薄芯は、ハード厚芯に比べて、大幅に軽くて、バランスがとれています。
軽くて効果も出るとても良い性質を持っています。
一方ハード厚芯は、効果は絶大に出るけれど重くなりがちな点がせっかく布ならではの軽く持てるというメリットを阻害してしまいます。
ハード薄芯は前述のように、不織布の部類なので、接着糊がついていません。
よって、貼る時は、縫い代の部分にボンドを使います。
ここで、1つ私のエピソードなのですが、こんなにいろいろ使い分けずに、ハード接着芯が1つだけあれば最強じゃないかと思われるかもしれません。
以前に結構高級なハードな織物の生地みたいな接着芯を使っていたことがありましたが、お品が良いわりに重くてごわつきます。
そして、融通があまり効かなくて縫いにくく、綺麗に作れませんでした。
接着も相当な温度が必要で、大作業のわりに効果が出にくいのでもう使っていません。
これに比較すると、不織布のハードというのは、柔軟性があり布製のハンドメイドバッグ作りには向いているとの結論に至っています。
糊が付いていることが必ずしもすべてにおいて便利なわけではないということですね。
糊が付くとそれだけ高級品になりますので、そこまでの高価な材料を使った良き出来上りにはならなかったという結果が過去の経験です。
ソフト厚芯(あつじん)
これは、グレー色のふんわりしたものです。フェルト布に似ていますが、フェルト布に比べてやはりソフトとは言え、ツンとしています。
このソフトなのだけれどツンとしている感こそが重要な気がします。
このソフト厚芯は、バッグの取っ手にのみ使います。
アイロンで折って、薄芯をすでに貼ってあるパーツに挟み込むだけです。糊は必要ありません。
ソフト厚芯を入れ込むと、取っ手が素敵になります。
ふんわりとしていながらもスッと立ちます。
貫禄のあるお品が出来上がるための良き材料の1つであると言えます。
あとがき
今回は、私が現在バッグ製作に使ってきた3種の芯地の使い分けや効果をご紹介致しました。
それぞれの役割がどれも重要であり、複数の使い分けは一見複雑なようですが自然とこういった複数使いに至っただけです。
金銭をかけたものが高級にできあがるかというとそうではないことが、途中でご紹介しましたハードなタイプの接着芯の取り扱いをやめたエピソードで分かります。
このことから、「材料」ということで考える、表地の高級さのことも同じことが言えるのではないかと考えます。
よほど特徴ある素敵な生地がたまたま高価であったことは結果に過ぎません。
しかし、実際に値段の高い高生地でハンドメイドバッグを作ることで完成品が必ず高級感が出るとは限らないのです。
「生地が高級であること」と「高級感があること」ということを天秤にかけています。
これは今後も研究していく大切なことです。
とにかく、どのような生地であってもその作りは平等であるこれまでのスタイルで製作していきます。
そんな中で、上述の2つの天秤の答えが見つかるかもしれません(^-^)。